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効能・効果/用法・用量 

効能・効果

  • ○下記の状態で他の抗不整脈薬が使用できないか、又は無効の場合

    • 持続性心房細動
    • 頻脈性不整脈(心室性)
  • ○狭心症

用法・用量

  • <持続性心房細動>

    • 通常、成人にはベプリジル塩酸塩水和物として、1日100mgから投与を開始し、効果が不十分な場合は200mgまで増量し、1日2回に分けて経口投与する。
      なお、年齢、症状により適宜減量する。
  • <頻脈性不整脈(心室性)及び狭心症>

    • 通常、成人にはベプリジル塩酸塩水和物として、1日200mgを1日2回に分けて経口投与する。
      なお、年齢、症状により適宜増減する。

禁忌 

【警告】

  • 持続性心房細動患者を対象とした国内臨床試験において、心室頻拍から死亡に至った症例がみられ、心房細動及び心房粗動の患者を対象とした臨床研究において、Torsades de pointesを0.9%(4/459例)に発現したとの報告があるので、過度のQT延長、Torsades de pointesの発現に十分注意すること。[11.1.1、17.1.1参照]
【禁忌】

次の患者には投与しないこと

  • 2.1 うっ血性心不全のある患者[心不全を悪化させるおそれがある。]
  • 2.2 高度の刺激伝導障害(房室ブロック、洞房ブロック)のある患者[刺激伝導をさらに抑制し、完全房室ブロックや高度の徐脈を引き起こすおそれがある。][9.1.2参照]
  • 2.3 著明な洞性徐脈のある患者[洞機能を抑制する作用があり、より強い徐脈状態となるおそれがある。]
  • 2.4 著明なQT延長のある患者[QT延長作用により、新たな不整脈を誘発するおそれがある。]
  • 2.5 妊婦又は妊娠している可能性のある女性[9.5参照]
  • 2.6 リトナビル、サキナビルメシル酸塩、アタザナビル硫酸塩、ホスアンプレナビルカルシウム水和物、イトラコナゾール、アミオダロン塩酸塩(注射)、エリグルスタット酒石酸塩、シポニモドフマル酸を投与中の患者[10.1参照]

注意 

9.特定の背景を有する患者に関する注意

9.1 合併症・既往歴等のある患者
<効能共通>
9.1.1 基礎心疾患(心筋梗塞、弁膜症、心筋症等)のある患者
心室頻拍、心室細動が発現するおそれが高い。特に、心不全を来すおそれのある患者では、本剤を少量から開始するなど投与量に十分注意するとともに、頻回に心電図検査を実施し、開始後1~2週間は入院させること。[8.2参照]
9.1.2 刺激伝導障害(房室ブロック、洞房ブロック、脚ブロック等)のある患者[ただし、高度の刺激伝導障害(房室ブロック、洞房ブロック)のある患者を除く]
刺激伝導抑制作用により、これらの障害をさらに悪化させるおそれがある。[2.2参照]
9.1.3 重篤な心室機能障害のある患者
心室機能を抑制する作用により、より強い心室機能障害を起こすおそれがある。
9.1.4 過度に血圧の低い患者
さらに血圧を下げるおそれがある。
9.1.5 血清カリウム低下やマグネシウム低下などの電解質異常のある患者
QT延長により、新たな不整脈を誘発することがある。
9.1.6 U波を認めた患者
U波を認めた患者の中に、失神発作例が報告されている。
9.1.7 クモ膜下出血や頭蓋内出血の患者
QT延長があらわれやすい。
9.1.8 他の抗不整脈薬を併用している患者
本剤を少量から開始するなど投与量に十分注意するとともに、頻回に心電図検査を実施すること。有効性、安全性が確立していない。[8.2参照]
<持続性心房細動>
9.1.9 器質的心疾患(虚血性心疾患や心筋症等)のある患者
少量から開始し治療上必要な最小限にとどめるなど、投与量に十分注意するとともに頻回に心電図検査を実施すること。著明な心電図QT延長に引き続く催不整脈作用があらわれる可能性がある。
9.2 腎機能障害患者
9.2.1 重篤な腎機能障害のある患者
排泄遅延により、副作用があらわれるおそれがある。
9.3 肝機能障害患者
9.3.1 重篤な肝機能障害のある患者
代謝遅延により、副作用があらわれるおそれがある。
9.5 妊婦
妊婦又は妊娠している可能性のある女性には投与しないこと。生殖・発生毒性試験(ラット)で分娩障害、出生児の体重増加抑制及び生存率の低下が報告されている。[2.5、16.3参照]
9.6 授乳婦
治療上の有益性及び母乳栄養の有益性を考慮し、授乳の継続又は中止を検討すること。ラットで乳汁中への移行が報告されている。[16.3参照]
9.7 小児等
小児等を対象とした臨床試験は実施していない。
9.8 高齢者
9.8.1 入院させて投与を開始することが望ましい。本剤を少量から開始するなど投与量に十分注意するとともに、頻回に心電図検査を実施すること。[8.2参照]
9.8.2 慎重に投与すること。一般に高齢者では、肝・腎機能が低下していることが多く、また、体重が少ない傾向があるなど副作用が発現しやすい。

8.重要な基本的注意

<効能共通>
8.1 本剤は、血中濃度が定常状態に達するまで通常3週間を要する。このためこの間は十分な効果が発現しないことがあるので、増量が必要な場合にはこの期間を過ぎてから行うこと。本剤による催不整脈作用は投与初期ばかりでなく増量時にも起こるおそれがあるので、用量の調整は慎重に行うこと。投与開始後又は増量後、少なくとも3週間は1週間毎に診察、心電図検査を行い、心電図QT間隔の過度の延長あるいは高度の徐脈、血圧低下、心拡大等の異常所見が認められた場合には、直ちに減量又は投与を中止すること。
8.2 本剤の投与に際しては頻回に患者の状態を観察し、定期的に心電図、脈拍、血圧、心胸比を調べること。診察時には原則として心電図を測定し、過度のPQの延長、QRS幅の増大、QTの延長、徐脈、血圧低下等の異常所見が認められた場合には、直ちに減量又は投与を中止し、電解質等の血液検査を実施すること。[9.1.1、9.1.8、9.8.1参照]
8.3 本剤投与前に血清カリウム濃度を測定し、低カリウム血症の場合にはあらかじめ適切な処置を行った後、本剤を投与すること。
8.4 本剤投与中に間質性肺炎(投与開始4ヶ月以内に多い)があらわれることがあり、致死的な場合もあるので、臨床症状を十分に観察し、定期的に胸部X線等の検査を実施すること。[11.1.3参照]
8.5 カルシウム拮抗剤の投与を急に中止したとき、症状が悪化した症例が報告されているので、本剤の休薬を要する場合は観察を十分に行うこと。また、患者に医師の指示なしに服薬を中止しないように注意すること。
8.6 めまい等があらわれることがあるので、自動車の運転等、危険を伴う機械の操作に従事する際には注意するよう患者に十分に説明すること。
<持続性心房細動>
8.7 重篤な臨床症状のため、1日200mgから投与を開始する場合は、原則として患者を入院させて医師の厳重な管理下に置き、患者の安全性を十分に確保すること。
8.8 心房細動患者の細動停止後も、洞調律維持を目的として投与されるが、安全使用の観点から漫然と投与することを避けるため、本剤の投与開始時又は増量時から定期的に、患者の心電図や臨床症状等を十分に観察し、必要に応じて減量又は休薬についても考慮すること。
8.9 本剤の投与開始後、一定期間経過後も、持続性心房細動が持続し、除細動効果が得られる可能性が低いと判断された場合には、投与を中止すること。(国内臨床試験では、本剤投与後に除細動した症例では、そのほとんどが投与開始後6週間以内に洞調律化を認めた。)
8.10 発作停止時に洞停止、洞不全症候群の誘発の危険性が高くなるので、十分注意すること。
<頻脈性不整脈(心室性)及び狭心症>
8.11 1日用量200mgを超えて投与する際は、副作用発現の可能性が増大するので注意すること。

14.適用上の注意

14.1 薬剤交付時の注意
PTP包装の薬剤はPTPシートから取り出して服用するよう指導すること。PTPシートの誤飲により、硬い鋭角部が食道粘膜へ刺入し、更には穿孔をおこして縦隔洞炎等の重篤な合併症を併発することがある。

5.効能又は効果に関連する注意

<持続性心房細動>
5.1 基本的に心房細動の持続時間が心電図検査又は自覚症状から7日以上持続していると判断された場合とすること。
5.2 心房細動の停止、及びその後の洞調律の維持を目的として投与すること。

16.薬物動態

16.1 血中濃度
16.1.1 単回投与
健康成人男子28例にベプリジル塩酸塩水和物100mgを単回経口投与した場合、血漿中濃度は投与後3.1時間で最高値(124.6ng/mL)に達した。
16.1.2 反復投与
健康成人男子6例にベプリジル塩酸塩水和物200mg/日(分2)を20日間反復投与した場合、血漿中濃度は平均14日目(10日目~21日目)で定常状態に達した。21日目にベプリジル塩酸塩水和物100mg 1回投与後の消失相半減期は約80時間であった。
16.2 吸収
健康成人男子28例にベプリジル塩酸塩水和物100mgを単回経口投与した場合、消化管からの吸収は速やかであった。
16.3 分布
ラットに14C-ベプリジル塩酸塩水和物を経口投与した場合、消化管のほか肝、腎、血液及び肺に高濃度に分布した。また、胎児及び乳汁中にわずかに移行した。[9.5、9.6参照]
16.5 排泄
健康成人に14C-ベプリジル塩酸塩水和物を経口投与した場合、尿中には投与後24時間までに約24%、7日までに約50%が、また、糞中には7日までに2~22%が排泄された(外国人データ)。

併用禁止 

リトナビル
(ノービア)
サキナビルメシル酸塩
(インビラーゼ)
アタザナビル硫酸塩
(レイアタッツ)
ホスアンプレナビルカルシウム水和物
(レクシヴァ)
[2.6参照]
心室頻拍等の重篤な副作用を起こすおそれがある。
これらの薬剤のチトクロームP450に対する競合的阻害作用により、併用した場合、本剤の血中濃度が大幅に上昇することが予測される。
イトラコナゾール
(イトリゾール)
[2.6参照]
本剤の血中濃度上昇により、QT延長が発現する可能性がある。
これらの薬剤のチトクロームP450に対する阻害作用により、本剤の代謝が阻害される可能性がある。
アミオダロン塩酸塩(注射)
(アンカロン注)
[2.6参照]
併用によりTorsades de pointesを起こすことがある。
併用によりQT延長作用が相加的に増強すると考えられる。
エリグルスタット酒石酸塩
(サデルガ)
[2.6参照]
併用によりQT延長等を生じるおそれがある。
併用によりQT延長作用が相加的に増強すると考えられる。
シポニモドフマル酸
(メーゼント)
[2.6参照]
併用によりTorsades de pointes等の重篤な不整脈を生じるおそれがある。
シポニモドフマル酸の投与により心拍数が減少するため、併用により不整脈を増強するおそれがある。

併用注意 

血清カリウム値を低下させる薬剤
利尿剤等
不整脈を誘発することがある(本剤投与前に血清カリウム濃度を測定し、低カリウム血症の場合はあらかじめ適切な処置を行った後、本剤を投与すること)。
カリウム値が低下すると房室伝導が抑制され、本剤の投与により新たな不整脈を誘発することがある。
QTを延長する薬剤
キニジン等
不整脈を誘発することがある。
本剤はQT延長作用があり、併用による過度のQT延長が考えられる。
ジゴキシン
ジゴキシンの中毒症状(頭痛、嘔気、めまい等)があらわれることがあるので、必要があればジゴキシンを減量する。
ジゴキシンの腎及び腎外クリアランスを減少させ、ジゴキシンの血中濃度を上昇させると考えられる。
β遮断薬
プロプラノロール塩酸塩等
徐脈があらわれることがある。
本剤及びβ遮断薬は相互に房室伝導抑制作用を有する。
Ca拮抗薬
ベラパミル塩酸塩等
徐脈があらわれることがある。
本剤及びCa拮抗薬は相互に房室伝導抑制作用を有する。

重大な副作用 

次の副作用があらわれることがあるので、観察を十分に行い、異常が認められた場合には投与を中止するなど適切な処置を行うこと。
11.1.1 QT延長(4.2%)、心室頻拍(Torsades de pointesを含む)(0.2%)、心室細動(頻度不明)、洞停止(0.1%未満)、房室ブロック(0.1%未満)
QT延長、心室頻拍(Torsades de pointesを含む)、心室細動、洞停止、房室ブロック、アダムス・ストークス症候群があらわれることがあるので、定期的かつ必要に応じて心電図検査を行い、異常な変動や症状が認められた場合には投与を中止し、リドカイン、硫酸マグネシウム水和物、イソプレナリン塩酸塩の静注、除細動やペーシング等の適切な処置を行うこと。[1.、17.1.1参照]
11.1.2 無顆粒球症(頻度不明)
無顆粒球症(初期症状:発熱、下痢、貧血、全身倦怠等)が報告されている。
11.1.3 間質性肺炎(0.1%未満)
致死的な場合もあるので、発熱、咳嗽、呼吸困難、肺音の異常(捻髪音)等が認められた場合には、直ちに本剤の投与を中止し、速やかに胸部X線等の検査を実施し、副腎皮質ホルモン剤の投与等の適切な処置を行うこと。[8.4参照]

その他の副作用 

次の副作用があらわれることがあるので、観察を十分に行い、異常が認められた場合には投与を中止するなど適切な処置を行うこと。

0.1~5%未満0.1%未満
循環器徐脈、T波異常、動悸失神発作
肝臓AST上昇、ALT上昇、Al-P上昇、γ-GTP上昇、肝機能異常
血液白血球減少
精神神経系頭痛、めまい、ふらつき感
消化器嘔気、胃部不快感、腹部不快感、食欲不振、下痢、便秘、胸やけ、口渇
過敏症発疹
その他倦怠感、排尿障害、発熱、胸部不快感、ほてり

発現頻度は、臨床試験及び使用成績調査から算出した。

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