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効能・効果/用法・用量 

効能・効果

  • ○更年期障害及び卵巣欠落症状に伴う血管運動神経症状(Hot flush及び発汗)
  • ○生殖補助医療における調節卵巣刺激の開始時期の調整
  • ○凍結融解胚移植におけるホルモン補充周期

用法・用量

  • <更年期障害及び卵巣欠落症状に伴う血管運動神経症状(Hot flush及び発汗)>

    • 通常、成人に対しル・エストロジェル2プッシュ(1.8g、エストラジオールとして1.08mg含有)を1日1回、両腕の手首から肩までの広い範囲に塗擦する。なお、症状に応じて、適宜減量する。減量する場合は、ル・エストロジェル1プッシュ(0.9g、エストラジオールとして0.54mg含有)を1日1回、両腕の手首から肩までの広い範囲に塗擦する。
  • <生殖補助医療における調節卵巣刺激の開始時期の調整>

    • 通常、ル・エストロジェル1又は2プッシュ(0.9又は1.8g、エストラジオールとして0.54又は1.08mg含有)を1日1回、21~28日間、両腕の手首から肩までの広い範囲に塗擦し、投与期間の後半に黄体ホルモン剤を併用する。
  • <凍結融解胚移植におけるホルモン補充周期>

    • 通常、ル・エストロジェル2~10プッシュ(1.8~9.0g、エストラジオールとして1.08~5.40mg含有)を1日1回、両腕の手首から肩、腹部、大腿部及び腰部の広い範囲に塗擦し、子宮内膜の十分な肥厚が得られた時点で、黄体ホルモン剤の併用を開始して、妊娠8週まで本剤の投与を継続する。

禁忌 

【禁忌】

次の患者には投与しないこと

  • <効能共通>

    • 2.1 エストロゲン依存性悪性腫瘍(例えば、乳癌、子宮内膜癌)及びその疑いのある患者[腫瘍の悪化あるいは顕性化を促すことがある。][8.5参照]
    • 2.2 乳癌の既往歴のある患者[乳癌が再発するおそれがある。][8.5参照]
    • 2.3 未治療の子宮内膜増殖症のある患者[子宮内膜増殖症は細胞異型を伴う場合がある。][8.5参照]
    • 2.4 血栓性静脈炎や肺塞栓症のある患者、又はその既往歴のある患者[卵胞ホルモン剤は凝固因子を増加させ、血栓形成傾向を促進するとの報告がある。][11.1.2参照]
    • 2.5 動脈性の血栓塞栓疾患(例えば、冠動脈性心疾患、脳卒中)又はその既往歴のある患者[15.1.4、15.1.5参照]
    • 2.6 本剤の成分に対し過敏症の既往歴のある患者
    • 2.7 授乳婦[9.6参照]
    • 2.8 重篤な肝障害のある患者[9.3.1参照]
    • 2.9 診断の確定していない異常性器出血のある患者[出血が子宮内膜癌による場合は、癌の悪化あるいは顕性化を促すことがある。][8.5参照]
    • 2.10 ポルフィリン症で急性発作の既往歴のある患者[症状を悪化させるおそれがある。]
  • <更年期障害及び卵巣欠落症状に伴う血管運動神経症状(Hot flush及び発汗)、生殖補助医療における調節卵巣刺激の開始時期の調整>

    • 2.11 妊婦又は妊娠している可能性のある女性[9.5.1参照]

注意 

9.特定の背景を有する患者に関する注意

9.1 合併症・既往歴等のある患者
9.1.1 子宮筋腫のある患者
子宮筋腫の発育を促進するおそれがある。[8.5参照]
9.1.2 子宮内膜症のある患者
症状が増悪するおそれがある。[8.5参照]
9.1.3 乳癌家族素因が強い患者、又は乳房結節、乳腺症を有する患者、乳房レントゲン像に異常がみられた患者
定期的に乳房検診を行うなど慎重に使用すること。卵胞ホルモン剤投与と乳癌発生との因果関係については未だ明らかではないが、使用期間と相関性があることを示唆する疫学調査の結果が報告されている。また、動物実験において乳腺腺腫が認められている。[8.5参照]
9.1.4 高血圧、心疾患、又はその既往歴のある患者
卵胞ホルモン剤の過量投与では体液貯留をきたし、これらの疾患を悪化させるおそれがある。
9.1.5 糖尿病患者
十分管理を行いながら使用すること。耐糖能を低下させるおそれがある。
9.1.6 片頭痛、てんかんのある患者
観察を十分に行うこと。症状を悪化させることがある。
9.1.7 術前又は長期臥床状態の患者
血液凝固能が亢進され、心血管系の副作用の危険性が高くなることがある。[8.1、11.1.2参照]
9.1.8 全身性エリテマトーデスの患者
症状を悪化させるおそれがある。
9.2 腎機能障害患者
9.2.1 腎疾患のある患者又はその既往歴のある患者
卵胞ホルモン剤の過量投与では体液貯留をきたし、これらの疾患を悪化させるおそれがある。
9.3 肝機能障害患者
9.3.1 重篤な肝障害のある患者
使用しないこと。代謝能が低下しており肝臓への負担が増加するため、症状が増悪することがある。[2.8参照]
9.3.2 肝障害のある患者(重篤な肝障害のある患者を除く)
定期的に肝機能検査を実施するなど観察を十分に行うこと。肝障害を悪化させるおそれがある。
9.5 妊婦
<更年期障害及び卵巣欠落症状に伴う血管運動神経症状(Hot flush及び発汗)、生殖補助医療における調節卵巣刺激の開始時期の調整>
9.5.1 妊婦又は妊娠している可能性のある女性には使用しないこと。[2.11参照]
<効能共通>
9.5.2 卵胞ホルモン剤であるジエチルスチルベストロールを妊娠動物(マウス)又は妊婦に投与したとき、出生児に生殖器系臓器の異常が報告されている。エストラジオールのヒトにおける催奇形性の報告はないが、妊娠動物(ラット)への投与によって児の生殖器系臓器に異常が起こることが報告されている。ヒトにおいて、妊娠中の女性ホルモン剤(経口避妊薬等)投与によって児の先天性異常(先天性心臓奇形及び四肢欠損症)のリスク増加の報告がある。
9.5.3 卵胞ホルモン剤を妊娠動物(マウス)に投与した場合、児の成長後、腟上皮及び子宮内膜の癌性変化を示唆する結果が報告されている。また、新生児(マウス)に投与した場合、児の成長後腟上皮の癌性変化を認めたとの報告がある。
9.6 授乳婦
使用しないこと。
ヒトにおいて、母乳中への移行が報告されている。また、動物実験(マウス)で新生児に卵胞ホルモン剤を投与した場合、児の成長後腟上皮の癌性変化を認めたとの報告がある。[2.7参照]
9.8 高齢者
患者の状態を観察しながら慎重に使用すること。一般に生理機能が低下している。

8.重要な基本的注意

<効能共通>
8.1 静脈血栓塞栓症、血栓性静脈炎があらわれることがあるので、患者に対しては、異常が認められた場合には直ちに医師等に相談するよう、あらかじめ説明すること。[9.1.7、11.1.2参照]
8.2 本剤投与後の血清中エストラジオール濃度の個人間及び個人内変動は大きく、過度に上昇する場合があり、定期的に血清中エストラジオール及びFSHを測定すること。
8.3 血清中エストラジオール濃度が過度に上昇していると判断された場合、副作用の発現に留意し、本剤の投与中止等の適切な対応をとること。
<更年期障害及び卵巣欠落症状に伴う血管運動神経症状(Hot flush及び発汗)>
8.4 外国において、卵胞ホルモン剤と黄体ホルモン剤を長期併用した女性では、乳癌になる危険性が対照群の女性と比較して高くなり、その危険性は併用期間が長期になるに従って高くなるとの報告があるので、本剤の使用にあたっては、患者に対し本剤のリスクとベネフィットについて十分な説明を行うとともに必要最小限の使用にとどめ、漫然と長期投与を行わないこと。[15.1.3、15.1.9参照]
8.5 使用前に病歴、家族素因等の問診、乳房検診並びに婦人科検診(子宮を有する患者においては子宮内膜細胞診及び超音波検査による子宮内膜厚の測定を含む)を行い、使用開始後は定期的に乳房検診並びに婦人科検診を行うこと。[2.1-2.3、2.9、9.1.1-9.1.3参照]
<生殖補助医療における調節卵巣刺激の開始時期の調整、凍結融解胚移植におけるホルモン補充周期>
8.6 本剤は、不妊治療に十分な知識と経験のある医師のもとで使用すること。本剤投与により予想されるリスク及び注意すべき症状について、あらかじめ患者に説明を行うこと。

14.適用上の注意

14.1 薬剤交付時の注意
14.1.1 塗布部位
(1)顔面、乳房、外陰部及び粘膜には塗布しないこと。
(2)創傷面又は湿疹、皮膚炎等(重度の乾燥や日焼けなどによる皮膚炎も含む)がみられる部位は避けて塗布すること。
(3)投与後1時間以内の投与部位の洗浄は十分な血中濃度が得られない可能性がある。また、投与直後にアルコールを多量に含む化粧品等の使用は避けること。
(4)投与後は手を洗うこと。また、投与直後は投与部位を他人に触れさせないこと。
14.1.2 塗布時
(1)初めて使用するときには、本剤が出るまでポンプを数回押してから使用すること。
(2)本剤はアルコールを含有するため、投与後は十分換気を行い、ゲルが乾燥するまでは火気及び喫煙を避けること。

7.用法及び用量に関連する注意

<凍結融解胚移植におけるホルモン補充周期>
本剤の妊娠成立後の投与期間は、本剤投与より予想されるリスクと患者の状態を考慮して慎重に判断し、漫然と投与を継続せず、最長妊娠10週を超えないこと。

5.効能又は効果に関連する注意

<生殖補助医療における調節卵巣刺激の開始時期の調整、凍結融解胚移植におけるホルモン補充周期>
妊娠率や生産率の報告を踏まえると、本剤を含む卵胞ホルモン剤と黄体ホルモン剤の併用で調節卵巣刺激の開始時期の調整又はホルモン補充周期で凍結融解胚移植を行った場合は、開始時期の調整を行わない場合又は自然排卵周期で凍結融解胚移植を行った場合と比べて、妊娠率や生産率が低下する可能性があるので、このことを患者に説明した上で、本剤の投与の要否は、患者ごとに治療上の必要性及び危険性を考慮して慎重に判断すること。[15.1.11、15.1.12参照]

16.薬物動態

16.1 血中濃度
健康閉経後女性に本剤1.25及び1.8gを反復投与(1日1回、14日間)したときの血清中エストラジオール(E2)濃度は、いずれの投与群においても初回投与72時間後(3回目投与24時間後)に定常状態に達した。
定常状態(初回投与72~336時間後)の平均血清中E2濃度は、1.25及び1.8g群でそれぞれ、26.3及び60.8pg/mLであった。
いずれの投与群においても概ね最終投与120時間後(初回投与432時間後)には、ほぼ投与前値まで回復しており蓄積性は認められなかった。
反復投与時の血清中エストラジオール(E2)濃度推移(平均値、標準誤差)
1日1回14日間反復投与後の血清中エストラジオール(E2)より求めた薬物動態学的パラメータ
パラメータ投与量
1.25g注)
(n=5~6)
1.8g
(n=6)
Css(pg/mL)26.3±4.860.8±22.6
AUC312-336(pg・hr/mL)756.2±233.01269.4±371.1
Cmax(pg/mL)46.58±25.6759.53±11.02
Tmax(hr)19.2±6.620.0±6.2
T1/2(hr)87.6±27.994.9±16.8
(平均値±標準偏差)Css:定常状態(初回投与72~336時間後)の平均血清中エストラジオール(E2)濃度AUC312-336:初回投与312~336時間後(最終投与0~24時間後)のAUCCmax、Tmax、T1/2:最終投与後のCmax、Tmax及びT1/2
更年期障害及び卵巣欠落症状を有する患者に本剤1.8gを1日1回、8週間投与したときの8週後の血清中エストラジオール(E2)濃度の平均値±標準偏差は112.1±68.8pg/mL、中央値は91.4pg/mLであった。
注)本剤の更年期障害及び卵巣欠落症状に伴う血管運動神経症状に対する承認用量は、1日1回1.8gである。

併用注意 

薬剤名等臨床症状・措置方法機序・危険因子
リファンピシン
抗てんかん剤
フェノバルビタール
フェニトイン
カルバマゼピン
HIV逆転写酵素阻害剤
エファビレンツ
セイヨウオトギリソウ(St.John's Wort、セント・ジョーンズ・ワート)含有食品
ステロイドホルモン
本剤の代謝が促進され、血中濃度が低下するおそれがある。これらの薬剤等は薬物代謝酵素チトクロームP450(CYP3A4)を誘導することにより、本剤の代謝を促進し、血中濃度を低下させる可能性がある。
プロテアーゼ阻害剤
リトナビル
ネルフィナビル等
本剤の血中濃度が変化するおそれがある。これらの薬剤は薬物代謝酵素チトクロームP450(CYP3A4)を誘導又は阻害する可能性がある。

重大な副作用 

次の副作用があらわれることがあるので、観察を十分に行い、異常が認められた場合には投与を中止するなど適切な処置を行うこと。
11.1.1 アナフィラキシー(頻度不明)
11.1.2 静脈血栓塞栓症、血栓性静脈炎(いずれも頻度不明)
下肢の疼痛・浮腫、胸痛、突然の息切れ、急性視力障害等の初期症状が認められた場合には使用を中止し、適切な処置を行うこと。[2.4、8.1、9.1.7参照]

その他の副作用 

次の副作用があらわれることがあるので、観察を十分に行い、異常が認められた場合には投与を中止するなど適切な処置を行うこと。

1%以上1%未満頻度不明
生殖器腟分泌物(18.3%)、性器出血、陰部そう痒症、骨盤痛消退出血、不正子宮出血、外性器痛、外陰部炎、外陰腟不快感、子宮内膜生検異常、子宮筋腫、子宮頚管ポリープ腟乾燥、陰部そう痒症、子宮内膜症(再燃)
乳房乳房不快感(13.2%)、乳房痛、乳頭痛乳房嚢胞
皮膚
投与部位
そう痒感、紅斑、湿疹色素沈着変化、乾燥、刺激感
皮膚
全身
湿疹、紅斑、色素沈着障害、そう痒症、ざ瘡じん麻疹
精神神経系めまい、頭痛しびれ感、抑うつ気分、睡眠障害、傾眠易刺激性、片頭痛
循環器動悸、高血圧
消化器膨満感食欲不振、悪心、下痢、腹痛、逆流性食道炎嘔吐、排便痛
肝臓肝機能異常(AST増加、ALT増加、ALP増加)
血液白血球数減少、貧血(赤血球数減少、ヘモグロビン量減少、ヘマトクリット値低下)
骨・筋肉背部痛、四肢痛、筋骨格硬直、関節炎四肢重感
その他血中トリグリセリド増加、浮腫疲労、潮紅、血中Ca減少、アンチトロンビンIII減少、耳鳴、耳不快感、鼻出血、血中フィブリノゲン増加コンタクトレンズ不耐性、鼻咽頭炎、過換気
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