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デュタステリド錠0.5mgAV「明治」

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効能・効果/用法・用量 

効能・効果

  • 前立腺肥大症

用法・用量

  • 通常、成人にはデュタステリドとして1回0.5mgを1日1回経口投与する。

禁忌 

【禁忌】

次の患者には投与しないこと

  • 2.1 本剤の成分及び他の5α還元酵素阻害薬に対し過敏症の既往歴のある患者
  • 2.2 女性[8.1、9.5、9.6参照]
  • 2.3 小児等[8.1、9.7参照]
  • 2.4 重度の肝機能障害のある患者[9.3.1参照]

注意 

9.特定の背景を有する患者に関する注意

9.3 肝機能障害患者
9.3.1 重度の肝機能障害のある患者
投与しないこと。本剤は主に肝臓で代謝されるため、血中濃度が上昇するおそれがある。[2.4参照]
9.3.2 肝機能障害のある患者(重度の肝機能障害のある患者を除く)
本剤は主に肝臓で代謝される。肝機能障害のある患者に投与した場合の薬物動態は検討されていない。[16.4.1参照]
9.5 妊婦
女性には投与しないこと。ラット及びウサギにデュタステリドを経口投与した結果、雄胎児の外生殖器の雌性化がみられ、本剤の曝露により血中ジヒドロテストステロンが低下し、男子胎児の外生殖器の発達を阻害する可能性が示唆された。[2.2、8.1参照]
9.6 授乳婦
女性には投与しないこと。本剤が乳汁中に移行するかは不明である。[2.2、8.1参照]
9.7 小児等
小児等には投与しないこと。小児等に対する適応はなく、小児等を対象とした有効性及び安全性を指標とした臨床試験は実施していない。[2.3、8.1参照]

8.重要な基本的注意

8.1 本剤は経皮吸収されることから、女性や小児は粉砕・破損した薬剤に触れないこと。粉砕・破損した薬剤に触れた場合には、直ちに石鹸と水で洗うこと。[2.2、2.3、9.5、9.6、9.7、14.1.2参照]
8.2 本剤投与前に直腸診や他の前立腺癌の検査を実施すること。また、本剤投与中においても定期的にこれらの検査を実施すること。
8.3 本剤は、血清前立腺特異抗原(PSA)に影響を与えるので、以下の点に注意すること。
・PSA値は、前立腺癌のスクリーニングにおける重要な指標である。一般に、PSA値が基準値(通常、4.0ng/mL)以上の場合には、更なる評価が必要となり、前立腺生検の実施を考慮に入れる必要がある。なお、本剤投与中の患者で、本剤投与前のPSA値が基準値未満であっても、前立腺癌の診断を除外しないように注意すること。
・本剤は、前立腺癌の存在下であっても、投与6ヵ月後にPSA値を約50%減少させる。したがって、本剤を6ヵ月以上投与している患者のPSA値を評価する際には、測定値を2倍した値を目安として基準値と比較すること。なお、PSA値は、本剤投与中止後6ヵ月以内に本剤投与開始前の値に戻る。
・本剤投与中におけるPSA値の持続的増加に対しては、前立腺癌の発現や本剤の服薬不遵守を考慮に含め、注意して評価すること。
・本剤投与中において、free/total PSA比は一定に維持されるので、前立腺癌のスクリーニングの目的で% free PSAを使用する場合には、測定値の調整は不要である。

14.適用上の注意

14.1 薬剤交付時の注意
14.1.1 PTP包装の薬剤はPTPシートから取り出して服用するよう指導すること。PTPシートの誤飲により、硬い鋭角部が食道粘膜へ刺入し、更には穿孔をおこして縦隔洞炎等の重篤な合併症を併発することがある。
14.1.2 本剤を分割・粉砕しないこと。[8.1参照]
14.1.3 口腔咽頭粘膜を刺激する場合があるので、本剤は噛まずに、なめずに服用させること。

7.用法・用量に関連する注意

投与開始初期に改善が認められる場合もあるが、治療効果を評価するためには、通常6ヵ月間の治療が必要である。

5.効能・効果に関連する注意

前立腺が肥大していない患者における有効性及び安全性は確認されていない。国内臨床試験では前立腺体積30mL以上の患者を対象とした。[17.1.1、17.1.2参照]

16.薬物動態

16.1 血中濃度
16.1.1 単回投与
健康成人に本剤1~20mg注)を単回経口投与した時、投与後2.0~2.3時間に最高血漿中薬物濃度(Cmax)に達し、みかけの分布容積は232~298Lであった。Cmaxは投与量に依存して増加し、終末相の消失半減期(t1/2)は89~174時間であり、消失は非線形であった。
16.1.2 反復投与
前立腺肥大症患者に本剤0.05~2.5mg注)を1日1回6ヵ月間反復経口投与した時、0.5mgではおよそ投与5ヵ月で定常状態に達し、6ヵ月での血清中薬物濃度は44.82±17.91ng/mLであった。0.5mg投与の定常状態におけるt1/2は3.4±1.2週間であり、消失は非線形であった。
図1 反復経口投与後の血清中デュタステリド濃度の推移(平均値+SD)
(0.05mgの投与終了後は定量下限未満)
16.1.3 生物学的同等性試験
デュタステリド錠0.5mgAV「明治」とアボルブカプセル0.5mgを、クロスオーバー法によりそれぞれ1錠又は1カプセル(デュタステリドとして0.5mg)健康成人男子に絶食単回経口投与して血漿中未変化体濃度を測定し、得られた薬物動態パラメータ(AUC、Cmax)について90%信頼区間法にて統計解析を行った結果、log(0.80)~log(1.25)の範囲内であり、両剤の生物学的同等性が確認された。
図2 0.5mg錠投与時の血漿中デュタステリド濃度推移
表 薬物動態パラメータ
被験者数判定パラメータ参考パラメータ
AUC0-72(ng・hr/mL)Cmax(ng/mL)Tmax(hr)T1/2(hr)
デュタステリド錠0.5mgAV「明治」7559.80±25.802.82±0.912.11±0.8462.0±20.6
アボルブカプセル0.5mg7558.57±23.873.13±0.851.93±0.9161.7±24.3
Mean±S.D.
血漿中濃度並びにAUC、Cmax等のパラメータは、被験者の選択、体液の採取回数・時間等の試験条件によって異なる可能性がある。
16.2 吸収
16.2.1 食事の影響
健康成人に本剤2.5mg注)を食後単回経口投与した時、薬物動態パラメータに若干の変化を認め、AUC0-∞は空腹時投与の2573から2197ng・hr/mLに減少した。なお、この変化は臨床上影響を与えるものではない。
16.2.2 生物学的利用率
健康成人に本剤0.5mgを単回経口投与した時、生物学的利用率は59%であった(外国人データ)。
16.3 分布
16.3.1 蛋白結合率
In vitro試験において、デュタステリド(2000ng/mL)のヒト血清蛋白結合率は99.8%と高く、血清アルブミン、α1-酸性糖蛋白、コルチコステロイド結合グロブリン及び性ホルモン結合グロブリンに対する結合率は、それぞれ99.0%、96.6%、89.2%及び87.6%であった。また、これらの蛋白に対する結合率は20~2000ng/mLの範囲で線形であった(限外ろ過法)。
16.3.2 精液移行
健康成人に本剤0.5mgを反復経口投与した時、精液中/血清中薬物濃度比は平均11.5%であった(外国人データ)。
16.4 代謝
16.4.1 主な代謝酵素
In vitro試験において、デュタステリドはCYP3A4/CYP3A5によって水酸化されたが、CYP1A2、2A6、2B6、2C8、2C9、2C19、2D6及び2E1では代謝されなかった。[9.3.2、10.参照]
16.4.2 代謝酵素阻害
In vitro試験において、デュタステリドはCYP1A2、2C9及び2D6活性を阻害しなかったが、CYP2C19及び3A4活性を阻害し、IC50は50μMであった。
16.4.3 代謝酵素誘導
In vitro試験において、デュタステリドはPXR活性化によるCYP3A4誘導能を示さなかった。
16.4.4 主代謝物
前立腺肥大症患者に本剤0.5mgを1日1回反復経口投与した時、主代謝物として1,2-二水素化体、4'-水酸化体、6-水酸化体が確認された。
16.5 排泄
16.5.1 単回投与
健康成人に本剤1~20mg注)を単回経口投与した時、投与後48時間以内の尿中に未変化体は検出されなかった。
16.5.2 反復投与
健康成人に本剤0.5mgを1日1回6ヵ月以上反復経口投与した時、糞中に約5%の未変化体が排泄され、関連物質(未変化体+代謝物)として約42%が回収された。尿中への未変化体の排泄は0.1%未満であり、関連物質の排泄も微量であった(外国人データ)。
16.6 特定の背景を有する患者
16.6.1 高齢者
24~87歳の健康成人に本剤5mg注)を単回経口投与した時、50~69歳及び70歳以上の年齢群のt1/2は49歳以下の年齢群に比べて延長し、AUC0-∞は約20%増加した。なお、この変化は臨床上影響を与えるものではない(外国人データ)。
16.7 薬物相互作用
16.7.1 CYP3A4阻害作用を有する薬剤
(1)In vitro試験において、デュタステリドの酸化的代謝はCYP3A4阻害作用を有するケトコナゾールによって阻害された。[10.2参照]
(2)CYP3A4阻害薬と本剤の薬物相互作用試験は実施されていないが、臨床試験で血漿中薬物濃度が測定された患者データの母集団薬物動態解析の結果、ベラパミル塩酸塩又はジルチアゼム塩酸塩との併用により本剤のクリアランスが低下した(外国人データ)。[10.2参照]
16.7.2 その他の薬剤
本剤0.5mgあるいは5mg注)と、コレスチラミン、ワルファリン、ジゴキシン、タムスロシン塩酸塩、テラゾシン塩酸塩との併用において薬物相互作用は認められなかった(外国人データ)。
注)本剤の承認用量は1日1回0.5mgである。

併用注意 

薬剤名等臨床症状・措置方法機序・危険因子
CYP3A4阻害作用を有する薬剤
リトナビル等
[16.7.1参照]
これらの薬剤との併用により本剤の血中濃度が上昇する可能性がある。CYP3A4による本剤の代謝が阻害される。

重大な副作用 

次の副作用があらわれることがあるので、観察を十分に行い、異常が認められた場合には投与を中止するなど適切な処置を行うこと。
肝機能障害(1.5%)、黄疸(頻度不明)
AST、ALT、ビリルビンの上昇等を伴う肝機能障害や黄疸があらわれることがある。

その他の副作用 

次の副作用があらわれることがあるので、観察を十分に行い、異常が認められた場合には投与を中止するなど適切な処置を行うこと。

1%以上1%未満頻度不明
過敏症蕁麻疹アレルギー反応、発疹、そう痒症、限局性浮腫、血管性浮腫
精神神経系リビドー減退浮動性めまい抑うつ気分、味覚異常
生殖系及び乳房障害勃起不全、乳房障害(女性化乳房、乳頭痛、乳房痛、乳房不快感)射精障害精巣痛、精巣腫脹
皮膚脱毛症(主に体毛脱落)、多毛症
消化器腹部不快感下痢
その他倦怠感血中CK増加
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