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シロドシンOD錠2mg「サワイ」、他

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効能・効果/用法・用量 

効能・効果

  • 前立腺肥大症に伴う排尿障害

用法・用量

  • 通常、成人にはシロドシンとして1回4mgを1日2回朝夕食後に経口投与する。なお、症状に応じて適宜減量する。

禁忌 

【禁忌】

次の患者には投与しないこと

  • 本剤の成分に対し過敏症の既往歴のある患者

注意 

9.特定の背景を有する患者に関する注意

9.1 合併症・既往歴等のある患者
9.1.1 起立性低血圧のある患者
症状が悪化するおそれがある。[8.2参照]
9.2 腎機能障害患者
患者の状態を観察しながら低用量(1回2mg)から投与を開始するなどを考慮すること。シロドシンの血漿中濃度が上昇する。[16.6.1参照]
9.3 肝機能障害患者
患者の状態を観察しながら低用量(1回2mg)から投与を開始するなどを考慮すること。シロドシンの血漿中濃度が上昇するおそれがある。[16.1.3参照]
9.8 高齢者
肝機能又は腎機能が低下している場合は低用量(1回2mg)から投与を開始するなど、患者の状態を十分に観察しながら投与すること。高齢者では一般に生理機能が低下している。[16.1.3、16.6.1参照]

8.重要な基本的注意

8.1 本剤は副作用の発現率が高く、特徴的な副作用として射精障害が高頻度に認められているため、本剤の使用にあたっては、本剤のリスクを十分に検討の上、患者に対しては副作用の説明を十分に行った上で使用すること。[11.2参照]
8.2 起立性低血圧があらわれることがあるので、体位変換による血圧変化に注意すること。[9.1.1参照]
8.3 めまいなどがあらわれることがあるので、高所作業、自動車の運転など危険を伴う作業に従事する場合には注意させること。
8.4 本剤投与開始時に降圧剤投与の有無について問診を行い、降圧剤が投与されている場合には血圧変化に注意し、血圧低下がみられたときには、減量又は中止するなど適切な処置を行うこと。[10.2参照]

14.適用上の注意

14.1 薬剤交付時の注意
14.1.1 PTP包装の薬剤はPTPシートから取り出して服用するよう指導すること。PTPシートの誤飲により、硬い鋭角部が食道粘膜へ刺入し、更には穿孔をおこして縦隔洞炎等の重篤な合併症を併発することがある。
14.1.2 本剤は舌の上にのせて唾液を浸潤させると崩壊するため、水なしで服用可能である。また、水で服用することもできる。
14.1.3 本剤は寝たままの状態では、水なしで服用しないこと。

5.効能又は効果に関連する注意

本剤による治療は原因療法ではなく、対症療法であることに留意し、本剤投与により期待する効果が得られない場合は、手術療法など、他の適切な処置を考慮すること。

16.薬物動態

16.1 血中濃度
16.1.1 単回投与
健康成人男性(各群6例)にシロドシン0.5mgから12mg(カプセル)を単回経口投与したとき注)、血漿中シロドシン濃度は投与量の増加に伴って上昇し、Cmax及びAUC0-∞は線形性を示した。
16.1.2 反復投与
健康成人男性5例にシロドシン4mg(カプセル)を1日2回7日間反復経口投与したとき(1日目及び7日目は1日1回投与)、血漿中シロドシン濃度は投与3日後には定常状態に達し、初回投与からの累積率は1.1倍であった(表1)。
表1 健康成人男性における食後4mg投与時の薬物動態パラメータ
Cmax(ng/mL)AUC0-∞(ng・hr/mL)Tmax(hr)t1/2(hr)
単回26.8±9.2143.9±57.12.2±0.56.9±3.1
反復28.7±7.6134.3±39.02.0±0.010.4±4.6
(平均値±SD)反復投与時のパラメータは、6日目までの積み重なり濃度を差し引いた7日目の濃度推移から得た結果を示した。
16.1.3 前立腺肥大症に伴う排尿障害患者での薬物動態
前立腺肥大症に伴う排尿障害患者を対象とした長期投与試験(カプセル)における探索的な母集団薬物動態解析(258例)の結果、定常状態時の投与2時間後及び12時間後の推定血漿中シロドシン濃度(平均値±SD)はそれぞれ24.8±8.0ng/mL及び7.4±3.3ng/mLであった。血漿中シロドシン濃度に対する変動要因について検討した結果、シロドシンのクリアランスは体重、年齢、CRP、ALT及び血清クレアチニンによって、分布容積は体重、年齢、CRP及びALTによって影響を受けることが示唆された。これら影響因子のうち、ALTについて、シロドシンの血漿中濃度に対する影響が大きいことが推察され、ALTの上昇(23→83IU/L)によりシロドシンのクリアランス及び分布容積はそれぞれ約47%及び約27%低下する可能性が示唆された。[9.3、9.8参照]
16.1.4 生物学的同等性試験
<シロドシンOD錠4mg「サワイ」>
シロドシンOD錠4mg「サワイ」とユリーフOD錠4mgを健康成人男子にそれぞれ1錠(シロドシンとして4mg)空腹時単回経口投与(クロスオーバー法)し、血漿中シロドシン濃度を測定した。得られた薬物動態パラメータ(AUC、Cmax)について90%信頼区間法にて統計解析を行った結果、log(0.80)~log(1.25)の範囲内であり、両剤の生物学的同等性が確認された。
表2 各製剤1錠投与時の薬物動態パラメータ
Cmax(ng/mL)Tmax(hr)T1/2(hr)AUC0-24hr(ng・hr/mL)
水なしシロドシンOD錠4mg「サワイ」35.4±15.11.3±0.85.2±1.4146.4±57.7
ユリーフOD錠4mg35.7±18.71.4±0.85.6±1.5136.2±54.7
水ありシロドシンOD錠4mg「サワイ」32.5±15.40.9±0.54.4±1.5131.9±67.7
ユリーフOD錠4mg29.2±14.80.7±0.34.4±1.5122.6±65.1
(Mean±S.D.)
<水なしで服用時の血中濃度曲線>
<水で服用時の血中濃度曲線>
血漿中濃度ならびにAUC、Cmax等のパラメータは、被験者の選択、体液の採取回数・時間等の試験条件によって異なる可能性がある。
16.2 吸収
16.2.1 食事の影響
健康成人男性11例にシロドシン4mg(カプセル)を食後30分及び空腹時に単回経口投与したとき注)、食後投与及び空腹時投与でそれぞれ、Cmaxは23.0及び28.0ng/mL、AUC0-48hrは128.8及び135.9ng・hr/mL、Tmaxは2.1及び1.4時間、t1/2は6.0及び4.7時間であった(表3)。
表3 健康成人男性における4mg投与時の薬物動態パラメータ
Cmax(ng/mL)AUC0-48hr(ng・hr/mL)Tmax(hr)t1/2(hr)
食後23.0±10.8128.8±64.12.1±0.76.0±4.8
空腹時28.0±9.6135.9±55.41.4±1.14.7±3.7
(平均値±SD)
16.2.2 生物学的利用率
シロドシン4mg(カプセル)を単回経口投与したときの生物学的利用率は32.2%であった。
16.3 分布
健康成人男性11例にシロドシン2mg(溶液)を4時間静脈内点滴投与時注)のクリアランス及び分布容積はそれぞれ167.0±33.8mL/min及び49.5±17.3Lであった。シロドシンのヒト血漿タンパクに対する結合率は、95.6%(100ng/mL添加時)であり、主な結合タンパクはα1-酸性糖タンパクであった(in vitro)。
16.4 代謝
シロドシンは主としてCYP3A4、UDP-グルクロン酸転移酵素、アルコール脱水素酵素及びアルデヒド脱水素酵素により代謝され、血漿中の主な代謝物はシロドシンのグルクロン酸抱合体及び酸化代謝物であった。健康男性(外国人)6例に「14C」標識シロドシン8mg(溶液)を単回経口投与したとき注)、血漿中の総放射能AUC0-12hrに対して、血漿中のシロドシン、シロドシンのグルクロン酸抱合体及び酸化代謝物のAUC0-12hrは、それぞれ24.0、21.9及び34.9%であった。その他の代謝物の割合は、いずれも5%以下であった。[10.参照]
16.5 排泄
健康男性(外国人)6例に「14C」標識シロドシン8mg(溶液)を単回経口投与したとき注)、投与後240時間までに、投与放射能の33.5%が尿中に、54.9%が糞中に排泄された。
16.6 特定の背景を有する患者
16.6.1 腎機能障害患者
腎機能低下者(クレアチニンクリアランス27~49mL/min)6例及び腎機能正常者(クレアチニンクリアランス125~176mL/min)7例にシロドシン4mg(カプセル)を単回経口投与したとき注)、腎機能低下者では腎機能正常者に比べて、シロドシンの血漿中総薬物濃度の上昇がみられた(Cmax3.1倍、AUC0-∞3.2倍)。この血漿中総薬物濃度の上昇は血清中α1-酸性糖タンパクとのタンパク結合による可能性があり、血漿中総薬物濃度と血清中α1-酸性糖タンパク濃度の間には高い相関が認められた。なお、シロドシンの薬効及び副作用発現に直接関与すると考えられる血漿中非結合形シロドシン濃度の上昇は総薬物濃度より小さかった(Cmax1.5倍、AUC0-∞2.0倍)(表4)。[9.2、9.8参照]
表4 腎機能低下者及び腎機能正常者に空腹時4mg単回投与時の薬物動態パラメータ
Cmax(ng/mL)AUC0-∞(ng・hr/mL)Tmax(hr)t1/2(hr)
腎機能低下者72.22±44.12(1.48±1.30)305.76±115.38(6.34±3.43)0.67±0.26(0.83±0.26)7.55±1.50(8.71±3.94)
腎機能正常者21.51±8.52(0.71±0.13)94.75±41.28(2.96±1.09)0.86±0.56(0.86±0.56)3.94±1.57(4.39±1.34)
(平均値±SD)( )内の値は血漿中非結合形シロドシン
16.6.2 高齢者
高齢男性(65~75歳)12例にシロドシン4mg(カプセル)を食後に単回経口投与したとき、非高齢男性(21~31歳)9例との薬物動態に明らかな違いはみられなかった(表5)。
また、投与後48時間までの尿中累積排泄率は高齢男性、非高齢男性でそれぞれシロドシンが2.3及び2.4%、シロドシンのグルクロン酸抱合体が1.6及び1.8%、酸化代謝物が4.5及び4.9%であった。
表5 高齢男性及び非高齢男性における食後4mg単回投与時の薬物動態パラメータ
Cmax(ng/mL)AUC0-∞(ng・hr/mL)Tmax(hr)t1/2(hr)
高齢男性21.8±11.6142.4±54.72.5±1.410.5±4.0
非高齢男性20.5±6.5121.5±38.12.3±0.58.7±3.1
(平均値±SD)
16.7 薬物相互作用
16.7.1 ケトコナゾール(経口剤:国内未発売)併用
健康男性(外国人)16例にケトコナゾール200mgを1日1回4日間経口投与し、2日目にシロドシン4mg(カプセル)を単回経口投与した場合注)、併用時のシロドシンのCmax及びAUC0-∞は、シロドシン単独投与時に比べてそれぞれ3.7及び2.9倍に増加した。[10.2参照]
16.8 その他
<シロドシンOD錠2mg「サワイ」>
シロドシンOD錠2mg「サワイ」は溶出挙動に基づき、シロドシンOD錠4mg「サワイ」と生物学的に同等とみなされた。
注)本剤の承認されている用法・用量は「1回4mgを1日2回朝夕食後に経口投与する。なお、症状に応じて適宜減量する。」である。

併用注意 

薬剤名等臨床症状・措置方法機序・危険因子
降圧剤
[8.4参照]
起立性低血圧があらわれることがあるので、減量するなど注意すること。降圧剤服用中の患者は起立時の血圧調節力が低下している場合がある。
ホスホジエステラーゼ5阻害作用を有する薬剤
シルデナフィルクエン酸塩
バルデナフィル塩酸塩水和物等
併用により症候性低血圧があらわれるとの報告がある。本剤はα遮断作用を有するため、併用によりこれらの血管拡張作用による降圧作用を増強するおそれがある。
アゾール系抗真菌剤
イトラコナゾール等
[16.7.1参照]
強力にCYP3A4を阻害するケトコナゾール(経口剤:国内未発売)との併用によりシロドシンの血漿中濃度の上昇が認められている。
アゾール系抗真菌剤との併用により、シロドシンの血漿中濃度が上昇するおそれがあるので、減量するなど注意すること。
アゾール系抗真菌剤はCYP3A4を阻害することから、これらの薬剤との併用時には、シロドシンの血漿中濃度が上昇するおそれがある。

重大な副作用 

次の副作用があらわれることがあるので、観察を十分に行い、異常が認められた場合には投与を中止するなど適切な処置を行うこと。
11.1.1 失神・意識喪失(頻度不明)
血圧低下に伴う一過性の意識喪失等があらわれることがある。
11.1.2 肝機能障害(頻度不明)、黄疸(頻度不明)
AST上昇、ALT上昇等を伴う肝機能障害、黄疸があらわれることがある。

その他の副作用 

次の副作用があらわれることがあるので、観察を十分に行い、異常が認められた場合には投与を中止するなど適切な処置を行うこと。

5%以上1~5%未満1%未満頻度不明
泌尿・生殖器射精障害(逆行性射精等)(17.2%)注)インポテンス、尿失禁
消化器口渇胃不快感、下痢、軟便、便秘嘔吐、嘔気、食欲不振、胃痛、腹痛、腹部膨満感、上腹部異和感、下腹部痛、胃潰瘍、胃炎、萎縮性胃炎、胸やけ、胃もたれ感、十二指腸潰瘍、放屁増加、排便回数増加、残便感、肛門不快感口内炎
精神神経系めまい、立ちくらみ、ふらつき、頭痛肩こり、頭がボーとする感じ、眠気、性欲減退、頭重感しびれ
呼吸器鼻出血、鼻閉鼻汁、咳
循環器心房細動、動悸、頻脈、不整脈、上室性期外収縮、起立性低血圧、血圧低下、血圧上昇
過敏症発疹、皮疹、湿疹、蕁麻疹、そう痒感口唇腫脹、舌腫脹、咽頭浮腫、顔面腫脹、眼瞼浮腫
眼の充血、目のかゆみ、結膜出血術中虹彩緊張低下症候群(IFIS)、かすみ目
肝臓AST上昇、ALT上昇、γ-GTP上昇、総ビリルビン上昇、Al-P上昇、LDH上昇
腎臓BUN上昇、クレアチニン上昇
血液白血球数減少、赤血球数減少、血色素量減少、ヘマトクリット値減少白血球数増多、血小板数減少
その他トリグリセリド上昇倦怠感、CRP上昇、総コレステロール上昇、尿糖上昇、尿沈渣上昇顔のほてり、耳鳴、苦味、胸痛、腰痛、下肢脱力感、発汗、ほてり、気分不良、血清カリウム値上昇、総蛋白低下、前立腺特異抗原増加、尿酸上昇、尿蛋白上昇浮腫、女性化乳房

注)[8.1参照]

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