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効能・効果/用法・用量 

効能・効果

  • 双極性障害におけるうつ症状の改善

用法・用量

  • 通常、成人にはクエチアピンとして1回50mgより投与を開始し、2日以上の間隔をあけて1回150mgへ増量する。その後、さらに2日以上の間隔をあけて、推奨用量である1回300mgに増量する。
    なお、いずれも1日1回就寝前とし、食後2時間以上あけて経口投与すること。

禁忌 

【警告】

  • 1.1 著しい血糖値の上昇から、糖尿病性ケトアシドーシス、糖尿病性昏睡等の重大な副作用が発現し、死亡に至る場合があるので、本剤投与中は、血糖値の測定等の観察を十分に行うこと。[1.2、2.5、8.1、8.3、9.1.7、11.1.1参照]
  • 1.2 投与にあたっては、あらかじめ上記副作用が発現する場合があることを、患者及びその家族に十分に説明し、口渇、多飲、多尿、頻尿等の異常に注意し、このような症状があらわれた場合には、直ちに投与を中断し、医師の診察を受けるよう、指導すること。[1.1、8.1、8.3、9.1.7、11.1.1参照]
【禁忌】

次の患者には投与しないこと

  • 2.1 昏睡状態の患者[昏睡状態を悪化させるおそれがある。]
  • 2.2 バルビツール酸誘導体等の中枢神経抑制剤の強い影響下にある患者[中枢神経抑制作用が増強される。]
  • 2.3 アドレナリンを投与中の患者(アドレナリンをアナフィラキシーの救急治療、又は歯科領域における浸潤麻酔もしくは伝達麻酔に使用する場合を除く)[10.1、13.2参照]
  • 2.4 本剤の成分に対し過敏症の既往歴のある患者
  • 2.5 糖尿病の患者、糖尿病の既往歴のある患者[1.1、11.1.1参照]

注意 

9.特定の背景を有する患者に関する注意

9.1 合併症・既往歴等のある患者
9.1.1 心・血管疾患、脳血管障害、低血圧又はそれらの疑いのある患者
投与初期に一過性の血圧降下があらわれることがある。[8.10参照]
9.1.2 てんかん等の痙攣性疾患、又はこれらの既往歴のある患者
痙攣閾値を低下させるおそれがある。
9.1.3 不整脈又はその既往歴のある患者、先天性QT延長症候群の患者
QT間隔が延長する可能性がある。[10.2参照]
9.1.4 自殺企図の既往及び自殺念慮を有する患者
症状を悪化させるおそれがある。[8.4-8.8、15.1.4参照]
9.1.5 脳の器質的障害のある患者
他の抗うつ剤で精神症状の悪化が認められたとの報告がある。[8.6、8.8、9.1.6参照]
9.1.6 衝動性が高い併存障害を有する患者
他の抗うつ剤で精神症状の悪化が認められたとの報告がある。[8.6、8.8、9.1.5参照]
9.1.7 糖尿病の家族歴、高血糖あるいは肥満等の糖尿病の危険因子を有する患者[1.1、1.2、8.1、8.3、11.1.1参照]
9.1.8 不動状態、長期臥床、肥満、脱水状態等の危険因子を有する患者
肺塞栓症、静脈血栓症等の血栓塞栓症が報告されている。[11.1.10参照]
9.3 肝機能障害患者
クリアランスが減少し血漿中濃度が上昇することがある。[7.、16.6.1参照]
9.5 妊婦
妊婦又は妊娠している可能性のある女性には、治療上の有益性が危険性を上回ると判断される場合にのみ投与すること。動物実験(ラット及びウサギ)で胎児への移行が報告されている。また、妊娠後期に抗精神病薬が投与されている場合、新生児に哺乳障害、傾眠、呼吸障害、振戦、筋緊張低下、易刺激性等の離脱症状や錐体外路症状があらわれたとの報告がある。
9.6 授乳婦
治療上の有益性及び母乳栄養の有益性を考慮し、授乳の継続又は中止を検討すること。ヒトで母乳中へ移行することが報告されている。
9.7 小児等
小児等を対象とした有効性及び安全性を指標とした国内臨床試験は実施していない。
9.8 高齢者
患者の状態を観察しながら慎重に投与すること。クリアランスが減少し血漿中濃度が上昇することがある。一般に高齢者では生理機能が低下している。[7.、16.6.2参照]

8.重要な基本的注意

8.1 本剤の投与により、著しい血糖値の上昇から、糖尿病性ケトアシドーシス、糖尿病性昏睡等の致命的な経過をたどることがあるので、本剤投与中は、血糖値の測定や口渇、多飲、多尿、頻尿等の観察を十分に行うこと。特に、高血糖、肥満等の糖尿病の危険因子を有する患者では、血糖値が上昇し、代謝状態を急激に悪化させるおそれがある。[1.1、1.2、8.3、9.1.7、11.1.1参照]
8.2 本剤の投与により、低血糖があらわれることがあるので、本剤投与中は、脱力感、倦怠感、冷汗、振戦、傾眠、意識障害等の低血糖症状に注意するとともに、血糖値の測定等の観察を十分に行うこと。[8.3、11.1.2参照]
8.3 本剤の投与に際し、あらかじめ上記8.1及び8.2の副作用が発現する場合があることを、患者及びその家族に十分に説明し、高血糖症状(口渇、多飲、多尿、頻尿等)、低血糖症状(脱力感、倦怠感、冷汗、振戦、傾眠、意識障害等)に注意し、このような症状があらわれた場合には、直ちに投与を中断し、医師の診察を受けるよう、指導すること。[1.1、1.2、8.1、8.2、9.1.7、11.1.1、11.1.2参照]
8.4 大うつ病性障害等の精神疾患(双極性障害におけるうつ症状を含む)を有する患者への抗うつ剤の投与により、24歳以下の患者で、自殺念慮、自殺企図のリスクが増加するとの報告があるため、本剤の投与にあたっては、リスクとベネフィットを考慮すること。[8.5-8.8、9.1.4、15.1.4参照]
8.5 うつ症状を呈する患者は希死念慮があり、自殺企図のおそれがあるので、このような患者は投与開始早期並びに投与量を変更する際には患者の状態及び病態の変化を注意深く観察すること。[8.4、8.6-8.8、9.1.4、15.1.4参照]
8.6 不安、焦燥、興奮、パニック発作、不眠、易刺激性、敵意、攻撃性、衝動性、アカシジア/精神運動不穏、軽躁、躁病等があらわれることが報告されている。また、因果関係は明らかではないが、これらの症状・行動を来した症例において、基礎疾患の悪化又は自殺念慮、自殺企図、他害行為が報告されている。患者の状態及び病態の変化を注意深く観察するとともに、これらの症状の増悪が観察された場合には、服薬量を増量せず、徐々に減量し、中止するなど適切な処置を行うこと。[8.4、8.5、8.7、8.8、9.1.4-9.1.6、15.1.4参照]
8.7 自殺目的での過量服用を防ぐため、自殺傾向が認められる患者に処方する場合には、1回分の処方日数を最小限にとどめること。[8.4-8.6、8.8、9.1.4、15.1.4参照]
8.8 家族等に自殺念慮や自殺企図、興奮、攻撃性、易刺激性等の行動の変化及び基礎疾患悪化があらわれるリスク等について十分説明を行い、医師と緊密に連絡を取り合うよう指導すること。[8.4-8.7、9.1.4-9.1.6、15.1.4参照]
8.9 本剤の投与により体重増加を来すことがあるので、肥満に注意し、肥満の徴候があらわれた場合は、食事療法、運動療法等の適切な処置を行うこと。
8.10 本剤は、特に治療開始初期に起立性低血圧を起こすことがあるので、立ちくらみ、めまい等の低血圧症状があらわれた場合には減量等、適切な処置を行うこと。[9.1.1参照]
8.11 本剤は主として中枢神経系に作用するため、眠気、注意力・集中力・反射運動能力等の低下が起こることがあるので、本剤投与中の患者には自動車の運転等危険を伴う機械の操作に従事させないように注意すること。
8.12 前治療薬からの切り替えの際、精神症状が悪化する可能性があるので観察を十分行いながら前治療薬の用量を減らしつつ、本薬を徐々に増量することが望ましい。また、症状の悪化が認められた場合には、他の治療法に切り替えるなど適切な処置を行うこと。
8.13 投与量の急激な減少ないし投与の中止により、不眠、悪心、頭痛、下痢、嘔吐等の離脱症状があらわれることがある。投与を中止する場合には、徐々に減量するなど慎重に行うこと。
8.14 無顆粒球症、白血球減少があらわれることがあるので、血液検査を行うなど、観察を十分に行い、異常が認められた場合には投与を中止するなど適切な処置を行うこと。[11.1.6参照]
8.15 うつ症状が改善した場合には、本剤の投与継続の要否について検討し、本剤を漫然と投与しないよう注意すること。双極性障害の維持療法における日本人での本剤の有効性及び安全性は確立していない。

14.適用上の注意

14.1 薬剤交付時の注意
14.1.1 PTP包装の薬剤はPTPシートから取り出して服用するよう指導すること。PTPシートの誤飲により、硬い鋭角部が食道粘膜へ刺入し、更には穿孔をおこして縦隔洞炎等の重篤な合併症を併発することがある。
14.1.2 本剤は徐放性製剤であるため、割ったり、砕いたり、すりつぶしたりしないで、そのままかまずに服用するよう指導すること。割ったり、砕いたり、すりつぶしたりして服用すると、本剤の徐放性が失われ、薬物動態が変わるおそれがある。

7.用法及び用量に関連する注意

肝機能障害のある患者及び高齢者では、2日以上の間隔をあけて患者の状態を観察しながら1日50mgずつ慎重に増量すること。[9.3、9.8、16.6.1、16.6.2参照]

16.薬物動態

16.1 血中濃度
16.1.1 単回投与
非高齢健康成人男性に本剤50mgを空腹時単回経口投与したときのクエチアピンの薬物動態パラメータは以下のとおりであった。
本剤50mgを単回投与したときのクエチアピンの薬物動態パラメータ(健康成人男性)
投与量(mg)nCmax(ng/mL)Tmax(h)AUClast(μg・h/mL)t1/2(h)
5024a)33.0±17.77.0b)(1.0-24.0)0.424±0.2836.8±1.7
(平均値±標準偏差)a)t1/2はn=22b)中央値(範囲)
16.1.2 反復投与
非高齢大うつ病性障害患者注)に本剤を初回投与量として1日1回50mgから開始し、3日目に1日1回150mgに増量した。5日目に1日1回300mgまで増量し7日間空腹時反復経口投与したときの、定常状態の血漿中クエチアピン及び代謝物ノルクエチアピンの薬物動態パラメータは以下のとおりであった。
本剤300mgを反復投与したときのクエチアピン及びノルクエチアピンの薬物動態パラメータ(非高齢者)
対象投与量(mg)nCmax(ng/mL)Tmaxa)(h)AUC24h(μg・h/mL)t1/2b)(h)
クエチアピン3009314±1516.0(4.0-12.0)3.73±2.166.5±2.9
ノルクエチアピン3009131±46.84.0(4.0-10.0)2.06±0.60926.6±17.3
(平均値±標準偏差)a)中央値(範囲)b)n=7、投与後24時間までの採血点から算出
16.1.3 生物学的同等性試験
大うつ病性障害患者注)16例を対象に、2群2期クロスオーバー法により、本剤50mg錠3錠と150mg錠1錠を切り替えて反復経口投与したときのクエチアピンの平均血漿中濃度プロファイルは類似していた。本剤50mg錠3錠投与に対する150mg錠1錠投与時の定常状態のCmax及びAUC24hの幾何平均比(90%信頼区間)は以下のとおりであった。
本剤50mg錠と150mg錠の定常状態における薬物動態の比較
比較パラメータCmax(ng/mL)AUC24h(μg・h/mL)
本剤150mg錠1錠/本剤50mg錠3錠幾何平均比1.221.05
90%信頼区間1.03-1.440.95-1.15
また、双極性障害の大うつ病エピソードと診断された患者に、2群2期クロスオーバー法で本剤50mg錠と150mg錠を切り替えて投与した試験における有効性と安全性に大きな違いはなかった。[17.1.4参照]
16.2 吸収
健康成人男性(24例)に本剤50mgを経口投与したときのCmax及びAUClastの幾何平均比(90%信頼区間)は、空腹時投与と比較して高脂肪食では2.14(1.88~2.43)及び1.18(1.04~1.34)、低脂肪食では1.82(1.60~2.07)及び1.06(0.94~1.20)であった。
16.3 分布
ヒト血漿中におけるクエチアピンの蛋白結合率は83.0%であった(in vitro)。
16.4 代謝
16.4.1 クエチアピンは複数の経路で広範囲に代謝され、クエチアピンの代謝に関与する主なP450酵素はCYP3A4であった。代謝物ノルクエチアピンは主にCYP3A4により生成された(in vitro)。[10.参照]
16.4.2 In vitro試験において、クエチアピン及びノルクエチアピンを含む代謝物はCYP1A2、CYP2C9、CYP2C19、CYP2D6及びCYP3A4活性に対して弱い阻害作用を示したが、臨床用量のヒトでの血漿中濃度の約15倍以上の濃度でみられる作用であり、薬物相互作用の惹起を示唆するものではないと考えられた。
16.5 排泄
16.5.1 健康成人男子に本剤と同一有効成分を含有するセロクエル錠20mgを単回経口投与したところ、尿中への未変化体の排泄率は投与量の1%未満であった。
16.5.2 外国人統合失調症患者に14C標識クエチアピンを経口投与したところ、尿及び糞中への放射能排泄率はそれぞれ投与量の72.8%及び20.2%であった。また、尿糞中放射能に占める未変化体の割合は1%未満であった。
16.6 特定の背景を有する患者
16.6.1 肝機能障害の影響
肝機能障害患者(アルコール性肝硬変)に本剤と同一有効成分を含有するセロクエル錠25mgを単回経口投与したところ、クエチアピンのCmax及びAUCinfは健康成人よりも高く(約1.5倍)、t1/2は健康成人よりも長かった(約1.8倍)(外国人データ)。[7.、9.3参照]
外国人肝機能障害患者にセロクエル錠25mgを単回投与したときの薬物動態パラメータ
被験者nCmax(ng/mL)Tmaxa)(h)AUCinf(μg・h/mL)t1/2(h)CL/F(L/h)
肝機能障害患者878.5±14.41.0(0.5-1.5)0.386±0.0775.5±1.079.4±10.7
健康成人853.0±3.51.25(0.6-3.0)0.248±0.0203.1±0.2105±8
(平均値±標準誤差)a)中央値(範囲)
16.6.2 高齢者
高齢大うつ病性障害患者注)に本剤を初回投与量として1日1回50mgから開始し、3日目に1日1回150mgに増量した後、5日目に1日1回300mgまで増量し7日間空腹時反復経口投与したときの、定常状態の血漿中クエチアピンの薬物動態パラメータは以下のとおりであった。[7.、9.8参照]
本剤300mgを反復投与したときのクエチアピンの薬物動態パラメータ(高齢者)
投与量(mg)nCmax(ng/mL)Tmaxa)(h)AUC24h(μg・h/mL)t1/2b)(h)
3008434±1844.0(3.9-10.0)4.91±2.007.9±2.3
(平均値±標準偏差)a)中央値(範囲)b)n=6、投与後24時間までの採血点から算出
16.7 薬物相互作用
16.7.1 フェニトイン(CYP3A誘導剤)
外国人にフェニトインを併用投与したとき、クエチアピンの経口クリアランスが約5倍に増加し、Cmax及びAUCはそれぞれ66%及び80%低下した。[10.2参照]
16.7.2 ケトコナゾール(CYP3Aの強い阻害剤)
外国人に強いCYP3A4阻害剤であるケトコナゾール(経口剤:国内未発売)を併用投与したとき、クエチアピンのCmax及びAUCはそれぞれ単独投与の3.35倍及び6.22倍であった。[10.2参照]
注)本剤の効能又は効果は「双極性障害におけるうつ症状の改善」であり、大うつ病性障害への適応を取得していない。

併用禁忌 

薬剤名等臨床症状・措置方法機序・危険因子
アドレナリン
(アナフィラキシーの救急治療、又は歯科領域における浸潤麻酔もしくは伝達麻酔に使用する場合を除く)
(ボスミン)
[2.3、13.2参照]
アドレナリンの作用を逆転させ、重篤な血圧降下を起こすことがある。アドレナリンはアドレナリン作動性α、β-受容体の刺激剤であり、本剤のα-受容体遮断作用により、β-受容体の刺激作用が優位となり、血圧降下作用が増強される。

併用注意 

薬剤名等臨床症状・措置方法機序・危険因子
中枢神経抑制剤
アルコール
中枢神経抑制作用が増強することがあるので、個々の患者の症状及び忍容性に注意し、慎重に投与すること。薬力学的相互作用を起こすことがある。
CYP3A4誘導作用を有する薬剤注)
フェニトイン
カルバマゼピン
バルビツール酸誘導体
リファンピシン

[16.7.1参照]
本剤の作用が減弱することがある。本剤の主要代謝酵素であるCYP3A4の誘導により、クリアランスが増加することがある。
強いCYP3A4阻害作用を有する薬剤
イトラコナゾール

[16.7.2参照]
本剤の作用を増強するおそれがあるので、個々の患者の症状及び忍容性に注意し、本剤を減量するなどして慎重に投与すること。
併用により本剤の血漿中濃度が高値となり、QT間隔が延長するおそれがある。
本剤の主要代謝酵素であるCYP3A4を強く阻害するため、血漿中濃度が上昇する可能性がある。
CYP3A4阻害作用を有する薬剤
エリスロマイシン
本剤の作用を増強するおそれがあるので、個々の患者の症状及び忍容性に注意し、慎重に投与すること。本剤の主要代謝酵素であるCYP3A4を阻害するため、血漿中濃度が上昇する可能性がある。
QT延長を起こすことが知られている薬剤
[9.1.3参照]
QT延長があらわれるおそれがある。併用によりQT延長作用が相加的に増加するおそれがある。
アドレナリン含有歯科麻酔剤
リドカイン・アドレナリン
重篤な血圧降下を起こすことがある。アドレナリンはアドレナリン作動性α、β-受容体の刺激剤であり、本剤のα-受容体遮断作用により、β-受容体の刺激作用が優位となり、血圧降下作用が増強されるおそれがある。

重大な副作用 

次の副作用があらわれることがあるので、観察を十分に行い、異常が認められた場合には投与を中止するなど適切な処置を行うこと。
11.1.1 高血糖(1%未満)、糖尿病性ケトアシドーシス、糖尿病性昏睡(いずれも頻度不明)
死亡に至るなどの致命的な経過をたどることがあるので、血糖値の測定や、口渇、多飲、多尿、頻尿等の観察を十分に行い、異常が認められた場合には、投与を中止し、インスリン製剤の投与を行うなど、適切な処置を行うこと。[1.1、1.2、2.5、8.1、8.3、9.1.7参照]
11.1.2 低血糖(頻度不明)
脱力感、倦怠感、冷汗、振戦、傾眠、意識障害等の低血糖症状が認められた場合には、投与を中止し適切な処置を行うこと。[8.2、8.3参照]
11.1.3 悪性症候群(Syndrome malin)(頻度不明)
無動緘黙、強度の筋強剛、嚥下困難、頻脈、血圧の変動、発汗等が発現し、それにひきつづき発熱がみられる場合は、投与を中止し、体冷却、水分補給等の全身管理とともに適切な処置を行うこと。本症発症時には、白血球の増加やCKの上昇がみられることが多く、また、ミオグロビン尿を伴う腎機能低下がみられることがある。
なお、高熱が持続し、意識障害、呼吸困難、循環虚脱、脱水症状、急性腎障害へと移行し、死亡した例が報告されている。
11.1.4 横紋筋融解症(頻度不明)
筋肉痛、脱力感、CK上昇、血中及び尿中ミオグロビン上昇等が認められた場合には投与を中止し、適切な処置を行うこと。横紋筋融解症による急性腎障害の発症に注意すること。
11.1.5 痙攣(頻度不明)
11.1.6 無顆粒球症(頻度不明)、白血球減少(1%未満)[8.14参照]
11.1.7 肝機能障害(1%未満)、黄疸(頻度不明)
AST、ALT、γ-GTP、Al-Pの上昇等を伴う肝機能障害、黄疸があらわれることがある。
11.1.8 麻痺性イレウス(頻度不明)
腸管麻痺(食欲不振、悪心・嘔吐、著しい便秘、腹部の膨満あるいは弛緩及び腸内容物のうっ滞等の症状)を来し、麻痺性イレウスに移行することがあるので、腸管麻痺があらわれた場合には、投与を中止するなど適切な処置を行うこと。
11.1.9 遅発性ジスキネジア(頻度不明)
口周部等の不随意運動があらわれ、投与中止後も持続することがある。
11.1.10 肺塞栓症、深部静脈血栓症(いずれも頻度不明)
肺塞栓症、静脈血栓症等の血栓塞栓症が報告されているので、息切れ、胸痛、四肢の疼痛、浮腫等が認められた場合には、投与を中止するなど適切な処置を行うこと。[9.1.8参照]
11.1.11 中毒性表皮壊死融解症(Toxic Epidermal Necrolysis:TEN)、皮膚粘膜眼症候群(Stevens-Johnson症候群)、多形紅斑(いずれも頻度不明)

その他の副作用 

次の副作用があらわれることがあるので、観察を十分に行い、異常が認められた場合には投与を中止するなど適切な処置を行うこと。

5%以上1~5%未満1%未満頻度不明
精神神経系めまい、頭痛、傾眠(50.7%)鎮静、うつ病、軽躁、不眠症注意力障害、過眠症、片頭痛、せん妄、易刺激性、躁病、自殺念慮、自殺企図、自傷行動不安、幻覚の顕在化、健忘、攻撃的反応、意識レベルの低下、昏迷、神経症、妄想の顕在化、リビドー亢進、感情不安定、激越、錯乱、思考異常、人格障害、多幸症、舞踏病様アテトーシス、悪夢、独語、衝動行為、自動症、敵意、統合失調性反応、協調不能、レストレスレッグス症候群
錐体外路症状アカシジア運動緩慢、構語障害、ジストニア流涎過多、歩行障害、筋痙縮、筋骨格硬直、ジスキネジア、構音障害、錐体外路障害、振戦筋強剛、嚥下障害、眼球回転発作、パーキンソン症候群
血液白血球数増加顆粒球減少、好酸球増加症、貧血、血小板減少
循環器系頻脈、低血圧、高血圧、起立性低血圧動悸、不整脈、心電図QT延長心悸亢進、心電図異常、徐脈、失神、血管拡張
肝臓ALT上昇、AST上昇、γ-GTP上昇LDH上昇、肝機能検査異常Al-P上昇、ビリルビン血症
呼吸器系鼻閉去痰困難、鼻炎、咳増加
消化器系便秘、食欲亢進腹部不快感、腹痛、下痢、悪心、嘔吐、過食腹部膨満、消化不良、胃炎、胃食道逆流性疾患、食欲減退鼓腸放屁、消化管障害、吐血、直腸障害、膵炎
瞳孔反射障害、弱視、結膜炎
代謝・内分泌高プロラクチン血症TSH上昇、高トリグリセリド血症甲状腺疾患、高カリウム血症、TSH減少、高尿酸血症、高脂血症、尿糖陽性、FT4減少、乳汁漏出症T4減少、高コレステロール血症、T3減少、月経異常、肥満症、痛風、低ナトリウム血症、水中毒、多飲症
過敏症湿疹発疹、血管浮腫、そう痒
泌尿器系膀胱炎、尿蛋白陽性、排尿困難尿失禁、尿閉、BUN上昇、持続勃起、射精異常、インポテンス、頻尿
その他口渇(23.5%)、口内乾燥、倦怠感、体重増加薬剤離脱症候群(不眠、悪心、頭痛、下痢、嘔吐)、CK上昇、感覚鈍麻回転性めまい、歯痛、無力症、悪寒、末梢性浮腫、靱帯捻挫、体重減少、関節痛、背部痛、筋肉痛、味覚異常、脱毛症、多汗症意欲低下、発熱、胸痛、舌麻痺、浮腫、ほてり、顔面浮腫、腫瘤、過量投与、骨盤痛、歯牙障害、関節症、滑液包炎、筋無力症、悪化反応、偶発外傷、耳の障害、ざ瘡
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