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プロピベリン塩酸塩錠10mg「あすか」、他

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効能・効果/用法・用量 

効能・効果

  • ○下記疾患又は状態における頻尿、尿失禁

    • 神経因性膀胱、神経性頻尿、不安定膀胱、膀胱刺激状態(慢性膀胱炎、慢性前立腺炎)
  • ○過活動膀胱における尿意切迫感、頻尿及び切迫性尿失禁

用法・用量

  • 通常、成人にはプロピベリン塩酸塩として20mgを1日1回食後経口投与する。
    年齢、症状により適宜増減するが、効果不十分の場合は、20mgを1日2回まで増量できる。

禁忌 

【禁忌】

次の患者には投与しないこと

  • 2.1 幽門、十二指腸又は腸管が閉塞している患者[胃腸の平滑筋の収縮及び運動が抑制され、症状が悪化するおそれがある。][11.1.3参照]
  • 2.2 胃アトニー又は腸アトニーのある患者[抗コリン作用により症状が悪化するおそれがある。]
  • 2.3 尿閉を有する患者[抗コリン作用により排尿時の膀胱収縮が抑制され、症状が悪化するおそれがある。][11.1.2参照]
  • 2.4 閉塞隅角緑内障の患者[抗コリン作用により眼圧が上昇し、症状が悪化するおそれがある。][11.1.1参照]
  • 2.5 重症筋無力症の患者[抗コリン作用により症状が悪化するおそれがある。]
  • 2.6 重篤な心疾患の患者[期外収縮等が報告されており、症状が悪化するおそれがある。][11.1.9参照]

注意 

9.特定の背景を有する患者に関する注意

9.1 合併症・既往歴等のある患者
9.1.1 排尿困難のある患者
前立腺肥大症等では排尿困難が更に悪化又は残尿が増加するおそれがある。[11.1.2参照]
9.1.2 緑内障の患者(閉塞隅角緑内障の患者を除く)
閉塞隅角緑内障以外でも抗コリン作用により眼圧が上昇し、症状が悪化するおそれがある。[11.1.1参照]
9.1.3 不整脈又はその既往歴のある患者
期外収縮等が報告されており、症状が悪化又は再発するおそれがある。[11.1.9参照]
9.1.4 パーキンソン症状又は脳血管障害のある患者
症状の悪化あるいは精神神経症状があらわれるおそれがある。
9.1.5 潰瘍性大腸炎のある患者
中毒性巨大結腸があらわれるおそれがある。
9.1.6 甲状腺機能亢進症の患者
抗コリン作用により頻脈等の交感神経興奮症状が悪化するおそれがある。
9.2 腎機能障害患者
9.2.1 腎障害又はその既往歴のある患者
腎排泄が減少し、副作用が発現しやすいおそれがある。[16.5参照]
9.3 肝機能障害患者
9.3.1 肝障害又はその既往歴のある患者
主として肝で代謝されるため、副作用が発現しやすいおそれがある。[16.4参照]
9.5 妊婦
妊婦又は妊娠している可能性のある女性には投与しないことが望ましい。
9.6 授乳婦
治療上の有益性及び母乳栄養の有益性を考慮し、授乳の継続又は中止を検討すること。動物実験(ラット)で乳汁中への移行が報告されている。
9.7 小児等
小児等を対象とした臨床試験は実施していない。
9.8 高齢者
安全性を考慮して10mg/日より投与を開始するなど慎重に投与すること。肝機能、腎機能が低下していることが多い。

8.重要な基本的注意

眼調節障害、眠気、めまいがあらわれることがあるので、本剤投与中の患者には自動車の運転等、危険を伴う機械の操作に従事させないよう十分に注意すること。

14.適用上の注意

14.1 薬剤交付時の注意
PTP包装の薬剤はPTPシートから取り出して服用するよう指導すること。PTPシートの誤飲により、硬い鋭角部が食道粘膜へ刺入し、更には穿孔をおこして縦隔洞炎等の重篤な合併症を併発することがある。

7.用法及び用量に関連する注意

20mgを1日1回投与で効果不十分であり、かつ安全性に問題がない場合に増量を検討すること。

5.効能又は効果に関連する注意

5.1 本剤を適用する際、十分な問診により臨床症状を確認するとともに、類似の症状を呈する疾患(尿路感染症、尿路結石、膀胱癌や前立腺癌等の下部尿路における新生物等)があることに留意し、尿検査等により除外診断を実施すること。なお、必要に応じて専門的な検査も考慮すること。
5.2 下部尿路閉塞疾患(前立腺肥大症等)を合併している患者では、それに対する治療を優先させること。

16.薬物動態

16.1 血中濃度
16.1.1 単回投与
健康成人男子にプロピベリン塩酸塩錠20mgを単回経口投与したとき、未変化体とその主代謝物である1-メチル-4-ピペリジル ジフェニルプロポキシ酢酸 N-オキシド(プロピベリン塩酸塩のN-オキシド体であり、以下M-1と略す。)及び1-メチル-4-ピペリジル ベンジル酸 N-オキシド(M-1の脱プロピル体であり、以下M-2と略す。)の薬物動態パラメータは以下のとおりである。
Tmax(hr)Cmax(ng/mL)AUC0~48hr(ng・hr/mL)T1/2(hr)
未変化体1.67±0.5252.42±17.32559.97±167.1714.78±3.12※1
M-11.04±0.40682.41±151.025540.65±1349.299.60±1.12
M-21.69±0.489.50±2.23117.88±23.3310.07±1.95※2
(n=16, mean±S.D., ただし※1:n=15,※2:n=5)
16.1.2 反復投与
健康成人男子にプロピベリン塩酸塩錠20mgを1日1回7日間反復経口投与したとき、未変化体の血漿中濃度は4日目まで漸次上昇し、以降4~7日の投与期間中はほぼ一定した値を示し、投与終了後の半減期は約25時間であった。一方、主代謝物であるM-1の血漿中濃度は未変化体同様の推移を示し、投与終了後の半減期は約14時間であった。
16.1.3 生物学的同等性試験
健康成人男性にプロピべリン塩酸塩錠10mg「あすか」又はプロピべリン塩酸塩錠20mg「あすか」とバップフォー錠10又はバップフォー錠20それぞれプロピべリン塩酸塩として20mgをクロスオーバー法により空腹時単回経口投与して血漿中未変化体濃度を測定し、得られた薬物動態パラメータ(AUC、Cmax)について90%信頼区間法にて統計解析を行った結果、log(0.80)~log(1.25)の範囲内であり、両剤の生物学的同等性が確認された。
<プロピべリン塩酸塩錠10mg「あすか」>
投与量AUC0-72(ng・hr/mL)Cmax(ng/mL)Tmax(hr)T1/2(hr)
プロピべリン塩酸塩錠10mg「あすか」20mg(2錠)1886.40±336.7597.58±18.361.12±0.2225.87±3.57
バップフォー錠1020mg(2錠)1894.23±259.23100.27±17.791.12±0.2226.46±2.69
(mean±S.D., n=13)
<プロピべリン塩酸塩錠20mg「あすか」>
投与量AUC0-72(ng・hr/mL)Cmax(ng/mL)Tmax(hr)T1/2(hr)
プロピべリン塩酸塩錠20mg「あすか」20mg(1錠)1799.67±284.04102.18±17.551.57±0.3328.21±4.43
バップフォー錠2020mg(1錠)1823.73±408.12108.47±28.321.57±0.4326.30±5.31
(mean±S.D., n=14)
血漿中濃度並びにAUC、Cmax等のパラメータは、被験者の選択、体液の採取回数・時間等の試験条件によって異なる可能性がある。
16.4 代謝
肝代謝酵素を用いたプロピベリン塩酸塩の代謝実験の結果、主代謝物はM-1であったが、この代謝は主としてCYP3A4が関与する(in vitro)。また、ヒト肝細胞によるテストステロンの水酸化活性を指標としたプロピベリン塩酸塩の酵素活性阻害実験の結果、臨床用量の血漿中濃度ではCYP1A、CYP2C9、CYP2C19、CYP2D6及びCYP3A4を阻害しなかった(in vitro)。[9.3.1参照]
16.5 排泄
健康成人男子にプロピベリン塩酸塩20mgを単回経口投与した時の0~48時間尿には代謝物であるM-1、M-2及び2,2-ジフェニル-5-メチル-1,4-ジオキサン-3-オンなどが主に排泄され、それらの尿中総排泄量は投与量の約16%であった。[9.2.1参照]

併用注意 

薬剤名等臨床症状・措置方法機序・危険因子
抗コリン作用を有する薬剤
三環系抗うつ剤
フェノチアジン系薬剤
モノアミン酸化酵素阻害剤
口渇、便秘、排尿困難等があらわれるおそれがある。抗コリン作用が増強されるおそれがある。

重大な副作用 

次の副作用があらわれることがあるので、観察を十分に行い、異常が認められた場合には投与を中止するなど適切な処置を行うこと。
11.1.1 急性緑内障発作(頻度不明)
眼圧亢進、嘔気・頭痛を伴う眼痛、視力低下等があらわれることがあるので、観察を十分に行い、このような症状があらわれた場合には投与を中止し、直ちに適切な処置を行うこと。[2.4、9.1.2参照]
11.1.2 尿閉(0.62%)[2.3、9.1.1参照]
11.1.3 麻痺性イレウス(頻度不明)
著しい便秘、腹部膨満等があらわれた場合には投与を中止し、適切な処置を行うこと。[2.1参照]
11.1.4 幻覚・せん妄(0.25%)
11.1.5 腎機能障害(頻度不明)
BUN、血中クレアチニンの上昇があらわれた場合には投与を中止し、適切な処置を行うこと。
11.1.6 横紋筋融解症(頻度不明)
筋肉痛、脱力感、CK上昇、血中及び尿中ミオグロビン上昇等があらわれた場合には投与を中止し、適切な処置を行うこと。
11.1.7 血小板減少(0.12%)
11.1.8 皮膚粘膜眼症候群(Stevens-Johnson症候群)(頻度不明)
発熱、紅斑、そう痒感、眼充血、口内炎等があらわれた場合には投与を中止し、適切な処置を行うこと。
11.1.9 QT延長(0.25%)、心室性頻拍(頻度不明)
QT延長、心室性頻拍、房室ブロック、徐脈等があらわれることがある。[2.6、9.1.3参照]
11.1.10 肝機能障害(1.0%)、黄疸(頻度不明)
AST、ALT、γ-GTPの上昇等を伴う肝機能障害、黄疸があらわれることがある。

その他の副作用 

次の副作用があらわれることがあるので、観察を十分に行い、異常が認められた場合には投与を中止するなど適切な処置を行うこと。

5%以上0.1~5%未満頻度不明
消化器口渇(12.8%)便秘、腹痛、嘔気・嘔吐、食欲不振、下痢、口内炎消化不良、舌炎
泌尿器排尿困難、残尿尿意消失
精神神経系めまい、頭痛、しびれ、眠気意識障害(見当識障害、一過性健忘)、パーキンソン症状(すくみ足、小刻み歩行等の歩行障害、振戦等)、ジスキネジア
循環器血圧上昇動悸、徐脈、期外収縮、胸部不快感
過敏症そう痒、発疹、蕁麻疹
調節障害、眼球乾燥
肝臓AST上昇、ALT上昇、Al-P上昇
腎臓BUN上昇、クレアチニン上昇
血液白血球減少
その他浮腫、脱力感、味覚異常倦怠感、咽頭部痛、腰痛、嗄声、痰のからみ
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