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ナルラピド錠1mg、他

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効能・効果/用法・用量 

効能・効果

  • 中等度から高度の疼痛を伴う各種癌における鎮痛

用法・用量

  • 通常、成人にはヒドロモルフォンとして1日4~24mgを4~6回に分割経口投与する。なお、症状に応じて適宜増減する。

禁忌 

【禁忌】

次の患者には投与しないこと

  • 2.1 重篤な呼吸抑制のある患者[呼吸抑制を増強する。]
  • 2.2 気管支喘息発作中の患者[気道分泌を妨げる。]
  • 2.3 慢性肺疾患に続発する心不全の患者[呼吸抑制や循環不全を増強する。]
  • 2.4 痙攣状態(てんかん重積症、破傷風、ストリキニーネ中毒)にある患者[脊髄の刺激効果があらわれる。]
  • 2.5 麻痺性イレウスの患者[消化管運動を抑制する。]
  • 2.6 急性アルコール中毒の患者[呼吸抑制を増強する。]
  • 2.7 本剤の成分及びアヘンアルカロイドに対し過敏症の患者
  • 2.8 出血性大腸炎の患者[腸管出血性大腸菌(O157等)や赤痢菌等の重篤な細菌性下痢のある患者では、症状の悪化、治療期間の延長をきたすおそれがある。]
  • 2.9 ナルメフェン塩酸塩水和物を投与中又は投与中止後1週間以内の患者[10.1参照]

注意 

9.特定の背景を有する患者に関する注意

9.1 合併症・既往歴等のある患者
9.1.1 細菌性下痢のある患者
治療上やむを得ないと判断される場合を除き、投与しないこと。治療期間の延長をきたすおそれがある。
9.1.2 心機能障害あるいは低血圧のある患者
循環不全を増強するおそれがある。
9.1.3 呼吸機能障害のある患者
呼吸抑制を増強するおそれがある。
9.1.4 脳に器質的障害のある患者
呼吸抑制や頭蓋内圧の上昇を起こすおそれがある。
9.1.5 ショック状態にある患者
循環不全や呼吸抑制を増強するおそれがある。
9.1.6 代謝性アシドーシスのある患者
呼吸抑制を起こすおそれがある。
9.1.7 甲状腺機能低下症(粘液水腫等)の患者
呼吸抑制や昏睡を起こすおそれがある。
9.1.8 副腎皮質機能低下症(アジソン病等)の患者
呼吸抑制作用に対し、感受性が高くなっている。
9.1.9 薬物依存・アルコール依存又はその既往歴のある患者
依存性を生じやすい。
9.1.10 衰弱者
呼吸抑制作用に対し、感受性が高くなっている。
9.1.11 前立腺肥大による排尿障害、尿道狭窄、尿路手術術後の患者
排尿障害を増悪することがある。
9.1.12 器質的幽門狭窄又は最近消化管手術を行った患者
消化管運動を抑制する。
9.1.13 痙攣の既往歴のある患者
痙攣を誘発するおそれがある。
9.1.14 胆嚢障害、胆石症又は膵炎の患者
オッジ筋を収縮させ症状が増悪することがある。
9.1.15 重篤な炎症性腸疾患のある患者
連用した場合、巨大結腸症を起こすおそれがある。
9.2 腎機能障害患者
低用量から投与を開始するなど患者の状態を観察しながら、慎重に投与すること。排泄が遅延し副作用があらわれるおそれがある。[16.6.1参照]
9.3 肝機能障害患者
低用量から投与を開始するなど患者の状態を観察しながら、慎重に投与すること。代謝が遅延し副作用があらわれるおそれがある。なお、重度の肝機能障害のある患者を対象とした臨床試験は実施していない。[16.6.2参照]
9.5 妊婦
妊婦又は妊娠している可能性のある女性には、治療上の有益性が危険性を上回ると判断される場合にのみ投与すること。マウス及びハムスターで胎児奇形(頭蓋奇形、軟部組織奇形、骨格変異)が、ラットで出生児の体重及び生存率の低下が報告されている。
分娩前に投与した場合、出産後新生児に退薬症候(多動、神経過敏、不眠、振戦等)があらわれることがある。
分娩時の投与により、新生児に呼吸抑制があらわれることがある。
9.6 授乳婦
本剤投与中は授乳しないことが望ましい。ヒト母乳中へ移行することが報告されている。
9.7 小児等
小児等を対象とした臨床試験は実施していない。
9.8 高齢者
低用量から投与を開始するなど患者の状態を観察しながら、慎重に投与すること。一般に生理機能が低下しており、特に呼吸抑制の感受性が高い。

8.重要な基本的注意

8.1 連用により薬物依存を生じることがあるので、観察を十分に行い、慎重に投与すること。[11.1.1参照]
8.2 眠気、めまいが起こることがあるので、本剤投与中の患者には自動車の運転等危険を伴う機械の操作に従事させないよう注意すること。
8.3 本剤を投与する場合には、以下の対応を念頭におき、副作用に十分注意すること。
・便秘に対する対策として緩下剤を併用、悪心・嘔吐に対する対策として制吐剤を併用する。
・鎮痛効果が得られている患者で通常と異なる強い眠気がある場合には、過量投与の可能性があるので、本剤の減量を考慮する。
8.4 本剤を増量する場合には、副作用に十分注意すること。[7.2.2参照]
8.5 本剤の医療目的外使用を防止するため、適切な処方を行い、保管に留意するとともに、患者等に対して適切な指導を行うこと。[14.1.1、14.1.3参照]

14.適用上の注意

14.1 薬剤交付時の注意
14.1.1 具体的な服用方法、服用時の注意点、保管方法等を十分に説明し、本剤の目的以外への使用あるいは他人への譲渡をしないよう指導するとともに、本剤を子供の手の届かないところに保管するよう指導すること。[8.5参照]
14.1.2 PTP包装の薬剤はPTPシートから取り出して服用するよう指導すること。PTPシートの誤飲により、硬い鋭角部が食道粘膜へ刺入し、更には穿孔をおこして縦隔洞炎等の重篤な合併症を併発することがある。
14.1.3 本剤が不要となった場合には、病院又は薬局へ返却するなどの処置について適切に指導すること。[8.5参照]

7.用法及び用量に関連する注意

7.1 臨時追加投与として本剤を使用する場合
疼痛が増強した場合や鎮痛効果が得られている患者で突発性の疼痛が発現した場合は、直ちに本剤の臨時追加投与を行い鎮痛を図ること。本剤の1回量は定時投与中のヒドロモルフォン塩酸塩経口製剤の1日用量の1/6~1/4を経口投与すること。
7.2 定時投与時
1日用量を4分割して使用する場合には、6時間ごとの定時に経口投与すること。
1日用量を6分割して使用する場合には、4時間ごとの定時に経口投与すること。この場合、深夜の睡眠を妨げないように就寝前の投与は2回分を合わせて投与することもできる。
7.2.1 初回投与
オピオイド鎮痛剤による治療の有無を考慮して初回投与量を設定すること。
(1)オピオイド鎮痛剤を使用していない患者
1回1mg、1日4mgから開始し、鎮痛効果及び副作用の発現状況を観察しながら用量調節を行うこと。
(2)オピオイド鎮痛剤を使用している患者
他のオピオイド鎮痛剤から本剤に変更する場合には、前治療薬の投与量等を考慮し、投与量を決めること。本剤の1日用量は、ヒドロモルフォンとして、モルヒネ経口剤1日用量の1/5量を目安とすること。
(3)フェンタニル貼付剤を使用している患者
フェンタニル貼付剤から本剤へ変更する場合には、フェンタニル貼付剤剥離後にフェンタニルの血中濃度が50%に減少するまで17時間以上かかることから、剥離直後の本剤の使用は避け、本剤の使用を開始するまでに、フェンタニルの血中濃度が適切な濃度に低下するまでの時間をあけるとともに、本剤の低用量から投与することを考慮すること。
7.2.2 増量
本剤投与開始後は患者の状態を観察し、適切な鎮痛効果が得られ副作用が最小となるよう用量調節を行うこと。4mgから8mgへの増量(1日4回分割投与時)又は6mgから12mgへの増量(1日6回分割投与時)の場合を除き、増量の目安は使用量の30~50%増とする。[8.4参照]
7.2.3 減量
連用中における急激な減量は、退薬症候があらわれることがあるので行わないこと。副作用等により減量する場合は、患者の状態を観察しながら慎重に行うこと。[11.1.1参照]
7.2.4 投与の中止
本剤の投与を中止する場合には、退薬症候の発現を防ぐために徐々に減量すること。[11.1.1参照]

16.薬物動態

16.1 血中濃度
16.1.1 単回投与
日本人健康成人男性に本剤1mg、2mg及び4mgを空腹時に単回経口投与したときの、血漿中ヒドロモルフォン濃度推移及び薬物動態パラメータは次のとおりであった。
単回経口投与時の血漿中ヒドロモルフォン濃度推移
薬物動態パラメータ(単回経口投与時)
投与量例数AUClast(ng・hr/mL)Cmax(ng/mL)Tmaxa)(hr)t1/2(hr)
1mg61.80±0.5830.664±0.3020.50
(0.25~1.00)
5.26±3.35
2mg64.05±0.9490.980±0.3520.76
(0.25~1.50)
9.24±5.88
4mg610.3±3.311.95±0.5631.00
(0.50~1.02)
18.3±11.7
平均値±標準偏差a)中央値(最小値~最大値)
16.1.2 反復投与
日本人健康成人に、ヒドロモルフォン塩酸塩製剤1.3mgを6時間間隔で5回反復投与したときの、血漿中ヒドロモルフォン濃度推移及び薬物動態パラメータは次のとおりであった。5回目投与後の血漿中ヒドロモルフォンのAUCは、初回投与後の約2倍であった。また、5回目投与後には定常状態に達していた。
反復経口投与時の血漿中ヒドロモルフォン濃度推移
薬物動態パラメータ(1.3mg反復投与時の初回投与後)
例数AUC0-6hr(ng・hr/mL)Cmax(ng/mL)Tmaxa)(hr)
61.48±0.470
(0.822~2.03)
0.849±0.432
(0.239~1.40)
1.00
(0.500~3.00)
平均値±標準偏差(最小値~最大値)a)中央値(最小値~最大値)
薬物動態パラメータ(1.3mg反復投与時の5回目投与後)
例数AUCtau(ng・hr/mL)Cmax,ss(ng/mL)Tmax,ssa)(hr)t1/2,ssb)(hr)
52.90±1.12
(1.52~4.51)
1.52±0.937
(0.571~3.07)
0.650
(0.250~1.52)
13.3±3.37
(9.04~16.4)
平均値±標準偏差(最小値~最大値)a)中央値(最小値~最大値)b)例数は4例
16.1.3 男女差
健康成人男女各18例に、ヒドロモルフォン塩酸塩製剤8mgを空腹時単回経口投与したとき、血漿中ヒドロモルフォン濃度推移に差は認められなかった(外国人データ)。
16.2 吸収
16.2.1 バイオアベイラビリティ
日本人健康成人6例に、ヒドロモルフォン塩酸塩製剤を空腹時単回経口投与したとき、バイオアベイラビリティは24%であった。
16.2.2 食事の影響
日本人健康成人男性6例に、本剤2mgを単回経口投与したとき、空腹時と比較して食後投与時でCmaxは1.3倍、AUCinfは1.3倍に増大した。
16.3 分布
16.3.1 母乳中への移行
健康授乳婦8例に、ヒドロモルフォン塩酸塩製剤2mgを経鼻投与注)したとき、ヒドロモルフォンの乳汁/血漿中のAUCの比は2.56であった(外国人データ)。
16.3.2 血漿蛋白結合率
平衡透析法で測定したヒト血漿蛋白結合率は24~30%であった(in vitro)。
16.4 代謝
ヒトにおけるヒドロモルフォンの主代謝経路は、3位水酸基のグルクロン酸抱合によるヒドロモルフォン-3-グルクロニドへの代謝である(外国人データ)。
ヒドロモルフォン及びヒドロモルフォン-3-グルクロニドは、CYP1A2、2A6、2B6、2C8、2C9、2C19、2D6、2E1及び3A4/5を阻害せず、CYP1A2、2B6及び3A4を誘導しなかった(in vitro)。[10.参照]
16.5 排泄
日本人健康成人男性に本剤1mg、2mg及び4mgを単回経口投与したとき、投与後48時間までの尿中に、投与量の約3%がヒドロモルフォンとして、投与量の約30%がヒドロモルフォン-3-グルクロニドとして排泄された。
16.6 特定の背景を有する患者
16.6.1 腎機能障害患者
腎機能正常者7例、中等度腎機能障害患者(クレアチニンクリアランス40~60mL/min)8例及び重度腎機能障害患者(クレアチニンクリアランス30mL/min未満)8例にヒドロモルフォン塩酸塩製剤4mgを単回経口投与したとき、腎機能正常者よりも、中等度腎機能障害患者ではAUCが2倍、重度腎機能障害患者では4倍高かった(外国人データ)。[9.2参照]
16.6.2 肝機能障害患者
肝機能正常者及び中等度肝機能障害患者(Child-Pughスコア7~9)各12例にヒドロモルフォン塩酸塩製剤4mgを単回経口投与したとき、肝機能正常者よりも、中等度肝機能障害患者ではAUCが4倍高かった(外国人データ)。[9.3参照]
16.6.3 高齢者
健康高齢者(65~74歳)及び健康非高齢者(18~38歳)各18例に、ヒドロモルフォン塩酸塩製剤4mgを空腹時単回経口投与したとき、血漿中ヒドロモルフォン濃度推移に差は認められなかった(外国人データ)。
注)本剤の承認された用法及び用量は、1日4~24mgを4~6回に分割経口投与である。

併用禁忌 

薬剤名等臨床症状・措置方法機序・危険因子
ナルメフェン塩酸塩水和物
セリンクロ
[2.9参照]
本剤の離脱症状があらわれるおそれがある。また、本剤の効果が減弱するおそれがある。緊急の手術等によりやむを得ず本剤を投与する場合、患者毎に用量を漸増し、呼吸抑制等の中枢神経抑制症状を注意深く観察すること。また、手術等において本剤を投与することが事前にわかる場合には、少なくとも1週間前にナルメフェン塩酸塩水和物の投与を中断すること。μオピオイド受容体拮抗作用により、本剤の作用が競合的に阻害される。

併用注意 

薬剤名等臨床症状・措置方法機序・危険因子
中枢神経抑制剤
フェノチアジン誘導体、バルビツール酸誘導体等
吸入麻酔剤
モノアミン酸化酵素阻害剤
三環系抗うつ剤
β遮断剤
アルコール
呼吸抑制、低血圧及び顕著な鎮静又は昏睡が起こることがある。相加的に中枢神経抑制作用が増強される。
クマリン系抗凝血剤
ワルファリン
クマリン系抗凝血剤の作用が増強されることがある。機序は不明である。
抗コリン作動性薬剤麻痺性イレウスに至る重篤な便秘又は尿貯留が起こるおそれがある。相加的に抗コリン作用が増強される。
ブプレノルフィン、ペンタゾシン等本剤の鎮痛作用を減弱させることがある。また、退薬症候を起こすことがある。ブプレノルフィン、ペンタゾシン等は本剤の作用するμ受容体の部分アゴニストである。

重大な副作用 

次の副作用があらわれることがあるので、観察を十分に行い、異常が認められた場合には投与を中止するなど適切な処置を行うこと。
11.1.1 依存性(頻度不明)
連用により生じることがある。また、連用中における投与量の急激な減少ないし投与の中止により、あくび、くしゃみ、流涙、発汗、悪心、嘔吐、下痢、腹痛、散瞳、頭痛、不眠、不安、せん妄、振戦、全身の筋肉・関節痛、呼吸促迫等の退薬症候があらわれることがある。[7.2.3、7.2.4、8.1参照]
11.1.2 呼吸抑制(頻度不明)
息切れ、呼吸緩慢、不規則な呼吸、呼吸異常等があらわれた場合には、投与を中止するなど適切な処置を行うこと。なお、本剤による呼吸抑制には、麻薬拮抗剤(ナロキソン、レバロルファン等)が拮抗する。
11.1.3 意識障害(0.5%)
昏睡、昏迷、錯乱、せん妄等の意識障害があらわれることがある。
11.1.4 イレウス(麻痺性イレウスを含む)(1.4%)、中毒性巨大結腸(頻度不明)
炎症性腸疾患の患者に投与した場合、中毒性巨大結腸があらわれることがある。

その他の副作用 

次の副作用があらわれることがあるので、観察を十分に行い、異常が認められた場合には投与を中止するなど適切な処置を行うこと。

5%以上5%未満頻度不明
過敏症発疹、そう痒症、蕁麻疹
精神神経系傾眠めまい、頭痛、味覚異常ミオクローヌス、縮瞳
呼吸器呼吸困難
消化器悪心、嘔吐、便秘食欲不振、腹部不快感口渇
肝臓肝機能異常
その他発熱、異常感、尿閉倦怠感
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