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リカルボン錠50mg

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他剤形 薬剤一覧

効能・効果/用法・用量 

効能・効果

  • 骨粗鬆症

用法・用量

  • 通常、成人にはミノドロン酸水和物として50mgを4週に1回、起床時に十分量(約180mL)の水(又はぬるま湯)とともに経口投与する。
    なお、服用後少なくとも30分は横にならず、飲食(水を除く)並びに他の薬剤の経口摂取も避けること。

禁忌 

【禁忌】

次の患者には投与しないこと

  • 2.1 食道狭窄又はアカラシア(食道弛緩不能症)等の食道通過を遅延させる障害のある患者[本剤の食道通過が遅延することにより、食道局所における副作用発現の危険性が高くなる。]
  • 2.2 服用時に上体を30分以上起こしていることのできない患者
  • 2.3 本剤の成分あるいは他のビスホスホネート系薬剤に対し過敏症の既往歴のある患者
  • 2.4 低カルシウム血症の患者[血清カルシウム値が低下し低カルシウム血症の症状が悪化するおそれがある。][11.1.6参照]
  • 2.5 妊婦又は妊娠している可能性のある女性[9.5参照]

注意 

9.特定の背景を有する患者に関する注意

9.1 合併症・既往歴等のある患者
9.1.1 嚥下困難、食道炎、胃炎、十二指腸炎、又は潰瘍等の上部消化管障害がある患者
上部消化管粘膜に対し、刺激作用を示すことがあるので基礎疾患を悪化させるおそれがある。[11.1.1参照]
9.2 腎機能障害患者
9.2.1 重篤な腎障害のある患者
(1)排泄が遅延するおそれがある。
(2)国内の医療情報データベースを用いた疫学調査において、骨粗鬆症の治療にビスホスホネート系薬剤を使用した腎機能障害患者のうち、特に、高度な腎機能障害患者(eGFRが30mL/min/1.73m2未満)で、腎機能が正常の患者と比較して低カルシウム血症(補正血清カルシウム値が8mg/dL未満)のリスクが増加したとの報告がある。[11.1.6参照]
9.4 生殖能を有する者
妊娠する可能性のある女性へは、治療上の有益性が危険性を上回ると判断される場合にのみ投与すること。ビスホスホネート系薬剤は骨基質に取り込まれた後に全身循環へ徐々に放出される。全身循環への放出量はビスホスホネート系薬剤の投与量・期間に相関する。ビスホスホネート系薬剤の中止から妊娠までの期間と危険性との関連は明らかではない。
9.5 妊婦
妊婦又は妊娠している可能性のある女性には投与しないこと。他のビスホスホネート系薬剤と同様、生殖試験(ラット)において、低カルシウム血症による分娩障害の結果と考えられる母動物の死亡並びに出生率の低下等がみられている。[2.5参照]
9.6 授乳婦
治療上の有益性及び母乳栄養の有益性を考慮し、授乳の継続又は中止を検討すること。母動物(ラット)へ投与した場合、乳汁中に移行することが示されている。
9.7 小児等
小児等を対象とした有効性及び安全性を指標とした臨床試験は実施していない。

8.重要な基本的注意

8.1 上部消化管に関する副作用が報告されているので、これらの症状があらわれた場合は、本剤の服用を中止して診察を受けるよう指導すること。[11.1.1参照]
8.2 本剤投与後は、血清カルシウム値が低下する可能性があるため、血清カルシウムの変動に注意し、必要に応じて、カルシウム及びビタミンDを補給すること。ただし、カルシウム補給剤及びカルシウム、アルミニウム、マグネシウム含有製剤は、本剤の吸収を妨げることがあるので、服用時刻を変えて服用させること。[10.2、11.1.6参照]
8.3 ビスホスホネート系薬剤による治療を受けている患者において、顎骨壊死・顎骨骨髄炎があらわれることがある。報告された症例の多くが抜歯等の顎骨に対する侵襲的な歯科処置や局所感染に関連して発現している。リスク因子としては、悪性腫瘍、化学療法、血管新生阻害薬、コルチコステロイド治療、放射線療法、口腔の不衛生、歯科処置の既往等が知られている。
本剤の投与開始前は口腔内の管理状態を確認し、必要に応じて、患者に対し適切な歯科検査を受け、侵襲的な歯科処置をできる限り済ませておくよう指導すること。本剤投与中に侵襲的な歯科処置が必要になった場合には本剤の休薬等を考慮すること。
また、口腔内を清潔に保つこと、定期的な歯科検査を受けること、歯科受診時に本剤の使用を歯科医師に告知して侵襲的な歯科処置はできる限り避けることなどを患者に十分説明し、異常が認められた場合には、直ちに歯科・口腔外科を受診するように指導すること。[11.1.2参照]
8.4 ビスホスホネート系薬剤を使用している患者において、外耳道骨壊死が発現したとの報告がある。これらの報告では、耳の感染や外傷に関連して発現した症例も認められることから、外耳炎、耳漏、耳痛等の症状が続く場合には、耳鼻咽喉科を受診するよう指導すること。[11.1.3参照]
8.5 ビスホスホネート系薬剤を長期使用している患者において、非外傷性又は軽微な外力による大腿骨転子下、近位大腿骨骨幹部、近位尺骨骨幹部等の非定型骨折が発現したとの報告がある。これらの報告では、完全骨折が起こる数週間から数ヵ月前に大腿部、鼠径部、前腕部等において前駆痛が認められている報告もあることから、このような症状が認められた場合には、X線検査等を行い、適切な処置を行うこと。また、両側性の骨折が生じる可能性があることから、片側で非定型骨折が起きた場合には、反対側の部位の症状等を確認し、X線検査を行うなど、慎重に観察すること。X線検査時には骨皮質の肥厚等、特徴的な画像所見がみられており、そのような場合には適切な処置を行うこと。[11.1.4参照]

14.適用上の注意

14.1 薬剤交付時の注意
PTP包装の薬剤はPTPシートから取り出して服用するよう指導すること。PTPシートの誤飲により、硬い鋭角部が食道粘膜へ刺入し、更には穿孔をおこして縦隔洞炎等の重篤な合併症を併発することがある。

7.用法及び用量に関連する注意

投与にあたっては次の点を患者に指導すること。
7.1 本剤は水(又はぬるま湯)で服用すること。水以外の飲料(Ca、Mg等の含量の特に高いミネラルウォーターを含む)、食物及び他の薬剤と一緒に服用すると、吸収を妨げることがあるので、起床後、最初の飲食前に服用し、かつ服用後少なくとも30分は水以外の飲食を避ける。
7.2 食道及び局所への副作用の可能性を低下させるため、速やかに胃内へと到達させることが重要である。服用に際しては、以下の事項に注意すること。
・口腔咽頭刺激の可能性があるので、本剤を噛んだり又は口中で溶かしたりしないこと。
・十分量(約180mL)の水(又はぬるま湯)とともに服用し、服用後30分は横たわらないこと。
・就寝時又は起床前に服用しないこと。
7.3 本剤は4週に1回服用する薬剤であるため、飲み忘れないように注意すること。本剤の服用を忘れた場合は、翌日に1錠服用すること。

5.効能又は効果に関連する注意

本剤の適用にあたっては、日本骨代謝学会の診断基準等を参考に、骨粗鬆症との診断が確定している患者を対象とすること。

16.薬物動態

16.1 血中濃度
16.1.1 単回投与
閉経後女性各6例にミノドロン酸水和物42mg又は56mgを空腹時に単回経口投与したときの血漿中未変化体濃度のパラメータ及び投与後48時間までの尿中未変化体排泄率は下記のとおりである。
投与量Tmax(hr)Cmax(ng/mL)AUC0-∞(ng・hr/mL)T1/2(hr)尿中排泄率(%)
42mg1.0±0.510.9901±2.848852.87±17.5141.1±38.00.25±0.09
56mg0.9±0.615.4114±4.949369.33±21.1234.3±8.70.27±0.17
平均値±標準偏差
(注)本剤の承認された用量は「50mgを4週に1回、経口投与する。」である。
16.1.2 反復投与
閉経後女性各12例にミノドロン酸水和物42mg又は56mgを食前30分に4週ごとに3回反復投与したとき、反復投与後のCmax及びAUCは投与初日と比較してミノドロン酸水和物42mgで0.990倍及び0.998倍、ミノドロン酸水和物56mgで0.962倍及び0.863倍であった。
(注)本剤の承認された用量は「50mgを4週に1回、経口投与する。」である。
16.2 吸収
閉経後女性24例にミノドロン酸水和物50mgを単回経口投与した時、食前30分投与では空腹時投与に比しCmaxは約0.6倍、AUCは約0.4倍に低下した。
投与条件Tmax(hr)Cmax(ng/mL)AUC0-∞(ng・hr/mL)T1/2(hr)
空腹時1.1±0.616.759±7.18577.88±35.5231.9±8.6
食前30分0.7±0.311.935±8.36338.68±27.9035.0±13.6
平均値±標準偏差
16.3 分布
ヒト血漿蛋白結合率は、14C-ミノドロン酸水和物添加濃度5~500ng/mLにおいて61.2~61.9%であり、この濃度範囲においてほぼ一定であった(in vitro、超遠心法)。
16.4 代謝
ミノドロン酸水和物をヒト肝及び小腸ミクロソーム中でインキュベートした際、代謝物の生成は認められなかった(in vitro)。
また、CYP発現系において、ヒトのチトクロームP450の分子種(CYP1A2、CYP2C9、CYP2C19、CYP2D6及びCYP3A4)に対してほとんど阻害活性を示さなかった(in vitro)。
16.5 排泄
閉経後女性各6例にミノドロン酸水和物42mg又は56mgを空腹時に単回経口投与したときの投与後48時間までの尿中未変化体排泄率はそれぞれ0.25%又は0.27%であった。
(注)本剤の承認された用量は「50mgを4週に1回、経口投与する。」である。

併用注意 

薬剤名等臨床症状・措置方法機序・危険因子
水以外の飲料、食物
特に牛乳や乳製品のような高カルシウム含有飲食物
多価陽イオン(カルシウム、鉄、マグネシウム、アルミニウム等)含有製剤
ミネラル入りビタミン剤、制酸剤等
[8.2参照]
同時に服用すると本剤の吸収に影響を与えるおそれがあるので、本剤の服用後少なくとも30分は左記の飲食物や薬剤を摂取・服用しないよう、患者を指導すること。本剤は多価陽イオンと錯体を形成することがあるので、併用すると本剤の吸収を低下させる。

重大な副作用 

次の副作用があらわれることがあるので、観察を十分に行い、異常が認められた場合には投与を中止するなど、適切な処置を行うこと。
11.1.1 上部消化管障害
十二指腸潰瘍(0.4%)、胃潰瘍(頻度不明)等の上部消化管障害があらわれることがある。[8.1、9.1.1参照]
11.1.2 顎骨壊死・顎骨骨髄炎(頻度不明)[8.3参照]
11.1.3 外耳道骨壊死(頻度不明)[8.4参照]
11.1.4 大腿骨転子下、近位大腿骨骨幹部、近位尺骨骨幹部等の非定型骨折(頻度不明)[8.5参照]
11.1.5 肝機能障害、黄疸
AST、ALT等の上昇を伴う肝機能障害、黄疸(いずれも頻度不明)があらわれることがある。
11.1.6 低カルシウム血症
痙攣、テタニー、しびれ、失見当識、QT延長等を伴う低カルシウム血症(頻度不明)があらわれることがある。[2.4、8.2、9.2.1参照]

その他の副作用 

次の副作用があらわれることがあるので、観察を十分に行い、異常が認められた場合には投与を中止するなど、適切な処置を行うこと。

1~5%未満1%未満頻度不明
過敏症発疹、そう痒、アレルギー性皮膚炎
消化器胃・腹部不快感、腹痛、胃炎逆流性食道炎、悪心注)嘔吐注)、下痢、便秘、腹部膨満、消化不良、食欲不振、口内炎、口唇炎、口渇、歯肉痛、口の錯感覚
血液白血球減少、赤血球減少、血小板減少、単球増加
肝臓AST上昇、ALT上昇、γ-GTP上昇、ビリルビン上昇、アルカリホスファターゼ上昇、LDH上昇
腎臓BUN上昇、尿酸上昇、クレアチニン上昇
筋・骨格系アルカリホスファターゼ減少血中カルシウム減少、CK上昇、筋・骨格痛注)(関節痛、背部痛、筋肉痛、四肢痛、疼痛、骨痛等)
精神神経系しびれ、坐骨神経痛、めまい、頭痛
その他胸痛、コレステロール増加、脱毛、膀胱炎、副鼻腔炎、倦怠感注)、血圧上昇、血中リン上昇、血中リン減少、顔面浮腫、発熱注)

注)急性期反応(本剤投与後3日以内に発現し、通常は数日以内に回復する)に該当する副作用を含む。

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