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テオフィリン徐放カプセル50mg「サンド」

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効能・効果/用法・用量 

効能・効果

  • 気管支喘息、喘息性(様)気管支炎

用法・用量

  • 通常、テオフィリンとして、成人1回200mg(本剤4カプセル)を、小児1回100~200mg(本剤2~4カプセル)を、1日2回、朝及び就寝前に経口投与する。また、気管支喘息については、テオフィリンとして成人1回400mg(本剤8カプセル)を、1日1回就寝前に経口投与することもできる。
    なお、年齢、症状に応じ適宜増減する。

禁忌 

【禁忌】

次の患者には投与しないこと

  • 本剤又は他のキサンチン系薬剤に対し重篤な副作用の既往歴のある患者
  • 12時間以内にアデノシン(アデノスキャン)を使用する患者(「相互作用」の項参照)

注意 

慎重投与

次の患者には慎重に投与すること

てんかんの患者[中枢刺激作用によって発作を起こすことがある。]
甲状腺機能亢進症の患者[甲状腺機能亢進に伴う代謝亢進、カテコールアミンの作用を増強することがある。]
急性腎炎の患者[腎臓に対する負荷を高め、尿蛋白が増加するおそれがある。]
うっ血性心不全の患者[テオフィリンクリアランスが低下し、テオフィリン血中濃度が上昇することがあるので、血中濃度測定等の結果により減量すること。]
肝障害のある患者[テオフィリンクリアランスが低下し、テオフィリン血中濃度が上昇することがあるので、血中濃度測定等の結果により減量すること。]
高齢者(「5.高齢者への投与」の項参照)
妊婦又は妊娠している可能性のある婦人、産婦、授乳婦(「6.妊婦、産婦、授乳婦等への投与」の項参照)
小児
小児、特に乳幼児は成人に比べて痙攣を惹起しやすく、また、テオフィリンクリアランスが変動しやすいのでテオフィリン血中濃度のモニタリングを行うなど、学会のガイドライン等の最新の情報も参考に、慎重に投与すること。なお、次の小児にはより慎重に投与すること。
てんかん及び痙攣の既往歴のある小児[痙攣を誘発することがある。]
発熱している小児[テオフィリン血中濃度の上昇や痙攣等の症状があらわれることがある。]
6ヵ月未満の乳児[乳児期にはテオフィリンクリアランスが一定していない。6ヵ月未満の乳児ではテオフィリンクリアランスが低く、テオフィリン血中濃度が上昇することがある。]
低出生体重児、新生児に対する安全性は確立していない(使用経験がない)。

重要な基本的注意

テオフィリンによる副作用の発現は、テオフィリン血中濃度の上昇に起因する場合が多いことから、血中濃度のモニタリングを適切に行い、患者個々人に適した投与計画を設定することが望ましい。
副作用が発現した場合には減量又は投与を中止し、テオフィリン血中濃度を測定することが望ましい。
小児、特に乳幼児に投与する場合には、保護者等に対し、発熱時には一時減量あるいは中止するなどの対応を、あらかじめ指導しておくことが望ましい。
小児では一般に自覚症状を訴える能力が劣るので、本剤の投与に際しては、保護者等に対し、患児の状態を十分に観察し、異常が認められた場合には速やかに主治医に連絡するなどの適切な対応をするように注意を与えること。

適用上の注意

薬剤交付時
本剤は徐放性製剤なので、かまずに服用するよう指導すること。
水とともに経口投与するよう指導すること。
PTP包装の薬剤はPTPシートから取り出して服用するよう指導すること。[PTPシートの誤飲により、硬い鋭角部が食道粘膜へ刺入し、さらには穿孔を起こして縦隔洞炎等の重篤な合併症を併発することが報告されている。]
その他
本剤由来のエチルセルロースの透過性膜は、テオフィリン溶出後、未消化のまま排泄されるため、白色粒子が糞便中に見られることがある。

用法用量に関連する使用上の注意

本剤投与中は、臨床症状等の観察や血中濃度のモニタリングを行うなど慎重に投与すること。
なお、小児の気管支喘息に投与する場合の投与量、投与方法等については、学会のガイドライン等、最新の情報を参考に投与すること。
<参考:日本小児アレルギー学会:小児気管支喘息治療・管理ガイドライン2017>
6~15歳では8~10mg/kg/日(1回4~5mg/kg1日2回)より開始し、臨床効果と血中濃度を確認しながら調節する。

効能効果に関連する使用上の注意

喘息性(様)気管支炎
発熱を伴うことが多く、他の治療薬による治療の優先を考慮すること(テオフィリン投与中に発現した痙攣の報告は、発熱した乳幼児に多い)。

高齢者への投与

高齢者では副作用の発現に注意し、慎重に投与すること。[高齢者では、非高齢者に比べ最高血中濃度の上昇及びAUCの増加が認められたとの報告がある。]

妊婦、産婦、授乳婦等への投与

妊婦又は妊娠している可能性のある婦人には、治療上の有益性が危険性を上回ると判断される場合にのみ投与すること。[動物実験(マウス、ラット、ウサギ)で催奇形作用等の生殖毒性が報告されている。また、ヒトで胎盤を通過して胎児に移行し、新生児に嘔吐、神経過敏等の症状があらわれることがある。]
本剤投与中は授乳を避けさせること。[ヒト母乳中に移行し、乳児に神経過敏を起こすことがある。]

小児等への投与

小児には慎重に投与すること。(「1.慎重投与」の項参照)

薬物動態

生物学的同等性試験
テオフィリン徐放カプセル50mg「サンド」は、「含量が異なる経口固形製剤の生物学的同等性試験ガイドライン(平成18年11月24日付薬食審査発 第1124004号)」に基づき、テオフィリン徐放カプセル100mg「サンド」を標準製剤としたとき、溶出挙動が等しく、生物学的に同等とみなされた。
代謝・分布・排泄
外国人のデータによると、テオフィリンは初回通過効果をほとんど受けず、体循環中に取り込まれ、約60%は血漿蛋白と結合し、他は遊離のテオフィリンとして体液を通じて分布する。テオフィリンは胎盤及び血液脳関門を通過し、母乳中に移行する。テオフィリンは、肝で代謝され、投与量の85%~90%が1,3-dimethyluric acid、1-methyluric acid、3-methylxanthine等の代謝物として、また15%以下が未変化体として尿中に排泄される。

併用禁忌 

薬剤名等臨床症状・措置方法機序・危険因子
アデノシン
(アデノスキャン)
本剤によりアデノシンによる冠血流速度の増加及び冠血管抵抗の減少を抑制し、虚血診断に影響を及ぼすことがある。アデノシン(アデノスキャン)を投与する場合は12時間以上の間隔をあけること。本剤はアデノシン受容体に拮抗するため、アデノシンの作用を減弱させる。

併用注意 

薬剤名等臨床症状・措置方法機序・危険因子
他のキサンチン系薬剤
アミノフィリン水和物
コリンテオフィリン
ジプロフィリン
カフェイン水和物等
中枢神経興奮薬
エフェドリン塩酸塩
マオウ等
過度の中枢神経刺激作用があらわれることがある。(「8.過量投与」の項参照)
副作用の発現に注意し、異常が認められた場合には減量又は投与を中止するなど適切な処置を行うこと。
併用により中枢神経刺激作用が増強される。
交感神経刺激剤
(β刺激剤)
イソプレナリン塩酸塩
クレンブテロール塩酸塩
ツロブテロール塩酸塩
テルブタリン硫酸塩
プロカテロール塩酸塩水和物等
低カリウム血症、心・血管症状(頻脈、不整脈等)等のβ刺激剤の副作用症状を増強させることがある。
副作用の発現に注意し、異常が認められた場合には減量又は投与を中止するなど適切な処置を行うこと。
心刺激作用をともに有しており、β刺激剤の作用を増強するためと考えられる。
低カリウム血症の増強についての機序は不明である。
ハロタン不整脈等の副作用が増強することがある。また、連続併用によりテオフィリン血中濃度が上昇することがある。
副作用の発現に注意し、異常が認められた場合には減量又は投与を中止するなど適切な処置を行うこと。
テオフィリンとハロタンの心臓に対する作用の相加又は相乗効果と考えられる。
ケタミン塩酸塩痙攣があらわれることがある。
痙攣の発現に注意し、異常が認められた場合には抗痙攣剤の投与等適切な処置を行うこと。
痙攣閾値が低下するためと考えられる。
シメチジン
メキシレチン塩酸塩
プロパフェノン塩酸塩
アミオダロン塩酸塩
エノキサシン水和物
ピペミド酸三水和物
塩酸シプロフロキサシン
ノルフロキサシン
トスフロキサシントシル酸塩水和物
パズフロキサシンメシル酸塩
プルリフロキサシン
エリスロマイシン
クラリスロマイシン
ロキシスロマイシン
チアベンダゾール
チクロピジン塩酸塩
ベラパミル塩酸塩
ジルチアゼム塩酸塩
フルボキサミンマレイン酸塩
フルコナゾール
ジスルフィラム
デフェラシロクス
テオフィリンの中毒症状があらわれることがある。(「8.過量投与」の項参照)
副作用の発現に注意し、異常が認められた場合には減量又は投与を中止するなど適切な処置を行うこと。
肝薬物代謝酵素が阻害され、テオフィリンクリアランスが低下するため、テオフィリン血中濃度が上昇すると考えられる。
アシクロビル
バラシクロビル塩酸塩
インターフェロン
イプリフラボン
シクロスポリン
アロプリノール
テオフィリンの中毒症状があらわれることがある。(「8.過量投与」の項参照)
副作用の発現に注意し、異常が認められた場合には減量又は投与を中止するなど適切な処置を行うこと。
テオフィリン血中濃度の上昇によると考えられる。
ザフィルルカストテオフィリンの中毒症状があらわれることがある。(「8.過量投与」の項参照)
副作用の発現に注意し、異常が認められた場合には減量又は投与を中止するなど適切な処置を行うこと。
またザフィルルカストの血中濃度を低下させることがある。
肝薬物代謝酵素が阻害され、テオフィリンクリアランスが低下するため、テオフィリン血中濃度が上昇すると考えられる。
ザフィルルカストの血中濃度低下についての機序は不明である。
リファンピシン
フェノバルビタール
ランソプラゾール
リトナビル
テオフィリンの効果が減弱することがある。
テオフィリン血中濃度が低下することがあるので、適切な処置を行うこと。
肝薬物代謝酵素の誘導によりテオフィリンクリアランスが上昇するため、テオフィリン血中濃度が低下すると考えられる。
フェニトイン
カルバマゼピン
テオフィリン及び相手薬の効果が減弱することがある。
テオフィリン血中濃度が低下することがあるので、適切な処置を行うこと。
また、相手薬の効果減弱や血中濃度の低下に注意すること。
肝薬物代謝酵素の誘導によりテオフィリンクリアランスが上昇するため、テオフィリン血中濃度が低下すると考えられる。
ジピリダモールジピリダモールの作用を減弱させることがある。アデノシン拮抗作用による。
ラマトロバンラマトロバンの血中濃度が上昇することがある。ラマトロバンの血中濃度上昇についての機序は不明である。
リルゾールリルゾールの作用を増強(副作用発現)するおそれがある。in vitro試験でリルゾールの代謝を阻害することが示唆されている。
タバコ禁煙(禁煙補助剤であるニコチン製剤使用時を含む)によりテオフィリンの中毒症状があらわれることがある。(「8.過量投与」の項参照)
副作用の発現に注意し、異常が認められた場合には減量又は投与を中止するなど適切な処置を行うこと。
喫煙により肝薬物代謝酵素が誘導され、テオフィリンクリアランスが上昇し、テオフィリン血中濃度が低下すると考えられる。また、禁煙により血中濃度が上昇すると考えられる。
セイヨウオトギリソウ(St.John's Wort,セント・ジョーンズ・ワート)含有食品本剤の代謝が促進され血中濃度が低下するおそれがあるので、本剤投与時はセイヨウオトギリソウ含有食品を摂取しないよう注意すること。セイヨウオトギリソウにより誘導された肝薬物代謝酵素が本剤の代謝を促進し、クリアランスを上昇させるためと考えられている。

重大な副作用 

(頻度不明)
痙攣、意識障害
痙攣又はせん妄、昏睡等の意識障害があらわれることがあるので、抗痙攣剤の投与等適切な処置を行うこと。
急性脳症
痙攣、意識障害等に引き続き急性脳症に至ることがあるので、このような症状があらわれた場合には投与を中止し、抗痙攣剤の投与等適切な処置を行うこと。
横紋筋融解症
横紋筋融解症があらわれることがあるので、脱力感、筋肉痛、CK(CPK)上昇等に注意し、このような症状があらわれた場合には投与を中止し、適切な処置を行うとともに横紋筋融解症による急性腎障害の発症に注意すること。
消化管出血
潰瘍等による消化管出血(吐血、下血等)があらわれることがあるので、このような症状があらわれた場合には投与を中止し、適切な処置を行うこと。
赤芽球癆
赤芽球癆があらわれることがあるので、貧血があらわれた場合には投与を中止するなど適切な処置を行うこと。
アナフィラキシーショック
アナフィラキシーショック(蕁麻疹、蒼白、発汗、血圧低下、呼吸困難等)があらわれることがあるので、このような症状があらわれた場合には投与を中止し、適切な処置を行うこと。
肝機能障害、黄疸
肝機能障害(AST(GOT)、ALT(GPT)の上昇等)、黄疸があらわれることがあるので、観察を十分に行い、異常が認められた場合には投与を中止するなど適切な処置を行うこと。
頻呼吸、高血糖症
頻呼吸、高血糖症があらわれることがある。

その他の副作用 

頻度不明
過敏症そう痒感、発疹、蕁麻疹、固定薬疹、紅斑(多形滲出性紅斑等)
精神神経系頭痛、不眠、めまい、振戦、しびれ、不随意運動、筋緊張亢進、神経過敏(興奮、不機嫌、いらいら感)、不安、耳鳴
循環器動悸、不整脈(心室性期外収縮等)、頻脈、顔面潮紅、顔面蒼白
消化器悪心、嘔吐、食欲不振、腹痛、腹部膨満感、下痢、消化不良(胸やけ等)、しゃっくり
泌尿器蛋白尿、頻尿
代謝異常血清尿酸値上昇、CK(CPK)上昇
肝臓ALT(GPT)、Al-P、LDH、AST(GOT)、γ-GTPの上昇
血液貧血、好酸球増多
その他倦怠感、むくみ、胸痛、関節痛、四肢痛、発汗、低カリウム血症、鼻出血、しびれ(口、舌周囲)
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