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スルピリド錠50mg「アメル」

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効能・効果/用法・用量 

効能・効果

  • ○胃・十二指腸潰瘍
  • ○統合失調症
  • ○うつ病・うつ状態

用法・用量

  • <胃・十二指腸潰瘍>

    • スルピリドとして、通常成人1日150mgを3回に分割経口投与する。
      なお症状により適宜増減する。
  • <統合失調症>

    • スルピリドとして、通常成人1日300~600mgを分割経口投与する。なお年齢、症状により適宜増減するが、1日1200mgまで増量することができる。
  • <うつ病・うつ状態>

    • スルピリドとして、通常成人1日150~300mgを分割経口投与する。なお年齢、症状により適宜増減するが、1日600mgまで増量することができる。

禁忌 

【禁忌】

次の患者には投与しないこと

  • 2.1 本剤の成分に対し過敏症の既往歴のある患者
  • 2.2 プロラクチン分泌性の下垂体腫瘍(プロラクチノーマ)の患者[抗ドパミン作用によりプロラクチン分泌が促進し、病態を悪化させるおそれがある。][8.1参照]
  • 2.3 褐色細胞腫又はパラガングリオーマの疑いのある患者[急激な昇圧発作を起こすおそれがある。]

注意 

9.特定の背景を有する患者に関する注意

9.1 合併症・既往歴等のある患者
9.1.1 心・血管疾患、低血圧又はそれらの疑いのある患者
症状を悪化させるおそれがある。
9.1.2 QT延長のある患者
QT延長が悪化するおそれがある。[11.1.3参照]
9.1.3 QT延長を起こしやすい患者(著明な徐脈のある患者、低カリウム血症のある患者等)
QT延長が発現するおそれがある。[11.1.3参照]
9.1.4 パーキンソン病又はレビー小体型認知症の患者
錐体外路症状が悪化するおそれがある。[8.1参照]
9.1.5 脱水・栄養不良状態等を伴う身体的疲弊のある患者
悪性症候群(Syndrome malin)が起こりやすい。[11.1.1参照]
9.1.6 不動状態、長期臥床、肥満、脱水状態等の危険因子を有する患者
肺塞栓症、静脈血栓症等の血栓塞栓症が報告されている。[11.1.7参照]
9.2 腎機能障害患者
高い血中濃度が持続するおそれがある。
9.5 妊婦
妊婦又は妊娠している可能性のある女性には、治療上の有益性が危険性を上回ると判断される場合にのみ投与すること。妊娠後期に抗精神病薬が投与されている場合、新生児に哺乳障害、傾眠、呼吸障害、振戦、筋緊張低下、易刺激性等の離脱症状や錐体外路症状があらわれたとの報告がある。
9.6 授乳婦
授乳しないことが望ましい。母乳中へ移行することが報告されている。[16.3.1参照]
9.7 小児等
小児等を対象とした有効性及び安全性を指標とした臨床試験は実施していない。
9.8 高齢者
副作用(錐体外路症状等)の発現に注意し、用量並びに投与間隔に留意するなど慎重に投与すること。本剤は、主として腎臓から排泄されるが、高齢者では腎機能が低下していることが多く、高い血中濃度が持続するおそれがある。

8.重要な基本的注意

8.1 本剤の投与により、内分泌機能異常(プロラクチン値上昇)、錐体外路症状等の副作用があらわれることがあるので、本剤の投与に際しては、有効性と安全性を十分考慮のうえ使用すること。[2.2、9.1.4、10.2参照]
8.2 眠気、めまい等があらわれることがあるので、本剤投与中の患者には自動車の運転等危険を伴う機械の操作に従事させないように注意すること。
8.3 制吐作用を有するため、他の薬剤に基づく中毒、腸閉塞、脳腫瘍等による嘔吐症状を不顕性化することがあるので注意すること。[10.2参照]

14.適用上の注意

14.1 薬剤交付時の注意
PTP包装の薬剤はPTPシートから取り出して服用するよう指導すること。PTPシートの誤飲により、硬い鋭角部が食道粘膜へ刺入し、更には穿孔をおこして縦隔洞炎等の重篤な合併症を併発することがある。

16.薬物動態

16.1 血中濃度
16.1.1 生物学的同等性試験
スルピリド錠50mg「アメル」とドグマチール錠50mgを、クロスオーバー法によりそれぞれ1錠(スルピリドとして50mg)健康成人男子に絶食単回経口投与して血漿中未変化体濃度を測定し、得られた薬物動態パラメータ(AUC、Cmax)について統計解析を行った結果、両剤の生物学的同等性が確認された。
薬物動態パラメータ(生物学的同等性)
AUC(0→48)
(ng・hr/mL)
Cmax
(ng/mL)
Tmax
(hr)
T1/2
(hr)
スルピリド錠50mg「アメル」919.99±289.7490.31±37.074.10±1.1018.10±13.39
ドグマチール錠50mg963.05±281.7193.48±42.684.20±1.0014.11±6.28
(Mean±S.D.,n=16)
血漿中未変化体濃度(生物学的同等性)
血漿中濃度並びにAUC、Cmax等のパラメータは、被験者の選択、体液の採取回数・時間等の試験条件によって異なる可能性がある。
16.3 分布
16.3.1 乳汁中移行
産褥期の初産婦(n=20)にスルピリド50mgを1日2回7日間反復経口投与したとき、投与2時間後の乳汁中スルピリド濃度は0.97μg/mLであった。[9.6参照]

併用注意 

薬剤名等臨床症状・措置方法機序・危険因子
QT延長を起こすことが知られている薬剤
イミプラミン
ピモジド

[11.1.3参照]
QT延長、心室性不整脈等の重篤な副作用を起こすおそれがある。本剤及びこれらの薬剤はいずれもQT間隔を延長させるおそれがあるため、併用により作用が増強するおそれがある。
ジギタリス剤
ジゴキシン
ジギトキシン

[8.3参照]
ジギタリス剤飽和時の指標となる悪心・嘔吐、食欲不振症状を不顕性化するおそれがある。本剤の制吐作用による。
ベンザミド系薬剤
メトクロプラミド
チアプリド

フェノチアジン系薬剤
クロルプロマジン

ブチロフェノン系薬剤
ハロペリドール

[8.1参照]
内分泌機能異常、錐体外路症状が発現しやすくなる。本剤及びこれらの薬剤は抗ドパミン作用を有するため、併用により抗ドパミン作用が強くあらわれる。
中枢神経抑制剤
バルビツール酸誘導体
麻酔剤
相互に中枢神経抑制作用を増強させることがある。本剤及びこれらの薬剤は中枢神経抑制作用を有する。
ドパミン作動薬
レボドパ
相互に作用を減弱させることがある。本剤は抗ドパミン作用を有するため、作用が拮抗する。
アルコール
飲酒
相互に中枢神経抑制作用を増強させることがある。ともに中枢神経抑制作用を有する。

重大な副作用 

次の副作用があらわれることがあるので、観察を十分に行い、異常が認められた場合には投与を中止するなど適切な処置を行うこと。
11.1.1 悪性症候群(Syndrome malin)(0.1%未満)
無動緘黙、強度の筋強剛、嚥下困難、頻脈、血圧の変動、発汗等が発現し、それに引き続き発熱がみられる場合は、投与を中止し、体冷却、水分補給等の全身管理とともに適切な処置を行うこと。本症発症時には、白血球の増加や血清CKの上昇がみられることが多く、また、ミオグロビン尿を伴う腎機能の低下がみられることがある。
なお、高熱が持続し、意識障害、呼吸困難、循環虚脱、脱水症状、急性腎障害へと移行し、死亡した例が報告されている。[9.1.5参照]
11.1.2 痙攣(0.1%未満)
11.1.3 QT延長、心室頻拍(Torsades de Pointesを含む)(各0.1%未満)[9.1.2、9.1.3、10.2参照]
11.1.4 無顆粒球症、白血球減少(各0.1%未満)
11.1.5 肝機能障害、黄疸(各0.1%未満)
AST、ALT、γ-GTP、Al-Pの上昇を伴う肝機能障害、黄疸があらわれることがある。
11.1.6 遅発性ジスキネジア(0.1%未満)
長期投与により、口周部等の不随意運動があらわれ投与中止後も持続することがある。
11.1.7 肺塞栓症、深部静脈血栓症(各0.1%未満)
肺塞栓症、静脈血栓症等の血栓塞栓症が報告されているので、観察を十分に行い、息切れ、胸痛、四肢の疼痛、浮腫等が認められた場合には、投与を中止するなど適切な処置を行うこと。[9.1.6参照]
発現頻度は市販後の調査を含む。

その他の副作用 

次の副作用があらわれることがあるので、観察を十分に行い、異常が認められた場合には投与を中止するなど適切な処置を行うこと。
<胃・十二指腸潰瘍>

0.1~5%未満0.1%未満
内分泌月経異常、乳汁分泌、女性化乳房乳房腫脹、勃起不全
錐体外路症状パーキンソン症候群(振戦、筋強剛、流涎等)、舌のもつれ、焦燥感
精神神経系不眠、眠気、めまい、ふらつき
消化器口渇、胸やけ、悪心、嘔吐、便秘
その他熱感、倦怠感発疹、浮腫、性欲減退

発現頻度は市販後の調査を含む。

次の副作用があらわれることがあるので、観察を十分に行い、異常が認められた場合には投与を中止するなど適切な処置を行うこと。
<統合失調症、うつ病・うつ状態>

0.1~5%未満0.1%未満
心・血管系注1)血圧下降心電図異常、血圧上昇、胸内苦悶、頻脈
錐体外路症状注2)パーキンソン症候群(振戦、筋強剛、流涎等)、ジスキネジア(舌のもつれ、言語障害、頸筋捻転、眼球回転、注視痙攣、嚥下困難等)、アカシジア(静坐不能)
内分泌乳汁分泌、女性化乳房、月経異常、射精不能乳房腫脹、勃起不全
精神神経系睡眠障害、不穏、焦燥感、眠気、頭痛、頭重、めまい、浮遊感、興奮、躁転、躁状態、しびれ、運動失調物忘れ、ぼんやり、徘徊、多動、抑制欠如、無欲状態
消化器悪心、嘔吐、口渇、便秘、食欲不振、腹部不快感下痢、胸やけ、腹痛、食欲亢進
肝臓AST、ALT、Al-P等の上昇
皮膚発疹そう痒感
視力障害、眼球冷感・重感、眼のちらつき
その他体重増加、浮腫、脱力感、倦怠感、排尿困難、性欲減退頻尿、腰痛、肩こり、熱感、発熱、発汗、鼻閉

注1)急激に増量した場合、心電図に変化がみられることがあるので慎重に投与すること。
注2)このような症状があらわれた場合には、減量又は抗パーキンソン剤の併用等適切な処置を行うこと。
発現頻度は市販後の調査を含む。

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