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パリエット錠20mg

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効能・効果/用法・用量 

効能・効果

  • 胃潰瘍、十二指腸潰瘍、吻合部潰瘍、逆流性食道炎、Zollinger-Ellison症候群

用法・用量

  • <胃潰瘍、十二指腸潰瘍、吻合部潰瘍、Zollinger-Ellison症候群>

    • 通常、成人にはラベプラゾールナトリウムとして1回10mgを1日1回経口投与するが、病状により1回20mgを1日1回経口投与することができる。なお、通常、胃潰瘍、吻合部潰瘍では8週間まで、十二指腸潰瘍では6週間までの投与とする。
  • <逆流性食道炎>

    • 逆流性食道炎の治療においては、通常、成人にはラベプラゾールナトリウムとして1回10mgを1日1回経口投与するが、病状により1回20mgを1日1回経口投与することができる。なお、通常、8週間までの投与とする。また、プロトンポンプインヒビターによる治療で効果不十分な場合、1回10mg又は1回20mgを1日2回、さらに8週間経口投与することができる。ただし、1回20mg1日2回投与は重度の粘膜傷害を有する場合に限る。

禁忌 

【禁忌】

次の患者には投与しないこと

  • 2.1 本剤の成分に対し過敏症の既往歴のある患者
  • 2.2 アタザナビル硫酸塩、リルピビリン塩酸塩を投与中の患者[10.1参照]

注意 

9.特定の背景を有する患者に関する注意

9.1 合併症・既往歴等のある患者
9.1.1 薬物過敏症の既往歴のある患者
9.3 肝機能障害患者
肝硬変患者で肝性脳症の報告がある。
9.5 妊婦
妊婦又は妊娠している可能性のある女性には治療上の有益性が危険性を上回ると判断される場合にのみ投与すること。動物実験(ラット経口400mg/kg、ウサギ静注30mg/kg)で胎児毒性(ラットで化骨遅延、ウサギで体重の低下、化骨遅延)が報告されている。
9.6 授乳婦
治療上の有益性及び母乳栄養の有益性を考慮し、授乳の継続又は中止を検討すること。動物実験(ラット)で乳汁中へ移行することが報告されている。
9.7 小児等
小児等を対象とした臨床試験は実施していない。
9.8 高齢者
消化器症状等の副作用があらわれた場合は休薬するなど慎重に投与すること。本剤は主として肝臓で代謝されるが、高齢者では肝機能が低下していることが多く、副作用があらわれることがある。

8.重要な基本的注意

<効能共通>
8.1 本剤の投与中には、血液像や肝機能に注意し、定期的に血液学的検査・血液生化学的検査を行うことが望ましい。
<胃潰瘍、十二指腸潰瘍、吻合部潰瘍>
8.2 長期の使用経験が十分でないので、維持療法には用いないことが望ましい。

14.適用上の注意

14.1 薬剤交付時の注意
14.1.1 PTP包装の薬剤はPTPシートから取り出して服用するよう指導すること。PTPシートの誤飲により、硬い鋭角部が食道粘膜へ刺入し、更には穿孔をおこして縦隔洞炎等の重篤な合併症を併発することがある。
14.1.2 本剤は腸溶錠であり、服用にあたっては、噛んだり、砕いたりせずに、のみくだすよう注意すること。

7.用法及び用量に関連する注意

<胃潰瘍、十二指腸潰瘍、吻合部潰瘍、Zollinger-Ellison症候群>
7.1 病状が著しい場合及び再発性・難治性の場合に1回20mgを1日1回投与することができる。
<逆流性食道炎>
7.2 病状が著しい場合及び再発性・難治性の場合に1回20mgを1日1回投与することができる(再発・再燃を繰り返す逆流性食道炎の維持療法、プロトンポンプインヒビターによる治療で効果不十分な場合は除く)。また、プロトンポンプインヒビターによる治療で効果不十分な患者に対し1回10mg又は1回20mgを1日2回、さらに8週間投与する場合は、内視鏡検査で逆流性食道炎が治癒していないことを確認すること。なお、本剤1回20mgの1日2回投与は、内視鏡検査で重度の粘膜傷害を確認した場合に限る[17.1.1参照]。

5.効能又は効果に関連する注意

本剤の投与が胃癌による症状を隠蔽することがあるので、悪性でないことを確認のうえ投与すること。

16.薬物動態

16.1 血中濃度
健康成人男子に20mgを絶食下又は食後に経口投与した時の各時間における平均血漿中濃度推移を下図に示す。また、絶食下、食後投与での被験者毎に算出した薬物動態パラメータの平均値を表に示す。[16.2.1参照]
ラベプラゾールナトリウム20mgの摂食下及び絶食下投与時の血漿中濃度(Mean+S.D.,n=12健康成人男子)
食事効果試験時の薬物動態パラメータ
投与条件Cmax(ng/mL)tmax(hr)AUC(ng・hr/mL)t1/2(hr)
絶食下437±2373.6±0.9937±6171.49±0.68
食後453±1385.3±1.4901±5441.07±0.47
(Mean±S.D.,n=12)
また、健康成人男子に5mg、10mg、20mgを絶食下で反復投与した時(投与5日目)の薬物動態パラメータは以下のとおりである。
健康成人男子における反復投与時(5mg、10mg、20mg)の血漿中ラベプラゾールナトリウムの薬物動態パラメータ
投与量表現型Cmax(ng/mL)tmax(hr)AUC(0-t)(ng・hr/mL)t1/2(hr)
5mgEM146±563.0(2.0-4.5)236±971.8±0.9
PM252±552.5(1.5-5.5)585±1374.2±0.5
10mgEM383±833.3(2.0-5.0)539±2001.5±0.4
PM509±642.8(2.0-4.5)1230±2003.8±0.3
20mgEM654±3484.0(2.5-8.0)994±4772.3±1.4
PM822±2323.3(3.0-6.0)2331±6633.7±0.3
(Mean±S.D.,tmaxはMedian(Min-Max),EM n=16,PM n=8)※肝代謝酵素チトクロームP450 2C19(CYP2C19)表現型は、下記遺伝子型より分類される。EM(extensive metabolizer):CYP2C191/1、CYP2C191/2又はCYP2C191/3PM(poor metabolizer):CYP2C192/2、CYP2C192/3又はCYP2C193/3
16.2 吸収
16.2.1 食事の影響
健康成人男子に20mgを絶食下又は食後に経口投与した時、食後投与では絶食下投与に比しtmaxが1.7時間遅延するとともに吸収に個体差が認められている。[16.1参照]
16.4 代謝
健康成人男子に10mg、20mgを経口投与した時の血漿中の代謝物は、主に非酵素的な還元反応により生成したチオエーテル体であった。その他に肝代謝酵素チトクロームP450 2C19(CYP2C19)が関与する脱メチル化反応により生成した脱メチル体、3A4(CYP3A4)が関与するスルホン化反応により生成したスルホン体が認められた。[10.参照]
16.5 排泄
健康成人男子に20mgを経口投与した場合、投与後24時間までに尿中にラベプラゾールナトリウムの未変化体は検出されず、代謝物であるカルボン酸体及びそのグルクロン酸抱合体が投与量の約29~40%、メルカプツール酸抱合体が13~19%排泄された。
16.7 薬物相互作用
類薬(オメプラゾール)で肝代謝酵素チトクロームP450 2C19(CYP2C19)への代謝競合により相互作用が認められているジアゼパム、ワルファリン(R-ワルファリン)に対して本剤はこれらの薬剤の血中濃度に影響を与えないことが報告されている。また、類薬(ランソプラゾール)で肝代謝酵素チトクロームP450 1A2(CYP1A2)の誘導により相互作用が認められているテオフィリンに対しても本剤は血中濃度に影響を与えないことが報告されている。

併用禁忌 

薬剤名等臨床症状・措置方法機序・危険因子
アタザナビル硫酸塩
(レイアタッツ)
[2.2参照]
アタザナビルの作用が減弱するおそれがある。本剤の胃酸分泌抑制作用により、胃内pHが上昇し、アタザナビルの溶解性が低下し、アタザナビルの血中濃度が低下するおそれがある。
リルピビリン塩酸塩
(エジュラント)
[2.2参照]
リルピビリン塩酸塩の作用を減弱するおそれがある。本剤の胃酸分泌抑制作用により、胃内pHが上昇し、リルピビリン塩酸塩の吸収が低下し、リルピビリンの血中濃度が低下することがある。

併用注意 

薬剤名等臨床症状・措置方法機序・危険因子
ジゴキシン
メチルジゴキシン
相手薬剤の血中濃度が上昇することがある。本剤の胃酸分泌抑制作用により、胃内pHが上昇し、相手薬剤の吸収を促進する。
イトラコナゾール
ゲフィチニブ
相手薬剤の血中濃度が低下するおそれがある。本剤の胃酸分泌抑制作用により、胃内pHが上昇し、相手薬剤の吸収を抑制するおそれがある。
水酸化アルミニウムゲル・水酸化マグネシウム含有の制酸剤本剤単独投与に比べ制酸剤同時服用、制酸剤投与1時間後服用で平均血漿中濃度曲線下面積がそれぞれ8%、6%低下したとの報告がある。機序は不明である。
メトトレキサートメトトレキサートの血中濃度が上昇することがある。高用量のメトトレキサートを投与する場合は、一時的に本剤の投与を中止することを考慮すること。機序は不明である。

重大な副作用 

次の副作用があらわれることがあるので、観察を十分に行い、異常が認められた場合には投与を中止するなど適切な処置を行うこと。
11.1.1 ショック(頻度不明)、アナフィラキシー(頻度不明)
11.1.2 汎血球減少(頻度不明)、無顆粒球症(頻度不明)、血小板減少(0.1%未満)、溶血性貧血(頻度不明)
11.1.3 劇症肝炎(頻度不明)、肝機能障害(0.1~5%未満)、黄疸(頻度不明)
11.1.4 間質性肺炎(0.1%未満)
発熱、咳嗽、呼吸困難、肺音の異常(捻髪音)等が認められた場合には、速やかに胸部X線等の検査を実施し、本剤の投与を中止するとともに、副腎皮質ホルモン剤の投与等の適切な処置を行うこと。
11.1.5 皮膚障害(頻度不明)
中毒性表皮壊死融解症(Toxic Epidermal Necrolysis:TEN)、皮膚粘膜眼症候群(Stevens-Johnson症候群)、多形紅斑等があらわれることがある。
11.1.6 急性腎障害(頻度不明)、間質性腎炎(頻度不明)
腎機能検査(BUN、クレアチニン等)に注意すること。
11.1.7 低ナトリウム血症(頻度不明)
11.1.8 横紋筋融解症(頻度不明)
筋肉痛、脱力感、CK上昇、血中及び尿中ミオグロビン上昇を特徴とする横紋筋融解症があらわれることがある。
11.1.9 視力障害(頻度不明)
11.1.10 錯乱状態(頻度不明)
せん妄、異常行動、失見当識、幻覚、不安、焦燥、攻撃性等があらわれることがある。
注)発現頻度は製造販売後調査を含む。

その他の副作用 

次の副作用があらわれることがあるので、観察を十分に行い、異常が認められた場合には投与を中止するなど適切な処置を行うこと。

0.1~5%未満0.1%未満頻度不明
過敏症発疹、そう痒感蕁麻疹
血液白血球減少、白血球増加、好酸球増多、貧血赤血球減少、好中球増多、リンパ球減少
肝臓AST、ALT、Al-P、γ-GTP、LDHの上昇総ビリルビンの上昇
循環器血圧上昇動悸
消化器便秘、下痢、腹部膨満感、嘔気、口内炎腹痛、苦味、カンジダ症、胃もたれ、口渇、食欲不振、鼓腸舌炎、嘔吐、顕微鏡的大腸炎(collagenous colitis、lymphocytic colitis)
精神神経系頭痛めまい、ふらつき、眠気、四肢脱力、知覚鈍麻、握力低下、口のもつれ、失見当識せん妄、昏睡
その他総コレステロール・中性脂肪・BUNの上昇、蛋白尿、血中TSH増加かすみ目、浮腫、倦怠感、発熱、脱毛症、しびれ感、CKの上昇目のちらつき、関節痛、筋肉痛、高アンモニア血症、低マグネシウム血症、女性化乳房

注)発現頻度は製造販売後調査を含む。

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