薬剤名等 | 臨床症状・措置方法 | 機序・危険因子 |
MAO阻害剤 | 相互に作用が増強されるおそれがある。 | 三環系抗うつ剤とMAO阻害剤の相互作用が報告されており、本剤は三環系抗うつ剤と構造が類似しているため同様の症状が起こる可能性がある。 |
炭酸リチウム | 精神神経系症状(錯乱、粗大振戦、失見当識等)があらわれたとの報告がある。 | 機序は不明である。 |
メトクロプラミド | 神経症状(歩行障害、運動失調、眼振、複視、下肢反射亢進)があらわれたとの報告がある。 | 機序は不明である。 |
アルコール | 相互に作用が増強されるおそれがある。過度のアルコール摂取は避ける。 | ともに中枢神経抑制作用を有するため。 |
中枢神経抑制剤 ハロペリドール チオリダジン | 相互に作用が増強されることがある。 | ともに中枢神経抑制作用を有するため。 |
利尿剤(ナトリウム喪失性) | 低ナトリウム血症・SIADHがあらわれることがある。ナトリウム喪失性以外の利尿剤の使用を考慮する。 | ともに血清中のナトリウムを低下させることがある。 |
イソニアジド | イソニアジドの肝毒性を増強することがある。また、本剤の血中濃度が急速に上昇し、中毒症状(眠気、悪心・嘔吐、めまい等)があらわれることがある。 | 本剤の代謝酵素誘導作用によりイソニアジドの代謝が亢進し、肝毒性を有するイソニアジド代謝物の生成が促進される。また、イソニアジドが本剤の代謝を阻害し、本剤の血中濃度が上昇する。 |
フルボキサミン ベラパミル ジルチアゼム シメチジン オメプラゾール ダナゾール ビカルタミド キヌプリスチン・ダルホプリスチン マクロライド系抗生物質 エリスロマイシン クラリスロマイシン等 リトナビル ダルナビル アゾール系抗真菌剤 ミコナゾール フルコナゾール等 シプロフロキサシン | 本剤の血中濃度が急速に上昇し、中毒症状(眠気、悪心・嘔吐、めまい等)があらわれることがある。 | これらの薬剤が本剤の代謝を阻害し、本剤の血中濃度が上昇する。 |
アセタゾラミド | 本剤の血中濃度が急速に上昇し、中毒症状(眠気、悪心・嘔吐、めまい等)があらわれることがある。 | 機序は不明である。 |
クエチアピン | クエチアピンの血中濃度が低下することがある。また、本剤の代謝物の血中濃度が上昇することがある。 | 本剤の代謝酵素誘導作用によりクエチアピンの代謝が促進され、血中濃度が低下する。また、クエチアピンが本剤の代謝物の代謝を阻害し、本剤の代謝物の血中濃度が上昇する。 |
イトラコナゾール テラプレビル | これらの薬剤の血中濃度が低下することがある。また、本剤の血中濃度が上昇することがある。 | 本剤の代謝酵素誘導作用によりこれらの薬剤の代謝が促進され、血中濃度が低下する。また、これらの薬剤が本剤の代謝を阻害し、本剤の血中濃度が上昇する。 |
クロバザム パロキセチン | これらの薬剤の血中濃度が低下することがある。また、本剤の血中濃度が上昇することがある。 | 本剤の代謝酵素誘導作用によりこれらの薬剤の代謝が促進され、血中濃度が低下する。本剤の血中濃度上昇の機序は不明である。 |
フェノバルビタール リファンピシン | 本剤の血中濃度が低下することがある。 | これらの薬剤の代謝酵素誘導作用により本剤の代謝が促進され、本剤の血中濃度が低下する。 |
フェニトイン | 本剤の血中濃度が低下することがある。また、フェニトインの血中濃度を上昇又は低下させることがある。 | 両剤とも代謝酵素誘導作用を有するため、相互に代謝が促進され、血中濃度が低下する。また、代謝競合により、フェニトインの代謝が阻害されて、フェニトインの血中濃度が上昇することがある。 |
バルプロ酸 | バルプロ酸の血中濃度を低下させることがある。また、本剤及び本剤の代謝物の血中濃度が上昇又は本剤の血中濃度が低下することがある。 | 本剤の代謝酵素誘導作用によりバルプロ酸の代謝が促進される。また、バルプロ酸は本剤の代謝物の代謝を阻害する。バルプロ酸との併用によりカルバマゼピン製剤の血中濃度が上昇又は低下したとの報告があるが、機序は不明である。 |
プリミドン | 相互に血中濃度が低下することがある。また、本剤の代謝物の血中濃度が上昇することがある。 | 両剤の代謝酵素誘導作用により相互に代謝が促進されると考えられる。また、プリミドンが本剤の代謝物の代謝を阻害し、本剤の代謝物の血中濃度が上昇する。 |
エファビレンツ | 相互に血中濃度が低下することがある。 | 両剤の代謝酵素誘導作用により相互に代謝が促進されると考えられる。 |
テオフィリン アミノフィリン | 相互に血中濃度が低下することがある。 | 本剤による代謝酵素誘導作用によりテオフィリンの代謝が促進される。また、併用により本剤の血中濃度が減少し、半減期が減少したとの報告がある。 |
抗不安・睡眠導入剤 アルプラゾラム ミダゾラム 抗てんかん剤 ゾニサミド クロナゼパム エトスクシミド トピラマート ペランパネル トラマドール ブプレノルフィン 抗パーキンソン剤 イストラデフィリン ブチロフェノン系精神神経用剤 ハロペリドール等 三環系抗うつ剤 イミプラミン アミトリプチリン ノルトリプチリン等 トラゾドン ミアンセリン セルトラリン ミルタザピン 精神神経用剤 オランザピン アリピプラゾール リスペリドン ブロナンセリン クロザピン パリペリドン ドネペジル フレカイニド エレトリプタン ジヒドロピリジン系カルシウム拮抗剤 ニフェジピン フェロジピン ニルバジピン等 オンダンセトロン 副腎皮質ホルモン剤 プレドニゾロン デキサメタゾン等 | これらの薬剤の作用を減弱することがある。 | 本剤の代謝酵素誘導作用によりこれらの薬剤の代謝が促進され、血中濃度が低下する。 |
黄体・卵胞ホルモン剤 ドロスピレノン・エチニルエストラジオール等 | 効果の減弱化及び不正性器出血の発現率が増大するおそれがある。 | 本剤の代謝酵素誘導作用によりこれらの薬剤の代謝が促進され、血中濃度が低下する。 |
ソリフェナシン クマリン系抗凝血剤 ワルファリン 免疫抑制剤 シクロスポリン タクロリムス エベロリムス 抗悪性腫瘍剤 イリノテカン イマチニブ ゲフィチニブ ソラフェニブ スニチニブ ダサチニブ ニロチニブ ラパチニブ トレミフェン タミバロテン テムシロリムス アキシチニブ セリチニブ オシメルチニブ パルボシクリブ イブルチニブ ポナチニブ | これらの薬剤の作用を減弱することがある。 | 本剤の代謝酵素誘導作用によりこれらの薬剤の代謝が促進され、血中濃度が低下する。 |
抗悪性腫瘍剤 レンバチニブ | これらの薬剤の作用を減弱することがある。 | 本剤のP-gp及び代謝酵素の誘導作用により、レンバチニブの血中濃度が低下するおそれがある。 |
ドキシサイクリン 抗ウイルス剤 (HIV感染症治療薬) サキナビル インジナビル ネルフィナビル ロピナビル ドルテグラビル・アバカビル・ラミブジン等 マラビロク デラビルジン エトラビリン プラジカンテル エプレレノン シルデナフィル タダラフィル (シアリス) ジエノゲスト アプレピタント リバーロキサバン シンバスタチン | これらの薬剤の作用を減弱することがある。 | 本剤の代謝酵素誘導作用によりこれらの薬剤の代謝が促進され、血中濃度が低下する。 |
ホスアプレピタントメグルミン | これらの薬剤の作用を減弱することがある。 | 本剤の代謝酵素誘導作用によりホスアプレピタントメグルミンの活性本体アプレピタントの代謝が促進され、血中濃度が低下する。 |
ジゴキシン 非脱分極性筋弛緩剤 パンクロニウム等 アルベンダゾール | これらの薬剤の作用を減弱することがある。 | 機序は不明である。 |
ヒドロキシクロロキン | 本剤の作用が減弱する可能性がある。 | 機序は不明である。 |
アセトアミノフェン | アセトアミノフェンの作用を減弱することがある。また、肝障害を生じやすくなるとの報告がある。 | 本剤の代謝酵素誘導作用により、アセトアミノフェンの代謝が促進され血中濃度が低下する。また、アセトアミノフェンから肝毒性をもつN-アセチル-p-ベンゾキノンイミンへの代謝が促進される。 |
ラモトリギン | ラモトリギンの血中濃度を低下させることがある。 | 肝におけるラモトリギンのグルクロン酸抱合が促進される。 |
ダビガトランエテキシラート | ダビガトランの作用を減弱することがある。 | 本剤のP糖蛋白誘導作用により、ダビガトランの血中濃度が低下することがある。 |
セイヨウオトギリソウ(St.John's Wort,セント・ジョーンズ・ワート)含有食品 | 本剤の代謝が促進され血中濃度が低下するおそれがあるので、本剤投与時はセイヨウオトギリソウ含有食品を摂取しないよう注意すること。 | セイヨウオトギリソウにより誘導された代謝酵素が本剤の代謝を促進すると考えられている。 |
グレープフルーツジュース | 本剤の代謝が抑制され血中濃度が上昇するおそれがあるので、本剤投与時は、グレープフルーツジュースを摂取しないよう注意すること。 | グレープフルーツジュースに含まれる成分が本剤の小腸での代謝酵素を抑制し、血中濃度を上昇させるためと考えられている。 |
ミラベグロン | ミラベグロンの作用を減弱することがある。 | 本剤の代謝酵素誘導作用及びP糖蛋白誘導作用により、ミラベグロンの代謝が促進され、血中濃度が低下する。 |
シクロホスファミド | シクロホスファミドの作用を増強することがある。 | 本剤の代謝酵素誘導作用により、シクロホスファミドの活性代謝物の濃度が上昇する。 |
カスポファンギン | カスポファンギンの血中濃度が低下するおそれがある。 | 本剤がカスポファンギンの取り込み輸送過程に影響し、カスポファンギンのクリアランス誘導が起こる。 |