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レクタブル2mg注腸フォーム14回

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効能・効果/用法・用量 

効能・効果

  • 潰瘍性大腸炎(重症を除く)

用法・用量

  • 通常、成人には1回あたり1プッシュ(ブデソニドとして2mg)、1日2回直腸内に噴射する。

禁忌 

【禁忌】

次の患者には投与しないこと

  • 2.1 本剤の成分に対し過敏症の既往歴のある患者
  • 2.2 デスモプレシン酢酸塩水和物(男性における夜間多尿による夜間頻尿)を投与中の患者[10.1参照]

注意 

9.特定の背景を有する患者に関する注意

9.1 合併症・既往歴等のある患者
9.1.1 感染症の患者
症状が増悪するおそれがある。
9.1.2 B型肝炎ウイルスキャリアの患者
本剤の投与期間中及び投与終了後は継続して肝機能検査値や肝炎ウイルスマーカーのモニタリングを行うなど、B型肝炎ウイルス増殖の徴候や症状の発現に注意すること。異常が認められた場合には、本剤の減量を考慮し、抗ウイルス剤を投与するなど適切な処置を行うこと。B型肝炎ウイルスの増殖による肝炎があらわれることがある。なお、投与開始前にHBs抗原陰性の患者において、他の副腎皮質ステロイド剤投与後にB型肝炎ウイルスによる肝炎を発症した症例が報告されている。
9.5 妊婦
妊婦又は妊娠している可能性のある女性には、治療上の有益性が危険性を上回ると判断される場合にのみ投与すること。動物実験で催奇形性及び胚・胎児への影響が認められている。
9.6 授乳婦
治療上の有益性及び母乳栄養の有益性を考慮し、授乳の継続又は中止を検討すること。乳汁中へ移行するとの報告がある。
9.7 小児等
小児等を対象とした臨床試験は実施していない。
9.8 高齢者
患者の状態を観察しながら慎重に投与すること。一般に高齢者では生理機能が低下している。

8.重要な基本的注意

8.1 本剤は副腎皮質ステロイドであり、誘発感染症、続発性副腎皮質機能不全、クッシング症候群、骨密度の減少、消化管潰瘍、糖尿病、白内障、緑内障、精神障害等の重篤な副作用があらわれる可能性がある。本剤の投与にあたっては、次の注意が必要である。
8.1.1 投与中は、副作用の発現に対し、常に十分な配慮と観察を行い、また、患者をストレスから避けるようにし、事故、手術等の場合には当該患者の副腎皮質機能の低下に留意し、全身性ステロイド剤の投与など適切な処置を行うこと。
8.1.2 特に、免疫抑制状態の患者が、水痘又は麻疹に感染すると、致命的な経過をたどることがあるので、次の注意が必要である。
・本剤投与前に水痘又は麻疹の既往や予防接種の有無を確認すること。
・水痘又は麻疹の既往のない患者においては、水痘又は麻疹への感染を極力防ぐよう常に十分な配慮と観察を行うこと。感染が疑われる場合や感染した場合には、直ちに受診するよう指導し、適切な処置を講ずること。
・水痘又は麻疹の既往や予防接種を受けたことがある患者であっても、本剤投与中は、水痘又は麻疹を発症する可能性があるので留意すること。
8.1.3 免疫抑制状態の患者では、生ワクチンの接種により、ワクチン由来の感染を増強又は持続させるおそれがあるので、本剤投与中の患者に生ワクチンを接種する場合、免疫機能を検査の上、十分な注意を払うこと。

14.適用上の注意

14.1 薬剤交付時の注意
患者に本剤を交付する際には、患者用説明文書<レクタブル2mg注腸フォーム14回を使用される方へ>を渡し、使用方法を指導すること。
14.2 薬剤投与時の注意
本剤は、接触性皮膚炎を誘発する可能性のあるセタノール並びにプロピレングリコールを含有することから、接触性皮膚炎誘発を防ぐため、腸管外へ漏出した場合には、速やかにふき取ること。また、異常が認められた場合には、適切な処置を行うこと。

7.用法及び用量に関連する注意

本剤投与中は患者の病態を十分観察し、投与開始6週間を目安に本剤の必要性を検討し、漫然と投与を継続しないこと。[17.1.1参照]

5.効能又は効果に関連する注意

本剤が腸内で到達する範囲は概ねS状結腸部までであり、直腸部及びS状結腸部の病変に対して使用すること。[16.8.2参照]

16.薬物動態

16.1 血中濃度
16.1.1 直腸内単回投与
日本人健康成人男性に本剤(ブデソニドとして2mg)を単回直腸内投与した時、血清中ブデソニド濃度は投与後約1時間半で最高濃度(0.909±0.554ng/mL)に達し、半減期は約4時間であった。静脈内投与時のクリアランス値(外国人データ)を参考に算出した本剤の単回投与時の絶対的バイオアベイラビリティは、16%と推定された。
Cmax(ng/mL)Tmax(hr)AUC0~∞(ng・hr/mL)t1/2(hr)Vd/F(L)CL/F(L/min)
0.909±0.5541.472±0.757(1.50)4.930±2.8883.996±2.2412912.128±1793.7598.535±3.969
n=18、平均値±標準偏差(Tmax:中央値)
16.1.2 直腸内反復投与
日本人健康成人男性に本剤(ブデソニドとして2mg)を1日2回4日間直腸内投与した時の血清中ブデソニド濃度のTmax、及びCmaxは単回投与時と大きな違いはなかった。AUCで評価した結果、1日2回直腸内反復投与による蓄積性は認められなかった。
16.3 分布
ブデソニドのヒト血漿における蛋白結合率は88.3%であることが報告されている。
16.4 代謝
日本人健康成人男性に本剤(ブデソニドとして2mg)を1日2回4日間直腸内投与した時、代謝物として血清中に16α-ヒドロキシプレドニゾロン及び6β-ヒドロキシブデソニドが検出された。代謝には、主としてCYP3A4が関与する。[10.参照]
16.7 薬物相互作用
外国人の健康成人に対するブデソニドカプセル剤(経口)3mgとケトコナゾール200mgの併用により、ブデソニドのAUC0-24はブデソニド単剤投与時と比較して6.5倍上昇した。外国人の健康成人に対するブデソニド(吸入)1000μgとイトラコナゾール(経口)200mgの併用により、ブデソニドのAUC0-∞はブデソニド単剤投与時と比較して4.2倍上昇した。[10.2参照]
16.8 その他
16.8.1 薬力学
本剤の投与により、血漿コルチゾール濃度は減少したが、投与中止により回復した。
投与前6週投与時後観察
血漿コルチゾール(μg/dL)
平均±標準偏差
[95%信頼区間]
本剤12.97±4.02
(n=64)
[11.96,13.97]
6.82±6.08
(n=59)
[5.24,8.41]
13.28±4.41
(n=36)
[11.79,14.77]
プラセボ13.07±4.94
(n=62)
[11.82,14.33]
12.62±3.67
(n=51)
[11.59,13.66]
12.25±5.04
(n=30)
[10.37,14.13]
※6週投与終了後14~27日に後観察を実施。
16.8.2 腸内での到達範囲
外国において、99mTc標識ブデソニドを軽症から中等症の活動期潰瘍性大腸炎患者12例に単回直腸内投与した時の腸内での到達範囲(平均値±標準偏差)は25.4±10.3cmであり、S状結腸の遠位半分には12例全例が到達し、近位半分には9例が到達した。下行結腸の遠位3分の1には7例が到達した。12例中5例はS状結腸より口側には到達しなかった。[5.参照]

併用禁忌 

薬剤名等臨床症状・措置方法機序・危険因子
デスモプレシン酢酸塩水和物(ミニリンメルト)(男性における夜間多尿による夜間頻尿)
[2.2参照]
低ナトリウム血症が発現するおそれがある。機序不明。

併用注意 

薬剤名等臨床症状・措置方法機序・危険因子
CYP3A4阻害剤
イトラコナゾール
エリスロマイシン
シクロスポリン
コビシスタット等
[16.7参照]
本剤の血中濃度が上昇するおそれがあり、副腎皮質ステロイド剤を全身投与した場合と同様の症状があらわれる可能性がある。CYP3A4による本剤の代謝が阻害されることにより、本剤の血中濃度が上昇する可能性がある。
グレープフルーツジュース本剤の血中濃度が上昇するおそれがあり、副腎皮質ステロイド剤を全身投与した場合と同様の症状があらわれる可能性がある。発現機序の詳細は不明であるが、グレープフルーツジュースに含まれる成分が、CYP3A4を抑制するためと考えられる。

その他の副作用 

次の副作用があらわれることがあるので、観察を十分に行い、異常が認められた場合には投与を中止するなど適切な処置を行うこと。

5%以上1~5%未満1%未満頻度不明
過敏症アナフィラキシー
代謝及び栄養障害クッシング症候群
肝臓肝機能異常(ALT、AST、γ-GTP、AL-P増加)
精神神経系頭痛、不眠症、めまい嗅覚錯誤、頭蓋内圧亢進症、気分動揺、うつ病、易刺激性、多幸感、精神運動亢進、不安
循環器高血圧
消化器痔核、胃潰瘍悪心、腹痛、消化不良、鼓腸、腹部の錯感覚、裂肛、アフタ性口内炎、排便回数増加、直腸出血、直腸灼熱感、直腸痛、膵炎、十二指腸潰瘍
血液・免疫系白血球増加症貧血、血沈亢進、感染リスクの増加
筋・骨格系筋肉痛、関節痛、筋力低下、筋痙攣、骨粗鬆症
皮膚ざ瘡多汗、そう痒症、皮疹、アレルギー性皮膚炎、点状出血、創傷治癒遅延、接触性皮膚炎
霧視
泌尿器尿路感染
その他血中コルチゾール減少(41.1%)、血中コルチコトロピン減少(35.4%)血中トリグリセリド増加、LDH増加、CK増加末梢性浮腫無力症、発熱、食欲亢進、体重増加、アミラーゼ増加
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