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テラムロ配合錠AP「DSEP」、他

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効能・効果/用法・用量 

効能・効果

  • 高血圧症

用法・用量

  • テラムロ配合錠AP「DSEP」

    • 成人には1日1回1錠(テルミサルタン/アムロジピンとして40mg/5mg)を経口投与する。本剤は高血圧治療の第一選択薬として用いない。
  • テラムロ配合錠BP「DSEP」

    • 成人には1日1回1錠(テルミサルタン/アムロジピンとして80mg/5mg)を経口投与する。本剤は高血圧治療の第一選択薬として用いない。

禁忌 

【禁忌】

次の患者には投与しないこと

  • 2.1 本剤の成分及びジヒドロピリジン系化合物に対し過敏症の既往歴のある患者
  • 2.2 妊婦又は妊娠している可能性のある女性[9.5参照]
  • 2.3 胆汁の分泌が極めて悪い患者又は重篤な肝障害のある患者[9.3.1参照]
  • 2.4 アリスキレンフマル酸塩を投与中の糖尿病患者(ただし、他の降圧治療を行ってもなお血圧のコントロールが著しく不良の患者を除く)[10.1参照]

注意 

9.特定の背景を有する患者に関する注意

9.1 合併症・既往歴等のある患者
9.1.1 両側性腎動脈狭窄のある患者又は片腎で腎動脈狭窄のある患者
治療上やむを得ないと判断される場合を除き、使用は避けること。腎血流量の減少や糸球体ろ過圧の低下により急速に腎機能を悪化させるおそれがある。
9.1.2 高カリウム血症の患者
治療上やむを得ないと判断される場合を除き、使用は避けること。高カリウム血症を増悪させるおそれがある。
また、腎機能障害、コントロール不良の糖尿病等により血清カリウム値が高くなりやすい患者では、血清カリウム値に注意すること。
9.1.3 脳血管障害のある患者
過度の降圧が脳血流不全を引き起こし、病態を悪化させるおそれがある。
9.1.4 厳重な減塩療法中の患者
低用量から投与を開始し、増量する場合は徐々に行うこと。急激な血圧低下を起こすおそれがある。[11.1.4参照]
9.2 腎機能障害患者
9.2.1 重篤な腎障害(血清クレアチニン値3.0mg/dL以上の場合)のある患者
腎機能を悪化させるおそれがある。
9.2.2 血液透析中の患者
低用量から投与を開始し、増量する場合は徐々に行うこと。急激な血圧低下を起こすおそれがある。[11.1.4、13.2参照]
9.3 肝機能障害患者
9.3.1 胆汁の分泌が極めて悪い患者又は重篤な肝障害のある患者
投与しないこと。[2.3、9.3.2参照]
9.3.2 肝機能障害患者
テルミサルタンは主に胆汁中に排泄されるため、テルミサルタンのクリアランスが低下することがある。また、外国において肝障害患者で本剤の血中濃度が約3~4.5倍上昇することが報告されている。[7.2、9.3.1、16.6.1参照]
9.4 生殖能を有する者
9.4.1 妊娠する可能性のある女性
妊娠していることが把握されずアンジオテンシン変換酵素阻害剤又はアンジオテンシンII受容体拮抗剤を使用し、胎児・新生児への影響(腎不全、頭蓋・肺・腎の形成不全、死亡等)が認められた例が報告されている。
本剤の投与に先立ち、代替薬の有無等も考慮して本剤投与の必要性を慎重に検討し、治療上の有益性が危険性を上回ると判断される場合にのみ投与すること。また、投与が必要な場合には次の注意事項に留意すること。[9.5参照]
(1)本剤投与開始前に妊娠していないことを確認すること。本剤投与中も、妊娠していないことを定期的に確認すること。投与中に妊娠が判明した場合には、直ちに投与を中止すること。
(2)次の事項について、本剤投与開始時に患者に説明すること。また、投与中も必要に応じ説明すること。
・妊娠中に本剤を使用した場合、胎児・新生児に影響を及ぼすリスクがあること。
・妊娠が判明した又は疑われる場合は、速やかに担当医に相談すること。
・妊娠を計画する場合は、担当医に相談すること。
9.5 妊婦
妊婦又は妊娠している可能性のある女性には投与しないこと。投与中に妊娠が判明した場合には、直ちに投与を中止すること。
妊娠中期及び末期に本剤を含むアンジオテンシンII受容体拮抗剤又はアンジオテンシン変換酵素阻害剤を投与された患者で羊水過少症、胎児・新生児の死亡、新生児の低血圧、腎不全、高カリウム血症、頭蓋の形成不全及び羊水過少症によると推測される四肢の拘縮、頭蓋顔面の奇形、肺の発育不全等があらわれたとの報告がある。
アムロジピンでは、動物実験で妊娠末期に投与すると妊娠期間及び分娩時間が延長することが認められている。[2.2、9.4.1参照]
9.6 授乳婦
授乳しないことが望ましい。テルミサルタンの動物実験(ラット)で、乳汁中へ移行することが報告されている。また、テルミサルタンの動物実験(ラット出生前、出生後の発生及び母動物の機能に関する試験)の15mg/kg/日以上の投与群で出生児の4日生存率の低下、50mg/kg/日投与群で出生児の低体重及び身体発達の遅延が報告されている。
アムロジピンはヒト母乳中へ移行することが報告されている。
9.7 小児等
小児等を対象とした臨床試験は実施していない。
9.8 高齢者
一般に過度の降圧は好ましくないとされている。脳梗塞等が起こるおそれがある。

8.重要な基本的注意

8.1 本剤は、テルミサルタン40mg又は80mgとアムロジピン5mgとの配合剤であり、テルミサルタンとアムロジピン双方の副作用が発現するおそれがあるため、適切に本剤の使用を検討すること。
8.2 降圧作用に基づく失神、めまい、ふらつきがあらわれることがあるので、高所作業、自動車の運転等危険を伴う機械を操作する際には注意させること。
8.3 手術前24時間は投与しないことが望ましい。アンジオテンシンII受容体拮抗剤投与中の患者は、麻酔及び手術中にレニン-アンジオテンシン系の抑制作用による高度な血圧低下を起こす可能性がある。
8.4 本剤の成分であるテルミサルタンを含むアンジオテンシンII受容体拮抗剤投与中に肝炎等の重篤な肝障害があらわれたとの報告があるので、肝機能検査を実施するなど、観察を十分に行うこと。[11.1.5参照]
8.5 本剤の成分であるアムロジピンは血中濃度半減期が長く投与中止後も緩徐な降圧効果が認められるので、本剤投与中止後に他の降圧剤を使用するときは、用量並びに投与間隔に留意するなど慎重に投与すること。

14.適用上の注意

14.1 薬剤交付時の注意
14.1.1 PTP包装の薬剤はPTPシートから取り出して服用するよう指導すること。PTPシートの誤飲により、硬い鋭角部が食道粘膜へ刺入し、更には穿孔をおこして縦隔洞炎等の重篤な合併症を併発することがある。
14.1.2 本剤を食後に服用している患者には、毎日食後に服用するよう注意を与えること。本剤の成分であるテルミサルタンの薬物動態は食事の影響を受け、空腹時投与した場合は、食後投与よりもテルミサルタンの血中濃度が高くなることが報告されており、副作用が発現するおそれがある。[16.2.1参照]

7.用法及び用量に関連する注意

7.1 以下のテルミサルタンとアムロジピンベシル酸塩の用法・用量を踏まえ、患者毎に本剤の適応を考慮すること。
<テルミサルタン>
通常、成人にはテルミサルタンとして40mgを1日1回経口投与する。ただし、1日20mgから投与を開始し漸次増量する。なお、年齢・症状により適宜増減するが、1日最大投与量は80mgまでとする。
<アムロジピンベシル酸塩>
高血圧症治療では、通常、成人にはアムロジピンとして2.5~5mgを1日1回経口投与する。なお、症状に応じ適宜増減するが、効果不十分な場合には1日1回10mgまで増量することができる。
7.2 肝障害のある患者に投与する場合、テルミサルタン/アムロジピンとして40mg/5mgを超えて投与しないこと。[9.3.2参照]

5.効能又は効果に関連する注意

5.1 過度な血圧低下のおそれ等があり、本剤を高血圧治療の第一選択薬としないこと。
5.2 原則として、テルミサルタン40mg及びアムロジピン5mgを併用している場合、あるいはいずれか一方を使用し血圧コントロールが不十分な場合に、テルミサルタン/アムロジピン40mg/5mgへの切り替えを検討すること。
5.3 原則として、テルミサルタン80mg及びアムロジピン5mgを併用している場合、あるいは以下のいずれかを使用し血圧コントロールが不十分な場合に、テルミサルタン/アムロジピン80mg/5mgへの切り替えを検討すること。
・テルミサルタン80mg
・テルミサルタン40mg及びアムロジピン5mgの併用
・テルミサルタン/アムロジピン40mg/5mg配合錠

16.薬物動態

16.1 血中濃度
16.1.1 単回投与
健康成人男子にテルミサルタン/アムロジピン40mg/5mg配合剤及びテルミサルタン/アムロジピン80mg/5mg配合剤を空腹時単回経口投与したときのテルミサルタン及びアムロジピンの薬物動態パラメータは以下のとおりであった。単剤のときと同様に、テルミサルタンのCmaxは用量比以上に上昇した。
単回投与テルミサルタンアムロジピン
40mg/5mg配合剤80mg/5mg配合剤40mg/5mg配合剤80mg/5mg配合剤
例数301263029
Cmax(ng/mL)87.0(77.3)471(88.1)3.39(19.7)3.00(21.3)
AUC0-∞(ng・hr/mL)808(62.8)2410(60.4)b)156(27.8)137(29.8)
t1/2(hr)20.1(35.9)23.3(52.5)b)38.4(18.9)40.0(13.8)
tmax(hr)a)1.50(0.500-4.00)0.750(0.500-4.00)6.00(4.00-12.0)6.00(6.00-10.0)
幾何平均値(幾何変動係数[%])a)中央値(最小値-最大値)b)n=110
健康成人男子を対象としたテルミサルタン/アムロジピン40mg/5mg配合剤と単剤併用の相対バイオアベイラビリティ試験、並びにテルミサルタン/アムロジピン80mg/5mg配合剤と単剤併用の相対バイオアベイラビリティ試験及び生物学的同等性試験において、本剤及び単剤併用を空腹時単回経口投与したときのテルミサルタン及びアムロジピンの血漿中濃度推移(算術平均±標準偏差)及び薬物動態パラメータは以下のとおりであった。本剤の血漿中濃度推移及び薬物動態パラメータは、単剤併用時と類似しており、生物学的同等性の基準を満たす製剤であることが確認されている。
T40/A5配合剤:テルミサルタン/アムロジピン40mg/5mg配合剤
T80/A5配合剤:テルミサルタン/アムロジピン80mg/5mg配合剤
単回投与テルミサルタンアムロジピン
配合剤単剤併用配合剤単剤併用
40mg/5mg
例数30303030
Cmax(ng/mL)87.0(77.3)85.4(52.3)3.39(19.7)3.21(23.6)
AUC0-tz(ng・hr/mL)a)752(56.0)791(57.4)145(26.7)138(26.7)
AUC0-∞(ng・hr/mL)808(62.8)837(60.1)156(27.8)150(27.3)
t1/2(hr)20.1(35.9)20.8(39.8)38.4(18.9)38.6(18.5)
tmax(hr)b)1.50(0.500-4.00)1.75(0.250-4.00)6.00(4.00-12.0)6.00(6.00-12.0)
80mg/5mg
例数1261262929
Cmax(ng/mL)471(88.1)484(81.8)3.00(21.3)2.94(20.2)
AUC0-tz(ng・hr/mL)1970(67.9)1950(67.0)127(27.7)122(29.4)
AUC0-∞(ng・hr/mL)2410(60.4)c)2300(62.4)d)137(29.8)132(32.3)
t1/2(hr)23.3(52.5)c)21.3(45.1)d)40.0(13.8)39.0(13.9)
tmax(hr)b)0.750(0.500-4.00)0.750(0.250-4.00)6.00(6.00-10.0)8.00(3.00-12.0)
幾何平均値(幾何変動係数[%])a)n=29b)中央値(最小値-最大値)c)n=110d)n=112
16.1.2 反復投与
健康成人男子24例にテルミサルタン40mg錠とアムロジピン5mg錠、又はテルミサルタン80mg(テルミサルタン40mg錠×2錠)とアムロジピン5mg錠を1日1回10日間空腹時反復併用投与したときのテルミサルタン及びアムロジピンの血漿中濃度推移及び薬物動態パラメータは以下のとおりであった。テルミサルタンの血漿中濃度は、両投与群ともに単回投与後に比べてやや高く、累積係数は1.3~1.9であった。また、テルミサルタンのtmax及び半減期は、両投与群ともに初回投与後と反復投与後とで類似していた。単剤のときと同様に、テルミサルタンのCmaxは用量比以上に上昇した。一方、アムロジピンの血漿中濃度推移は、両投与群ともに初回投与後に比べて高く、累積係数は2.9~3.5であった。また、アムロジピンのtmax及び半減期は、両投与群ともに単回投与後と反復投与後とで類似していた。
反復投与テルミサルタンアムロジピン
投与量T40mg+A5mgT80mg+A5mgT40mg+A5mgT80mg+A5mg
1日目例数12121212
Cmax(ng/mL)62.3(56.1)334(83.5)2.89(22.6)3.29(27.1)
AUCτ(ng・hr/mL)460(44.0)1090(72.3)48.5(22.5)55.6(31.0)
t1/2(hr)20.1(43.0)18.4(28.9)40.8(14.1)41.1(20.2)
tmax(hr)a)1.50(0.750-3.00)0.875(0.500-1.00)4.00(3.00-8.00)5.00(3.00-8.00)
10日目例数12111211
Cmax,ss(ng/mL)116(51.2)398(95.1)8.98(26.6)9.69(35.6)
AUCτ,ss(ng・hr/mL)766(45.1)1370(72.1)168(26.9)190(35.5)
t1/2,ss(hr)19.0(32.5)18.8(28.2)40.5(12.4)40.7(16.2)
tmax,ss(hr)a)1.50(0.500-3.00)0.750(0.500-2.00)6.00(3.00-8.00)6.00(3.00-8.00)
幾何平均値(幾何変動係数[%])a)中央値(最小値-最大値)
16.1.3 テルミサルタンとアムロジピンの相互作用
健康成人男子12例にテルミサルタン120mg注)とアムロジピン10mg注)を併用投与したときとアムロジピン10mgを単独投与したときとの1日1回9日間反復投与後の薬物動態を比較した結果、アムロジピンの血漿中濃度推移は単独投与時と併用投与時とで類似しており、テルミサルタン併用投与によるアムロジピンの体内動態への影響は認められなかった(外国人データ)。
健康成人男女36名にテルミサルタン80mgとアムロジピン10mg注)を併用投与したときとテルミサルタン80mgを単独投与したときとの1日1回9日間反復投与後の薬物動態を比較した結果、テルミサルタンの血漿中濃度推移は単独投与時と併用投与時とで類似しており、アムロジピン併用投与によるテルミサルタンの体内動態への影響は認められなかった(外国人データ)。
注)本剤の承認用量はテルミサルタン/アムロジピンとして40mg/5mg又は80mg/5mgである。
16.2 吸収
16.2.1 食事の影響
健康成人男子32例(各用量16例)に、テルミサルタン/アムロジピン40mg/5mg配合剤及びテルミサルタン/アムロジピン80mg/5mg配合剤を単回経口投与したとき、テルミサルタンは食後投与で空腹時投与に比べtmaxの中央値が遅延(食後:4.00及び3.00時間、空腹時:1.50及び1.00時間)し、Cmax及びAUCはそれぞれ63~71%及び32~37%低下した。[14.1.2参照]
一方、アムロジピンのCmax、AUC及びtmaxは空腹時投与と食後投与時とで類似しており、食事の影響は受けなかった。
16.3 分布
テルミサルタンのラット及びヒトの血漿蛋白結合率は、in vitro及びin vivoともに99%以上であった。
アムロジピンとヒト血漿蛋白との結合率は97.1%(in vitro,平衡透析法)であった。
16.4 代謝
テルミサルタンは主としてUGT酵素(UDP-グルクロノシルトランスフェラーゼ)によるグルクロン酸抱合によって代謝される。[10.参照]
アムロジピンの主たる尿中代謝体はジヒドロピリジン環の酸化したピリジン環体及びその酸化的脱アミノ体である。
16.5 排泄
テルミサルタンとして、以下の報告がある。
健康成人男子にテルミサルタン20、40、80mgを空腹時に単回経口投与(各群6例)したとき、未変化体はほとんど尿中に排出されず、投与後24時間までの平均累積尿中排泄率は、いずれの投与量においても0.02%以下であった。
健康成人男子5例に14C-テルミサルタン40mgを空腹時に単回経口投与したとき、投与後144時間までの放射能の尿中及び糞中総排泄率はそれぞれ約0.5%及び102%であり、吸収されたテルミサルタンの大部分が胆汁を介して糞中に排泄された(外国人データ)。
アムロジピンベシル酸塩として、以下の報告がある。
健康成人6例にアムロジピンとして2.5mg注)又は5mgを単回経口投与した場合、尿中に未変化体として排泄される割合は小さく、いずれの投与量においても尿中未変化体排泄率は投与後24時間までに投与量の約3%、144時間までに約8%であった。また2.5mg注)を1日1回14日間連続投与した場合の尿中排泄率は投与開始6日目でほぼ定常状態に達し、6日目以降の1日当たりの未変化体の尿中排泄率は6.3~7.4%であった。
健康成人2例に14C-標識アムロジピン15mg注)を単回経口投与した場合、投与12日目までに投与放射能の59.3%は尿中、23.4%は糞中に排泄され、投与後72時間までの尿中放射能の9%は未変化体であった。その他に9種の代謝物が認められた(外国人データ)。
なお、これら代謝物にはアムロジピンをしのぐ薬理作用は認められていない。
注)本剤の承認用量はテルミサルタン/アムロジピンとして40mg/5mg又は80mg/5mgである。
16.6 特定の背景を有する患者
16.6.1 肝機能障害患者
テルミサルタンとして、以下の報告がある。
肝障害患者12例(Child-Pugh分類A(軽症):8例、B(中等症):4例)にテルミサルタン20mg及び120mg注)を経口投与したとき、健康成人に比較しCmaxは4.5倍及び3倍高く、AUCは2.5倍及び2.7倍高かった(外国人データ)。[9.3.2参照]
注)肝障害のある患者に投与する場合の最大投与量は1日40mgである。
アムロジピンベシル酸塩として、以下の報告がある。
成人肝硬変患者(Child分類A,B)5例にアムロジピンとして2.5mgを単回投与した場合、健康成人に比し、投与72時間後の血中濃度が有意に上昇し、T1/2、AUCはやや高値を示したが有意差は認められなかった。
16.6.2 高齢者
アムロジピンベシル酸塩として、以下の報告がある。
老年高血圧患者6例(男2、女4、平均年齢79.7歳)にアムロジピンとして5mgを単回、及び8日間反復投与した場合、単回投与時に若年健康者(男6、平均年齢22.3歳)に比し、Cmax及びAUCは有意に高値を示したが、T1/2に有意差は認められなかった。反復投与時には老年者の血清中アムロジピン濃度は若年者よりも高く推移したが、そのパターンは若年者に類似しており、老年者でその蓄積が増大する傾向は認められなかった。

併用禁忌 

薬剤名等臨床症状・措置方法機序・危険因子
アリスキレンフマル酸塩
ラジレス
(糖尿病患者に使用する場合。ただし、他の降圧治療を行ってもなお血圧のコントロールが著しく不良の患者を除く。)[2.4参照]
非致死性脳卒中、腎機能障害、高カリウム血症及び低血圧のリスク増加が報告されている。テルミサルタン:レニン-アンジオテンシン系阻害作用が増強される可能性がある。

併用注意 

薬剤名等臨床症状・措置方法機序・危険因子
ジゴキシンテルミサルタンとの併用により、血中ジゴキシン濃度が上昇したとの報告がある。テルミサルタン:機序不明
カリウム保持性利尿剤
スピロノラクトン
トリアムテレン等
カリウム補給剤
血清カリウム濃度が上昇するおそれがある。テルミサルタン:カリウム貯留作用が増強するおそれがある。
危険因子:特に腎機能障害のある患者
リチウム製剤
炭酸リチウム
アンジオテンシン変換酵素阻害剤との併用により、リチウム中毒を起こすことが報告されている。テルミサルタン:明確な機序は不明であるが、ナトリウムイオン不足はリチウムイオンの貯留を促進するといわれているため、テルミサルタンがナトリウム排泄を促進することにより起こると考えられる。
利尿降圧剤
フロセミド、トリクロルメチアジド等
[11.1.4参照]
急激な血圧低下を起こすおそれがあるので、低用量から投与を開始し、増量する場合は徐々に行うこと。テルミサルタン:利尿降圧剤で治療を受けている患者にはレニン活性が亢進している患者が多く、本剤が奏効しやすい。
非ステロイド性抗炎症薬(NSAIDs)糸球体ろ過量がより減少し、腎障害のある患者では急性腎障害を引き起こす可能性がある。テルミサルタン:プロスタグランジン合成阻害作用により、腎血流量が低下するためと考えられる。
非ステロイド性抗炎症薬(NSAIDs)降圧薬の効果を減弱させることが報告されている。テルミサルタン:血管拡張作用を有するプロスタグランジンの合成が阻害されるため、降圧薬の血圧低下作用を減弱させると考えられている。
アンジオテンシン変換酵素阻害剤急性腎障害を含む腎機能障害、高カリウム血症及び低血圧を起こすおそれがある。テルミサルタン:レニン-アンジオテンシン系阻害作用が増強される可能性がある。
アリスキレンフマル酸塩腎機能障害、高カリウム血症及び低血圧を起こすおそれがある。なお、eGFRが60mL/min/1.73m2未満の腎機能障害のある患者へのアリスキレンフマル酸塩との併用については、治療上やむを得ないと判断される場合を除き避けること。テルミサルタン:レニン-アンジオテンシン系阻害作用が増強される可能性がある。
降圧作用を有する薬剤降圧作用が増強されるおそれがある。アムロジピン:相互に作用を増強するおそれがある。
CYP3A4阻害剤
エリスロマイシン
ジルチアゼム
リトナビル
イトラコナゾール等
エリスロマイシン及びジルチアゼムとの併用により、アムロジピンの血中濃度が上昇したとの報告がある。アムロジピンの代謝が競合的に阻害される可能性が考えられる。
CYP3A4誘導剤
リファンピシン等
アムロジピンの血中濃度が低下するおそれがある。アムロジピンの代謝が促進される可能性が考えられる。
グレープフルーツジュースアムロジピンの降圧作用が増強されるおそれがある。グレープフルーツに含まれる成分がアムロジピンの代謝を阻害し、アムロジピンの血中濃度が上昇する可能性が考えられる。
シンバスタチンアムロジピンベシル酸塩とシンバスタチン80mg(国内未承認の高用量)との併用により、シンバスタチンのAUCが77%上昇したとの報告がある。機序は不明である。
タクロリムスアムロジピンベシル酸塩との併用によりタクロリムスの血中濃度が上昇し、腎障害等のタクロリムスの副作用が発現するおそれがある。併用時にはタクロリムスの血中濃度をモニターし、必要に応じてタクロリムスの用量を調整すること。アムロジピンとタクロリムスは、主としてCYP3A4により代謝されるため、併用によりタクロリムスの代謝が阻害される可能性が考えられる。

重大な副作用 

次の副作用があらわれることがあるので、観察を十分に行い、異常が認められた場合には投与を中止するなど適切な処置を行うこと。
11.1.1 血管浮腫(頻度不明)
顔面、口唇、咽頭・喉頭、舌等の腫脹を症状とする血管浮腫があらわれ、喉頭浮腫等により呼吸困難を来した症例も報告されている。
11.1.2 高カリウム血症(頻度不明)
11.1.3 腎機能障害(頻度不明)
急性腎障害を呈した例が報告されている。
11.1.4 ショック、失神、意識消失(いずれも頻度不明)
冷感、嘔吐、意識消失等があらわれた場合には、直ちに適切な処置を行うこと。[9.1.4、9.2.2、10.2参照]
11.1.5 劇症肝炎、肝機能障害、黄疸(いずれも頻度不明)
AST、ALT、Al-P、LDH、γ-GTPの上昇等を伴う肝機能障害があらわれることがある。[8.4参照]
11.1.6 低血糖(頻度不明)
脱力感、空腹感、冷汗、手の震え、集中力低下、痙攣、意識障害等があらわれた場合には投与を中止し、適切な処置を行うこと。糖尿病治療中の患者であらわれやすい。
11.1.7 アナフィラキシー(頻度不明)
呼吸困難、血圧低下、喉頭浮腫等が症状としてあらわれることがある。
11.1.8 間質性肺炎(頻度不明)
発熱、咳嗽、呼吸困難、胸部X線異常等を伴う間質性肺炎があらわれることがあるので、このような場合には投与を中止し、副腎皮質ホルモン剤の投与等の適切な処置を行うこと。
11.1.9 横紋筋融解症(頻度不明)
筋肉痛、脱力感、CK上昇、血中及び尿中ミオグロビン上昇を特徴とする横紋筋融解症があらわれることがあるので、このような場合には直ちに投与を中止し、適切な処置を行うこと。また、横紋筋融解症による急性腎障害の発症に注意すること。
11.1.10 無顆粒球症、白血球減少、血小板減少(いずれも頻度不明)
11.1.11 房室ブロック(頻度不明)
徐脈、めまい等の初期症状があらわれることがある。

その他の副作用 

次の副作用があらわれることがあるので、観察を十分に行い、異常が認められた場合には投与を中止するなど適切な処置を行うこと。

0.5~5%未満0.5%未満頻度不明
過敏症湿疹、発疹そう痒、じん麻疹、紅斑、多形紅斑、光線過敏症、血管炎
精神神経系浮動性めまい体位性めまい、頭痛片頭痛、眠気、不眠、頭のぼんやり感、頭重、不安感、抑うつ状態、気分動揺、振戦、末梢神経障害、錐体外路症状
血液貧血、好酸球上昇白血球増加、赤血球減少、ヘモグロビン減少、紫斑
循環器低血圧心悸亢進、動悸、上室性頻脈、上室性期外収縮、期外収縮、心房細動、徐脈、洞房ブロック、洞停止、ほてり、ふらつき、起立性低血圧、頻脈
消化器口渇、口内炎、逆流性食道炎、腹部膨満、心窩部不快感、腹痛(連用により)歯肉肥厚、食欲不振、消化不良、心窩部痛、嘔気、嘔吐、胃炎、胃腸炎、鼓腸、排便回数増加、軟便、下痢、便秘、膵炎
肝臓AST、ALT、Al-P、LDH、γ-GTP上昇等の肝機能異常腹水
呼吸器喘息、咳鼻出血、喀痰増加、咽頭炎、呼吸困難
泌尿・生殖器血清クレアチニン上昇、BUN上昇、血中尿酸値上昇、尿管結石、排尿障害、尿潜血陽性、尿中蛋白陽性、勃起障害、頻尿、女性化乳房
代謝異常血清コレステロール上昇、糖尿病、高血糖、尿中ブドウ糖陽性
骨格筋背部痛関節痛、筋肉痛、下肢痛、腱炎、筋痙攣、下肢痙攣、筋緊張亢進
電解質血清カリウム上昇血清カリウム減少、低ナトリウム血症
一般的全身障害疲労倦怠感、脱力感、発熱、胸痛、疼痛、しびれ、体重増加、体重減少、浮腫
その他耳鳴、眼痛、CK上昇結膜炎、目のチカチカ感、羞明、視覚異常、視力異常、鼻炎、上気道感染、インフルエンザ様症状、尿路感染、膀胱炎、敗血症、多汗、脱毛、皮膚変色、味覚異常、異常感覚、CRP陽性
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