製品名 ナルベイン注2mg
ナルベイン注20mg

一般名
Hydromorphone Hydrochloride
薬効分類
鎮痛・解熱薬
 >麻薬性鎮痛薬
価格
2mg1mL1管:725円/管
20mg2mL1管:6340円/管

製薬会社
効能・効果
用法・容量

効能・効果

  • 中等度から高度の疼痛を伴う各種癌における鎮痛

用法・用量

  • 通常、成人にはヒドロモルフォンとして1日0.5~25mgを持続静脈内又は持続皮下投与する。なお、症状に応じて適宜増減する。
禁忌
【禁忌】

次の患者には投与しないこと

  • 重篤な呼吸抑制のある患者[呼吸抑制を増強する。]
  • 気管支喘息発作中の患者[気道分泌を妨げる。]
  • 慢性肺疾患に続発する心不全の患者[呼吸抑制や循環不全を増強する。]
  • 痙攣状態(てんかん重積症、破傷風、ストリキニーネ中毒)にある患者[脊髄の刺激効果があらわれる。]
  • 麻痺性イレウスの患者[消化管運動を抑制する。]
  • 急性アルコール中毒の患者[呼吸抑制を増強する。]
  • 本剤の成分及びアヘンアルカロイドに対し過敏症の患者
  • 出血性大腸炎の患者[腸管出血性大腸菌(O157等)や赤痢菌等の重篤な細菌性下痢のある患者では、症状の悪化、治療期間の延長をきたすおそれがある。]
原則禁忌

次の患者には投与しないことを原則とするが、特に必要とする場合には慎重に投与すること

  • 細菌性下痢のある患者[治療期間の延長をきたすおそれがある。]
副作用
(頻度不明注1)
依存性
連用により薬物依存を生じることがあるので、観察を十分に行い、慎重に投与すること。また、連用中における投与量の急激な減少ないし投与の中止により、あくび、くしゃみ、流涙、発汗、悪心、嘔吐、下痢、腹痛、散瞳、頭痛、不眠、不安、譫妄、振戦、全身の筋肉・関節痛、呼吸促迫等の退薬症候があらわれることがあるので、投与を中止する場合には、1日用量を徐々に減量するなど、患者の状態を観察しながら行うこと。
呼吸抑制
呼吸抑制があらわれることがあるので、息切れ、呼吸緩慢、不規則な呼吸、呼吸異常等があらわれた場合には、投与を中止するなど適切な処置を行うこと。なお、本剤による呼吸抑制には、麻薬拮抗剤(ナロキソン、レバロルファン等)が拮抗する。
意識障害
昏睡、昏迷、錯乱、譫妄等の意識障害があらわれることがあるので、このような場合には、減量又は投与を中止するなど適切な処置を行うこと。
イレウス(麻痺性イレウスを含む)、中毒性巨大結腸
イレウス(麻痺性イレウスを含む)があらわれることがある。また、炎症性腸疾患の患者に投与した場合、中毒性巨大結腸があらわれることがあるので、これらの症状があらわれた場合には適切な処置を行うこと。
注1)海外において認められている副作用又はヒドロモルフォン経口剤(ナルサス錠、ナルラピド錠)において認められている副作用のため頻度不明。
注意

次の患者には慎重に投与すること

心機能障害あるいは低血圧のある患者[循環不全を増強するおそれがある。]
呼吸機能障害のある患者[呼吸抑制を増強するおそれがある。]
肝機能障害のある患者[代謝が遅延し副作用があらわれるおそれがあるため、低用量から投与を開始するなど患者の状態を観察しながら、慎重に投与すること(「薬物動態」の項参照)。なお、重度の肝機能障害のある患者への使用経験はない。]
腎機能障害のある患者[排泄が遅延し副作用があらわれるおそれがあるため、低用量から投与を開始するなど患者の状態を観察しながら、慎重に投与すること(「薬物動態」の項参照)。]
脳に器質的障害のある患者[呼吸抑制や頭蓋内圧の上昇を起こすおそれがある。]
ショック状態にある患者[循環不全や呼吸抑制を増強するおそれがある。]
代謝性アシドーシスのある患者[呼吸抑制を起こすおそれがある。]
甲状腺機能低下症(粘液水腫等)の患者[呼吸抑制や昏睡を起こすおそれがある。]
副腎皮質機能低下症(アジソン病等)の患者[呼吸抑制作用に対し、感受性が高くなっている。]
薬物依存・アルコール依存又はその既往歴のある患者[依存性を生じやすい。]
高齢者(「高齢者への投与」の項参照)
衰弱者[呼吸抑制作用に対し、感受性が高くなっている。]
前立腺肥大による排尿障害、尿道狭窄、尿路手術術後の患者[排尿障害を増悪することがある。]
器質的幽門狭窄又は最近消化管手術を行った患者[消化管運動を抑制する。]
痙攣の既往歴のある患者[痙攣を誘発するおそれがある。]
胆嚢障害、胆石症又は膵炎の患者[オッジ筋を収縮させ症状が増悪することがある。]
重篤な炎症性腸疾患のある患者[連用した場合、巨大結腸症を起こすおそれがある。]
連用により薬物依存を生じることがあるので、観察を十分に行い、慎重に投与すること(「副作用」の項参照)。
眠気、めまいが起こることがあるので、本剤投与中の患者には自動車の運転等危険を伴う機械の操作に従事させないよう注意すること。
本剤を投与する場合には、以下の対応を念頭におき、副作用に十分注意すること。
便秘に対する対策として緩下剤を併用、悪心・嘔吐に対する対策として制吐剤を併用する。
鎮痛効果が得られている患者で通常と異なる強い眠気がある場合には、過量投与の可能性があるので、本剤の減量を考慮する。
本剤を増量する場合には、副作用に十分注意すること。
本剤の医療目的外使用を防止するため、適切な処方を行い、保管に留意するとともに、患者等に対して適切な指導を行うこと(「適用上の注意」の項参照)。
患者等に対する指導
本剤の投与にあたっては、具体的な投与方法、投与時の注意点、保管方法等を十分に説明し、本剤の目的以外への使用あるいは他人への譲渡をしないよう指導するとともに、本剤を子供の手の届かないところに保管するよう指導すること。
本剤が不要となった場合には、病院又は薬局へ返却するなどの処置について適切に指導すること。
投与経路
オピオイド製剤の癌疼痛における臨床使用方法としては、経口投与又は直腸内投与が不可能なとき、はじめて注射を用いる。
投与速度
急速静注により、アナフィラキシー、重篤な呼吸抑制、低血圧、末梢循環虚脱、心停止が起こるおそれがあるので、静注する場合には緩徐に行うことが望ましい。
開封時
アンプルカット時の異物混入を避けるため、エタノール消毒綿等で清拭しカットすることが望ましい。
調製時の注意
本剤をブドウ糖を含有する輸液に希釈して用いる場合、遮光すること。
ナルベイン注2mg
持続投与時
初回投与
オピオイド鎮痛剤による治療の有無を考慮して初回投与量を設定すること。
オピオイド鎮痛剤を使用していない患者
1日0.5~1.0mgから開始し、鎮痛効果及び副作用の発現状況を観察しながら用量調節を行うこと。
オピオイド鎮痛剤を使用している患者
他のオピオイド鎮痛剤から本剤に変更する場合には、前治療薬の投与量等を考慮し、投与量を決めること。本剤の1日用量は、ヒドロモルフォンとして、モルヒネ注射剤1日用量の1/8量を目安とすること。
ヒドロモルフォン経口剤を使用している患者
ヒドロモルフォン経口剤から本剤に変更する場合には、ヒドロモルフォン経口剤1日用量の1/5量を本剤の1日用量の目安とすること。
フェンタニル貼付剤を使用している患者
フェンタニル貼付剤から本剤へ変更する場合には、フェンタニル貼付剤剥離後にフェンタニルの血中濃度が50%に減少するまで17時間以上かかることから、剥離直後の本剤の使用は避け、本剤の使用を開始するまでに、フェンタニルの血中濃度が適切な濃度に低下するまでの時間をあけるとともに、本剤の低用量から投与することを考慮すること。
増量
本剤投与開始後は患者の状態を観察し、適切な鎮痛効果が得られ副作用が最小となるよう用量調整を行うこと。増量の目安は1日用量の25~50%増とする。
減量
連用中における急激な減量は、退薬症候があらわれることがあるので行わないこと。副作用等により減量する場合は、患者の状態を観察しながら慎重に行うこと。
投与の中止
本剤の投与を中止する場合には、退薬症候の発現を防ぐために徐々に減量すること。
臨時追加投与として本剤を使用する場合
疼痛が増強した場合や鎮痛効果が得られている患者で突発性の疼痛が発現した場合は、直ちに本剤の1日用量の1/24量(1時間量相当分)を目安とし早送りによる臨時追加投与を行い、鎮痛を図ること。ただし、臨時追加投与を連続して行う場合は、呼吸抑制等の副作用の発現に注意すること。
ナルベイン注20mg
注20mg使用時
20mg注射液(1.0%製剤)は、2mg注射液(0.2%製剤)の5倍濃度であるので、製剤の切り替えにあたっては、持続注入器の注入速度、注入量を慎重に設定し、過量投与とならないように注意して使用すること。
持続投与時
初回投与
オピオイド鎮痛剤による治療の有無を考慮して初回投与量を設定すること。
オピオイド鎮痛剤を使用していない患者
1日0.5~1.0mgから開始し、鎮痛効果及び副作用の発現状況を観察しながら用量調節を行うこと。
オピオイド鎮痛剤を使用している患者
他のオピオイド鎮痛剤から本剤に変更する場合には、前治療薬の投与量等を考慮し、投与量を決めること。本剤の1日用量は、ヒドロモルフォンとして、モルヒネ注射剤1日用量の1/8量を目安とすること。
ヒドロモルフォン経口剤を使用している患者
ヒドロモルフォン経口剤から本剤に変更する場合には、ヒドロモルフォン経口剤1日用量の1/5量を本剤の1日用量の目安とすること。
フェンタニル貼付剤を使用している患者
フェンタニル貼付剤から本剤へ変更する場合には、フェンタニル貼付剤剥離後にフェンタニルの血中濃度が50%に減少するまで17時間以上かかることから、剥離直後の本剤の使用は避け、本剤の使用を開始するまでに、フェンタニルの血中濃度が適切な濃度に低下するまでの時間をあけるとともに、本剤の低用量から投与することを考慮すること。
増量
本剤投与開始後は患者の状態を観察し、適切な鎮痛効果が得られ副作用が最小となるよう用量調整を行うこと。増量の目安は1日用量の25~50%増とする。
減量
連用中における急激な減量は、退薬症候があらわれることがあるので行わないこと。副作用等により減量する場合は、患者の状態を観察しながら慎重に行うこと。
投与の中止
本剤の投与を中止する場合には、退薬症候の発現を防ぐために徐々に減量すること。
臨時追加投与として本剤を使用する場合
疼痛が増強した場合や鎮痛効果が得られている患者で突発性の疼痛が発現した場合は、直ちに本剤の1日用量の1/24量(1時間量相当分)を目安とし早送りによる臨時追加投与を行い、鎮痛を図ること。ただし、臨時追加投与を連続して行う場合は、呼吸抑制等の副作用の発現に注意すること。
低用量から投与を開始するなど患者の状態を観察しながら、慎重に投与すること。[一般に高齢者では生理機能が低下しており、特に呼吸抑制の感受性が高い。]
妊婦又は妊娠している可能性のある婦人には、治療上の有益性が危険性を上回ると判断される場合にのみ投与すること。[マウス及びハムスターでは胎児奇形(頭蓋奇形、軟部組織奇形、骨格変異)が、ラットにおいて出生児の体重及び生存率の低下が報告されている。]
分娩前に投与した場合、出産後新生児に退薬症候(多動、神経過敏、不眠、振戦等)があらわれることがある。
分娩時の投与により、新生児に呼吸抑制があらわれることがある。
授乳中の婦人には、本剤投与中は授乳を避けさせること。[ヒト母乳中へ移行することが報告されている。]
低出生体重児、新生児、乳児、幼児又は小児に対する安全性は確立していない(使用経験がない)。
血漿中濃度
持続投与
日本人がん疼痛患者に持続静脈内投与(28例)又は持続皮下投与(8例)したときの、1日あたりの投与量と定常状態における血漿中ヒドロモルフォン濃度(投与開始72時間後)の関係は次のとおりであった。なお、採血の30時間以内に本剤の投与量変更又は臨時追加投与が行われた患者は除外した。
1日あたりの投与量と定常状態の血漿中ヒドロモルフォン濃度
急速単回投与
日本人健康成人にヒドロモルフォン塩酸塩注射剤1mgを静脈内又は皮下に急速単回投与したときの、血漿中ヒドロモルフォン濃度推移及び薬物動態パラメータは次のとおりであった。
急速単回投与時の血漿中ヒドロモルフォン濃度推移
薬物動態パラメータ(急速単回投与時)
投与経路・投与量例数AUClast(ng・hr/mL)Cmax(ng/mL)Tmaxa)(hr)t1/2(hr)
静脈内投与1mg68.4±1.320±7.20.083(0.033~0.10)2.5±0.36b)
皮下投与1mg69.9±1.69.8±3.50.26(0.083~0.28)5.1±3.5
平均値±標準偏差a)中央値(最小値~最大値)b)例数は4例
注)本剤の承認された用法は、持続静脈内投与又は持続皮下投与である。
男女差
健康成人男女各18例に、ヒドロモルフォン塩酸塩即放性製剤8mgを空腹時単回経口投与したとき、血漿中ヒドロモルフォン濃度推移に差は認められなかった。(外国人データ)
高齢者
健康高齢者(65~74歳)及び健康非高齢者(18~38歳)各18例に、ヒドロモルフォン塩酸塩即放性製剤4mgを空腹時単回経口投与したとき、血漿中ヒドロモルフォン濃度推移に差は認められなかった。(外国人データ)
肝機能障害患者
中等度肝機能障害患者12例にヒドロモルフォン塩酸塩即放性製剤4mgを単回経口投与したとき、肝機能正常者よりAUCが4倍高かった。(外国人データ)
なお、重度肝機能障害患者を対象とした試験は実施されていない。
腎機能障害患者
ヒドロモルフォン塩酸塩即放性製剤4mgを単回経口投与したとき、腎機能正常者よりも、中等度腎機能障害患者(クレアチニンクリアランス40~60mL/min)ではAUCが2倍、重度腎機能障害患者(クレアチニンクリアランス30mL/min未満)では4倍高かった。(外国人データ)
分布
血漿蛋白結合率
平衡透析法で測定したヒト血漿蛋白結合率は24~30%であった。(in vitro試験データ)
母乳中への移行
健康授乳婦8例に、ヒドロモルフォン塩酸塩即放性製剤2mgを経鼻投与したとき、ヒドロモルフォンの乳汁/血漿中のAUCの比は2.56であった。(外国人データ)
代謝
ヒトにおけるヒドロモルフォンの主代謝経路は、3位水酸基のグルクロン酸抱合によるヒドロモルフォン-3-グルクロニドへの代謝である。
排泄
日本人健康成人にヒドロモルフォン塩酸塩注射剤1mgを急速単回投与したとき、投与後48時間までの尿中に、静脈内投与では投与量の約8%、皮下投与では約11%がヒドロモルフォンとして、静脈内投与では約36%、皮下投与では約27%がヒドロモルフォン-3-グルクロニドとして排泄された。
薬物相互作用
ヒドロモルフォン及びヒドロモルフォン-3-グルクロニドは、CYP1A2、2A6、2B6、2C8、2C9、2C19、2D6、2E1及び3A4/5を阻害せず、CYP1A2、2B6及び3A4を誘導しなかった。(in vitro試験データ)