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レボセチリジン塩酸塩シロップ0.05%「トーワ」

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効能・効果/用法・用量 

効能・効果

  • ○[成人]
    • ○アレルギー性鼻炎
    • ○蕁麻疹、湿疹・皮膚炎、痒疹、皮膚そう痒症
  • ○[小児]
    • ○アレルギー性鼻炎
    • ○蕁麻疹、皮膚疾患(湿疹・皮膚炎、皮膚そう痒症)に伴うそう痒

用法・用量

  • [成人]

    • 通常、成人には1回10mL(レボセチリジン塩酸塩として5mg)を1日1回、就寝前に経口投与する。なお、年齢、症状により適宜増減するが、最高投与量は1日20mL(レボセチリジン塩酸塩として10mg)とする。
  • [小児]

    • 通常、6ヵ月以上1歳未満の小児には1回2.5mL(レボセチリジン塩酸塩として1.25mg)を1日1回経口投与する。
    • 通常、1歳以上7歳未満の小児には1回2.5mL(レボセチリジン塩酸塩として1.25mg)を1日2回、朝食後及び就寝前に経口投与する。
    • 通常、7歳以上15歳未満の小児には1回5mL(レボセチリジン塩酸塩として2.5mg)を1日2回、朝食後及び就寝前に経口投与する。

禁忌 

【禁忌】

次の患者には投与しないこと

  • 2.1 本剤の成分又はピペラジン誘導体(セチリジン、ヒドロキシジンを含む)に対し過敏症の既往歴のある患者
  • 2.2 重度の腎障害(クレアチニンクリアランス10mL/min未満)のある患者[7.1、9.2.1、16.6.1参照]

注意 

9.特定の背景を有する患者に関する注意

9.1 合併症・既往歴等のある患者
9.1.1 てんかん等の痙攣性疾患又はこれらの既往歴のある患者
痙攣を発現するおそれがある。[11.1.2参照]
9.2 腎機能障害患者
9.2.1 重度の腎障害(クレアチニンクリアランス10mL/min未満)のある患者
投与しないこと。高い血中濃度が持続するおそれがある。[2.2、7.1、16.6.1参照]
9.2.2 腎障害のある患者(重度の腎障害のある患者を除く)
高い血中濃度が持続するおそれがある。[7.1、16.6.1参照]
9.3 肝機能障害患者
9.3.1 肝障害のある患者
高い血中濃度が持続するおそれがある。[16.6.2参照]
9.5 妊婦
妊婦又は妊娠している可能性のある女性には、治療上の有益性が危険性を上回ると判断される場合にのみ投与すること。動物実験(ラット)で胎盤を通過することが報告されている。
9.6 授乳婦
治療上の有益性及び母乳栄養の有益性を考慮し、授乳の継続又は中止を検討すること。セチリジン注)塩酸塩において、ヒト乳汁中へ移行することが報告されている。
注)ラセミ体であるセチリジンのR-エナンチオマーがレボセチリジンである。
9.7 小児等
6ヵ月未満の乳児等を対象とした臨床試験は実施していない。
9.8 高齢者
慎重に投与し、異常が認められた場合は減量又は休薬するなど適切な処置を行うこと。腎機能が低下していることが多く、高い血中濃度が持続するおそれがある。[7.2、16.6.3参照]

8.重要な基本的注意

<効能共通>
8.1 眠気を催すことがあるので、本剤投与中の患者には自動車の運転等危険を伴う機械の操作には従事させないよう十分注意すること。
8.2 効果が認められない場合には、漫然と長期にわたり投与しないように注意すること。
<アレルギー性鼻炎>
8.3 季節性の患者に投与する場合は、好発季節を考えて、その直前から投与を開始し、好発季節終了時まで続けることが望ましい。

7.用法及び用量に関連する注意

7.1
腎障害患者では、血中濃度半減期の延長が認められ、血中濃度が増大するため、クレアチニンクリアランスに応じて、下表のとおり投与量の調節が必要である。[2.2、9.2.1、9.2.2、16.6.1参照]
成人患者の腎機能に対応する用法及び用量の目安
クレアチニンクリアランス(mL/min)
≧8050~7930~4910~29
推奨用量5mgを1日に1回2.5mgを1日に1回2.5mgを2日に1回2.5mgを週に2回
(3~4日に1回)
腎障害を有する小児患者では、各患者の腎クリアランスと体重を考慮して、個別に用量を調整すること。
7.2 高齢者では、低用量(例えば2.5mg)から投与を開始するなど慎重に投与すること。[9.8参照]

16.薬物動態

16.1 血中濃度
16.1.1 単回投与
健康成人男性20例にレボセチリジン塩酸塩5mg(シロップ)を空腹時単回経口投与した時、血漿中レボセチリジン濃度は投与後0.75時間には最高血漿中濃度203.3ng/mLに到達した。血漿中濃度の消失半減期は約7.9時間であった。セチリジン塩酸塩10mg(ドライシロップ)を空腹時単回経口投与した時、血漿中レボセチリジン濃度は投与後1時間には最高血漿中濃度196.5ng/mLに到達し、血漿中濃度の消失半減期は約7.9時間であった。レボセチリジン塩酸塩(シロップ)はセチリジン塩酸塩(ドライシロップ)の半量で同様の血漿中レボセチリジン濃度が得られ、血漿中レボセチリジンのCmax及びAUC0-48は同等であった。
表1 レボセチリジンの薬物動態パラメータ
投与薬剤投与量tmax(hr)Cmax(ng/mL)t1/2(hr)AUC0-∞(ng・hr/mL)
レボセチリジン(シロップ)5mg0.75(0.50-1.50)203.3±42.497.91±1.001844.7±317.56
セチリジン(ドライシロップ)10mg1.00(0.50-1.50)196.5±31.317.85±1.001737.1±278.99
20例、平均値±標準偏差、tmax:中央値(範囲)
健康成人男性20例にレボセチリジン塩酸塩5mg(錠剤)を空腹時単回経口投与した時、血漿中レボセチリジン濃度は投与後1時間には最高血漿中濃度232.6ng/mLに到達した。血漿中濃度の消失半減期は約7.3時間であった。また、10mgを単回経口投与した時、投与量増量に伴うCmaxの上昇及びAUCの増加が認められた。セチリジン塩酸塩10mg(錠剤)を空腹時単回経口投与した時、血漿中レボセチリジン濃度は投与後1時間には最高血漿中濃度228.3ng/mLに到達し、血漿中濃度の消失半減期は約7.3時間であった。
レボセチリジン塩酸塩(錠剤)はセチリジン塩酸塩(錠剤)の半量で同様の血漿中レボセチリジン濃度が得られ、血漿中レボセチリジンのCmax及びAUC0-48は同等であった。
表2 レボセチリジンの薬物動態パラメータ
投与薬剤投与量tmax(hr)Cmax(ng/mL)t1/2(hr)AUC0-∞(ng・hr/mL)
レボセチリジン(錠剤)5mg1.00(0.25-4.00)232.60±64.497.33±0.981814.06±392.49
10mg0.75(0.50-2.00)480.00±104.017.57±0.893546.51±712.14
セチリジン(錠剤)10mg1.00(0.50-2.00)228.30±40.677.32±0.781875.37±377.94
20例、平均値±標準偏差、tmax:中央値(範囲)
16.1.2 反復投与
健康成人20例にレボセチリジン塩酸塩5mgを1日1回8日間空腹時反復経口投与した時、血漿中レボセチリジン塩酸塩濃度は投与開始後2日までに定常状態に到達し、AUC0-24について算出した累積係数は1.08であった(外国人データ)。
16.1.3 生物学的同等性試験
レボセチリジン塩酸塩シロップ0.05%「トーワ」とザイザルシロップ0.05%を、クロスオーバー法によりそれぞれ10mL(レボセチリジン塩酸塩として5mg)健康成人男子に絶食単回経口投与して血漿中レボセチリジン濃度を測定し、得られた薬物動態パラメータ(AUC、Cmax)について90%信頼区間法にて統計解析を行った結果、いずれもlog(0.80)~log(1.25)の範囲内であり、両剤の生物学的同等性が確認された。
表3 薬物動態パラメータ
判定パラメータ参考パラメータ
AUC0-30(ng・hr/mL)Cmax(ng/mL)tmax(hr)t1/2(hr)
レボセチリジン塩酸塩シロップ0.05%「トーワ」1978±367206.8±43.70.96±0.528.95±1.41
ザイザルシロップ0.05%1930±372212.9±49.40.98±0.638.77±1.09
22例、平均値±標準偏差
血漿中濃度並びにAUC、Cmax等のパラメータは、被験者の選択、体液の採取回数・時間等の試験条件によって異なる可能性がある。
16.2 吸収
16.2.1 食事の影響
健康成人20例にレボセチリジン塩酸塩5mgを食後(高脂肪食)又は空腹時に単回経口投与した時、空腹時投与と比べ、食後投与の血漿中レボセチリジン塩酸塩のtmaxは約1.3時間遅延し、Cmaxが約35%低下したが、AUCに顕著な差はみられなかった(外国人データ)。
16.3 分布
16.3.1 分布容積
健康成人男性20例にレボセチリジン塩酸塩5mgを空腹時単回経口投与した時、レボセチリジンの見かけの分布容積は25.14Lであった。
16.3.2 血漿蛋白結合率
In vitroでの[14C]-レボセチリジン(0.2~5μg/mL)のヒト血漿蛋白結合率は約92%であった。
16.4 代謝
16.4.1 代謝酵素
レボセチリジンの代謝経路はフェニル基の水酸化、N-及びO-脱アルキル化並びにタウリン抱合体の生成である。In vitroにおいて、レボセチリジンは主にCYP3A4で脱アルキル体に、複数のCYP分子種(未同定)でフェニル基の水酸化体に代謝された。
16.4.2 代謝酵素阻害・誘導
In vitroにおいて、レボセチリジンは臨床用量のCmax付近の濃度でCYP1A2、2C9、2C19、2D6、2E1及び3A4を阻害せず、UGT1A並びにCYP1A2、2C9及び3A4を誘導しなかった。
16.5 排泄
16.5.1 健康成人男性20例にレボセチリジン塩酸塩5mg及び10mgを空腹時単回経口投与した時の見かけの全身クリアランスは、それぞれ2.435±0.567L/hr及び2.482±0.582L/hrであった。
16.5.2 健康成人20例にレボセチリジン塩酸塩5mgを空腹時単回経口投与した時の投与後48時間までのレボセチリジン塩酸塩の累積尿中排泄率は約73%であった(外国人データ)。
16.5.3 健康成人男性4例に[14C]-レボセチリジン塩酸塩溶液5mgを空腹時単回経口投与した時の投与後168時間までの尿及び糞中の放射能回収率はそれぞれ85.4%及び12.9%であった。
16.6 特定の背景を有する患者
16.6.1 腎機能低下者
クレアチニンクリアランスが45~90mL/min/1.73m2(軽度)、10~45mL/min/1.73m2(中等度)の腎機能低下者、及び血液透析を必要とする重度の腎機能低下者にレボセチリジン塩酸塩5mgを単回経口投与した時、腎機能正常者に比べ、腎機能低下者では、レボセチリジン塩酸塩のAUC0-∞は約1.8~5.7倍増加し、t1/2は約1.4~3.9倍に延長した(外国人データ)。[2.2、7.1、9.2.1、9.2.2参照]
表4 腎機能低下者におけるレボセチリジン塩酸塩の薬物動態パラメータ
腎機能正常(6例)軽度低下(6例)中等度低下(6例)重度低下(5例)
CLcr(mL/min/1.73m298.7±7.262.4±9.826.4±10.30
Cmax(ng/mL)220.5±68.78295.2±60.76320.0±67.06358.0±90.64
AUC0-∞(ng・hr/mL)2212.5±282.603884.4±769.858290.9±3653.5412579±3518.4
t1/2(hr)10.4±2.7614.9±3.1225.2±9.7341.0±15.54
CLr(mL/min/1.73m225.6±4.6414.3±5.134.2±2.33
CL/f(L/hr)2.29±0.271.33±0.250.68±0.220.43±0.15
平均値±標準偏差CLcr:クレアチニンクリアランスCLr:腎クリアランスCL/f:全身クリアランス
16.6.2 肝障害のある患者
肝機能低下者におけるレボセチリジン塩酸塩の薬物動態の検討は行われていない。
なお、原発性胆汁性肝硬変患者にセチリジン塩酸塩10mgを単回経口投与した場合、肝機能正常者に比べ、血清中濃度消失半減期の延長、Cmaxの上昇、AUCの増大が認められた(外国人データ)。[9.3.1参照]
表5 肝障害のある患者におけるセチリジン塩酸塩の薬物動態パラメータ
被験者tmax(hr)Cmax(ng/mL)t1/2(hr)AUC(mg・hr/L)
健康成人(14例)1.0±0.5384±1037.4±1.63.3±0.9
原発性胆汁性肝硬変患者(6例)1.0±0.4498±11813.8±1.86.4±1.6
平均値±標準偏差
16.6.3 高齢者
高齢者(年齢:65~74歳)9例にレボセチリジン塩酸塩30mg注)を1日1回6日間反復経口投与した時のレボセチリジン塩酸塩の全身クリアランスは、健康成人(年齢:21~60歳)と比較して約25%低かった(外国人データ)。[9.8参照]
注)本剤の承認用量は、通常、成人には1回10mL(レボセチリジン塩酸塩として5mg)を1日1回、就寝前に経口投与、最高投与量は1日20mL(レボセチリジン塩酸塩として10mg)である。
表6 高齢者におけるレボセチリジン塩酸塩の薬物動態パラメータ
被験者tmax(hr)Cmax(ng/mL)t1/2(hr)AUC0-∞(ng・hr/mL)
健康成人(27例)0.58(0.58-2.08)1635±2686.92±1.1013855±2340
高齢者(9例)1.08(0.58-2.08)1596±2878.92±1.7120382±6025
平均値±標準偏差、tmax:中央値(範囲)
16.6.4 小児等
アレルギー性鼻炎もしくは皮膚疾患に伴うそう痒を有する小児(生後6ヵ月以上2歳未満)に、レボセチリジン塩酸塩1.25mgを生後6ヵ月以上1歳未満の小児には1日1回、1歳以上2歳未満の小児には1日2回投与した時、血漿中レボセチリジン濃度は下記の通りであった。
表7 小児におけるレボセチリジン濃度
被験者Cmax(ng/mL)Cmin(ng/mL)
生後6ヵ月以上1歳未満216.1±81.7(29)21.6±19.2(30)
1歳以上2歳未満203.4±69.1(29)53.8±25.8(29)
平均値±標準偏差(例数)

併用注意 

薬剤名等臨床症状・措置方法機序・危険因子
テオフィリンセチリジン注)塩酸塩との併用により、テオフィリンの薬物動態に変化はないが、セチリジン注)塩酸塩のクリアランスが16%減少する。機序は明らかではない。
リトナビルセチリジン注)塩酸塩との併用により、セチリジン注)塩酸塩の曝露量の増加(40%)及びリトナビルの曝露量のわずかな変化(-11%)が報告されている。リトナビルによりセチリジン注)塩酸塩の腎排泄が阻害される可能性が考えられる。
中枢神経抑制剤
アルコール
中枢神経系に影響を与える可能性がある。中枢神経抑制作用が増強される可能性がある。
ピルシカイニド塩酸塩水和物セチリジン注)塩酸塩との併用により、両剤の血中濃度が上昇し、ピルシカイニド塩酸塩水和物の副作用が発現したとの報告がある。機序は明らかではない。

重大な副作用 

次の副作用があらわれることがあるので、観察を十分に行い、異常が認められた場合には投与を中止するなど適切な処置を行うこと。
11.1.1 ショック、アナフィラキシー(いずれも頻度不明)
ショック、アナフィラキシー(呼吸困難、血圧低下、蕁麻疹、発赤等)があらわれることがある。
11.1.2 痙攣(頻度不明)[9.1.1参照]
11.1.3 肝機能障害(0.6%)、黄疸(頻度不明)
AST、ALT、γ-GTP、LDH、Al-Pの上昇等の肝機能障害(初期症状:全身倦怠感、食欲不振、発熱、嘔気等)、黄疸があらわれることがある。
11.1.4 血小板減少(頻度不明)
副作用発現頻度についてはセチリジン塩酸塩の発現状況に基づき記載した。

その他の副作用 

次の副作用があらわれることがあるので、観察を十分に行い、異常が認められた場合には投与を中止するなど適切な処置を行うこと。

0.1~5%未満0.1%未満頻度不明
精神神経系眠気、倦怠感頭痛、頭重感、ふらふら感、しびれ感、めまい、浮遊感不眠、振戦、抑うつ、激越、攻撃性、傾眠、疲労、無力症、睡眠障害、錯感覚、幻覚、自殺念慮、失神、健忘注)、不随意運動注)、意識消失注)、悪夢
消化器口渇、嘔気、食欲不振胃不快感、下痢、消化不良、腹痛、腹部不快感、胃痛、口唇炎、便秘、口唇乾燥感、嘔吐、味覚異常、口内炎腹部膨満感、食欲亢進
循環器動悸、血圧上昇、不整脈(房室ブロック注)、期外収縮、頻脈、発作性上室性頻拍注)、心房細動)
血液好酸球増多注)好中球減少、リンパ球増多注)、白血球増多、白血球減少、単球増多注)、血小板増加注)、血小板減少注)
過敏症発疹、蕁麻疹、浮腫、かぶれ、そう痒感、血管性浮腫多形紅斑、薬疹
結膜充血、霧視視覚障害、眼球回転発作
肝臓ALT上昇、AST上昇、総ビリルビン上昇Al-P上昇
腎臓・泌尿器尿蛋白注)、BUN上昇、尿糖注)、ウロビリノーゲンの異常注)、頻尿、血尿注)排尿困難、尿閉、遺尿注)
その他耳鳴、月経異常、胸痛、ほてり、息苦しさ関節痛、手足のこわばり、嗅覚異常、鼻出血、脱毛、咳嗽、体重増加、筋肉痛、呼吸困難

注)セチリジン塩酸塩でのみ認められている副作用。
副作用発現頻度についてはセチリジン塩酸塩の発現状況に基づき記載した。

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