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バルプロ酸Na徐放顆粒40%「フジナガ」

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効能・効果/用法・用量 

効能・効果

  • ○各種てんかん(小発作・焦点発作・精神運動発作ならびに混合発作)およびてんかんに伴う性格行動障害(不機嫌・易怒性等)の治療。
  • ○躁病および躁うつ病の躁状態の治療。
  • ○片頭痛発作の発症抑制。

用法・用量

  • <各種てんかんおよびてんかんに伴う性格行動障害の治療、躁病および躁うつ病の躁状態の治療>

    • 通常、バルプロ酸ナトリウムとして400~1200mgを1日1回経口投与する。ただし、年齢・症状に応じ適宜増減する。
  • <片頭痛発作の発症抑制>

    • 通常、バルプロ酸ナトリウムとして400~800mgを1日1回経口投与する。なお、年齢、症状に応じ適宜増減するが、1日量として1000mgを超えないこと。

禁忌 

【禁忌】

次の患者には投与しないこと

  • <効能共通>

    • 2.1 重篤な肝障害のある患者[9.3.1参照]
    • 2.2 カルバペネム系抗生物質を投与中の患者[10.1参照]
    • 2.3 尿素サイクル異常症の患者[重篤な高アンモニア血症があらわれることがある。]
  • <片頭痛発作の発症抑制>

    • 2.4 妊婦又は妊娠している可能性のある女性[9.5.1参照]

注意 

9.特定の背景を有する患者に関する注意

9.1 合併症・既往歴等のある患者
<効能共通>
9.1.1 薬物過敏症の既往歴のある患者
9.1.2 自殺企図の既往及び自殺念慮のある躁病及び躁うつ病の躁状態の患者
自殺企図や自殺念慮が悪化するおそれがある。[15.1参照]
9.1.3 尿素サイクル異常症が疑われる患者
以下のような患者においては、本剤投与前にアミノ酸分析等の検査を考慮するとともに、本剤投与中は、アンモニア値の変動に注意し、十分な観察を行うこと。重篤な高アンモニア血症があらわれるおそれがある。[11.1.2参照]
・原因不明の脳症若しくは原因不明の昏睡の既往のある患者
・尿素サイクル異常症又は原因不明の乳児死亡の家族歴のある患者
9.1.4 重篤な下痢のある患者
本剤は製剤学的にバルプロ酸ナトリウムの溶出を制御して徐放化させたものであり、服用後一定時間消化管内に滞留する必要があるので、血中濃度が十分に上昇しない可能性がある。
<各種てんかんおよびてんかんに伴う性格行動障害の治療>
9.1.5 虚弱者
投与を中止する場合には、徐々に減量するなど特に注意すること。[8.6参照]
9.2 腎機能障害患者
9.2.1 腎機能障害患者
蛋白結合率の低下等の要因により、遊離型薬物濃度が上昇するおそれがある。
9.2.2 血液透析患者
血液透析による本剤の除去や蛋白結合能の変化により遊離型薬物濃度が低下するおそれがある。
9.3 肝機能障害患者
9.3.1 重篤な肝障害のある患者
投与しないこと。肝障害が強くあらわれ致死的になるおそれがある。[2.1参照]
9.3.2 肝機能障害又はその既往歴のある患者(重篤な肝障害のある患者を除く)
肝機能障害が強くあらわれるおそれがある。[11.1.1参照]
9.4 生殖能を有する者
妊娠する可能性のある女性に使用する場合には、本剤による催奇形性について十分に説明し、本剤の使用が適切であるか慎重に判断すること。本剤で催奇形性が認められている。[9.5.4、9.5.8参照]
9.5 妊婦
<片頭痛発作の発症抑制>
9.5.1 妊婦又は妊娠している可能性のある女性には、投与しないこと。[2.4参照]
<各種てんかんおよびてんかんに伴う性格行動障害の治療、躁病および躁うつ病の躁状態の治療>
9.5.2 妊婦又は妊娠している可能性のある女性には、治療上やむを得ないと判断される場合を除き、投与しないこと。
9.5.3 妊娠中にやむを得ず本剤を投与する場合、可能な限り単独投与することが望ましい。他の抗てんかん剤(特にカルバマゼピン)と併用時に、奇形を有する児を出産した例が本剤単独投与時と比較して多いとの疫学的調査報告がある。
<効能共通>
9.5.4 二分脊椎児を出産した母親の中に、本剤の成分を妊娠初期に投与された例が対照群より多いとの疫学的調査報告があり、また、本剤の成分を投与された母親に、心室中隔欠損等の心奇形や多指症、口蓋裂、尿道下裂等の外表奇形、その他の奇形を有する児を出産したとの報告がある。また、特有の顔貌(前頭部突出、両眼離開、鼻根偏平、浅く長い人中溝、薄い口唇等)を有する児を出産したとの報告がある。[9.4参照]
9.5.5 妊娠中の投与により、新生児に呼吸障害、肝障害、低フィブリノーゲン血症、低血糖、退薬症候(神経過敏、過緊張、痙攣、嘔吐)等があらわれるとの報告がある。
9.5.6 海外で実施された観察研究において、妊娠中に抗てんかん薬を投与されたてんかん患者からの出生児224例を対象に6歳時の知能指数(IQ)[平均値(95%信頼区間)]を比較した結果、本剤を投与されたてんかん患者からの出生児のIQ[98(95-102)]は、ラモトリギン[108(105-111)]、フェニトイン[109(105-113)]、カルバマゼピン[106(103-109)]を投与されたてんかん患者からの出生児のIQと比較して低かったとの報告がある。なお、本剤の投与量が1,000mg/日(本研究における中央値)未満の場合は[104(99-109)]、1,000mg/日を超える場合は[94(90-99)]であった。
9.5.7 海外で実施された観察研究において、妊娠中に本剤を投与された母親からの出生児508例は、本剤を投与されていない母親からの出生児655,107例と比較して、自閉症発症リスクが高かったとの報告がある[調整ハザード比:2.9(95%信頼区間:1.7-4.9)]。
9.5.8 動物実験(マウス)で、本剤が葉酸代謝を阻害し、新生児の先天性奇形に関与する可能性があるとの報告がある。[9.4参照]
9.6 授乳婦
治療上の有益性及び母乳栄養の有益性を考慮し、授乳の継続又は中止を検討すること。ヒト母乳中へ移行することがある。
9.7 小児等
<効能共通>
9.7.1 低出生体重児又は新生児を対象とした有効性及び安全性を指標とした臨床試験は実施していない。
<片頭痛発作の発症抑制>
9.7.2 小児等を対象とした有効性及び安全性を指標とした臨床試験は実施していない。
9.8 高齢者
<効能共通>
9.8.1 用量に留意して慎重に投与すること。本剤は、血漿アルブミンとの結合性が強いが、高齢者では血漿アルブミンが減少していることが多いため、遊離の薬物の血中濃度が高くなるおそれがある。
<各種てんかんおよびてんかんに伴う性格行動障害の治療>
9.8.2 投与を中止する場合には、徐々に減量するなど特に注意すること。[8.6参照]
<片頭痛発作の発症抑制>
9.8.3 高齢者を対象とした有効性及び安全性を指標とした臨床試験は実施していない。

8.重要な基本的注意

<効能共通>
8.1 重篤な肝障害(投与初期6ヵ月以内に多い)があらわれることがあるので、投与初期6ヵ月間は定期的に肝機能検査を行うなど、患者の状態を十分に観察すること。その後も連用中は定期的に肝機能検査を行うことが望ましい。[11.1.1参照]
8.2 高アンモニア血症を伴う意識障害があらわれることがあるので、定期的にアンモニア値を測定するなど観察を十分に行うこと。[11.1.2参照]
8.3 連用中は定期的に腎機能検査、血液検査を行うことが望ましい。[11.1.3、11.1.5参照]
8.4 眠気、注意力・集中力・反射運動能力等の低下が起こることがあるので、本剤投与中の患者には自動車の運転等危険を伴う機械の操作に従事させないよう注意すること。
8.5 他のバルプロ酸ナトリウム製剤を使用中の患者において使用薬剤を本剤に切り替える場合、血中濃度が変動することがあるので、血中濃度を測定することが望ましい。
<各種てんかんおよびてんかんに伴う性格行動障害の治療>
8.6 連用中における投与量の急激な減少ないし投与の中止により、てんかん重積状態があらわれることがあるので、投与を中止する場合には、徐々に減量するなど慎重に行うこと。[9.1.5、9.8.2参照]
<片頭痛発作の発症抑制>
8.7 患者の日常生活への支障がなくなったら一旦本剤の投与を中止し、投与継続の必要性について検討すること。症状の改善が認められない場合には、漫然と投与を継続しないこと。

14.適用上の注意

14.1 薬剤交付時の注意
14.1.1 本剤は徐放性製剤であり、製剤の吸湿により溶出が加速されることがあるので、吸湿しないように保存させること。[20.参照]
14.1.2 本剤は徐放性製剤であり、製剤をかみ砕くことにより溶出が加速されることがあるので、薬剤をかみ砕かないで服用させること。
14.1.3 本剤投与後に白色の粒子又は残渣が糞便中に排泄されるが、これは賦形剤の一部である。

7.用法及び用量に関連する注意

<躁病および躁うつ病の躁状態の治療>
バルプロ酸の躁病および躁うつ病の躁状態に対する、3週間以上の長期使用については、国内外の臨床試験で明確なエビデンスは得られていない。

5.効能又は効果に関連する注意

<片頭痛発作の発症抑制>
5.1 本剤は、片頭痛発作の急性期治療のみでは日常生活に支障をきたしている患者にのみ投与すること。
5.2 本剤は発現した頭痛発作を緩解する薬剤ではないので、本剤投与中に頭痛発作が発現した場合には必要に応じて頭痛発作治療薬を頓用させること。投与前にこのことを患者に十分に説明しておくこと。

16.薬物動態

16.1 血中濃度
16.1.1 単回投与
健康成人12例にバルプロ酸ナトリウム徐放性顆粒剤3g(バルプロ酸ナトリウム1,200mg)をクロスオーバー法により絶食時及び食後に単回経口投与した場合のAUC0-80、Cmax及びTmaxは、それぞれ以下のとおりであった。[16.2.2参照]
表 バルプロ酸ナトリウム徐放性顆粒剤単回経口投与時の薬物動態パラメータ(健康成人)
AUC0-80(hr・μg/mL)Cmax(μg/mL)Tmax(hr)
絶食時投与2141.8±299.456.9±5.510.2±2.1
食後投与2069.4±349.971.0±7.67.5±2.5
(Mean±S.D.,n=12)
16.1.2 反復投与
健康成人12例にバルプロ酸ナトリウム徐放性顆粒剤3g(バルプロ酸ナトリウム1,200mg)を単回経口投与したときの薬物動態パラメータを用い、バルプロ酸ナトリウムとして1,000mgを1日1回、6日間反復経口投与した場合をシミュレーションした。その結果、絶食時及び食後投与とも1日1回投与で有効血中濃度を維持し、投与開始後6~7日間で定常状態に達すると判断された。
16.1.3 生物学的同等性
健康成人男性34例(絶食時投与:20例、食後投与:14例)にバルプロ酸Na徐放顆粒40%「フジナガ」とセレニカR顆粒40%を、クロスオーバー法によりそれぞれ1g(バルプロ酸ナトリウムとして400mg)絶食時及び食後に単回経口投与して血漿中濃度を測定し、得られた薬物動態パラメータについて統計解析を行った結果、両剤の生物学的同等性が確認された。[16.2.2参照]
(1)絶食時投与
AUC(0-72hr)(hr・μg/mL)Cmax(μg/mL)Tmax(hr)T1/2(hr)
バルプロ酸Na徐放顆粒40%「フジナガ」640.1±166.720.7±4.39.5±2.716.7±3.5
セレニカR顆粒40%679.2±185.922.5±5.79.2±5.516.2±3.4
(Mean±S.D.,n=20)
(2)食後投与
AUC(0-72hr)(hr・μg/mL)Cmax(μg/mL)Tmax(hr)T1/2(hr)
バルプロ酸Na徐放顆粒40%「フジナガ」635.5±170.226.4±3.28.1±2.116.2±4.1
セレニカR顆粒40%679.3±159.130.2±2.68.1±1.515.7±3.0
(Mean±S.D.,n=14)
血漿中濃度並びにAUC、Cmax等のパラメータは、被験者の選択、体液の採取回数・時間等の試験条件によって異なる可能性がある。
バルプロ酸Na徐放顆粒40%「フジナガ」の反復投与における血中濃度をシミュレーションした場合、絶食時(バルプロ酸ナトリウムとして1,000mg投与)及び食後投与(バルプロ酸ナトリウムとして1,200mg投与)とも1日1回投与で有効血中濃度を維持する。
16.1.4 クリアランス
バルプロ酸の吸収率を100%と仮定したとき、全身クリアランスは外国人健康成人(16~60歳)で6~8mL/hr/kg、外国人小児てんかん患者(3~16歳)で13~18mL/hr/kgとの報告がある。
外国人高齢者では、全身クリアランスは成人と差はないが、遊離型のクリアランスは低下するとの報告がある。
バルプロ酸の全身クリアランスは主に肝固有クリアランスと血漿蛋白非結合率の影響を受ける。
16.2 吸収
16.2.1 生物学的利用率
バルプロ酸の生物学的利用率は剤形の違いによらず約100%との報告がある。
16.2.2 食事の影響
バルプロ酸Na徐放顆粒40%「フジナガ」の血中濃度は食事の影響をほとんど受けなかった。[16.1.3参照]
16.3 分布
16.3.1 蛋白結合率
バルプロ酸の血漿蛋白結合率は90%超であり、総血清中濃度がおよそ100μg/mL以上では結合が飽和するとの報告がある。
蛋白結合率が低下した場合、定常状態では平均総血漿中濃度は低下すると考えられるが、平均遊離型濃度は低下しないとされている。
16.3.2 分布容積
バルプロ酸の分布容積は0.1~0.4L/kgであり、ほぼ細胞外液に相当するとの報告がある。
16.4 代謝
16.4.1 代謝経路
バルプロ酸の大半は肝臓で代謝され、ヒトでは主に、グルクロン酸抱合、β-酸化、ω、ω1及びω2-酸化を受けることが報告されている。
関与する代謝酵素の割合はチトクロームP-450(CYP)が10%、グルクロン酸転移酵素(UGT)が40%、β-酸化が30~35%程度であることが報告されている。
4-en体の生成には主にCYP2A6、2B6、2C9分子種が、バルプロ酸のグルクロン酸抱合体の生成にはUGT2B7分子種が関与することが報告されている(in vitro)。
16.4.2 血中及び尿中代謝物
健康成人6例にバルプロ酸ナトリウム徐放性顆粒剤3g(バルプロ酸ナトリウム1,200mg)を単回経口投与した場合の血中及び尿中代謝物は、血中では主に3-keto体(AUC0-∞328.15±94.73(平均値±標準偏差)μg・hr/mL)が検出され、尿中でも主に3-keto体が排泄され、以下バルプロ酸、3-OH体、4-OH体、PGA、5-OH体、4-keto体、cis-2-en体、trans-2-en体の順であった。
16.5 排泄
健康成人6例にバルプロ酸ナトリウム徐放性顆粒剤3g(バルプロ酸ナトリウム1,200mg)を単回経口投与した場合、尿中には主に3-keto体が排泄され、投与後56時間までの排泄率は34.05±2.57(平均値±標準偏差、以下同様)%であった。また、尿中の総排泄率は投与後56時間までで61.20±5.59%であった。
なお、バルプロ酸の未変化体の尿中排泄率は1~3%との報告がある。
16.8 その他
16.8.1 有効血中濃度
<各種てんかんおよびてんかんに伴う性格行動障害の治療>
(1)有効血中濃度は40~120μg/mLと報告されているが、各種の報告があり、その下限は50μg/mLを示唆する報告や上限は150μg/mLとする報告もある。
<躁病および躁うつ病の躁状態の治療>
(2)有効血中濃度は40~120μg/mLと報告されているが、各種の報告があり、その下限は50μg/mLを示唆する報告や上限は150μg/mLとする報告もある。急性期治療を目的としているため、原則的に血中濃度モニタリングは必須ではないが、本剤の用量増減時に臨床状態の変化があった場合や、予期した治療効果が得られない場合等には、必要に応じ血中濃度モニタリングを行い、用量調整することが望ましい。
<片頭痛発作の発症抑制>
(3)有効血中濃度が明確になっていないため、原則的に血中濃度モニタリングは必須ではないが、本剤の用量増減時に臨床状態の悪化があった場合等には、必要に応じ血中濃度モニタリングを行い、用量調整することが望ましい。

併用禁忌 

薬剤名等臨床症状・措置方法機序・危険因子
カルバペネム系抗生物質
パニペネム・ベタミプロン
(カルベニン)
メロペネム水和物
(メロペン)
イミペネム水和物・シラスタチン
(チエナム)
レレバクタム水和物・イミペネム水和物・シラスタチン
(レカルブリオ)
ビアペネム
(オメガシン)
ドリペネム水和物
(フィニバックス)
テビペネム ピボキシル
(オラペネム)
[2.2参照]
てんかんの発作が再発することがある。バルプロ酸の血中濃度が低下する。

併用注意 

薬剤名等臨床症状・措置方法機序・危険因子
バルビツール酸剤
フェノバルビタール等
バルプロ酸の作用が減弱、左記薬剤の作用が増強することがある。左記薬剤がバルプロ酸の代謝を誘導し、バルプロ酸の血中濃度が低下する。また、左記薬剤の血中濃度を上昇させる。
フェニトイン
カルバマゼピン
バルプロ酸の作用が減弱、左記薬剤の作用が増強又は減弱することがある。左記薬剤がバルプロ酸の代謝を誘導し、バルプロ酸の血中濃度が低下する。また、左記薬剤の血中濃度を上昇又は低下させる。
エトスクシミド
アミトリプチリン
ノルトリプチリン
左記薬剤の作用が増強することがある。左記薬剤の血中濃度を上昇させる。
クロバザムバルプロ酸の作用が増強されることがある。機序は不明であるが、バルプロ酸の血中濃度が上昇する。
ラモトリギン左記薬剤の消失半減期が約2倍延長するとの報告がある。肝におけるグルクロン酸抱合が競合する。
ロラゼパム左記薬剤の消失半減期が延長することがある。肝におけるグルクロン酸抱合が競合する。
グルクロン酸抱合を誘導する薬剤
リトナビル
ニルマトレルビル・リトナビル
ロピナビル・リトナビル配合剤等
バルプロ酸の作用が減弱することがある。肝における本剤のグルクロン酸抱合が促進される。
ベンゾジアゼピン系薬剤
ジアゼパム等
ワルファリン
左記薬剤の作用が増強することがある。遊離型の左記薬剤の血中濃度を上昇させる。
サリチル酸系薬剤
アスピリン等
バルプロ酸の作用が増強されることがある。遊離型バルプロ酸濃度が上昇する。また、バルプロ酸の代謝が阻害される。
エリスロマイシン
シメチジン
バルプロ酸の作用が増強されることがある。左記薬剤が肝チトクロームP-450による薬物代謝を抑制し、バルプロ酸の血中濃度が上昇する。
クロナゼパムアブサンス重積(欠神発作重積)があらわれたとの報告がある。機序は不明である。

重大な副作用 

次の副作用があらわれることがあるので、観察を十分に行い、異常が認められた場合には投与を中止するなど適切な処置を行うこと。
11.1.1 劇症肝炎等の重篤な肝障害、黄疸、脂肪肝等(いずれも頻度不明)
肝障害とともに急激な意識障害があらわれることがある。[8.1、9.3.2参照]
11.1.2 高アンモニア血症を伴う意識障害(頻度不明)[8.2、9.1.3参照]
11.1.3 溶血性貧血、赤芽球癆、汎血球減少、重篤な血小板減少、顆粒球減少(いずれも頻度不明)[8.3参照]
11.1.4 急性膵炎(頻度不明)
激しい腹痛、発熱、嘔気、嘔吐等の症状があらわれたり、膵酵素値の上昇が認められた場合には、投与を中止し、適切な処置を行うこと。
11.1.5 間質性腎炎、ファンコニー症候群(いずれも頻度不明)[8.3参照]
11.1.6 中毒性表皮壊死融解症(Toxic Epidermal Necrolysis:TEN)(頻度不明)、皮膚粘膜眼症候群(Stevens-Johnson症候群)(0.1%未満注1)
11.1.7 過敏症症候群(頻度不明)
初期症状として発疹、発熱がみられ、さらにリンパ節腫脹、肝機能障害、白血球増加、好酸球増多、異型リンパ球出現等の症状があらわれた場合には投与を中止し、適切な処置を行うこと。なお、発疹、発熱、肝機能障害等の症状が再燃あるいは遷延化することがあるので注意すること。
11.1.8 脳の萎縮、認知症様症状、パーキンソン様症状(いずれも頻度不明)
認知症様症状として健忘、見当識障害、言語障害、寡動、知能低下、感情鈍麻等があらわれることがある。パーキンソン様症状として静止時振戦、硬直、姿勢・歩行異常等があらわれることがある。なお、これらの症状が発現した例では中止により、ほとんどが1~2ヵ月で回復している。
11.1.9 横紋筋融解症(頻度不明)
筋肉痛、脱力感、CK上昇、血中及び尿中ミオグロビンの上昇等が認められた場合には投与を中止し、適切な処置を行うこと。
11.1.10 抗利尿ホルモン不適合分泌症候群(SIADH)(頻度不明)
低ナトリウム血症、低浸透圧血症、尿中ナトリウム量の増加、高張尿等があらわれた場合には、水分摂取の制限等の適切な処置を行うこと。
11.1.11 間質性肺炎、好酸球性肺炎(いずれも頻度不明)
咳嗽、呼吸困難、発熱等が認められた場合には、速やかに胸部X線、胸部CT等の検査を実施すること。間質性肺炎、好酸球性肺炎が疑われた場合には投与を中止し、副腎皮質ホルモン剤の投与等の適切な処置を行うこと。
注1)発現頻度は使用成績調査を含む。

その他の副作用 

次の副作用があらわれることがあるので、観察を十分に行い、異常が認められた場合には投与を中止するなど適切な処置を行うこと。

0.1~5%未満注1)0.1%未満注1)頻度不明
皮膚脱毛
精神神経系めまい、傾眠頭痛、不眠、振戦失調、不穏、視覚異常、感覚変化、抑うつ
消化器悪心・嘔吐、胃部不快感口内炎、食欲不振、腹痛、下痢便秘、食欲亢進
肝臓AST上昇、ALT上昇、Al-P上昇
血液貧血、白血球減少低フィブリノーゲン血症、好酸球増多血小板凝集能低下
過敏症発疹
泌尿器夜尿・頻尿血尿、尿失禁
生殖器月経異常(月経不順、無月経)、多嚢胞性卵巣、精子数減少注2)、精子運動性低下注2)
その他高アンモニア血症、体重増加倦怠感、浮腫鼻血、口渇、歯肉肥厚、発熱、カルニチン減少

注1)発現頻度は使用成績調査を含む。
注2)本剤の投与中止後に、改善されたとの報告がある。

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