製品名 シクレスト舌下錠5mg
シクレスト舌下錠10mg

一般名
Asenapine Maleate
薬効分類
抗精神病薬
 >非定型抗精神病薬(MARTA)
価格
5mg1錠:264.3円/錠
10mg1錠:396.8円/錠

製薬会社
効能・効果
用法・容量

効能・効果

  • 統合失調症

用法・用量

  • 通常、成人にはアセナピンとして1回5mgを1日2回舌下投与から投与を開始する。なお、維持用量は1回5mgを1日2回、最高用量は1回10mgを1日2回までとするが、年齢、症状に応じ適宜増減すること。
禁忌
【禁忌】

次の患者には投与しないこと

  • 本剤の成分に対し過敏症の既往歴のある患者
  • 昏睡状態の患者[昏睡状態を悪化させるおそれがある。]
  • バルビツール酸誘導体等の中枢神経抑制剤の強い影響下にある患者[中枢神経抑制作用が増強されるおそれがある。]
  • アドレナリンを投与中の患者(アドレナリンをアナフィラキシーの救急治療に使用する場合を除く)[「相互作用」の項参照]
  • 重度の肝機能障害(Child-Pugh分類C)のある患者[血中濃度が上昇することがある。(【薬物動態】の項参照)]
副作用
悪性症候群(Syndrome malin)(1%未満)
悪性症候群があらわれることがあるので、発熱、無動緘黙、強度の筋強剛、嚥下困難、頻脈、血圧の変動、発汗、白血球数増加、血清CK(CPK)上昇等の異常が認められた場合には、投与を中止し、体冷却、水分補給等の全身管理と共に適切な処置を行うこと。また、ミオグロビン尿を伴う腎機能の低下がみられ、急性腎障害に至ることがあるので注意すること。
遅発性ジスキネジア(1%未満)
口周部等の不随意運動があらわれ、投与中止後も持続することがある。
肝機能障害(頻度不明)注2)
AST(GOT)、ALT(GPT)、γ-GTP、Al-Pの上昇等を伴う肝機能障害があらわれることがあるので、観察を十分に行い、異常が認められた場合には投与を中止するなど適切な処置を行うこと。
ショック、アナフィラキシー(頻度不明)注2)
ショック、アナフィラキシーがあらわれることがあるので、観察を十分に行い、異常が認められた場合には、投与を中止し、適切な処置を行うこと。
舌腫脹(1%未満)、咽頭浮腫(頻度不明)注2)
舌腫脹、咽頭浮腫があらわれることがあるので、観察を十分に行い、異常が認められた場合には、投与を中止するなど適切な処置を行うこと。なお、嚥下障害、呼吸困難等を伴うことがあるので注意すること。
高血糖、糖尿病性ケトアシドーシス、糖尿病性昏睡(頻度不明)注2)
高血糖や糖尿病の悪化があらわれた場合、糖尿病性ケトアシドーシス、糖尿病性昏睡に至ることがあるので、血糖値の測定や、口渇、多飲、多尿、頻尿等の観察を十分に行い、異常が認められた場合には、投与を中止し、インスリン製剤の投与を行うなど、適切な処置を行うこと。
低血糖(頻度不明)注2)
低血糖があらわれることがあるので、脱力感、倦怠感、冷汗、振戦、傾眠、意識障害等の低血糖症状が認められた場合には、投与を中止し適切な処置を行うこと。
横紋筋融解症(頻度不明)注2)
横紋筋融解症があらわれることがあるので、筋肉痛、脱力感、CK(CPK)上昇、血中及び尿中ミオグロビン上昇等が認められた場合には投与を中止し、適切な処置を行うこと。また、横紋筋融解症による急性腎障害の発症に注意すること。
無顆粒球症(頻度不明)注2)、白血球減少(1%未満)
無顆粒球症、白血球減少があらわれることがあるので、観察を十分に行い、異常が認められた場合には投与を中止するなど適切な処置を行うこと。
肺塞栓症、深部静脈血栓症(頻度不明)注2)
抗精神病薬において、肺塞栓症、静脈血栓症等の血栓塞栓症が報告されているので、観察を十分に行い、息切れ、胸痛、四肢の疼痛、浮腫等が認められた場合には、投与を中止するなど適切な処置を行うこと。
痙攣(1%未満)
痙攣があらわれることがあるので、異常が認められた場合には、投与を中止するなど適切な処置を行うこと。
麻痺性イレウス(頻度不明)注2)
腸管麻痺(食欲不振、悪心・嘔吐、著しい便秘、腹部の膨満あるいは弛緩及び腸内容物のうっ滞等の症状)を来し、麻痺性イレウスに移行することがあるので、腸管麻痺があらわれた場合には、投与を中止するなど適切な処置を行うこと。
注2)国際共同第III相試験及び国際共同長期継続投与試験以外の外国の臨床試験、市販後において認められた副作用又は類薬において認められた副作用のため頻度不明
注意

次の患者には慎重に投与すること

心・血管疾患、脳血管障害、低血圧又はこれらの既往歴のある患者[本剤の投与により血圧降下があらわれることがある。]
てんかん等の痙攣性疾患又はこれらの既往歴のある患者[本剤の投与により痙攣閾値を低下させるおそれがある。]
不整脈の既往歴のある患者、先天性QT延長症候群の患者又はQT延長を起こすことが知られている薬剤を投与中の患者[本剤の投与によりQT延長があらわれるおそれがある。]
自殺企図の既往及び自殺念慮を有する患者[本剤の投与により自殺念慮、自殺企図があらわれることがある。]
高齢者[「高齢者への投与」、【薬物動態】の項参照]
中等度の肝機能障害(Child-Pugh分類B)のある患者[血中濃度が上昇するおそれがある。(【薬物動態】の項参照)]
糖尿病又はその既往歴のある患者、あるいは糖尿病の家族歴、高血糖、肥満等の糖尿病の危険因子を有する患者[「重要な基本的注意」、「重大な副作用」の項参照]
パーキンソン病又はレビー小体型認知症のある患者[悪性症候群(Syndrome malin)が起こりやすくなる。また、錐体外路症状の悪化に加えて、錯乱、意識レベルの低下、転倒を伴う体位不安定等の症状が発現するおそれがある。]
投与初期、再投与時、増量時にα交感神経遮断作用に基づく起立性低血圧があらわれることがあるので、患者の状態を慎重に観察し、低血圧症状があらわれた場合は減量する等、適切な処置を行うこと。
本剤の投与により、高血糖や糖尿病の悪化があらわれ、糖尿病性ケトアシドーシス、糖尿病性昏睡に至ることがあるので、本剤投与中は、口渇、多飲、多尿、頻尿等の症状の発現に注意するとともに、特に糖尿病又はその既往歴あるいはその危険因子を有する患者では、血糖値の測定等の観察を十分に行うこと。[「慎重投与」、「重大な副作用」の項参照]
低血糖があらわれることがあるので、本剤投与中は、脱力感、倦怠感、冷汗、振戦、傾眠、意識障害等の低血糖症状に注意するとともに、血糖値の測定等の観察を十分に行うこと。[「重大な副作用」の項参照]
本剤の投与に際し、あらかじめ上記2.及び3.の副作用が発現する場合があることを、患者及びその家族に十分に説明し、高血糖症状(口渇、多飲、多尿、頻尿等)、低血糖症状(脱力感、倦怠感、冷汗、振戦、傾眠、意識障害等)に注意し、このような症状があらわれた場合には、直ちに投与を中断し、医師の診察を受けるよう指導すること。[「慎重投与」、「重大な副作用」の項参照]
眠気、注意力・集中力・反射運動能力等の低下が起こることがあるので、本剤投与中の患者には自動車の運転等危険を伴う機械の操作に従事させないよう注意すること。
本剤の投与により、体重の変動(増加、減少)を来すことがあるので、本剤投与中は体重の推移を注意深く観察し、体重の変動が認められた場合には、必要に応じて適切な処置を行うこと。
抗精神病薬において、肺塞栓症、静脈血栓症等の血栓塞栓症が報告されているので、不動状態、長期臥床、肥満、脱水状態等の危険因子を有する患者に投与する場合には注意すること。[「重大な副作用」の項参照]
以下の点について、患者等に指導すること。
ブリスターシートから取り出して舌下投与すること。[PTPシートの誤飲により、硬い鋭角部が食道粘膜へ刺入し、更には穿孔を起こして縦隔洞炎等の重篤な合併症を併発することが報告されている。]
ブリスターシートから取り出す際には、裏面のシートを剥がした後、錠剤をゆっくりつまんで取り出すこと。錠剤をつぶさないこと。欠けや割れが生じた場合は全量を舌下に入れること。[本剤は通常の錠剤に比べてやわらかいため、シートを剥がさずに押し出そうとしたり、シートを切ったり、破ったりすると割れることがある。]
吸湿性であるため、使用直前に乾いた手でブリスターシートから取り出し、直ちに舌下に入れること。
本剤は舌下の口腔粘膜より吸収されて効果を発現するため、飲み込まないこと。
水なしで投与し、舌下投与後10分間は飲食を避けること。
本剤の舌下投与後10分間は飲食を避けること[バイオアベイラビリティが低下する可能性がある]。
高齢者の薬物動態試験で曝露量の増加が認められているので、患者の状態を観察しながら慎重に投与すること。[【薬物動態】の項参照]
妊婦又は妊娠している可能性のある婦人には、治療上の有益性が危険性を上回ると判断される場合にのみ投与すること。[妊娠中の投与に関する安全性は確立していない。妊娠後期に抗精神病薬が投与されている場合、新生児に哺乳障害、傾眠、呼吸障害、振戦、筋緊張低下、易刺激性等の離脱症状や錐体外路症状があらわれたとの報告がある。動物実験(ウサギ、ラット)では、生殖発生毒性試験において催奇形性は認められなかったが、着床後胚損失率・出生児死亡数の増加(ラット)、胎児・出生児の体重増加抑制(ウサギ、ラット)、出生児の身体・機能発達への影響(ラット)が認められた。]
授乳中の婦人に投与する場合には、授乳を中止させること。[動物実験(ラット)で乳汁中に移行することが報告されている。]
低出生体重児、新生児、乳児、幼児又は小児に対する安全性は確立していない。[国内での使用経験がない。]
血漿中濃度
単回投与
日本人健康成人にアセナピン5mgを単回舌下投与したときの薬物動態学的パラメータは以下のとおりであった。
表1 日本人健康成人における単回舌下投与時のアセナピンの薬物動態学的パラメータ
用量(mg)評価例数Tmaxa)(hr)Cmax(ng/mL)T1/2(hr)AUC0-∞(ng・hr/mL)
561.25(0.50~4.03)3.31±1.7117.1±6.126.4±8.0
平均値±標準偏差a)中央値(最小値~最大値)
反復投与
日本人健康成人にアセナピン5mg及び10mgを1日2回6日間反復舌下投与したとき、最終投与後の血漿中アセナピン濃度推移及びその際の薬物動態パラメータは以下のとおりであった。10mgを1日2回反復舌下投与したとき、3日以内に定常状態に到達した。
図1 日本人健康成人における反復舌下投与時の定常状態における血漿中アセナピン濃度推移(最終投与後)
表2 日本人健康成人における反復舌下投与時のアセナピンの薬物動態学的パラメータ(最終投与後)
用量(mg)評価例数Tmaxa)(hr)Cmax(ng/mL)T1/2(hr)AUC0-12hr(ng・hr/mL)
560.50(0.50~1.50)5.05±2.5835.5±20.229.4±10.3
1051.00(0.33~1.50)5.39±2.4927.8±7.937.5±16.6
平均値±標準偏差a)中央値(最小値~最大値)
蛋白結合(外国人データ)
in vitro試験において、本剤はヒト血漿蛋白への結合率が高く、1~500ng/mLの濃度範囲で平均97.3%であった。
食事及び飲水の影響(外国人データ)
健康成人にアセナピン5mgを絶食時及び高脂肪朝食摂取直後に単回舌下投与したとき、絶食時に比べ高脂肪食摂取直後のアセナピンのAUC0-∞は21%減少した。また、投与4時間後に食事を摂取したところ、アセナピンのAUC0-∞は13%減少した。
健康成人にアセナピン10mgを1日1回舌下投与したとき、10分経過後に水を摂取しても薬物動態に影響を及ぼさなかった。一方、投与後5分又は2分時点で水を摂取したとき、アセナピンのAUC0-24hrがそれぞれ10%及び19%低下した。
代謝・排泄(外国人データ)
健康成人に[14C]で標識したアセナピン10mgを舌下投与したとき、投与後11日以内に投与した放射能の88%が尿及び糞中に排泄された(尿中に49%、糞中に39%)。
アセナピンは広範に代謝され、血漿中の主要代謝物はN-グルクロン酸抱合体であり、他にN-脱メチル体、N-脱メチル-N-カルバモイル体のグルクロン酸抱合体、未変化体が少量確認されている。尿中では、N-グルクロン酸抱合体が主要代謝物であり(投与量の10~21%)、糞中には未変化体が最も多く排泄された(投与量の5~16%)。
ヒト肝ミクロソームを用いたin vitro試験では、本剤はUGT1A4を介したグルクロン酸抱合及びCYP1A2を介した酸化代謝を受け、一部はCYP2D6及びCYP3A4によっても代謝されることが示唆された。
肝機能障害時の血漿中濃度(外国人データ)
肝機能障害者(Child-Pugh分類A~C)にアセナピン5mgを単回舌下投与したとき、重度の肝機能障害者群(Child-Pugh分類C)では肝機能正常者群に比べてアセナピンのAUC0-∞が5.5倍大きかったが、軽度もしくは中等度の肝機能障害者群(Child-Pugh分類A、B)では、肝機能正常者群と同様であった。血漿蛋白非結合形のAUC0-∞は重度の肝機能障害者群では肝機能正常者群に比べて7.7倍大きかったが、軽度もしくは中等度の肝機能障害者群では、肝機能正常者群と同様であった。
種々の程度の肝機能障害者(Child-Pugh分類A~C)にアセナピン0.3mgを単回舌下投与したとき、中等度もしくは重度の肝機能障害者群(Child-Pugh分類B、C)では肝機能正常者群に比べてアセナピンのAUC0-∞がそれぞれ2.2倍及び2.1倍大きかった。一方、軽度の肝機能障害者群(Child-Pugh分類A)では、肝機能正常者群と同様であった。血漿蛋白非結合形のAUC0-∞は中等度もしくは重度の肝機能障害者群では肝機能正常者群に比べてそれぞれ2.89倍及び2.72倍大きかったが、軽度の肝機能障害者群では、肝機能正常者群と同様であった。
※本剤の承認された1回用量はアセナピンとして5mg又は10mgである。
腎機能障害時の血漿中濃度(外国人データ)
種々の程度の腎機能障害者(非透析者)にアセナピン5mgを単回舌下投与したとき、腎機能障害者では腎機能正常者に比べてアセナピンのAUC0-∞は1.03~1.31倍であった。
高齢者の血漿中濃度(外国人データ)
精神疾患を有する高齢の患者にアセナピン10mgを1日2回舌下投与したとき、アセナピンのCmax及びAUC0-12hrの平均値はそれぞれ10.3ng/mL及び70.3ng・hr/mLであった。
薬物相互作用
フルボキサミン(外国人データ)
健康成人にアセナピン(5mg、単回舌下)とCYP1A2阻害作用を有するフルボキサミン(25mg、1日2回反復経口)を併用投与したとき、アセナピンのCmax及びAUC0-∞はアセナピン単独投与時と比べそれぞれ13%及び29%増加した。
パロキセチン(外国人データ)
健康成人にCYP2D6阻害作用を有するパロキセチン(20mg、1日1回経口)を反復投与下、アセナピン(5mg、舌下)を単回併用投与したとき、アセナピンのCmaxはアセナピン単独投与時と比べ13%減少した。また、アセナピン(5mg、1日2回舌下)反復投与下、パロキセチン(20mg、経口)を単回併用投与したとき、パロキセチンのCmax及びAUC0-∞はパロキセチン単独投与時と比べそれぞれ82%及び92%増加した。
イミプラミン(外国人データ)
健康成人にアセナピン(5mg、単回舌下)とCYP1A2、CYP2D6、CYP2C19及びCYP3A4の基質であるイミプラミン(75mg、単回経口)を併用投与したとき、アセナピンのCmaxはアセナピン単独投与時と比べ17%増加した。一方、イミプラミンの薬物動態パラメータはアセナピン併用により影響を受けなかった。
シメチジン(外国人データ)
健康成人にアセナピン(5mg、単回舌下)とCYP1A2、CYP2D6及びCYP3A4阻害作用を有するシメチジン(800mg、1日2回)を併用投与したとき、アセナピンのCmaxはアセナピン単独投与時と比べ13%減少した。
カルバマゼピン(外国人データ)
健康成人にアセナピン(5mg、単回舌下)とCYP3A4誘導作用を有するカルバマゼピン(400mg、1日2回経口)を併用投与したとき、アセナピンのCmax及びAUC0-∞はアセナピン単独投与時と比べともに16%低下した。
バルプロ酸(外国人データ)
健康成人にアセナピン(5mg、単回舌下)とUGT阻害作用を有するバルプロ酸(500mg、1日2回経口)を併用投与したとき、アセナピンの薬物動態に影響は認められなかった。