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ベタニス錠25mg、他

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効能・効果/用法・用量 

効能・効果

  • 過活動膀胱における尿意切迫感、頻尿及び切迫性尿失禁

用法・用量

  • 通常、成人にはミラベグロンとして50mgを1日1回食後に経口投与する。

禁忌 

【警告】

  • 生殖可能な年齢の患者への本剤の投与はできる限り避けること。動物実験(ラット)で、精嚢、前立腺及び子宮の重量低値あるいは萎縮等の生殖器系への影響が認められ、高用量では発情休止期の延長、黄体数の減少に伴う着床数及び生存胎児数の減少が認められている。[9.4参照]
【禁忌】

次の患者には投与しないこと

  • 2.1 本剤の成分に対し過敏症の既往歴のある患者
  • 2.2 重篤な心疾患を有する患者[心拍数増加等が報告されており、症状が悪化するおそれがある。]
  • 2.3 妊婦及び妊娠している可能性のある女性[9.5参照]
  • 2.4 授乳婦[9.6参照]
  • 2.5 重度の肝機能障害患者(Child-Pughスコア10以上)[9.3.1参照]
  • 2.6 フレカイニド酢酸塩あるいはプロパフェノン塩酸塩投与中の患者[10.1参照]

注意 

9.特定の背景を有する患者に関する注意

9.1 合併症・既往歴等のある患者
9.1.1 心血管系障害を有する患者
本剤の投与を開始する前に心電図検査を実施するなどし、心血管系の状態に注意をはらうこと。QT延長を生じるおそれがある。
9.1.2 QT延長又は不整脈の既往歴を有する患者
定期的に心電図検査を行うこと。QT延長を来すリスクが高いと考えられる。
9.1.3 クラスIA(キニジン、プロカインアミド等)又はクラスIII(アミオダロン、ソタロール等)の抗不整脈薬を投与中の患者を含むQT延長症候群患者
定期的に心電図検査を行うこと。QT延長を来すリスクが高いと考えられる。
9.1.4 重度の徐脈等の不整脈、急性心筋虚血等の不整脈を起こしやすい患者
心室頻拍(Torsades de Pointesを含む)、QT延長を起こすことがある。
9.1.5 低カリウム血症のある患者
心室頻拍(Torsades de Pointesを含む)、QT延長を起こすことがある。
9.1.6 緑内障の患者
定期的な眼科的診察を行うこと。眼圧の上昇を招き、症状を悪化させるおそれがある。
9.2 腎機能障害患者
9.2.1 重度の腎機能障害のある患者(eGFR15~29mL/min/1.73m2
血中濃度が上昇するおそれがある。[7.2、16.6.1参照]
9.2.2 中等度又は軽度の腎機能障害のある患者
血中濃度が上昇するおそれがある。[16.6.1参照]
9.3 肝機能障害患者
9.3.1 重度の肝機能障害のある患者(Child-Pughスコア10以上)
投与しないこと。血中濃度が過度に上昇するおそれがある。[2.5、16.6.2参照]
9.3.2 中等度の肝機能障害のある患者(Child-Pughスコア7~9)
血中濃度が上昇するおそれがある。[7.1、16.6.2参照]
9.3.3 軽度の肝機能障害のある患者
血中濃度が上昇するおそれがある。[16.6.2参照]
9.4 生殖能を有する者
生殖可能な年齢の患者への本剤の投与はできる限り避けること。動物実験(ラット)で、精嚢、前立腺及び子宮の重量低値あるいは萎縮等の生殖器系への影響が認められ、高用量では発情休止期の延長、黄体数の減少に伴う着床数及び生存胎児数の減少が認められている。[1.参照]
9.5 妊婦
妊婦又は妊娠している可能性のある女性には投与しないこと。動物実験(ラット、ウサギ)で、胎児において着床後死亡率の増加、体重低値、肩甲骨等の屈曲及び波状肋骨の増加、骨化遅延(胸骨分節、中手骨、中節骨等の骨化数低値)、大動脈の拡張及び巨心の増加、肺副葉欠損が認められている。[2.3参照]
9.6 授乳婦
投与しないこと。動物実験(ラット)で乳汁移行が認められている。また、授乳期に本薬を母動物に投与した場合、出生児で生存率の低値及び体重増加抑制が認められている。[2.4参照]
9.7 小児等
小児等を対象とした有効性及び安全性を指標とした国内の臨床試験は実施していない。
9.8 高齢者
副作用発現に留意し、患者の状態を十分に観察しながら慎重に投与すること。高齢者では肝機能、腎機能が低下していることが多い。[7.1、7.2、16.6.4参照]

8.重要な基本的注意

8.1 過活動膀胱の適応を有する抗コリン剤と併用する際は尿閉などの副作用の発現に十分注意すること。[11.1.1参照]
8.2 現時点では、ステロイド合成・代謝系への作用を有する5α還元酵素阻害薬と併用した際の安全性及び臨床効果が確認されていないため併用は避けることが望ましい。
8.3 血圧の上昇があらわれることがあるので、本剤投与開始前及び投与中は定期的に血圧測定を行うこと。[11.1.2参照]

14.適用上の注意

14.1 薬剤交付時の注意
14.1.1 PTP包装の薬剤はPTPシートから取り出して服用するよう指導すること。PTPシートの誤飲により、硬い鋭角部が食道粘膜へ刺入し、更には穿孔をおこして縦隔洞炎等の重篤な合併症を併発することがある。
14.1.2 本剤は徐放性製剤であるため、割ったり、砕いたり、すりつぶしたりしないで、そのままかまずに服用するよう指導すること。割ったり、砕いたり、すりつぶしたりして服用すると、本剤の徐放性が失われ、薬物動態が変わるおそれがある。

7.用法及び用量に関連する注意

7.1 中等度の肝機能障害患者(Child-Pughスコア7~9)への投与は1日1回25mgから開始する。[9.3.2、9.8参照]
7.2 重度の腎機能障害患者(eGFR15~29mL/min/1.73m2)への投与は1日1回25mgから開始する。[9.2.1、9.8参照]

5.効能又は効果に関連する注意

5.1 本剤を適用する際、十分な問診により臨床症状を確認するとともに、類似の症状を呈する疾患(尿路感染症、尿路結石、膀胱癌や前立腺癌などの下部尿路における新生物等)があることに留意し、尿検査等により除外診断を実施すること。なお、必要に応じて専門的な検査も考慮すること。
5.2 下部尿路閉塞疾患(前立腺肥大症等)を合併している患者では、それに対する治療(α1遮断薬等)を優先させること。

16.薬物動態

16.1 血中濃度
16.1.1 単回投与
健康成人男性に本剤を空腹時注)単回経口投与したときのCmax及びAUCinfは、用量比を超えて上昇した。Tmax及びt1/2は各用量間でほぼ一定であった。
単回投与時のパラメータ
投与量(mg)Cmax(ng/mL)Tmax(h)AUCinf(ng・h/mL)t1/2(h)CL/F(L/h)
5031.01±18.063.5±1.4292.24±76.9336.4±11.8183.49±58.11
100注)130.67±43.793.3±0.8882.40±234.5330.8±3.4119.34±28.11
200注)164.51±82.992.8±1.31382.68±441.4526.4±3.6157.61±50.64
300注)548.52±92.503.7±1.03285.08±333.9425.1±4.392.24±10.89
400注)720.14±264.404.0±1.34142.50±735.8923.9±4.999.79±22.03
(平均値±標準偏差、n=6)※:投与後72時間までの測定可能な時点までの実測値に基づいた値
16.1.2 反復投与
健康成人男性に本剤100mg注)及び200mg注)を1日1回食後7日間反復投与したときの血漿中濃度は、投与開始後第4日目以降トラフ値はほぼ一定となり、7日以内に定常状態に達した。また、AUC24hは反復投与により、1.75~2.12倍上昇することが示唆された。
反復投与時のパラメータ
投与量(mg)評価日(日)Cmax(ng/mL)Tmax(h)AUC24h(ng・h/mL)t1/2(h)CL/F(L/h)
100注)191.23±42.004.8±0.5377.16±90.6728.8±6.8167.16±31.36
10136.14±52.525.0±0.0792.75±156.8830.0±4.4131.76±33.39
200注)1313.08±77.575.0±0.01102.22±284.2827.4±7.7127.95±27.23
10290.94±90.645.0±0.51909.36±366.2028.0±1.8108.03±19.75
(平均値±標準偏差、n=8)
16.2 吸収
本剤25mg注)、50mg及び100mg注)を単回経口投与したときの絶対バイオアべイラビリティはそれぞれ28.9%、35.4%及び45.0%であった(外国人データ)。高脂肪食食後に投与したときに比べ空腹時注)投与で本剤血漿中濃度が高くなり、本剤50mg及び100mg注)を空腹時に投与したときのCmaxは2.11倍及び1.95倍に増加した。AUClastは1.47倍及び1.40倍に増加した。また、本剤はP-糖蛋白の基質である(in vitro試験)。[10.参照]
16.3 分布
ミラベグロン15mg注)を静脈内注)単回投与したときの分布容積は1643Lであった(外国人データ)。血漿蛋白結合率は76.3~76.9%であり、主結合蛋白はアルブミンであった(in vitro試験)。
16.4 代謝
本剤は主としてエステラーゼによって加水分解を受け、一部はCYP及びグルクロン酸抱合酵素によっても代謝される。本剤を経口投与後、未変化体の他に8種の代謝物が血漿中に認められたが、代謝物の濃度はいずれも未変化体に比べ顕著に低かった。また、いずれの代謝物も薬理活性は弱かったことから、薬効への寄与は低いと考えられた。本剤はCYP2D6に対して中等度の阻害作用を示すことが示されたが、その他のCYP分子種に対しては阻害作用は弱かった。また、本剤は、CYP1A2及び3A4/5に対して誘導作用を示さなかった(in vitro試験)。[10.参照]
16.5 排泄
14Cで標識したミラベグロン溶液160mg注)を投与したマスバランス試験の結果、投与放射能の55%が尿中に、34%が糞中に排泄され、呼気中には排泄されなかった。尿中放射能の45%が未変化体であり、糞中では放射能のほとんどが未変化体であった。
健康成人男性に本剤を絶食下注)単回経口投与したときの尿中排泄率は用量増加に伴い上昇する傾向が認められた。
ミラベグロン単回投与時の72時間までの尿中未変化体排泄率
投与量(mg)Ae72h
507.20±2.32
100注)7.61±3.62
200注)9.01±2.66
300注)14.57±2.48
400注)11.81±2.55
(平均値±標準偏差、n=6)
16.6 特定の背景を有する患者
16.6.1 腎機能障害患者
軽度の腎機能障害(eGFR60~89mL/min/1.73m2)を持つ患者では、健康成人と比べて本剤100mg注)投与時のCmax及びAUCinfがそれぞれ1.06倍及び1.31倍高かった。中等度の腎機能障害(eGFR30~59mL/min/1.73m2)を持つ患者では、健康成人と比べてCmax及びAUCinfが1.23倍及び1.66倍高かった。重度の腎機能障害(eGFR15~29mL/min/1.73m2)を持つ患者では、健康成人と比べてCmax及びAUCinfが1.92倍及び2.18倍高かった(外国人データ)。[9.2.1、9.2.2参照]
16.6.2 肝機能障害患者
軽度の肝機能障害(Child-Pughスコア5~6)を持つ患者では、本剤100mg注)投与時のCmax及びAUCinfは健康成人に比べてそれぞれ1.09倍及び1.19倍高かった。中等度の肝機能障害(Child-Pughスコア7~9)を持つ患者では、本剤100mg注)投与時のCmax及びAUCinfは健康成人に比べてそれぞれ2.75倍及び1.65倍高かった(外国人データ)。[9.3.1-9.3.3参照]
16.6.3 性差
非高齢及び高齢外国健康成人男女に本剤25mg注)、50mg及び100mg注)を反復投与したときのCmax及びAUCtauは、男女間で差が認められ、男性被験者に比べ女性被験者で1.44倍及び1.38倍の高い値を示した(外国人データ)。
16.6.4 高齢者
55~77歳の外国健康成人に本剤25mg注)、50mg及び100mg注)を反復投与したときのCmax及びAUCtauは、18~45歳の外国健康成人と比べて差は認められなかった(外国人データ)。
日本人過活動膀胱患者に本剤50mgを1日1回投与したときの血漿中濃度は、65歳未満より65歳以上の患者集団で1.32倍に増加した。[9.8参照]
16.7 薬物相互作用
16.7.1 ケトコナゾール
本剤100mg注)とケトコナゾール400mgと併用したとき、本剤のAUCinfは1.81倍に上昇した(外国人データ)。[10.2参照]
16.7.2 リファンピシン
本剤100mg注)とリファンピシン600mgと併用したとき、本剤のAUCinfは0.56倍に減少した(外国人データ)。[10.2参照]
16.7.3 メトプロロール
ミラベグロン160mg(IRカプセル)注)とメトプロロール100mgと併用したとき、メトプロロールのAUCinfは3.29倍に上昇した(外国人データ)。[10.2参照]
16.7.4 デシプラミン
本剤100mg注)とデシプラミン50mgと併用したとき、デシプラミンのAUCinfは併用により3.41倍に上昇した(外国人データ)。[10.2参照]
16.7.5 ジゴキシン
本剤100mg注)とジゴキシン0.25mgと併用したとき、ジゴキシンのAUClastは併用により1.27倍に上昇した(外国人データ)。[10.2参照]
16.7.6 トルテロジン
本剤50mgとトルテロジン4mgと併用したとき、トルテロジン及びその活性代謝物5-HMTのAUC24hはそれぞれ1.86倍及び1.25倍に、Cmaxはそれぞれ2.06倍及び1.36倍に上昇した。
注)本剤の承認された用法及び用量は、通常50mgを1日1回食後経口投与である。

併用禁忌 

薬剤名等臨床症状・措置方法機序・危険因子
フレカイニド酢酸塩
(タンボコール)
プロパフェノン塩酸塩
(プロノン)
[2.6参照]
QT延長、心室性不整脈(Torsades de Pointesを含む)等を起こすおそれがある。ともに催不整脈作用があり、また本剤のCYP2D6阻害作用により、これらの薬剤の血中濃度が上昇する可能性がある。

併用注意 

薬剤名等臨床症状・措置方法機序・危険因子
カテコールアミン
アドレナリン
イソプレナリン
頻脈、心室細動発現の危険性が増大する。カテコールアミンの併用によりアドレナリン作動性神経刺激の増大が起こる。
イトラコナゾール
リトナビル
アタザナビル
インジナビル
ネルフィナビル
サキナビル
クラリスロマイシン
[16.7.1参照]
心拍数増加等があらわれるおそれがある。これらの薬剤はCYP3A4を強く阻害し、また一部の薬剤はP-糖蛋白の阻害作用も有することから、併用により本剤の血中濃度が上昇する可能性がある。
リファンピシン
フェニトイン
カルバマゼピン
[16.7.2参照]
本剤の作用が減弱する可能性がある。これらの薬剤はCYP3A4及びP-糖蛋白を誘導し、併用により本剤の血中濃度が低下する可能性がある。
CYP2D6の基質
デキストロメトルファン
フェノチアジン系抗精神病剤
ペルフェナジン
ドネペジル
これらの薬剤の作用を増強するおそれがある。本剤のCYP2D6阻害作用により、これらの薬剤又はその活性代謝物の血中濃度が上昇する可能性がある。
三環系抗うつ剤
アミトリプチリン塩酸塩
ノルトリプチリン塩酸塩
イミプラミン塩酸塩

[16.7.4参照]
これらの薬剤の作用を増強するおそれがある。本剤のCYP2D6阻害作用により、これらの薬剤又はその活性代謝物の血中濃度が上昇する可能性がある。
メトプロロール
[16.7.3参照]
メトプロロールの作用を増強するおそれがある。本剤のCYP2D6阻害作用により、これらの薬剤又はその活性代謝物の血中濃度が上昇する可能性がある。
ピモジドQT延長、心室性不整脈(Torsades de Pointesを含む)等を起こすおそれがある。本剤のCYP2D6阻害作用により、ピモジドの血中濃度が上昇する可能性があり、かつ本剤及びピモジドがともに催不整脈作用を有する。
ジゴキシン
[16.7.5参照]
併用する場合には、ジゴキシンの血中濃度をモニタリングすることが望ましい。本剤のP-糖蛋白阻害作用により、ジゴキシンの血中濃度が上昇する可能性がある。

重大な副作用 

次の副作用があらわれることがあるので、観察を十分に行い、異常が認められた場合には投与を中止するなど適切な処置を行うこと。
11.1.1 尿閉(頻度不明)[8.1参照]
11.1.2 高血圧(頻度不明)
収縮期血圧180mmHg以上又は拡張期血圧110mmHg以上に至った例も報告されている。[8.3参照]

その他の副作用 

次の副作用があらわれることがあるので、観察を十分に行い、異常が認められた場合には投与を中止するなど適切な処置を行うこと。

1~5%未満1%未満頻度不明
血液及びリンパ系障害血小板数増加、白血球数増加、血小板数減少、白血球数減少
心臓障害右脚ブロック、動悸、上室性期外収縮、頻脈、心室性期外収縮、血圧上昇、心拍数増加心房細動
耳及び迷路障害回転性めまい
眼障害霧視
胃腸障害便秘、口内乾燥腹部不快感、腹部膨満、下痢、十二指腸潰瘍、胃炎、口内炎悪心、嘔吐、腹痛、上腹部痛、下腹部痛
全身障害及び投与局所様態倦怠感、浮腫、口渇胸部不快感、胸痛
肝胆道系障害AST上昇、ALT上昇、γ-GTP上昇、Al-P上昇ビリルビン上昇
感染症尿沈渣異常膀胱炎
代謝及び栄養障害CK上昇CK減少、血中ブドウ糖増加、血中ブドウ糖減少、コレステロール上昇、尿酸上昇食欲減退
神経系障害浮動性めまい、頭痛振戦、感覚鈍麻、傾眠
腎及び尿路障害尿中蛋白陽性尿中ブドウ糖陽性、クレアチニン上昇、BUN上昇、BUN減少、残尿
皮膚及び皮下組織障害発疹、蕁麻疹そう痒症
血管障害高血圧
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