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トリプタノール錠10、他

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効能・効果/用法・用量 

効能・効果

  • 精神科領域におけるうつ病・うつ状態、夜尿症、末梢性神経障害性疼痛

用法・用量

  • <うつ病・うつ状態>

    • アミトリプチリン塩酸塩として、通常、成人1日30~75mgを初期用量とし、1日150mgまで漸増し、分割経口投与する。まれに300mgまで増量することもある。
      なお、年齢、症状により適宜減量する。
  • <夜尿症>

    • アミトリプチリン塩酸塩として、1日10~30mgを就寝前に経口投与する。
      なお、年齢、症状により適宜減量する。
  • <末梢性神経障害性疼痛>

    • アミトリプチリン塩酸塩として、通常、成人1日10mgを初期用量とし、その後、年齢、症状により適宜増減するが、1日150mgを超えないこと。

禁忌 

【禁忌】

次の患者には投与しないこと

  • 2.1 閉塞隅角緑内障の患者[抗コリン作用により眼圧が上昇し、症状を悪化させることがある。]
  • 2.2 三環系抗うつ剤に対し過敏症の患者
  • 2.3 心筋梗塞の回復初期の患者[循環器系に影響を及ぼすことがあり、心筋梗塞が悪化するおそれがある。]
  • 2.4 尿閉(前立腺疾患等)のある患者[抗コリン作用を有するため、症状が悪化するおそれがある。]
  • 2.5 モノアミン酸化酵素阻害剤(セレギリン塩酸塩、ラサギリンメシル酸塩、サフィナミドメシル酸塩)を投与中あるいは投与中止後2週間以内の患者[10.1参照]

注意 

9.特定の背景を有する患者に関する注意

9.1 合併症・既往歴等のある患者
9.1.1 排尿困難のある患者
抗コリン作用を有するため、症状が悪化するおそれがある。
9.1.2 開放隅角緑内障の患者
抗コリン作用により眼圧が上昇し、症状を悪化させることがある。
9.1.3 眼内圧亢進のある患者
抗コリン作用を有するため、症状が悪化するおそれがある。
9.1.4 心不全・心筋梗塞・狭心症・不整脈(発作性頻拍・刺激伝導障害等)等の心疾患のある患者(心筋梗塞の回復初期の患者を除く)
循環器系に影響を及ぼすことがあり、これらの症状が悪化するおそれがある。
9.1.5 甲状腺機能亢進症の患者
循環器系に影響を及ぼすことがある。
9.1.6 てんかん等の痙攣性疾患又はこれらの既往歴のある患者
痙攣を起こすことがある。
9.1.7 躁うつ病患者
躁転、自殺企図があらわれることがある。[5.1、8.2-8.5、9.1.10、15.1.1参照]
9.1.8 脳の器質障害又は統合失調症の素因のある患者
精神症状を増悪させることがある。[8.3、8.5、9.1.9参照]
9.1.9 衝動性が高い併存障害を有する患者
精神症状を増悪させることがある。[8.3、8.5、9.1.8参照]
9.1.10 自殺念慮又は自殺企図の既往のある患者、自殺念慮のある患者
自殺念慮、自殺企図があらわれることがある。[5.1、8.2-8.5、9.1.7、15.1.1参照]
9.5 妊婦
妊婦又は妊娠している可能性のある女性には、治療上の有益性が危険性を上回ると判断される場合にのみ投与すること。三環系抗うつ剤には動物実験で催奇形作用が報告されているものがある。
9.6 授乳婦
治療上の有益性及び母乳栄養の有益性を考慮し、授乳の継続又は中止を検討すること。ヒト母乳中へ移行することが報告されている。
9.7 小児等
小児等に対するうつ病治療の使用経験は少ないので、投与しないことが望ましい。
9.8 高齢者
少量から投与を開始するなど患者の状態を観察しながら慎重に投与すること。起立性低血圧、ふらつき、抗コリン作用による口渇、排尿困難、便秘、眼内圧亢進等があらわれやすい。

8.重要な基本的注意

<効能共通>
8.1 眠気、注意力・集中力・反射運動能力等の低下が起こることがあるので、本剤投与中の患者には、自動車の運転等危険を伴う機械の操作に従事させないよう注意すること。
8.2 うつ症状を呈する患者は希死念慮があり、自殺企図のおそれがあるので、このような患者は投与開始早期ならびに投与量を変更する際には患者の状態及び病態の変化を注意深く観察すること。[5.1、8.3-8.5、9.1.7、9.1.10、15.1.1参照]
8.3 因果関係は明らかではないが、不安、焦燥、興奮、パニック発作、不眠、易刺激性、敵意、攻撃性、衝動性、アカシジア/精神運動不穏、軽躁、躁病等の症状・行動を来した症例において、基礎疾患の悪化又は自殺念慮、自殺企図、他害行為が報告されている。患者の状態及び病態の変化を注意深く観察するとともに、これらの症状の増悪が観察された場合には、服薬量を増量せず、徐々に減量し、中止するなど適切な処置を行うこと。[5.1、8.2、8.4、8.5、9.1.7-9.1.10、15.1.1参照]
8.4 自殺目的での過量服用を防ぐため、自殺傾向が認められる患者に処方する場合には、1回分の処方日数を最小限にとどめること。[5.1、8.2、8.3、8.5、9.1.7、9.1.10、15.1.1参照]
8.5 家族等に自殺念慮や自殺企図、興奮、攻撃性、易刺激性等の行動の変化及び基礎疾患悪化があらわれるリスク等について十分説明を行い、医師と緊密に連絡を取り合うよう指導すること。[5.1、8.2-8.4、9.1.7-9.1.10、15.1.1参照]
8.6 投与量の急激な減少ないし投与の中止により、嘔気、頭痛、倦怠感、易刺激性、情動不安、睡眠障害等の離脱症状があらわれることがある。投与を中止する場合には、徐々に減量するなど慎重に行うこと。
8.7 重篤な血液障害があらわれることがあるので、定期的に検査を実施するなど観察を十分に行うこと。[11.1.6参照]
<末梢性神経障害性疼痛>
8.8 本剤による治療は原因療法ではなく対症療法であることから、疼痛の原因となる疾患の診断及び治療を併せて行い、本剤を漫然と投与しないこと。

14.適用上の注意

14.1 薬剤交付時
PTP包装の薬剤はPTPシートから取り出して服用するよう指導すること。PTPシートの誤飲により、硬い鋭角部が食道粘膜へ刺入し、さらには穿孔をおこして縦隔洞炎等の重篤な合併症を併発することがある。

5.効能又は効果に関連する注意

<効能共通>
5.1 抗うつ剤の投与により、24歳以下の患者で、自殺念慮、自殺企図のリスクが増加するとの報告があるため、本剤の投与にあたっては、リスクとベネフィットを考慮すること。[8.2-8.5、9.1.7、9.1.10、15.1.1参照]
<末梢性神経障害性疼痛>
5.2 自殺念慮、自殺企図、敵意、攻撃性等の精神症状の発現リスクを考慮し、本剤の投与の適否を慎重に判断すること。

16.薬物動態

16.1 血中濃度
うつ病患者15例にアミトリプチリン塩酸塩を2週間以上1日30mg、75mg、125~180mg3分割経口投与したときのアミトリプチリンの血漿中濃度は、それぞれ36±5ng/mL、43±3ng/mL、79±10ng/mLであり、また代謝物であるノルトリプチリンの血漿中濃度はそれぞれ8±2ng/mL、22±4ng/mL、89±25ng/mLであった。

併用禁忌 

薬剤名等臨床症状・措置方法機序・危険因子
モノアミン酸化酵素
阻害剤
セレギリン塩酸塩
(エフピー)
ラサギリンメシル酸塩
(アジレクト)
サフィナミドメシル酸塩
(エクフィナ)
[2.5参照]
発汗、不穏、全身痙攣、異常高熱、昏睡等があらわれることがある。なお、モノアミン酸化酵素阻害剤の投与を受けた患者に本剤を投与する場合には、少なくとも2週間の間隔をおき、また本剤からモノアミン酸化酵素阻害剤に切りかえるときには、2~3日間の間隔をおくことが望ましい。詳細は不明であるが、相加・相乗作用によると考えられる。

併用注意 

薬剤名等臨床症状・措置方法機序・危険因子
アルコール本剤の作用が増強されることがある。アルコールが肝での本剤の代謝を阻害し、血中濃度が上昇すると考えられる。
抗コリン作動薬
ブチルスコポラミン臭化物
本剤の作用が増強されることがある。併用によって受容体部位での抗コリン作用が相加される。
コリン作動薬
ピロカルピン塩酸塩
本剤がこれらの薬剤の作用を減弱することがある。本剤がこれらの薬剤の作用に拮抗すると考えられる。
アドレナリン作動薬
アドレナリン
ノルアドレナリン
アドレナリン作動薬の作用が増強されることがある。三環系抗うつ剤は交感神経末梢へのノルアドレナリンの取り込みを抑制し、受容体のアドレナリン作動性を上昇させ、作用を増強させることがある。
中枢神経抑制剤
バルビツール酸誘導体
本剤の治療量において血中濃度が減少することがある。
本剤の中毒量において本剤の作用が増強されることがある。
本剤の治療量において、本剤の肝での代謝が増加することがある。
本剤の中毒量における有害作用を増強することがある。
降圧剤
グアネチジン硫酸塩
硫酸ベタニジン
降圧剤の作用を減弱することがある。本剤はアドレナリン作動性神経末でのグアネチジンの取り込みを阻害し、降圧作用を減弱させると考えられている。
スルファメトキサゾール・トリメトプリム本剤の作用を減弱するおそれがある。機序不明
カリウム製剤
(徐放性、腸溶剤)
カリウム製剤の消化管粘膜刺激があらわれやすい。本剤の抗コリン作用により消化管運動が抑制される。
クマリン系抗凝血剤
ワルファリンカリウム
抗凝血作用を増強するおそれがある。ワルファリンの肝での代謝が阻害されると考えられている。
トラマドール塩酸塩痙攣発作の危険性が増大するとの報告がある。機序不明
血糖降下剤
インスリン
経口血糖降下剤
これらの薬剤の血糖降下作用を増強することがある。機序は不明であるが、他の三環系抗うつ剤でインスリン感受性を増強する等の報告がある。
バルプロ酸ナトリウム本剤の作用が増強されることがある。本剤の血中濃度が上昇することがある。
CYP3A4誘導作用を有する薬剤等
カルバマゼピン
フェニトイン
セイヨウオトギリソウ(St.John's Wort)含有食品
本剤の作用を減弱するおそれがある。本剤の血中濃度を減少させると考えられる。
CYP3A4阻害作用を
有する薬剤
リトナビル
ホスアンプレナビル
本剤の作用を増強するおそれがある。本剤の血中濃度を増加させると考えられる。
CYP2D6阻害作用を有する薬剤
選択的セロトニン再取り込み阻害剤
フルボキサミン
パロキセチン
抗不整脈剤
キニジン
プロパフェノン
フレカイニド
シメチジン
フェノチアジン系製剤
本剤の作用を増強するおそれがある。本剤の血中濃度を増加させると考えられる。

重大な副作用 

次の副作用があらわれることがあるので、観察を十分に行い、異常が認められた場合には投与を中止するなど適切な処置を行うこと。
11.1.1 悪性症候群(Syndrome malin)(頻度不明)
無動緘黙、強度の筋強剛、嚥下困難、頻脈、血圧の変動、発汗等が発現し、それに引き続き発熱がみられる場合は、投与を中止し、体冷却、水分補給等の全身管理とともに適切な処置を行うこと。本症発症時には、白血球の増加や血清CKの上昇がみられることが多く、またミオグロビン尿を伴う腎機能の低下がみられることがある。なお、高熱が持続し、意識障害、呼吸困難、循環虚脱、脱水症状、急性腎障害へと移行し、死亡した例が報告されている。
11.1.2 セロトニン症候群(頻度不明)
不安、焦燥、せん妄、興奮、発熱、発汗、頻脈、振戦、ミオクロヌス、反射亢進、下痢等があらわれた場合には投与を中止し、水分の補給等の全身管理とともに適切な処置を行うこと。
11.1.3 心筋梗塞(頻度不明)
11.1.4 幻覚、せん妄、精神錯乱、痙攣(いずれも頻度不明)
11.1.5 顔・舌部の浮腫(0.1%未満)
11.1.6 無顆粒球症、骨髄抑制(いずれも頻度不明)[8.7参照]
11.1.7 麻痺性イレウス(頻度不明)
腸管麻痺(食欲不振、悪心・嘔吐、著しい便秘、腹部の膨満あるいは弛緩及び腸内容物のうっ滞等の症状)があらわれた場合には投与を中止すること。なお、この悪心・嘔吐は、本剤の制吐作用により不顕性化することもあるので注意すること。
11.1.8 抗利尿ホルモン不適合分泌症候群(SIADH)(頻度不明)
低ナトリウム血症、低浸透圧血症、尿中ナトリウム排泄量の増加、高張尿、痙攣、意識障害等があらわれた場合には投与を中止し、水分摂取の制限等適切な処置を行うこと。

その他の副作用 

次の副作用があらわれることがあるので、観察を十分に行い、異常が認められた場合には投与を中止するなど適切な処置を行うこと。

5%以上0.1~5%未満0.1%未満頻度不明
循環器血圧低下、頻脈血圧上昇、動悸、不整脈、心発作、心ブロック
精神神経系眠気振戦等のパーキンソン症状、運動失調、四肢の知覚異常、焦燥構音障害不眠、不安、口周部等の不随意運動(長期投与時)
過敏症発疹蕁麻疹
血液白血球減少
肝臓黄疸肝機能障害、AST上昇、ALT上昇
消化器口渇悪心・嘔吐、食欲不振、下痢、便秘味覚異常
泌尿器排尿困難尿閉
その他ふらつき、頭痛、眩暈、倦怠感、発汗、視調節障害眼内圧亢進体重増加
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