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ヘパフィルド透析用150単位/mLシリンジ20mL、他

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効能・効果/用法・用量 

効能・効果

  • 血液透析の体外循環装置使用時の血液凝固の防止

用法・用量

  • 本剤は、通常、下記の投与法によって投与されるが、それらは症例又は適応領域、目的によって決定される。
    通常、本剤投与後、全血凝固時間(Lee-White法)又は全血活性化部分トロンボプラスチン時間(WBAPTT)が正常値の2~3倍になるように年齢、症状に応じて適宜用量をコントロールする。
    • ○体外循環時(血液透析)における使用法

      • 人工腎では各患者の適切な使用量を透析前に各々のヘパリン感受性試験の結果に基づいて算出するが、全身ヘパリン化法の場合、通常、透析開始に先だって、1,000~3,000単位を投与し、透析開始後は、1時間当たり500~1,500単位を持続的に、又は1時間ごとに500~1,500単位を間歇的に追加する。
        局所ヘパリン化法の場合は、1時間当たり1,500~2,500単位を持続注入し、体内灌流時にプロタミン硫酸塩で中和する。

禁忌 

注意 

9.特定の背景を有する患者に関する注意

9.1 合併症・既往歴等のある患者
9.1.1 出血している患者
血小板減少性紫斑病、血管障害による出血傾向、血友病その他の血液凝固障害(汎発性血管内血液凝固症候群(DIC)を除く)、月経期間中、手術時、消化管潰瘍、尿路出血、喀血、流早産・分娩直後等性器出血を伴う妊産褥婦、頭蓋内出血の疑いのある患者等には、治療上やむを得ないと判断される場合を除き、投与しないこと。出血を助長することがあり、ときには致命的になるおそれがある。[11.1.3参照]
9.1.2 出血する可能性のある患者
内臓腫瘍、消化管の憩室炎、大腸炎、亜急性細菌性心内膜炎、重症高血圧症、重症糖尿病の患者等には、治療上やむを得ないと判断される場合を除き、投与しないこと。血管や内臓の障害箇所に出血が起こるおそれがある。[11.1.3参照]
9.1.3 中枢神経系の手術又は外傷後日の浅い患者
治療上やむを得ないと判断される場合を除き、投与しないこと。出血を助長することがあり、ときには致命的になるおそれがある。[11.1.3参照]
9.1.4 本剤の成分に対し過敏症の既往歴のある患者
治療上やむを得ないと判断される場合を除き、投与しないこと。
9.1.5 ヘパリン起因性血小板減少症(HIT:heparin-induced thrombocytopenia)の既往歴のある患者
治療上やむを得ないと判断される場合を除き、投与しないこと。投与が必要な場合は、本剤投与後は血小板数を測定すること。HITがあらわれることがある。[8.5、11.1.2、15.1.2参照]
9.2 腎機能障害患者
9.2.1 重篤な腎障害のある患者
治療上やむを得ないと判断される場合を除き、投与しないこと。排泄が障害され、本剤の作用が持続するおそれがある。
9.3 肝機能障害患者
9.3.1 重篤な肝障害のある患者
治療上やむを得ないと判断される場合を除き、投与しないこと。凝固因子やアンチトロンビンIIIの産生が低下していることがあるので、本剤の作用が変動(増強又は減弱)するおそれがある。
9.5 妊婦
妊婦又は妊娠している可能性のある女性には、治療上の有益性が危険性を上回ると判断される場合にのみ投与すること。
9.7 小児等
小児等を対象とした有効性及び安全性を指標とした臨床試験は実施していない。
9.8 高齢者
出血の危険性が高まるおそれがある。

8.重要な基本的注意

8.1 血液凝固能検査等、出血管理を十分に行いつつ使用すること。[11.1.3参照]
8.2 脊椎・硬膜外麻酔あるいは腰椎穿刺等との併用により、穿刺部位に血腫が生じ、神経の圧迫による麻痺があらわれるおそれがある。併用する場合には神経障害の徴候及び症状について十分注意し、異常が認められた場合には直ちに適切な処置を行うこと。
8.3 急に投与を中止した場合、血栓を生じるおそれがあるので徐々に減量すること。
8.4 本剤の抗凝固作用を急速に中和する必要がある場合にはプロタミン硫酸塩を投与すること。血液透析による血液体外循環終了時に中和する場合には反跳性の出血があらわれることがある。[11.1.3参照]
8.5 ヘパリン起因性血小板減少症(HIT:heparin-induced thrombocytopenia)があらわれることがあるので、本剤投与後は血小板数を測定すること。[9.1.5、11.1.2、15.1.2参照]

14.適用上の注意

14.1 全般的な注意
使用時には、以下の点に注意すること。
・感染に対する配慮をすること。
・シリンジが破損するおそれがあるので、シリンジを鉗子等で叩くなど、強い衝撃を与えないこと。特に低温下ではシリンジが破損しやすいので注意すること。
・押子(プランジャー)が外れたり、ガスケットが変形し薬液が漏出したりするおそれがあるので押子のみを持たないこと。
・押子を反時計回りに回転させると接続に緩みが生じ、ガスケットから押子が外れるおそれがあるので、押子を反時計回りに回転させないこと。
・押子を引かないこと。
14.2 薬剤投与時の注意
14.2.1 使用に際しては、ブリスター包装を開封口からゆっくり開け、外筒(バレル)を持って取り出すこと。
14.2.2 押子の緩みがないか確認すること。緩みが認められた場合は、押子を時計回りに回転させ締め直すこと。シリンジポンプ使用中に押子が外れた場合、サイフォニング(自然落下による急速注入)や逆流が起こるおそれがある。
14.2.3 筒先のキャップをゆっくり回転させながら外して、血液回路等に確実に接続すること。キャップを外した後は、筒先に触れないこと。
14.2.4 シリンジポンプを用いて投与する場合は、以下の点に注意すること。
・本シリンジが使用可能な設定であることを必ず確認するとともに、シリンジポンプの取扱説明書に従って投与すること。
・JMSシリンジ20mLとサイズが異なるので、シリンジメーカーの設定等に注意し、適用の可否を確認すること。
・シリンジポンプの送り機構(スライダー)のフックに確実にセットすること。
正しくセットされていない場合、サイフォニングや逆流が起こるおそれがある。
・本シリンジは、抗凝固薬注入ラインが血液ポンプの下流に設置された血液回路に用いること。血液回路の閉塞などにより極端な陰圧が発生した場合、ガスケットが押子から外れたり、シリンジポンプの送り機構のフックから押子が外れ、本剤が急速注入されるおそれがある。
14.3 薬剤投与後の注意
14.3.1 開封後の使用は1回限りとし、使用後の残液はシリンジとともに速やかに廃棄すること。
14.3.2 外来透析患者では、穿刺部の止血を確認してから帰宅させること。

5.効能又は効果に関連する注意

本剤は血液透析の体外循環装置使用時の血液凝固防止の目的に使用する製剤であり、汎発性血管内血液凝固症候群の治療、血栓塞栓症の治療及び予防、血液透析以外の体外循環装置使用時の血液凝固の防止、血管カテーテル挿入時の血液凝固の防止並びに輸血及び血液検査の際の血液凝固の防止目的で投与しないこと。

併用注意 

薬剤名等臨床症状・措置方法機序・危険因子
抗凝固剤本剤の作用が出血傾向を増強するおそれがある。本剤の抗凝固作用と血液凝固因子の生合成阻害作用により相加的に出血傾向が増強される。
血栓溶解剤
ウロキナーゼ
t-PA製剤
本剤の作用が出血傾向を増強するおそれがある。本剤の抗凝固作用とフィブリン溶解作用により相加的に出血傾向が増強される。
血小板凝集抑制作用を有する薬剤
アスピリン
ジピリダモール
チクロピジン塩酸塩
本剤の作用が出血傾向を増強するおそれがある。本剤の抗凝固作用と血小板凝集抑制作用により相加的に出血傾向が増強される。
テトラサイクリン系抗生物質
強心配糖体
ジギタリス製剤
ニトログリセリン製剤
本剤の作用が減弱するおそれがある。機序は不明である。
筋弛緩回復剤
スガマデクスナトリウム
本剤の抗凝固作用が増強されるおそれがあるので、患者の状態を観察するとともに血液凝固に関する検査値に注意すること。作用機序は不明であるが、スガマデクスナトリウム4mg/kgと抗凝固剤の併用中に活性化部分トロンボプラスチン時間(APTT)又はプロトロンビン時間(PT)の軽度で一過性の延長が認められている。
アンデキサネット アルファ(遺伝子組換え)本剤の抗凝固作用が減弱し、ヘパリン抵抗性を示すことがある。In vitroデータから、アンデキサネット アルファ(遺伝子組換え)がヘパリン-アンチトロンビンIII複合体に作用し、本剤の抗凝固作用を減弱させることが示唆されている。

重大な副作用 

次の副作用があらわれることがあるので、観察を十分に行い、異常が認められた場合には投与を中止するなど適切な処置を行うこと。
11.1.1 ショック(頻度不明)、アナフィラキシー(頻度不明)
血圧低下、意識低下、呼吸困難、チアノーゼ、蕁麻疹等の異常が認められた場合には投与を中止し、適切な処置を行うこと。
11.1.2 血小板減少(頻度不明)、HIT等に伴う血小板減少・血栓症(頻度不明)
著明な血小板減少があらわれることがある。HITはヘパリン-血小板第4因子複合体に対する自己抗体(HIT抗体)の出現による免疫学的機序を介した病態であり、著明な血小板減少と脳梗塞、肺塞栓症、深部静脈血栓症等の血栓症やシャント閉塞、回路内閉塞等を伴う。また、投与終了数週間後に、HITが遅延して発現したとの報告もある。血小板数の著明な減少や血栓症を疑わせる異常が認められた場合には投与を中止し、適切な処置を行うこと。[8.5、9.1.5、15.1.2参照]
11.1.3 出血(頻度不明)
脳出血、消化管出血、肺出血、硬膜外血腫、後腹膜血腫、腹腔内出血、術後出血、刺入部出血等、重篤な出血があらわれることがある。[8.1、8.4、9.1.1-9.1.3参照]

その他の副作用 

次の副作用があらわれることがあるので、観察を十分に行い、異常が認められた場合には投与を中止するなど適切な処置を行うこと。

頻度不明
過敏症そう痒感、蕁麻疹、悪寒、発熱、鼻炎、気管支喘息、流涙等
皮膚脱毛、白斑、出血性壊死等
肝臓AST、ALTの上昇等
長期投与骨粗鬆症、低アルドステロン症
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