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効能・効果/用法・用量 

効能・効果

  • 小児科領域における解熱・鎮痛

用法・用量

  • 通常,乳児,幼児及び小児にはアセトアミノフェンとして,体重1kgあたり1回10~15mgを経口投与する。投与間隔は4~6時間以上とし,1日総量として60mg/kgを限度とする。なお,年齢,症状により適宜増減する。ただし,成人の用量を超えない。また,空腹時の投与は避けさせることが望ましい。

禁忌 

【警告】

  • 本剤により重篤な肝障害が発現するおそれがあるので注意すること。(「2.重要な基本的注意(9)」の項参照)
  • 本剤とアセトアミノフェンを含む他の薬剤(一般用医薬品を含む)との併用により,アセトアミノフェンの過量投与による重篤な肝障害が発現するおそれがあることから,これらの薬剤との併用を避けること。(「2.重要な基本的注意(7)」及び「8.過量投与」の項参照)
【禁忌】

次の患者には投与しないこと

  • 消化性潰瘍のある患者[症状が悪化するおそれがある。]
  • 重篤な血液の異常のある患者[重篤な転帰をとるおそれがある。]
  • 重篤な肝障害のある患者[重篤な転帰をとるおそれがある。]
  • 重篤な腎障害のある患者[重篤な転帰をとるおそれがある。]
  • 重篤な心機能不全のある患者[循環系のバランスが損なわれ,心不全が増悪するおそれがある。]
  • 本剤の成分に対し過敏症の既往歴のある患者
  • アスピリン喘息(非ステロイド性消炎鎮痛剤による喘息発作の誘発)又はその既往歴のある患者[アスピリン喘息の発症にプロスタグランジン合成阻害作用が関与していると考えられる。]

注意 

慎重投与

次の患者には慎重に投与すること

消化性潰瘍の既往歴のある患者[消化性潰瘍の再発を促すおそれがある。]
血液の異常又はその既往歴のある患者[血液障害を起こすおそれがある。]
出血傾向のある患者[血小板機能異常が起こることがある。]
肝障害又はその既往歴のある患者[肝機能が悪化するおそれがある。]
腎障害又はその既往歴のある患者[腎機能が悪化するおそれがある。]
心機能異常のある患者[症状が悪化するおそれがある。]
過敏症の既往歴のある患者
気管支喘息のある患者[症状が悪化するおそれがある。]
アルコール多量常飲者[肝障害があらわれやすくなる。(「3.相互作用」の項参照)]
(注)本剤は小児用解熱鎮痛剤である。
高齢者(「2.重要な基本的注意」及び「5.高齢者への投与」の項参照)
小児等(「2.重要な基本的注意」及び「7.小児等への投与」の項参照)
絶食・低栄養状態・摂食障害等によるグルタチオン欠乏,脱水症状のある患者[肝障害があらわれやすくなる。]
合併症のある患者[合併症のある患者では本剤投与後,過度の体温下降を起こす頻度が高い。また,本剤の高用量投与により副作用として腹痛・下痢がみられることがあり,上気道炎等に伴う消化器症状と区別できないおそれがある。]

重要な基本的注意

解熱鎮痛剤による治療は原因療法ではなく対症療法であることに留意すること。
急性疾患に対し本剤を用いる場合には,次の事項を考慮すること。
発熱,疼痛の程度を考慮し投与すること。
原則として同一の薬剤の長期投与を避けること。
原因療法があればこれを行うこと。
過度の体温下降,虚脱,四肢冷却等があらわれることがあるので,特に高熱を伴う高齢者及び小児等又は消耗性疾患の患者においては,投与後の患者の状態に十分注意すること。
高齢者及び小児等には副作用の発現に特に注意し,必要最小限の使用にとどめるなど慎重に投与すること。
感染症を不顕性化するおそれがあるので,感染症を合併している患者に対して用いる場合には必要に応じて適切な抗菌剤を併用し,観察を十分に行い慎重に投与すること。また,過度の体温下降を起こす頻度が高くなることから,抗菌剤を併用する場合には観察を十分に行い,慎重に投与すること。(「3.相互作用」の項参照)
他の消炎鎮痛剤との併用は避けることが望ましい。
本剤とアセトアミノフェンを含む他の薬剤(一般用医薬品を含む)との併用により,アセトアミノフェンの過量投与による重篤な肝障害が発現するおそれがあることから,特に総合感冒剤や解熱鎮痛剤等の配合剤を併用する場合は,アセトアミノフェンが含まれていないか確認し,含まれている場合は併用を避けること。また,アセトアミノフェンを含む他の薬剤と併用しないよう患者に指導すること。(「警告(2)」及び「8.過量投与」の項参照)
アセトアミノフェンの高用量投与により副作用として腹痛・下痢がみられることがある。本剤においても同様の副作用があらわれるおそれがあり,上気道炎等に伴う消化器症状と区別できないおそれがあるので,観察を十分行い慎重に投与すること。
重篤な肝障害が発現するおそれがあるので注意すること。長期投与する場合にあっては定期的に肝機能検査を行うことが望ましい。
慢性疾患に対し本剤を用いる場合には,薬物療法以外の療法も考慮すること。

用法用量に関連する使用上の注意

1回投与量の目安は下記のとおり。(「1.慎重投与」及び「2.重要な基本的注意」の項参照)
体重1回用量
アセトアミノフェンシロップ2%
5kg50-75mg2.5-3.75mL
10kg100-150mg5.0-7.5mL
20kg200-300mg10.0-15.0mL
30kg300-450mg15.0-22.5mL
「小児科領域における解熱・鎮痛」の効能又は効果に対する1回あたりの最大用量はアセトアミノフェンとして500mg,1日あたりの最大用量はアセトアミノフェンとして1500mgである。
(注)本剤は小児用解熱鎮痛剤である。

高齢者への投与

高齢者では,副作用があらわれやすいので,少量から投与を開始するなど患者の状態を観察しながら慎重に投与すること。(「2.重要な基本的注意」の項参照)
(注)本剤は小児用解熱鎮痛剤である。

妊婦,産婦,授乳婦等への投与

妊娠中の投与に関する安全性は確立していないので,妊婦又は妊娠している可能性のある婦人には,治療上の有益性が危険性を上まわると判断される場合にのみ投与すること。
妊娠後期の婦人への投与により胎児に動脈管収縮を起こすことがある。
妊娠後期のラットに投与した実験で,弱い胎仔の動脈管収縮が報告されている。
(注)本剤は小児用解熱鎮痛剤である。

小児等への投与

低出生体重児,新生児及び3ヵ月未満の乳児に対する使用経験が少なく,安全性は確立していない。

薬物動態

生物学的同等性試験
カロナールシロップ2%25mLと標準製剤(細粒剤20%)2.5g(アセトアミノフェンとして500mg)をクロスオーバー法により健康成人男子に絶食単回経口投与して血漿中アセトアミフェン濃度を測定し,得られた薬物動態パラメータ(AUC,Cmax)について統計解析を行った結果,両製剤の生物学的同等性が確認された。
判定パラメータ参考パラメータ
AUC0-12
(μg・hr/mL)
Cmax
(μg/mL)
Tmax
(hr)
t1/2
(hr)
カロナールシロップ2%
(シロップ剤2%,25mL)
24.91±3.899.0±1.90.59±0.162.58±0.40
標準製剤
(細粒剤20%,2.5g)
26.79±6.8610.5±4.50.39±0.132.56±0.37
(Mean±S.D.,n=14)
血漿中濃度並びにAUC,Cmax等のパラメータは,被験者の選択,体液の採取回数・時間等の試験条件によって異なる可能性がある。
小児患者における検討
発熱小児にアセトアミノフェンとして体重1kgあたり10mg及び15mg投与したところ,投与後1時間目の血漿中濃度はそれぞれ8.06±2.79μg/mL(6例)及び9.61±3.59μg/mL(5例)を示し,以降以下のように徐々に消失した。
血漿中アセトアミノフェン濃度測定データより血漿中濃度推移をシミュレーションにより図示。
血漿中濃度並びにAUC,Cmax等のパラメータは,被験者の選択,体液の採取回数・時間等の試験条件によって異なる可能性がある。

併用注意 

薬剤名等臨床症状・措置方法機序・危険因子
リチウム製剤
(炭酸リチウム)
他の非ステロイド性消炎鎮痛剤(インドメタシン,イブプロフェン等)で,リチウムとの併用によりリチウムの血中濃度が上昇し,リチウム中毒を呈したとの報告がある。非ステロイド性消炎鎮痛剤は腎のプロスタグランジン合成を抑制することにより,炭酸リチウムの排泄が減少し,血中濃度が上昇すると考えられている。
チアジド系利尿剤
(ヒドロクロロチアジド等)
他の非ステロイド性消炎鎮痛剤(インドメタシン等)で,チアジド系利尿剤の作用を減弱することが報告されている。非ステロイド性消炎鎮痛剤は腎のプロスタグランジン合成を抑制して水,塩類貯留が生じ,チアジド系利尿剤の排泄作用に拮抗すると考えられている。
アルコール
(飲酒)
アルコール多量常飲者がアセトアミノフェンを服用したところ肝不全を起こしたとの報告がある。
(注)本剤は小児用解熱鎮痛剤である。
アルコール常飲によるCYP2E1の誘導により,アセトアミノフェンから肝毒性を持つN-アセチル-p-ベンゾキノンイミンへの代謝が促進される。
クマリン系抗凝血剤
(ワルファリンカリウム)
クマリン系抗凝血剤の作用を増強することがあるので,減量するなど慎重に投与すること。本剤が血漿蛋白結合部位において競合することで,抗凝血剤を遊離させ,その抗凝血作用を増強させる。
カルバマゼピン
フェノバルビタール
フェニトイン
プリミドン
リファンピシン
イソニアジド
これらの薬剤の長期連用者は,肝薬物代謝酵素が誘導され,肝障害を生じやすくなるとの報告がある。これらの薬剤の代謝酵素誘導作用により,アセトアミノフェンから肝毒性を持つN-アセチル-p-ベンゾキノンイミンへの代謝が促進される。
抗生物質
抗菌剤
過度の体温下降を起こす頻度が高くなることから,併用する場合には観察を十分に行い,慎重に投与すること。機序不明

重大な副作用 

ショック(頻度不明),アナフィラキシー(頻度不明)
ショックやアナフィラキシー(呼吸困難,全身潮紅,血管浮腫,蕁麻疹等)があらわれることがあるので,観察を十分に行い,異常が認められた場合には投与を中止し,適切な処置を行うこと。
中毒性表皮壊死融解症(Toxic Epidermal Necrolysis:TEN)(頻度不明),皮膚粘膜眼症候群(Stevens-Johnson症候群)(頻度不明),急性汎発性発疹性膿疱症(頻度不明)
中毒性表皮壊死融解症,皮膚粘膜眼症候群,急性汎発性発疹性膿疱症があらわれることがあるので,観察を十分に行い,異常が認められた場合には投与を中止し,適切な処置を行うこと。
喘息発作の誘発(頻度不明)
喘息発作を誘発することがある。
劇症肝炎(頻度不明),肝機能障害(頻度不明),黄疸(頻度不明)
劇症肝炎,AST(GOT),ALT(GPT),γ-GTPの上昇等を伴う肝機能障害,黄疸があらわれることがあるので,観察を十分に行い,異常が認められた場合には投与を中止し,適切な処置を行うこと。
顆粒球減少症(頻度不明)
顆粒球減少症があらわれることがあるので,観察を十分に行い,異常が認められた場合には投与を中止し,適切な処置を行うこと。
間質性肺炎(頻度不明)
間質性肺炎があらわれることがあるので,観察を十分に行い,咳嗽,呼吸困難,発熱,肺音の異常等が認められた場合には,速やかに胸部X線,胸部CT,血清マーカー等の検査を実施すること。異常が認められた場合には投与を中止し,副腎皮質ホルモン剤の投与等の適切な処置を行うこと。
間質性腎炎(頻度不明),急性腎障害(頻度不明)
間質性腎炎,急性腎障害があらわれることがあるので,観察を十分に行い,異常が認められた場合には投与を中止し,適切な処置を行うこと。
薬剤性過敏症症候群(頻度不明)
初期症状として発疹,発熱がみられ,更に肝機能障害,リンパ節腫脹,白血球増加,好酸球増多,異型リンパ球出現等を伴う遅発性の重篤な過敏症状があらわれることがある。なお,ヒトヘルペスウイルス6(HHV-6)等のウイルスの再活性化を伴うことが多く,投与中止後も発疹,発熱,肝機能障害等の症状が再燃あるいは遷延化することがあるので注意すること。

その他の副作用 

頻度不明
血液チアノーゼ,血小板減少,血小板機能低下(出血時間の延長)等注1)
消化器悪心・嘔吐,食欲不振,腹痛・下痢等注2)
肝臓ALT(GPT)の上昇注1)
その他過敏症注1),めまい,冷汗,過度の体温下降注1)

注1)このような症状(異常)があらわれた場合には,投与を中止すること。
注2)アセトアミノフェンの高用量投与時に腹痛・下痢がみられることがある。

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