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ネオフィリン原末

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効能・効果/用法・用量 

効能・効果

  • 気管支喘息、喘息性(様)気管支炎、閉塞性肺疾患(肺気腫、慢性気管支炎など)における呼吸困難、肺性心、うっ血性心不全、心臓喘息(発作予防)

用法・用量

  • アミノフィリン水和物として、通常成人1日300~400mgを、3~4回に分割経口投与する。
    小児には、1回2~4mg/kgを1日3~4回経口投与する。
    なお、年齢、症状により適宜増減する。

禁忌 

【禁忌】

次の患者には投与しないこと

  • 2.1 本剤又は他のキサンチン系薬剤に対し重篤な副作用の既往歴のある患者
  • 2.2 12時間以内にアデノシン(アデノスキャン)を使用する患者[10.1参照]

注意 

9.特定の背景を有する患者に関する注意

9.1 合併症・既往歴等のある患者
9.1.1 てんかんの患者
中枢刺激作用によって発作を起こすことがある。
9.1.2 甲状腺機能亢進症の患者
甲状腺機能亢進に伴う代謝亢進、カテコールアミンの作用を増強することがある。
9.2 腎機能障害患者
9.2.1 急性腎炎の患者
腎臓に対する負荷を高め、尿蛋白が増加するおそれがある。
9.3 肝機能障害患者
血中濃度測定等の結果により減量すること。
テオフィリンクリアランスが低下し、テオフィリン血中濃度が上昇することがある。
9.5 妊婦
妊婦又は妊娠している可能性のある女性には、治療上の有益性が危険性を上回ると判断される場合にのみ投与すること。
動物実験(マウス、ラット、ウサギ)で催奇形作用等の生殖毒性が報告されている。また、ヒトで胎盤を通過して胎児に移行し、新生児に嘔吐、神経過敏等の症状があらわれることがある。
9.6 授乳婦
本剤投与中は授乳しないことが望ましい。
ヒト母乳中に移行し、乳児に神経過敏を起こすことがある。
9.7 小児等
9.7.1 小児、幼児、乳児
(1)テオフィリン血中濃度のモニタリングを行うなど慎重に投与すること。
小児、特に乳幼児は成人に比べて痙攣を惹起しやすく、また、テオフィリンクリアランスが変動しやすい。
なお、次の小児にはより慎重に投与すること。
・てんかん及び痙攣の既往歴のある小児
痙攣を誘発することがある。
・発熱している小児
テオフィリン血中濃度の上昇や痙攣等の症状があらわれることがある。
・6カ月未満の乳児
乳児期にはテオフィリンクリアランスが一定していない。テオフィリンクリアランスが低く、テオフィリン血中濃度が上昇することがある。
(2)小児、特に乳幼児に投与する場合には、保護者等に対し、発熱時には一時減量あるいは中止するなどの対応を、あらかじめ指導しておくことが望ましい。
(3)本剤の投与に際しては、保護者等に対し、患児の状態を十分に観察し、異常が認められた場合には速やかに主治医に連絡するなどの適切な対応をするように注意を与えること。
小児では一般に自覚症状を訴える能力が劣る。
9.7.2 低出生体重児、新生児
低出生体重児、新生児を対象とした臨床試験は実施していない。
9.8 高齢者
副作用の発現に注意し、慎重に投与すること。
非高齢者に比べ最高血中濃度の上昇及びAUCの増加が認められたとの報告がある。

8.重要な基本的注意

<効能共通>
8.1 テオフィリンによる副作用の発現は、テオフィリン血中濃度の上昇に起因する場合が多いことから、血中濃度のモニタリングを適切に行い、患者個々人に適した投与計画を設定することが望ましい。[16.8.1参照]
<うっ血性心不全>
8.2 テオフィリン血中濃度が上昇することがあるので注意して使用すること。

14.適用上の注意

14.1 薬剤調製時の注意
14.1.1 本剤は、発熱時には一時減量あるいは中止する等、投与量の調整が必要となるので、他の薬剤と配合しないことが望ましい。
14.1.2 本剤は配合変化が多いので、配合しないことが望ましい。

16.薬物動態

16.1 血中濃度
16.1.1 血漿中濃度推移
健康成人男子8名にネオフィリン原末を通常成人用量である1回100mg、1日4回6時間間隔(1日量400mg)で、13回反復経口投与した。血漿中濃度は投与後2日間順次増加し、3日目(48時間)以降はほぼ定常状態に達した。定常状態(13回目)における最高血漿中濃度(Cmax)及び到達時間(tmax)、半減期(t1/2)、血漿中濃度曲線下面積(AUC)を次表に示した。
ネオフィリン原末反復経口投与時のテオフィリン血漿中濃度の推移(Mean±S.D.,n=8)
ネオフィリン原末の定常状態における薬物動態パラメータ(n=8)
Cmaxtmaxt1/2AUC
Mean9.05μg/mL1.38hr9.25hr44.68μg・hr/mL
S.D.1.060.521.675.97
16.4 代謝
本剤の代謝に関与する主なP450の分子種
CYP1A2[10.参照]
16.8 その他
16.8.1 血中濃度と臨床効果、副作用との関係
有効血中濃度:成人8~20μg/mL
本薬をはじめとするテオフィリン製剤の投与にあたっては、テオフィリン血中濃度を測定しながら投与量を調節することが望ましい。有効血中濃度は通常8~20μg/mLとされているが、血中濃度の上昇に伴い消化器症状等の副作用が発現しやすくなるので、投与量の設定にあたっては規定の用法・用量から開始し、症状をよく観察しながら徐々に増減するなど留意する必要がある。[8.1、10.2、13.1参照]
テオフィリンの血中濃度と効果及び副作用との関係

併用禁忌 

薬剤名等臨床症状・措置方法機序・危険因子
アデノシン
(アデノスキャン)
[2.2参照]
本剤によりアデノシンによる冠血流速度の増加及び冠血管抵抗の減少を抑制し、虚血診断に影響を及ぼすことがある。アデノシン(アデノスキャン)を投与する場合は、12時間以上の間隔をあけること。本剤はアデノシン受容体に拮抗するため、アデノシンの作用を減弱させる。

併用注意 

薬剤名等臨床症状・措置方法機序・危険因子
他のキサンチン系薬剤
テオフィリン
ジプロフィリン
カフェイン水和物等
中枢神経興奮薬
エフェドリン塩酸塩
マオウ等
[13.1参照]
過度の中枢神経刺激作用があらわれることがある。
異常が認められた場合には減量又は投与を中止するなど適切な処置を行うこと。
併用により中枢神経刺激作用が増強される。
交感神経刺激剤(β刺激剤)
イソプレナリン塩酸塩
クレンブテロール塩酸塩
ツロブテロール塩酸塩
テルブタリン硫酸塩
プロカテロール塩酸塩水和物等
低カリウム血症、心・血管症状(頻脈、不整脈等)等のβ刺激剤の副作用症状を増強させることがある。
異常が認められた場合には減量又は投与を中止するなど適切な処置を行うこと。
心刺激作用をともに有しており、β刺激剤の作用を増強するためと考えられる。
低カリウム血症の増強についての機序は不明である。
ハロタン不整脈等の副作用が増強することがある。また、連続併用によりテオフィリン血中濃度が上昇することがある。
異常が認められた場合には減量又は投与を中止するなど適切な処置を行うこと。
テオフィリンとハロタンの心臓に対する作用の相加又は相乗効果と考えられる。
ケタミン塩酸塩痙攣があらわれることがある。
痙攣の発現に注意し、異常が認められた場合には抗痙攣剤の投与など適切な処置を行うこと。
痙攣閾値が低下するためと考えられる。
シメチジン
メキシレチン塩酸塩
プロパフェノン塩酸塩
アミオダロン塩酸塩
エノキサシン水和物
ピペミド酸水和物
シプロフロキサシン塩酸塩
ノルフロキサシン
トスフロキサシントシル酸塩水和物
パズフロキサシンメシル酸塩
プルリフロキサシン
エリスロマイシン
クラリスロマイシン
ロキシスロマイシン
チアベンダゾール
チクロピジン塩酸塩
ベラパミル塩酸塩
ジルチアゼム塩酸塩
フルボキサミンマレイン酸塩
フルコナゾール
ジスルフィラム
デフェラシロクス
[13.1、16.8.1参照]
テオフィリンの中毒症状があらわれることがある。
異常が認められた場合には減量又は投与を中止するなど適切な処置を行うこと。
肝薬物代謝酵素が阻害され、テオフィリンクリアランスが低下するため、テオフィリン血中濃度が上昇すると考えられる。
アシクロビル
バラシクロビル塩酸塩
インターフェロン
イプリフラボン
シクロスポリン
アロプリノール
[13.1、16.8.1参照]
テオフィリンの中毒症状があらわれることがある。
異常が認められた場合には減量又は投与を中止するなど適切な処置を行うこと。
テオフィリン血中濃度の上昇によると考えられる。
リファンピシン
フェノバルビタール
ランソプラゾール
リトナビル
テオフィリンの効果が減弱することがある。
テオフィリン血中濃度が低下することがあるので、適切な処置を行うこと。
肝薬物代謝酵素の誘導によりテオフィリンクリアランスが上昇するため、テオフィリン血中濃度が低下すると考えられる。
フェニトイン
カルバマゼピン
テオフィリン及び相手薬の効果が減弱することがある。
テオフィリン血中濃度が低下することがあるので、適切な処置を行うこと。また、相手薬の効果減弱や血中濃度の低下に注意すること。
肝薬物代謝酵素の誘導によりテオフィリンクリアランスが上昇するため、テオフィリン血中濃度が低下すると考えられる。
ジピリダモールジピリダモールの作用を減弱させることがある。アデノシン拮抗作用による。
ラマトロバンラマトロバンの血中濃度が上昇することがある。ラマトロバンの血中濃度上昇についての機序は不明である。
リルゾールリルゾールの作用を増強(副作用発現)するおそれがある。in vitro試験でリルゾールの代謝を阻害することが示唆されている。
タバコ
[13.1、16.8.1参照]
禁煙(禁煙補助剤であるニコチン製剤使用時を含む)によりテオフィリンの中毒症状があらわれることがある。
異常が認められた場合には減量又は投与を中止するなど適切な処置を行うこと。
喫煙により肝薬物代謝酵素が誘導され、テオフィリンクリアランスが上昇し、テオフィリン血中濃度が低下すると考えられる。また、禁煙により血中濃度が上昇すると考えられる。
セイヨウオトギリソウ(St. John's Wort,セント・ジョーンズ・ワート)含有食品本剤の代謝が促進され血中濃度が低下するおそれがあるので、本剤投与時はセイヨウオトギリソウ含有食品を摂取しないよう注意すること。セイヨウオトギリソウにより誘導された肝薬物代謝酵素が本剤の代謝を促進し、クリアランスを上昇させるためと考えられている。

重大な副作用 

次の副作用があらわれることがあるので、観察を十分に行い、異常が認められた場合には投与を中止するなど適切な処置を行うこと。なお、副作用が発現した場合には減量又は投与を中止し、テオフィリン血中濃度を測定することが望ましい。
11.1.1 ショック、アナフィラキシーショック(いずれも頻度不明)
蕁麻疹、蒼白、発汗、血圧低下、呼吸困難等があらわれることがある。
11.1.2 痙攣、意識障害(いずれも頻度不明)
痙攣又はせん妄、昏睡等の意識障害があらわれることがあるので、抗痙攣剤の投与等適切な処置を行うこと。
11.1.3 急性脳症(頻度不明)
痙攣、意識障害等に引き続き急性脳症に至ることがあるので、このような症状があらわれた場合には投与を中止し、抗痙攣剤の投与等適切な処置を行うこと。
11.1.4 横紋筋融解症(頻度不明)
脱力感、筋肉痛、CK上昇等があらわれた場合には投与を中止し、適切な処置を行うとともに横紋筋融解症による急性腎障害の発症に注意すること。
11.1.5 消化管出血(頻度不明)
潰瘍等による消化管出血(吐血、下血等)があらわれることがある。
11.1.6 赤芽球癆(頻度不明)
貧血があらわれることがある。
11.1.7 肝機能障害、黄疸(いずれも頻度不明)
肝機能障害(AST、ALTの上昇等)、黄疸があらわれることがある。
11.1.8 頻呼吸、高血糖症(いずれも頻度不明)

その他の副作用 

次の副作用があらわれることがあるので、観察を十分に行い、異常が認められた場合には投与を中止するなど適切な処置を行うこと。なお、副作用が発現した場合には減量又は投与を中止し、テオフィリン血中濃度を測定することが望ましい。

頻度不明
過敏症発疹、そう痒感、蕁麻疹、紅斑(多形滲出性紅斑等)、固定薬疹
精神神経系頭痛、不眠、神経過敏(興奮、不機嫌、いらいら感)、不安、めまい、耳鳴、振戦、しびれ、不随意運動、筋緊張亢進
循環器顔面潮紅、動悸、頻脈、顔面蒼白、不整脈(心室性期外収縮等)
消化器悪心、嘔吐、食欲不振、腹痛、下痢、腹部膨満感、消化不良(胸やけ等)、しゃっくり
泌尿器蛋白尿、頻尿
代謝異常血清尿酸値、CKの上昇等
肝臓AST、ALT、Al-P、LDH、γ-GTPの上昇等
血液貧血、好酸球増多
その他むくみ、倦怠感、関節痛、四肢痛、発汗、胸痛、低カリウム血症、鼻出血、しびれ(口、舌周囲)
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