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効能・効果/用法・用量 

効能・効果

  • 生命に危険のある下記の不整脈で他の抗不整脈薬が無効か、又は使用できない場合

    • 心室頻拍、心室細動

用法・用量

  • <単回静注法>

    • 通常、成人にはニフェカラント塩酸塩として1回0.3mg/kgを5分間かけて心電図の連続監視下に静脈内に投与する。
  • <維持静注法>

    • 単回静注が有効で効果の維持を期待する場合には、通常、成人にはニフェカラント塩酸塩として1時間あたり0.4mg/kgを等速度で心電図の連続監視下に静脈内に投与する。
  • <用法共通>

    • なお、年齢、症状により適宜増減する。
      投与に際しては、生理食塩液又は5%ブドウ糖注射液で溶解して使用する。

禁忌 

【警告】

  • 1.1 施設の限定

    • 本剤の使用は致死的不整脈治療の十分な経験のある医師に限り、かつ諸検査の実施が可能で、緊急時に十分対応できる設備・装置を備えている医療機関でのみ使用すること。
  • 1.2 患者の限定

    • 他の抗不整脈薬が無効か、副作用により使用できないか、又は心機能が低下しているために使用できない致死的心室性不整脈患者にのみ使用すること。
【禁忌】

次の患者には投与しないこと

  • 2.1 QT延長症候群の患者[本剤の作用によりQT時間が更に延長し、心室頻拍(Torsades de pointesを含む)を誘発させるおそれがある。]
  • 2.2 アミオダロン注射剤、フィンゴリモド塩酸塩又はエリグルスタット酒石酸塩を投与中の患者[10.1参照]

注意 

9.特定の背景を有する患者に関する注意

9.1 合併症・既往歴等のある患者
9.1.1 著明な洞性徐脈のある患者
徐脈を助長させるおそれがある。
9.1.2 刺激伝導障害(房室ブロック、洞房ブロック、脚ブロック等)のある患者
刺激伝導障害を増悪させるおそれがある。
9.1.3 血清カリウム低下のある患者
心室頻拍(Torsades de pointesを含む)等の催不整脈作用が発現するおそれがある。
9.2 腎機能障害患者
9.2.1 重篤な腎機能障害のある患者
本剤の血漿中未変化体濃度の上昇又は血中半減期の延長が生じるおそれがある。また、腎機能障害を増悪させるおそれがある。
9.3 肝機能障害患者
9.3.1 重篤な肝機能障害のある患者
本剤の血漿中未変化体濃度の上昇又は血中半減期の延長が生じるおそれがある。
9.5 妊婦
妊婦又は妊娠している可能性のある女性には、治療上やむを得ないと判断される場合を除き、投与しないこと。動物(ラット)に50mg/kgを反復投与した場合、胎児の短尾等の催奇形作用が報告されている。
9.6 授乳婦
治療上の有益性及び母乳栄養の有益性を考慮し、授乳の継続又は中止を検討すること。動物(ラット)で乳汁中への移行が報告されている。
9.7 小児等
小児等を対象とした臨床試験は実施していない。
9.8 高齢者
血漿中未変化体濃度の上昇又は血中半減期の延長が生じるおそれがある。肝・腎機能が低下していることが多い。[7.1、8.1、16.1参照]

8.重要な基本的注意

8.1 単回静注は必ず5分間かけて徐々に投与すること。急速に投与した場合、血中濃度の急激な上昇によって過度のQT時間の延長、心拍数の低下又は洞停止、更には心室頻拍(Torsades de pointesを含む)、心室細動等の催不整脈作用が発現するおそれがある。[7.1、9.8、16.1参照]
8.2 本剤の投与中は必ず心電図の連続監視と臨床症状の観察等を行うこと。特に、過度のQT時間の延長が認められた場合(0.6秒を超える場合)には、直ちに減量するか又は投与を中止すること。[7.1、13.1、13.2参照]
8.3 本剤の投与終了後は少なくとも1時間の心電図等の連続監視にて経過観察を十分に行うこと。
8.4 経口投与が困難な場合や、緊急の場合に使用すること。なお、引き続き不整脈治療が必要で経口投与が可能となった後は、速やかに経口投与薬剤に切りかえること。
8.5 他の抗不整脈薬と併用する場合には、有効性、安全性が確立していないので十分な観察を行いながら投与すること。[10.2参照]

14.適用上の注意

14.1 薬剤調製時の注意
溶解後は速やかに使用すること。やむを得ず保存する場合、又は維持静注に供する場合、溶解後24時間を経過したものは使用しないこと(生理食塩液又は5%ブドウ糖注射液にて溶解した液は、室温散乱光下で調製後24時間まで安定であった)。
14.2 薬剤投与時の注意
14.2.1 静脈内投与により静脈炎、注射部反応(疼痛、炎症、発赤腫脹、硬結等)、注射部膿瘍、皮膚潰瘍形成、皮下組織膿瘍があらわれることがあるので、十分注意すること。これらの症状があらわれた場合には投与部位の変更、投与濃度の調節等適切な処置を行うこと。なお、血管外漏出によると考えられる症例も報告されているので、投与時には十分注意すること。
14.2.2 同時に投与する薬剤によっては、本剤の溶解液又は調製濃度により、使用途上において注入ラインに結晶が析出することがあるので注意すること。結晶析出を認めた場合には速やかに新しい輸液セット(三方活栓を含む)に交換するなど適切な処置を行うこと。[7.2参照]

7.用法及び用量に関連する注意

7.1 単回静注を繰り返し行う場合には、血中濃度の過剰な上昇を回避するため、直前の投与後2時間以上の間隔をあけて投与すること。[8.1、8.2、9.8、13.1、13.2、16.1参照]
7.2 本剤は同時に使用する薬剤や調製条件によっては、配合変化を生じることがあるので、薬剤の選択及び調製条件等に十分注意して使用すること。[14.2.2参照]

16.薬物動態

16.1 血中濃度
健康成人男子(6例)に本剤0.1~0.4mg/kg注)を5分間かけて単回静注したところ、血漿中未変化体濃度は投与終了直後に最高値を示し、その後二相性に消失した。0.3mg/kg静注時のβ相の消失半減期は1.53時間であった。
AUCは投与量に比例して増加し、その他のパラメータは投与量によらずほぼ一定であり、線形性が認められた。
健康成人男子に本剤0.4mg/kg/時間を維持静注した場合、血漿中未変化体濃度は投与開始後約4時間で定常状態に達し、投与終了後は単回静注時と同様に二相性に消失した。[7.1、8.1、9.8参照]
ニフェカラント塩酸塩静注時の血漿中未変化体濃度の経時的推移
投与群T1/2β(hr)Vc(L/kg)Cl(L/hr/kg)AUC0-∞(ng・hr/mL)
単回静注※1)1.53±0.230.13±0.010.85±0.09321±37
維持静注※2)1.15±0.080.14±0.040.78±0.053776±345
平均値±標準偏差(n=6)※1)0.3mg/kgを5分間かけて静注した。※2)0.4mg/kg注)を5分間かけて静注し、引き続き0.4mg/kg/時間を6時間静注した。
16.3 分布
16.3.1 血清蛋白結合率(遠心分離法)
86.4~94.6%
16.4 代謝
健康成人男子に本剤を静注したところ、主たる血漿中代謝物はグルクロン酸抱合体(M-GC)であった。
16.5 排泄
健康成人男子(17例)に本剤0.1~0.4mg/kg注)を5分間かけて単回静注したところ、24時間後までの未変化体及び代謝物の尿中排泄率の合計は投与量の46.9~55.5%であった。未変化体が投与量の27.8~31.7%、M-GCが14.8~18.9%であり、チトクロームP450が関与すると考えられるその他の代謝物の排泄率は合計3.3~5.5%であった。なお、チトクロームP450の分子種は、CYP3A4、2D6、1A1が主であり、他にCYP2B6、2C9、2C18、2C19も関与することが確認されている。健康成人男子(6例)に本剤0.4mg/kg/時間を維持静注した場合の尿中排泄率は、単回静注時とほぼ同様であった。
注)本剤の承認された単回静注法の用量は0.3mg/kgである。

併用禁忌 

薬剤名等臨床症状・措置方法機序・危険因子
アミオダロン注射剤
(アンカロン注150)
[2.2参照]
併用により、Torsades de pointesを起こす可能性が高くなる。共にKチャネル遮断を主な作用とする注射剤であり、併用によりQT時間延長作用が増強する。
フィンゴリモド塩酸塩
(イムセラ)
(ジレニア)
[2.2参照]
併用により、Torsades de pointes等の重篤な不整脈を生じるおそれがある。フィンゴリモド塩酸塩の投与により心拍数が低下するため、併用により不整脈を増強するおそれがある。
エリグルスタット酒石酸塩
(サデルガ)
[2.2参照]
併用によりQT延長等を生じるおそれがある。併用によりQT延長作用が相加的に増強すると考えられる。

併用注意 

薬剤名等臨床症状・措置方法機序・危険因子
Ia群不整脈用剤
プロカインアミド
キニジン
ジソピラミド
III群不整脈用剤
アミオダロン経口剤
ソタロール
[8.5参照]
本剤の作用が増強する可能性がある。動物実験でIa群薬(ジソピラミド)又はIII群薬(ソタロール)との併用によって心筋活動電位持続時間の延長が増強されたことから、これらの薬剤との併用によってQT時間延長作用が増強する可能性が高い。これに伴って、心室頻拍等の催不整脈作用が発現する可能性が増大する。
プロブコール
フェノチアジン系薬剤
三環系抗うつ剤
四環系抗うつ剤
交感神経作動薬
本剤の作用が増強する可能性がある。QT時間延長作用が知られている薬剤との併用によってQT時間延長が増強する。これに伴って、心室頻拍等の催不整脈作用が発現する可能性が増大する。
バルデナフィル塩酸塩水和物
モキシフロキサシン塩酸塩
トレミフェンクエン酸塩
本剤の作用が増強するおそれがある。これらの薬剤でQT時間延長作用がみられているので、併用によって本剤のQT時間延長が増強するおそれがある。
利尿剤本剤の作用が増強する可能性がある。低カリウム血症が惹起された場合、本剤のQT時間延長作用が増強する。

重大な副作用 

次の副作用があらわれることがあるので、観察を十分に行い、異常が認められた場合には投与を中止するなど適切な処置を行うこと。
11.1.1 催不整脈(3%以上)
心室頻拍(Torsades de pointesを含む)、心室細動、心室性期外収縮、心房細動、心房粗動等があらわれることがあるので、このような症状があらわれた場合には、直ちに投与を中止するとともにリドカイン、硫酸マグネシウムの静注、直流通電等適切な処置を行うこと。

その他の副作用 

次の副作用があらわれることがあるので、観察を十分に行い、異常が認められた場合には投与を中止するなど適切な処置を行うこと。

1~3%未満0.1~1%未満頻度不明
循環器注)QT時間延長洞停止、QRS拡大洞性徐脈、徐脈、房室ブロック
皮膚発疹皮膚潰瘍形成、皮下組織膿瘍
肝臓ALT上昇、LDH上昇γ-GTP上昇、Al-P上昇、総ビリルビン上昇AST上昇
腎臓BUN上昇、血中クレアチニン上昇
血液血小板減少、白血球増加、リンパ球減少、好中球増多貧血(赤血球減少、ヘモグロビン減少、ヘマトクリット値減少)
代謝異常総蛋白低下、アルブミン低下、Cl低下、K上昇、Na低下、K低下、尿酸上昇
消化器下痢、口渇
その他ほてり胸部不快感、胸内熱感、注射部疼痛、あくび、頭重感CK上昇、静脈炎、注射部炎症、注射部発赤腫脹、注射部硬結、注射部膿瘍

注)観察を十分に行い、特に過度のQT時間延長、洞停止、QRS拡大等が認められた場合には、直ちに減量又は投与を中止すること。

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