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効能・効果/用法・用量 

効能・効果

  • ○片頭痛
  • ○群発頭痛

用法・用量

  • 片頭痛及び群発頭痛発作の頭痛発現時に、通常、成人にはスマトリプタンとして1回3mgを皮下投与する。なお、年齢、症状により適宜増減する。
    ただし、1回3mg、1日6mgを超えないこと。
    • <片頭痛>

      • 1回の頭痛発作において、初回投与で頭痛が軽減した場合には、24時間以内に起こった次の発作に対して追加投与することができるが、2回の投与の間には少なくとも1時間の間隔をおくこと。
    • <群発頭痛>

      • 1日2回の発作に投与することができるが、2回の投与の間には少なくとも1時間の間隔をおくこと。

禁忌 

【禁忌】

次の患者には投与しないこと

  • 2.1 本剤の成分に対し過敏症の既往歴のある患者
  • 2.2 心筋梗塞の既往歴のある患者、虚血性心疾患又はその症状・兆候のある患者、異型狭心症(冠動脈攣縮)のある患者[不整脈、狭心症、心筋梗塞を含む重篤な虚血性心疾患様症状があらわれることがある]
  • 2.3 脳血管障害や一過性脳虚血性発作の既往のある患者[脳血管障害や一過性脳虚血性発作があらわれることがある]
  • 2.4 末梢血管障害を有する患者[症状を悪化させる可能性が考えられる]
  • 2.5 コントロールされていない高血圧症の患者[一過性の血圧上昇を引き起こすことがある]
  • 2.6 重篤な肝機能障害を有する患者[9.3.1参照]
  • 2.7 エルゴタミン、エルゴタミン誘導体含有製剤、あるいは他の5-HT1B/1D受容体作動薬を投与中の患者[10.1参照]
  • 2.8 モノアミンオキシダーゼ阻害剤(MAO阻害剤)を投与中、あるいは投与中止2週間以内の患者[10.1、16.7.1参照]

注意 

9.特定の背景を有する患者に関する注意

9.1 合併症・既往歴等のある患者
9.1.1 虚血性心疾患の可能性のある患者
例えば、以下のような患者では不整脈、狭心症、心筋梗塞を含む重篤な虚血性心疾患様症状があらわれるおそれがある。[8.1、11.1.2参照]
・虚血性心疾患を疑わせる重篤な不整脈のある患者
・閉経後の女性
・40歳以上の男性
・冠動脈疾患の危険因子を有する患者
9.1.2 てんかん様発作の既往又は危険因子のある患者(脳炎等の脳疾患のある患者、痙攣の閾値を低下させる薬剤を使用している患者等)
てんかん様発作が発現したとの報告がある。[10.2、11.1.3参照]
9.1.3 スルホンアミド系薬剤に過敏症の既往歴のある患者
本剤はスルホンアミド基を有するため、交叉過敏症(皮膚の過敏症からアナフィラキシーまで)があらわれる可能性がある。[11.1.1参照]
9.1.4 コントロールされている高血圧症患者
一過性の血圧上昇や末梢血管抵抗の上昇がみられたとの報告がある。
9.1.5 脳血管障害の可能性のある患者
脳血管障害があらわれるおそれがある。
9.2 腎機能障害患者
本剤は腎臓を介して排泄されるので、重篤な腎機能障害患者では血中濃度が上昇するおそれがある。[16.5参照]
9.3 肝機能障害患者
9.3.1 重篤な肝機能障害患者
投与しないこと。本剤は主に肝臓で代謝されるので、重篤な肝機能障害患者では血中濃度が上昇するおそれがある。[2.6参照]
9.3.2 肝機能障害患者(重篤な肝機能障害患者を除く)
中等度の肝機能障害患者に本剤を経口投与したとき、健康成人と比較して血中濃度が上昇した。
9.5 妊婦
妊婦又は妊娠している可能性のある女性には、治療上の有益性が危険性を上回ると判断される場合にのみ投与すること。
9.6 授乳婦
本剤投与後12時間は授乳しないことが望ましい。皮下投与後にヒト母乳中へ移行することが認められている(外国人データ)。
9.7 小児等
小児等を対象とした臨床試験は実施していない。
9.8 高齢者
高い血中濃度が持続するおそれがある。本剤は主として肝臓で代謝され、腎臓で排泄されるが、高齢者では肝機能あるいは腎機能が低下していることが多い。

8.重要な基本的注意

8.1 心血管系の疾患が認められない患者においても、重篤な心疾患が極めてまれに発生することがある。[9.1.1、11.1.2参照]
8.2 片頭痛あるいは本剤投与により眠気を催すことがあるので、本剤投与中の患者には自動車の運転等危険を伴う機械操作に従事させないよう十分注意すること。
8.3 本剤の自己投与の適用にあたっては、患者自らが適切に使用可能と医師が判断した患者に対してのみ交付すること。
8.4 患者に本剤を交付する際には、使用方法等の患者教育を十分に行い、本剤の注射により発現する可能性のある副作用等についても十分説明すること。また自己注射後何らかの異常があればすぐに医師の指示を仰ぐよう患者を指導すること。
8.5 本剤の注射針カバーは天然ゴムラテックスを含み、アレルギー反応を起こすことがあるので、投与に際し、問診を行うこと。また、観察を十分に行い、異常が認められた場合には投与を中止し、適切な処置を行うこと。
8.6 本剤を含むトリプタン系薬剤により、頭痛が悪化することがあるので、頭痛の改善を認めない場合には、「薬剤の使用過多による頭痛」の可能性を考慮し、投与を中止するなど、適切な処置を行うこと。[11.1.4参照]

14.適用上の注意

14.1 薬剤交付時の注意
患者には本剤に添付の使用説明書を渡し、使用方法を指導すること。
14.2 薬剤投与時の注意
14.2.1 必ず専用のペン型注入器(イミグランキット皮下注3mg用注入器)を用いること。
14.2.2 カートリッジパック上部の封緘シールがはがれている場合、そのシリンジは使用しないこと。
14.2.3 本剤は滅菌済みであるため、カートリッジパックから取り出した後は、速やかに使用すること。
14.2.4 使用済みの本剤を誤って再使用することのないよう注意すること。
14.2.5 本剤は皮下注射のみに使用し、静脈内投与はしないこと。静脈内投与により血管攣縮をおこす可能性がある。

7.用法及び用量に関連する注意

7.1 本剤は頭痛発現時にのみ使用し、予防的には使用しないこと。
7.2 本剤投与により全く効果が認められない場合は、その発作に対して追加投与をしないこと。このような場合は、再検査の上、頭痛の原因を確認すること。
7.3 スマトリプタン製剤を組み合わせて使用する場合には少なくとも以下の間隔をあけて投与すること。
・注射液投与後に経口剤あるいは点鼻液を追加投与する場合には1時間以上
・経口剤投与後に注射液を追加投与する場合には2時間以上
・点鼻液投与後に注射液を追加投与する場合には2時間以上

5.効能又は効果に関連する注意

5.1 本剤は国際頭痛学会による片頭痛、群発頭痛診断基準により「前兆のない片頭痛」、「前兆のある片頭痛」あるいは群発頭痛と確定診断が行われた場合にのみ投与すること。特に次のような患者は、くも膜下出血等の脳血管障害や他の原因による頭痛の可能性があるので、本剤投与前に問診、診察、検査を十分に行い、頭痛の原因を確認してから投与すること。
・今までに片頭痛又は群発頭痛と診断が確定したことのない患者
・片頭痛又は群発頭痛と診断されたことはあるが、片頭痛又は群発頭痛に通常見られる症状や経過とは異なった頭痛及び随伴症状のある患者
5.2 家族性片麻痺性片頭痛、孤発性片麻痺性片頭痛、脳底型片頭痛あるいは眼筋麻痺性片頭痛の患者には投与しないこと。

16.薬物動態

16.1 血中濃度
16.1.1 単回投与
健康成人男性にスマトリプタン(以下、アンプル製剤)又は本剤(以下、キット製剤)を用いて3mgを単回皮下投与した時の血漿中スマトリプタン濃度は下記のとおりである。両製剤は生物学的に同等であった。[13.1参照]
図1 健康成人男性における単回投与時の血漿中スマトリプタン濃度(平均値±標準偏差)
製剤投与量Cmax(ng/mL)AUC0-8(ng・hr/mL)Tmax(hr)t1/2(hr)
アンプル製剤3mg56.9±11.652.2±5.60.23±0.061.78±0.27
キット製剤3mg64.7±13.052.8±5.40.18±0.041.71±0.26
平均値±標準偏差、24例
CmaxAUC0-8
幾何平均値の比(キット製剤/アンプル製剤)1.1381.010
幾何平均値の比の90%信頼区間1.052-1.2310.985-1.036
16.3 分布
In vitroでのヒト血漿蛋白結合率は約34%であった。
16.4 代謝
本剤は、主にMAO-Aにより代謝されると考えられる。[10.、10.1参照]
16.5 排泄
健康成人男性にスマトリプタン3mgを単回皮下投与した時の投与後24時間までの未変化体の尿中排泄率は約27%であった。
また、健康成人男性にスマトリプタン6mgを皮下投与した時の投与後24時間までの未変化体及び代謝物の尿中排泄率は、未変化体約28%、インドール酢酸体約37%、インドール酢酸体のグルクロン酸抱合体約11%であった。[9.2参照]
16.7 薬物相互作用
16.7.1 MAO-A阻害剤(モクロベミド)
MAO-A阻害剤(モクロベミド)を予め経口投与することにより、本剤のAUCは約1.8倍増加し、消失半減期は約1.4倍延長した(外国人データ)。[2.8、10.、10.1参照]
16.7.2 その他の薬剤
β遮断薬(プロプラノロール)、Ca拮抗薬(フルナリジン)あるいはアルコールとの併用投与において、スマトリプタンの薬物動態に変化は認められなかった(外国人データ)。

併用禁忌 

薬剤名等臨床症状・措置方法機序・危険因子
エルゴタミン
エルゴタミン酒石酸塩・無水カフェイン・イソプロピルアンチピリン(クリアミン)
エルゴタミン誘導体含有製剤
ジヒドロエルゴタミンメシル酸塩
エルゴメトリンマレイン酸塩(エルゴメトリンF)
メチルエルゴメトリンマレイン酸塩(パルタンM)
[2.7参照]
血圧上昇又は血管攣縮が増強されるおそれがある。
本剤投与後にエルゴタミンあるいはエルゴタミン誘導体含有製剤を投与する場合、もしくはその逆の場合は、それぞれ24時間以上の間隔をあけて投与すること。
5-HT1B/1D受容体作動薬との薬理的相加作用により、相互に作用(血管収縮作用)を増強させる。
5-HT1B/1D受容体作動薬
ゾルミトリプタン(ゾーミッグ)
エレトリプタン臭化水素酸塩(レルパックス)
リザトリプタン安息香酸塩(マクサルト)
ナラトリプタン塩酸塩(アマージ)
[2.7参照]
血圧上昇又は血管攣縮が増強されるおそれがある。
本剤投与後に他の5-HT1B/1D受容体作動型の片頭痛薬を投与する場合、もしくはその逆の場合は、それぞれ24時間以内に投与しないこと。
併用により相互に作用を増強させる。
MAO阻害剤
[2.8、16.4、16.7.1参照]
本剤の消失半減期(t1/2)が延長し、血中濃度-時間曲線下面積(AUC)が増加するおそれがあるので、MAO阻害剤を投与中あるいは投与中止2週間以内の患者には本剤を投与しないこと。MAO阻害剤により本剤の代謝が阻害され、本剤の作用が増強される可能性が考えられる。

併用注意 

薬剤名等臨床症状・措置方法機序・危険因子
選択的セロトニン再取り込み阻害薬
フルボキサミンマレイン酸塩
パロキセチン塩酸塩水和物
セルトラリン塩酸塩
セロトニン・ノルアドレナリン再取り込み阻害薬
ミルナシプラン塩酸塩
デュロキセチン塩酸塩
セロトニン症候群(不安、焦燥、興奮、頻脈、発熱、反射亢進、協調運動障害、下痢等)があらわれることがある。セロトニンの再取り込みを阻害し、セロトニン濃度を上昇させる。よって本剤との併用により、セロトニン作用が増強する可能性が考えられる。
痙攣の閾値を低下させる薬剤
[9.1.2、11.1.3参照]
てんかん様発作がおこることがある。痙攣の閾値を低下させる可能性がある。

重大な副作用 

次の副作用があらわれることがあるので、観察を十分に行い、異常が認められた場合には投与を中止するなど適切な処置を行うこと。
11.1.1 アナフィラキシーショック、アナフィラキシー(いずれも1%未満)[9.1.3参照]
11.1.2 虚血性心疾患様症状(1%未満)
不整脈、狭心症あるいは心筋梗塞を含む虚血性心疾患様症状があらわれることがある。本剤投与後に、胸痛、胸部圧迫感等の一過性の症状(強度で咽喉頭部に及ぶ場合がある)があらわれ、このような症状が虚血性心疾患によると思われる場合には、以後の投与を中止し、虚血性心疾患の有無を調べるための適切な検査を行うこと。[8.1、9.1.1参照]
11.1.3 てんかん様発作(頻度不明)[9.1.2、10.2参照]
11.1.4 薬剤の使用過多による頭痛(頻度不明)[8.6参照]

その他の副作用 

次の副作用があらわれることがあるので、観察を十分に行い、異常が認められた場合には投与を中止するなど適切な処置を行うこと。

1%以上注1)1%未満注1)頻度不明注1)
過敏症蕁麻疹、発疹等の皮膚症状
呼吸器呼吸困難
循環器頻脈、徐脈、一過性の血圧上昇、低血圧、動悸、レイノー現象
消化器悪心、嘔吐虚血性大腸炎
ちらつき、視野狭窄複視、眼振、暗点、一過性の視力低下
精神神経系めまい、眠気、感覚障害(錯感覚、しびれなどの感覚鈍麻等)振戦、ジストニア
肝臓肝機能障害
注射部位痛み、腫脹灼熱感、紅斑、挫傷、出血
その他痛み(胸痛、咽喉頭痛、頭痛、筋肉痛、関節痛、背部痛、頚部痛等)注2)、熱感注2)圧迫感注2)、ひっ迫感注2)、倦怠感、脱力感、潮紅重感注2)、冷感注2)

注1)発現頻度は本剤及びスマトリプタン(アンプル製剤)の承認時までの臨床試験並びにスマトリプタン(アンプル製剤)の使用成績調査の結果をあわせて算出した。
注2)これらの症状は通常一過性であるが、ときに激しい場合があり、身体各部でおこる可能性がある。

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