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ラロキシフェン塩酸塩錠60mg「トーワ」

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効能・効果/用法・用量 

効能・効果

  • 閉経後骨粗鬆症

用法・用量

  • 通常、ラロキシフェン塩酸塩として、1日1回60mgを経口投与する。

禁忌 

【禁忌】

次の患者には投与しないこと

  • 2.1 深部静脈血栓症、肺塞栓症、網膜静脈血栓症等の静脈血栓塞栓症のある患者又はその既往歴のある患者[これらの症状が増悪することがある。][8.1、11.1.1参照]
  • 2.2 長期不動状態(術後回復期、長期安静期等)にある患者[8.2参照]
  • 2.3 抗リン脂質抗体症候群の患者[静脈血栓塞栓症を起こしやすいとの報告がある。]
  • 2.4 妊婦又は妊娠している可能性のある女性及び授乳婦[9.5、9.6参照]
  • 2.5 本剤の成分に対し過敏症の既往歴のある患者

注意 

9.特定の背景を有する患者に関する注意

9.1 合併症・既往歴等のある患者
9.1.1 経口エストロゲン療法にて顕著な高トリグリセリド血症(>500mg/dL)の既往歴のある患者
血清トリグリセリド値のモニターを行うこと。本剤の服用により血清トリグリセリド上昇があらわれることがある。
9.2 腎機能障害患者
国内臨床試験では除外されている。[16.6.1参照]
9.3 肝機能障害患者
国内臨床試験では除外されている。[16.6.2参照]
9.5 妊婦
妊婦又は妊娠している可能性のある女性には投与しないこと。妊婦に本剤を投与した場合、胎児に悪影響を及ぼすおそれがある。ウサギでは、流産及び低頻度で胎児心奇形(心室中隔欠損)が認められた。ラットでは、胎児の発達遅延及び発育異常(波状肋骨、腎盂拡張)あるいは分娩遅延又は分娩困難、出生児生存率の低下、身体発育分化の変化、発育分化抑制や下垂体ホルモンの変化、出生児におけるリンパ球組織の減少といった所見が認められ、また、高用量では、分娩困難による母動物及び産児の死亡の報告がある。[2.4参照]
9.6 授乳婦
授乳中の女性には投与しないこと。本剤がヒト乳汁中へ移行するかどうかは不明である。[2.4参照]

8.重要な基本的注意

8.1 本剤の服用により、静脈血栓塞栓症(深部静脈血栓症、肺塞栓症、網膜静脈血栓症を含む)があらわれることがあるので、患者に対しては、次のような症状が認められた場合には直ちに医師等に相談するよう、あらかじめ説明すること。
症状:下肢の疼痛・浮腫、突然の呼吸困難、息切れ、胸痛、急性視力障害等
[2.1、11.1.1参照]
8.2 静脈血栓塞栓症(深部静脈血栓症、肺塞栓症、網膜静脈血栓症を含む)のリスクが上昇するため、長期不動状態(術後回復期、長期安静期等)に入る3日前には本剤の服用を中止し、完全に歩行可能になるまでは投与を再開しないこと。[2.2参照]
8.3 患者のカルシウム及び/又はビタミンDの摂取量が十分でない場合は、カルシウム及び/又はビタミンDをそれぞれ補給すること。

14.適用上の注意

14.1 薬剤交付時の注意
PTP包装の薬剤はPTPシートから取り出して服用するよう指導すること。PTPシートの誤飲により、硬い鋭角部が食道粘膜へ刺入し、更には穿孔をおこして縦隔洞炎等の重篤な合併症を併発することがある。

16.薬物動態

16.1 血中濃度
16.1.1 単回投与試験
閉経後健康女性52例にラロキシフェン塩酸塩120mg(60mg錠2錠)注1)を空腹時に単回経口投与した時の血漿中ラロキシフェン濃度は複数のピークを示した。CmaxのCV%は94.8%、AUC0-∞のCV%は55.7%を示し、個体間変動が大きいことが示された。なお、ラロキシフェン塩酸塩1.0mg静脈内投与時注1)の分布容積は7.5L/kgであった。
表1)閉経後健康女性にラロキシフェン塩酸塩120mg(60mg錠2錠)注1)単回経口投与時の血漿中ラロキシフェン濃度より算出した薬物動態パラメータ
Cmax
(ng/mL)
tmaxa)
(hr)
AUC0-∞
(ng・hr/mL)
t1/2b)
(hr)
1.635(94.8)9(1~24)55.9(55.7)24.3(15.8~103.9)
算術平均(CV%):n=52a)中央値(範囲) b)調和平均(範囲)
16.1.2 反復投与試験
閉経後健康女性16例に、ラロキシフェン塩酸塩60mgを1日1回14日間反復経口投与した。14日間の反復経口投与により血漿中ラロキシフェン濃度は定常状態に達することが示された。また、60mg以下において投与量比例性が示された。
表2)閉経後健康女性にラロキシフェン塩酸塩60mgを1日1回14日間反復経口投与した時の血漿中ラロキシフェン濃度より算出した薬物動態パラメータ
Css,max
(ng/mL)
Css,ave
(ng/mL)
Css,min
(ng/mL)
tmaxa)
(hr)
AUCss
(ng・hr/mL)
CLp,ss
(L/hr/kg)
1.750(32.4)1.384(34.2)1.099(37.0)8(1~8)33.2(34.2)36.5(48.1)
算術平均(CV%):n=16a)中央値(範囲)
16.1.3 生物学的同等性試験
ラロキシフェン塩酸塩錠60mg「トーワ」とエビスタ錠60mgを、クロスオーバー法によりそれぞれ1錠(ラロキシフェン塩酸塩として60mg)閉経後健康女性に絶食単回経口投与して血漿中未変化体濃度を測定し、得られた薬物動態パラメータ(AUC、Cmax)について90%信頼区間法にて統計解析を行った結果、log(0.80)~log(1.25)の範囲内であり、両剤の生物学的同等性が確認された。
表3 薬物動態パラメータ
判定パラメータ参考パラメータ
AUC0-144
(ng・hr/mL)
Cmax
(ng/mL)
tmax
(hr)
t1/2
(hr)
ラロキシフェン塩酸塩錠60mg「トーワ」32.28±13.960.775±0.4669.46±8.8934.8±20.6
エビスタ錠60mg33.91±15.490.783±0.46010.84±11.9635.5±28.6
平均値±S.D.,n=48※:n=47
血漿中濃度並びにAUC、Cmax等のパラメータは、被験者の選択、体液の採取回数・時間等の試験条件によって異なる可能性がある。
16.2 吸収
16.2.1 バイオアベイラビリティ
外国人の閉経後健康女性8例に、クロスオーバーデザインを用いてラロキシフェン塩酸塩120mg(60mg錠2錠)注1)の経口投与及びラロキシフェン塩酸塩1.0mgの静脈内投与注1)を実施し、ラロキシフェンの吸収について評価した。ラロキシフェン塩酸塩120mg経口投与時のラロキシフェンの絶対的バイオアベイラビリティは2.0%、吸収率は63%であった。なお、ラロキシフェンは腸肝循環することが示唆されている。
16.2.2 食事の影響
外国人の閉経後健康女性14例に、空腹時及び食事の摂取下においてラロキシフェン塩酸塩120mg(60mg錠2錠)注1)を単回経口投与した結果、空腹時のCmax及びAUC0-tはそれぞれ0.9ng/mL及び41.5ng・hr/mL、食事の摂取下のCmax及びAUC0-tはそれぞれ1.1ng/mL及び49.1ng・hr/mLを示し、これらの間に統計的に有意な差は認められなかった。
16.3 分布
16.3.1 蛋白結合
日本人の閉経後女性15例の血漿サンプルを用いて、3H-ラロキシフェンと血漿中蛋白の結合をin vitro試験で評価した。
血漿蛋白結合率の平均値は97.7%(範囲:96.6~98.5%)であった。また、外国人の閉経後女性の血漿サンプルを用いて評価した結果、3H-ラロキシフェンはアルブミンと99.6%、α1-酸性糖蛋白質と88.9%の結合率であった。
16.4 代謝
外国人の健康成人4例(男性注2)3例及び閉経後女性1例)に14C-ラロキシフェン塩酸塩199.7mg注1)のアルコール性水溶液を単回経口投与した。3種類のグルクロン酸抱合体のみが血漿中及び尿中に検出され、酸化代謝物は認められなかった。血漿中の未変化体は総放射活性の約1.0%であった。
16.5 排泄
外国人の健康成人4例(男性注2)3例及び閉経後女性1例)に14C-ラロキシフェン塩酸塩199.7mg注1)のアルコール性水溶液を単回経口投与した。糞便中に50~79%、尿中に3.3~5.5%の放射活性が排泄された。
16.6 特定の背景を有する患者
16.6.1 腎機能障害
外国人の腎機能正常男性注2)10例及び腎機能障害男性注2)10例にラロキシフェン塩酸塩120mg(60mg錠2錠)注1)を単回経口投与した。腎機能障害男性は腎機能正常男性に比較してAUC0-∞が約2.2倍、Cmaxが約1.4倍であった。[9.2参照]
16.6.2 肝機能障害
外国人(年齢40-65歳)の健康成人8例(女性5例、男性注2)3例)及び肝硬変患者9例(女性5例、男性注2)4例)にラロキシフェン塩酸塩60mgを単回経口投与した。肝硬変患者は健康成人に比較してAUC0-∞が約2.5倍、Cmaxが約2.1倍であった。[9.3参照]
16.7 薬物相互作用
16.7.1 コレスチラミン
外国人の閉経後健康女性14名において、コレスチラミン(無水コレスチラミンとして4~8gを1~2回/日)の反復経口投与によりラロキシフェン塩酸塩120mg(60mg錠2錠)注1)単回経口投与時のAUC0-tは60%低下した。[10.2参照]
16.7.2 アンピシリン
外国人の閉経後健康女性14名において、アンピシリン500mg(4回/日)の反復経口投与によりラロキシフェン塩酸塩120mg(60mg錠2錠)注1)単回経口投与時のCmaxは28%低下した。[10.2参照]
注1)本剤の承認された用法及び用量はラロキシフェン塩酸塩として1日1回60mg経口投与である。
注2)本剤の承認された効能又は効果は閉経後骨粗鬆症である。

併用注意 

薬剤名等臨床症状・措置方法機序・危険因子
陰イオン交換樹脂
コレスチラミン
[16.7.1参照]
本剤の血中濃度が低下する。本剤がコレスチラミンに吸着され、消化管内からの吸収量が低下することが知られている。その他の陰イオン交換樹脂についても同様の可能性が考えられる。
クマリン系抗凝血剤
ワルファリン
プロトロンビン時間の減少が報告されている。本剤による治療の開始あるいは終了の際、プロトロンビン時間を注意深くモニターする必要がある。機序は不明である。
アンピシリン
[16.7.2参照]
本剤の血中濃度が低下するおそれがある。アンピシリンにより腸内細菌叢が減少することにより本剤の腸肝循環が低下するためと考えられる。

重大な副作用 

次の副作用があらわれることがあるので、観察を十分に行い、異常が認められた場合には投与を中止するなど適切な処置を行うこと。
11.1.1 静脈血栓塞栓症(頻度不明)
深部静脈血栓症、肺塞栓症、網膜静脈血栓症があらわれることがあるので、下肢の疼痛・浮腫、突然の呼吸困難、息切れ、胸痛、急性視力障害等の症状が認められた場合には投与を中止すること。[2.1、8.1参照]
11.1.2 肝機能障害(頻度不明)
AST、ALT、γ-GTP等の著しい上昇を伴う肝機能障害があらわれることがある。

その他の副作用 

次の副作用があらわれることがあるので、観察を十分に行い、異常が認められた場合には投与を中止するなど適切な処置を行うこと。

2~5%未満2%未満頻度不明
血液ヘモグロビン減少、ヘマトクリット減少、血小板数減少
内分泌・代謝系血中Al-P減少血清総蛋白減少、血中アルブミン減少、血清リン減少、血中カルシウム減少
消化器嘔気腹部膨満、おくび
肝臓γ-GTP上昇
皮膚皮膚炎、そう痒症
生殖器膣分泌物良性の子宮内腔液増加
乳房乳房緊満
その他下肢痙攣、ほてり多汗感覚減退、末梢性浮腫、表在性血栓性静脈炎、体重増加
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