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効能・効果/用法・用量 

効能・効果

  • ○本態性高血圧症、腎性高血圧症、腎血管性高血圧症、悪性高血圧
  • ○下記の状態で、ジギタリス製剤、利尿剤等の基礎治療剤を投与しても十分な効果が認められない場合

    • 慢性心不全(軽症~中等症)

用法・用量

  • <高血圧症>

    • 通常、成人に対しエナラプリルマレイン酸塩として5~10mgを1日1回経口投与する。
      なお、年齢、症状により適宜増減する。
      但し、腎性・腎血管性高血圧症又は悪性高血圧の患者では2.5mgから投与を開始することが望ましい。
    • 通常、生後1ヵ月以上の小児には、エナラプリルマレイン酸塩として0.08mg/kgを1日1回経口投与する。
      なお、年齢、症状により適宜増減する。
  • <慢性心不全(軽症~中等症)>

    • 本剤はジギタリス製剤、利尿剤等と併用すること。
      通常、成人に対しエナラプリルマレイン酸塩として5~10mgを1日1回経口投与する。
      なお、年齢、症状により適宜増減する。
      但し、腎障害を伴う患者又は利尿剤投与中の患者では2.5mg(初回量)から投与を開始することが望ましい。

禁忌 

【禁忌】

次の患者には投与しないこと

  • 2.1 本剤の成分に対し過敏症の既往歴のある患者
  • 2.2 血管浮腫の既往歴のある患者(アンジオテンシン変換酵素阻害剤等の薬剤による血管浮腫、遺伝性血管浮腫、後天性血管浮腫、特発性血管浮腫等)[高度の呼吸困難を伴う血管浮腫を発現することがある。]
  • 2.3 デキストラン硫酸固定化セルロース、トリプトファン固定化ポリビニルアルコール又はポリエチレンテレフタレートを用いた吸着器によるアフェレーシスを施行中の患者[10.1参照]
  • 2.4 アクリロニトリルメタリルスルホン酸ナトリウム膜(AN69)を用いた血液透析施行中の患者[10.1、13.2参照]
  • 2.5 妊婦又は妊娠している可能性のある女性[9.5参照]
  • 2.6 アリスキレンを投与中の糖尿病患者(ただし、他の降圧治療を行ってもなお血圧のコントロールが著しく不良の患者を除く)[10.1参照]

注意 

9.特定の背景を有する患者に関する注意

9.1 合併症・既往歴等のある患者
<効能共通>
9.1.1 両側性腎動脈狭窄のある患者又は片腎で腎動脈狭窄のある患者
治療上やむを得ないと判断される場合を除き、使用は避けること。腎血流量の減少や糸球体ろ過圧の低下により急速に腎機能を悪化させるおそれがある。
9.1.2 高カリウム血症の患者
治療上やむを得ないと判断される場合を除き、使用は避けること。高カリウム血症を増悪させるおそれがある。
また、腎機能障害、コントロール不良の糖尿病等により血清カリウム値が高くなりやすい患者では、血清カリウム値に注意すること。
9.1.3 脳血管障害のある患者
過度の降圧が脳血流不全を惹起し、病態を悪化させることがある。
9.1.4 厳重な減塩療法中の患者
本剤の投与を低用量から開始し、増量する場合は徐々に行うこと。初回投与後、一過性の急激な血圧低下を起こすおそれがある。
<高血圧症>
9.1.5 重症の高血圧症患者
本剤の投与を低用量から開始し、増量する場合は徐々に行うこと。初回投与後、一過性の急激な血圧低下を起こすおそれがある。
9.2 腎機能障害患者
<効能共通>
9.2.1 重篤な腎機能障害のある患者
クレアチニンクリアランスが30mL/min以下、又は血清クレアチニンが3mg/dL以上の場合には、投与量を減らすか、もしくは投与間隔をのばすなど慎重に投与すること。本剤の活性代謝物の血中濃度が上昇し、過度の血圧低下、腎機能の悪化が起きるおそれがある。
<高血圧症>
9.2.2 血液透析中の患者
本剤の投与を低用量から開始し、増量する場合は徐々に行うこと。初回投与後、一過性の急激な血圧低下を起こすおそれがある。
<慢性心不全(軽症~中等症)>
9.2.3 腎障害のある患者
本剤の投与を低用量から開始し、増量する場合は徐々に行うこと。初回投与後、一過性の急激な血圧低下を起こすおそれがある。
9.5 妊婦
妊婦又は妊娠している可能性のある女性には投与しないこと。投与中に妊娠が判明した場合には、直ちに投与を中止すること。妊娠中期及び末期にアンジオテンシン変換酵素阻害剤を投与された高血圧症の患者で羊水過少症、胎児・新生児の死亡、新生児の低血圧、腎不全、高カリウム血症、頭蓋の形成不全及び羊水過少症によると推測される四肢の拘縮、頭蓋顔面の変形等があらわれたとの報告がある。また、海外で実施されたレトロスペクティブな疫学調査で、妊娠初期にアンジオテンシン変換酵素阻害剤を投与された患者群において、胎児奇形の相対リスクは降圧剤が投与されていない患者群に比べ高かったとの報告がある。[2.5参照]
9.6 授乳婦
治療上の有益性及び母乳栄養の有益性を考慮し、授乳の継続又は中止を検討すること。ヒト母乳中へ移行することが報告されている。
9.7 小児等
低出生体重児、新生児及びeGFRが30mL/min/1.73m2未満の小児等を対象とした臨床試験は実施していない。
9.8 高齢者
低用量から投与を開始するなど慎重に投与すること。一般に過度の降圧は好ましくないとされている。脳梗塞等が起こるおそれがある。

8.重要な基本的注意

8.1 初回投与後、一過性の急激な血圧低下を起こす場合があるので、血圧等の観察を十分に行うこと。
8.2 手術前24時間は投与しないことが望ましい。アンジオテンシン変換酵素阻害剤投与中の患者は、麻酔及び手術中にレニン・アンジオテンシン系の抑制作用による血圧低下を起こすおそれがある。
8.3 降圧作用に基づくめまい、ふらつきがあらわれることがあるので、高所作業、自動車の運転等危険を伴う機械を操作する際には注意させること。
8.4 急性腎障害があらわれることがあるので、定期的に検査を実施するなど観察を十分に行うこと。[11.1.4参照]
8.5 重篤な血液障害があらわれることがあるので、定期的に検査を実施するなど観察を十分に行うこと。[11.1.5参照]

14.適用上の注意

14.1 薬剤交付時の注意
PTP包装の薬剤はPTPシートから取り出して服用するよう指導すること。PTPシートの誤飲により、硬い鋭角部が食道粘膜へ刺入し、更には穿孔をおこして縦隔洞炎等の重篤な合併症を併発することがある。

7.用法及び用量に関連する注意

小児等に投与する場合には、1日10mgを超えないこと。

5.効能又は効果に関連する注意

<慢性心不全(軽症~中等症)>
5.1 ジギタリス製剤、利尿剤等の基礎治療剤で十分な効果が認められない患者にのみ、本剤を追加投与すること。なお、本剤の単独投与での有用性は確立されていない。
5.2 重症の慢性心不全に対する本剤の有用性は確立されていない。使用経験が少ない。

16.薬物動態

16.1 血中濃度
16.1.1 単回投与
健康成人にエナラプリルマレイン酸塩5及び10mgを1回経口投与した場合、速やかに吸収され、活性体ジアシド体の血漿中濃度は投与約4時間でピークに達し、半減期は約14時間である。
16.1.2 反復投与
健康成人にエナラプリルマレイン酸塩5及び10mgを1日1回7日間連続経口投与した場合の血漿中濃度から、蓄積性は認められない。
16.5 排泄
健康成人にエナラプリルマレイン酸塩5及び10mgを1回経口投与した場合、主に尿中に排泄され、投与後48時間までの総エナラプリルマレイン酸塩(未変化エナラプリルマレイン酸塩+ジアシド体)の尿中排泄率は約52及び64%である。
16.6 特定の背景を有する患者
16.6.1 慢性腎不全患者
腎機能正常な本態性高血圧症患者及び慢性腎不全を伴う本態性高血圧症患者にエナラプリルマレイン酸塩10mgを1回経口投与した場合、慢性腎不全患者の血漿中濃度は、腎機能正常患者に比べ半減期の延長、最高血中濃度と血中濃度曲線下面積の増大が認められる。
16.6.2 小児
生後2ヵ月~15歳の小児の高血圧症患者に、エナラプリルマレイン酸塩(6歳未満:0.15mg/kg、6歳以上で体重28kg未満:2.5mg、6歳以上で体重28kg以上:5mg、12歳以上:5mg)注)を1日1回7日間反復経口投与した試験において、活性体ジアシド体のAUC0-24hr及びCmaxは年齢によらず同程度であった。体重あたりの用量に換算したAUC0-24hr及びCmaxは年齢に伴って増加したが、体表面積あたりの用量に換算したAUC0-24hr及びCmaxに増加は認められなかった。定常状態で活性体ジアシド体の半減期は14時間であった(外国人データ)。
注)高血圧症について、本剤の承認された小児の用量は、生後1ヵ月以上の小児にはエナラプリルマレイン酸塩として0.08mg/kgである。

併用禁止 

デキストラン硫酸固定化セルロース、トリプトファン固定化ポリビニルアルコール又はポリエチレンテレフタレートを用いた吸着器によるアフェレーシスの施行:
リポソーバー
イムソーバTR
セルソーバ

[2.3参照]
血圧低下、潮紅、嘔気、嘔吐、腹痛、しびれ、熱感、呼吸困難、頻脈等のショック症状を起こすことがある。
陰性に荷電したデキストラン硫酸固定化セルロース、トリプトファン固定化ポリビニルアルコール又はポリエチレンテレフタレートにより血中キニン系の代謝が亢進し、ブラジキニン産生が増大する。更にACE阻害薬はブラジキニンの代謝を阻害するため、ブラジキニンの蓄積が起こるとの考えが報告されている。
アクリロニトリルメタリルスルホン酸ナトリウム膜を用いた透析:
AN69
[2.4、13.2参照]
アナフィラキシーを発現することがある。
多価イオン体であるAN69により血中キニン系の代謝が亢進し、本剤によりブラジキニンの代謝が妨げられ蓄積すると考えられている。
アリスキレン
ラジレス
(糖尿病患者に使用する場合。ただし、他の降圧治療を行ってもなお血圧のコントロールが著しく不良の患者を除く。)
[2.6参照]
非致死性脳卒中、腎機能障害、高カリウム血症及び低血圧のリスク増加が報告されている。
レニン・アンジオテンシン系阻害作用が増強される可能性がある。

併用注意 

カリウム保持性利尿剤:
スピロノラクトン
トリアムテレン
カリウム補給剤:
塩化カリウム
トリメトプリム含有製剤:
スルファメトキサゾール・トリメトプリム
血清カリウム値が上昇することがある。
本剤はアルドステロン分泌抑制に基づく尿中へのカリウム排泄抑制作用を有するため、併用によりカリウム貯留作用が増強する。腎機能障害のある患者には特に注意すること。
リチウム:
炭酸リチウム
リチウム中毒が報告されている。血中リチウム濃度に注意すること。
本剤のナトリウム排泄作用により、リチウムの蓄積が起こると考えられている。
アリスキレン
腎機能障害、高カリウム血症及び低血圧を起こすおそれがある。eGFRが60mL/min/1.73m2未満の腎機能障害のある患者へのアリスキレンとの併用については、治療上やむを得ないと判断される場合を除き避けること。
レニン・アンジオテンシン系阻害作用が増強される可能性がある。
アンジオテンシンII受容体拮抗剤
腎機能障害、高カリウム血症及び低血圧を起こすおそれがある。
レニン・アンジオテンシン系阻害作用が増強される可能性がある。
利尿降圧剤、利尿剤:
ヒドロクロロチアジド
初回投与後、一過性の急激な血圧低下を起こすおそれがある。本剤の投与を低用量から開始し、増量する場合は徐々に行うこと。
利尿降圧剤服用中の患者では、ナトリウム利尿により血中レニン活性が上昇し、本剤の降圧効果が増強することがある。
本剤より先に利尿降圧剤を投与中の患者(特に最近投与を開始した患者)には特に注意すること。
カリジノゲナーゼ製剤
過度の血圧低下が引き起こされる可能性がある。
本剤のキニン分解抑制作用とカリジノゲナーゼ製剤のキニン産生作用により、血中キニン濃度が増大し血管平滑筋の弛緩が増強される可能性がある。
ニトログリセリン
降圧作用が増強されることがある。
機序不明
非ステロイド性消炎鎮痛剤:
インドメタシン等
降圧作用が減弱されることがある。
インドメタシンは血管拡張作用を有するプロスタグランジンE2、I2の生成を抑制するため、本剤のプロスタグランジン生成促進作用による降圧作用を減弱させる可能性があると考えられている。
非ステロイド性消炎鎮痛剤:
インドメタシン等
腎機能が悪化している患者では、さらに腎機能が悪化するおそれがある。
プロスタグランジンの合成阻害作用により、腎血流量が低下するためと考えられる。
リファンピシン
降圧作用が減弱されることがある。
機序不明

重大な副作用 

次の副作用があらわれることがあるので、観察を十分に行い、異常が認められた場合には投与を中止するなど適切な処置を行うこと。
11.1.1 血管浮腫(頻度不明)
呼吸困難を伴う顔面、舌、声門、喉頭の腫脹を症状とする血管浮腫があらわれた場合には、直ちに投与を中止し、アドレナリン注射、気道確保等適切な処置を行うこと。また、腹痛、嘔気、嘔吐、下痢等を伴う腸管の血管浮腫があらわれることがある。
11.1.2 ショック(頻度不明)
11.1.3 心筋梗塞、狭心症(いずれも頻度不明)
11.1.4 急性腎障害(頻度不明)[8.4参照]
11.1.5 汎血球減少症、無顆粒球症、血小板減少(いずれも頻度不明)[8.5参照]
11.1.6 膵炎(頻度不明)
血中のアミラーゼ、リパーゼの上昇等があらわれることがある。
11.1.7 間質性肺炎(頻度不明)
発熱、咳嗽、呼吸困難、胸部X線異常等を伴う間質性肺炎があらわれることがある。
11.1.8 剥脱性皮膚炎、中毒性表皮壊死融解症(Toxic Epidermal Necrolysis:TEN)、皮膚粘膜眼症候群(Stevens-Johnson症候群)、天疱瘡(いずれも頻度不明)
11.1.9 錯乱(頻度不明)
11.1.10 肝機能障害、肝不全(いずれも頻度不明)
11.1.11 高カリウム血症(0.8%)
11.1.12 抗利尿ホルモン不適合分泌症候群(SIADH)(頻度不明)
低ナトリウム血症、低浸透圧血症、尿中ナトリウム排泄量の増加、高張尿、痙攣、意識障害等を伴う抗利尿ホルモン不適合分泌症候群(SIADH)があらわれた場合には、投与を中止し、水分摂取の制限等適切な処置を行うこと。

その他の副作用 

次の副作用があらわれることがあるので、観察を十分に行い、異常が認められた場合には投与を中止するなど適切な処置を行うこと。

0.1~5%未満0.1%未満頻度不明
腎臓クレアチニン上昇BUN上昇
血液貧血、白血球減少ヘモグロビン低下、ヘマトクリット低下、好酸球増多
皮膚発疹、そう痒蕁麻疹光線過敏症、多汗、脱毛
精神神経系めまい、頭痛、眠気不眠いらいら感、抑うつ
循環器低血圧、動悸、胸痛起立性低血圧、調律障害(頻脈、徐脈)
消化器腹痛、食欲不振、嘔気、下痢、消化不良、口内炎嘔吐舌炎、便秘
肝臓AST上昇、ALT上昇黄疸
呼吸器咳嗽、咽(喉)頭炎喘息、嗄声
その他倦怠感、ほてり、口渇、味覚異常、脱力感、しびれ発熱、血清ナトリウム値低下潮紅、疲労、インポテンス、耳鳴、筋肉痛、低血糖
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