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効能・効果/用法・用量 

効能・効果

  • ○統合失調症
  • ○躁病

用法・用量

  • 急性期症状において緊急を要する場合および経口投与が困難な場合に用いる。
    チミペロンとして、通常成人1回4mgを1日1回もしくは2回、筋肉内又は静脈内注射する。
    なお、年齢、症状により適宜増減する。

禁忌 

【禁忌】

次の患者には投与しないこと

  • 2.1 昏睡状態の患者[症状が悪化するおそれがある。]
  • 2.2 バルビツール酸誘導体等の中枢神経抑制薬の強い影響下にある患者[中枢神経抑制作用が増強される。]
  • 2.3 重症の心不全患者[一過性の血圧低下、頻脈等があらわれるおそれがある。]
  • 2.4 パーキンソン病又はレビー小体型認知症のある患者[錐体外路症状が悪化するおそれがある。]
  • 2.5 本剤の成分又はブチロフェノン系化合物に対し過敏症の既往歴のある患者
  • 2.6 アドレナリンを投与中の患者(アドレナリンをアナフィラキシーの救急治療に使用する場合を除く)[10.1参照]
  • 2.7 妊婦又は妊娠している可能性のある女性[9.5参照]

注意 

9.特定の背景を有する患者に関する注意

9.1 合併症・既往歴等のある患者
9.1.1 心・血管疾患、低血圧、又はこれらの疑いのある患者
一過性の血圧低下があらわれることがある。
9.1.2 てんかん等の痙攣性疾患、又はこれらの既往歴のある患者
痙攣閾値を低下させることがある。
9.1.3 甲状腺機能亢進状態にある患者
錐体外路症状が起こりやすい。
9.1.4 脱水・栄養不良状態等を伴う身体的疲弊のある患者
著しい血圧低下、Syndrome malin(悪性症候群)が起こるおそれがある。[11.1.1参照]
9.1.5 遺伝性果糖不耐症の患者
本剤の添加剤D-ソルビトールが体内で代謝されて生成した果糖が正常に代謝されず、低血糖、肝不全、腎不全等が誘発されるおそれがある。
9.1.6 不動状態、長期臥床、肥満、脱水状態等の患者
肺塞栓症、静脈血栓症等の血栓塞栓症が報告されている。[11.1.5参照]
9.3 肝機能障害患者
症状が悪化するおそれがある。また、血中濃度が上昇するおそれがある。
9.5 妊婦
妊婦又は妊娠している可能性のある女性には投与しないこと。類似化合物(ハロペリドール)で催奇形性を疑う症例が報告されている。また、妊娠後期に抗精神病薬が投与されている場合、新生児に哺乳障害、傾眠、呼吸障害、振戦、筋緊張低下、易刺激性等の離脱症状や錐体外路症状があらわれたとの報告がある。[2.7参照]
9.6 授乳婦
投与中及び投与後一定期間は授乳しないことが望ましい。動物実験(ラット)で乳汁中に移行することが報告されており、また類似化合物(ハロペリドール)でヒト母乳中へ移行することがある。
9.7 小児等
錐体外路症状等、中枢神経系の副作用が起こりやすい。
9.8 高齢者
少量から投与を開始するなど患者の状態を観察しながら慎重に投与すること。錐体外路症状等の副作用があらわれやすい。

8.重要な基本的注意

8.1 眠気、注意力・集中力・反射運動能力等の低下が起こることがあるので、本剤投与中の患者には自動車の運転等危険を伴う機械の操作に従事させないよう注意すること。
8.2 制吐作用を有するため、他の薬剤に基づく中毒、腸閉塞、脳腫瘍等の嘔吐症状を不顕性化することがあるので注意すること。[11.1.2参照]

14.適用上の注意

14.1 薬剤調製時の注意
ジアゼパムと混合しないこと(白濁が認められる)。
14.2 薬剤投与時の注意
14.2.1 筋肉内又は静脈内注射にのみ使用すること。
14.2.2 筋肉内注射にあたっては、組織・神経等への影響を避けるため、下記の点に注意すること。
・同一部位への反復注射は避けること。特に小児等には注意すること。
・神経走行部位を避けるよう注意すること。
・注射針を刺入したとき、激痛を訴えたり、血液の逆流をみた場合には、直ちに針を抜き、部位をかえて注射すること。

16.薬物動態

16.1 血中濃度
16.1.1 単回投与
統合失調症患者7例にチミペロン4mgを単回筋肉内投与した場合、血漿中濃度は0.5~8時間(平均3.7時間)で最高濃度8~21ng/mL(平均13.6ng/mL)に達し、その後半減期平均15.7時間で消失した。なお、本剤の血漿中濃度の推移には個人差が認められた。
16.1.2 反復投与
統合失調症患者7例にチミペロン4mgを1日1回7日間連続筋肉内投与した場合、3、5、7日目の投薬前における平均血漿中濃度は2.4~3.1ng/mLで推移し、単回投与後24時間値(3.6ng/mL)と比較し濃度の上昇は認められなかった。また、連続投与3、5、7日目の投薬後30分値も11.9~14.0ng/mLで、単回投与30分値(10.5ng/mL)にほぼ一致し、連続投与による血漿中濃度の上昇傾向は認められなかった。
16.3 分布
16.3.1 血漿蛋白結合率
14C-チミペロンのin vitroでのヒト血漿蛋白結合率は超遠心分離法で95%以上、平衡透析法で約90~96%、ゲル濾過法では約77~79%であった。なお、14C-チミペロンとヒト血漿蛋白との結合は可逆的であった。
16.3.2 組織移行性
ラットに14C-チミペロンを静脈内あるいは筋肉内に単回投与した場合、放射能は速やかに血中より組織に移行し、血中からの消失に類似して組織からも速やかに消失した。脳内には、抗精神病作用発現本体である未変化体が主として存在し、脳内放射能濃度は投与後4時間まで血漿中濃度の1~4倍を示し、大脳皮質に高く、次いで大脳辺縁系及び脳幹に分布が認められた。
16.4 代謝
ラットでチミペロンはN-脱アルキル化とブチロフェノン側鎖の還元により代謝され、3種の代謝物を生成することが確認されている。ラットでは、脳、血漿及び組織内に未変化体が主として、尿中に主要代謝物として2,3-dihydro-1-(4-piperidinyl)-2-thioxo-1H-benzimidazoleが存在した。
16.5 排泄
ラットに14C-チミペロンを静脈内(0.1mg/kg、2mg/kg)あるいは筋肉内(0.1mg/kg)に単回投与した場合、尿及び糞中への排泄は投与後48時間までにほぼ終了し、投与量の51~54%が尿中に、39~42%が糞中に認められた。また排泄率には投与経路、投与量による相違は認められなかった。また、胆汁中へは投与後24時間で投与量の33%が排泄され、胆汁中に排泄されたチミペロンは腸管から再吸収されることが認められている。

併用禁止 

アドレナリン
(アナフィラキシーの救急治療に使用する場合を除く)
ボスミン
[2.6参照]
アドレナリンの作用を反転させ、重篤な血圧低下を起こすことがある。
アドレナリンはアドレナリン作動性α及びβ刺激薬であるが、本剤のα遮断作用により、β刺激作用が優位となり、血圧降下作用が増強されると考えられている。

併用注意 

中枢神経抑制薬
バルビツール酸誘導体等
中枢神経抑制作用が増強することがある。
用量を調節する。
相互に中枢神経抑制作用を増強すると考えられている。
アルコール
中枢神経抑制作用が増強することがある。
相互に中枢神経抑制作用を増強すると考えられている。
リチウム
類似化合物で心電図変化、重症の錐体外路症状、持続性のジスキネジア、突発性のSyndrome malin(悪性症候群)、非可逆性の脳障害を起こすとの報告がある。
観察を十分に行う。
機序は明らかでないが、ブチロフェノン系薬剤は脳内ドパミン受容体とアデニルシクラーゼ活性を遮断し、リチウムもアデニルシクラーゼ活性を抑制して、相互に中枢神経抑制作用を増強すると考えられている。
メトクロプラミド、ドンペリドン
内分泌機能異常、錐体外路症状が発現しやすくなる。
相互に抗ドパミン作用を増強すると考えられている。
タンドスピロンクエン酸塩
錐体外路症状を増強するおそれがある。
タンドスピロンクエン酸塩が弱い抗ドパミン作用(D2)を有すると考えられている。
ドパミン作動薬
レボドパ等
ドパミン作動薬の作用を減弱することがある。
抗ドパミン作用を有するため、ドパミン作動性神経において、作用が拮抗すると考えられている。
カルバマゼピン
類似化合物(ハロペリドール)で作用が減弱し、運動性興奮や譫妄状態を起こすとの報告がある。
観察を十分に行う。
カルバマゼピンの肝薬物代謝酵素誘導作用により、類似化合物(ハロペリドール)の代謝が促進され、血中濃度が減少(平均60%)するとの報告がある。

重大な副作用 

次の副作用があらわれることがあるので、観察を十分に行い、異常が認められた場合には投与を中止するなど適切な処置を行うこと。
11.1.1 Syndrome malin(悪性症候群)(頻度不明)
無動緘黙、強度の筋強剛、嚥下困難、頻脈、血圧の変動、発汗等が発現し、それに引き続き発熱がみられる場合は、投与を中止し、体冷却、水分補給等の全身管理とともに適切な処置を行うこと。本症発症時には、白血球の増加や血清CKの上昇がみられることが多く、また、ミオグロビン尿を伴う腎機能の低下がみられることがある。なお、高熱が持続し、意識障害、呼吸困難、循環虚脱、脱水症状、急性腎障害へと移行し、死亡した例が報告されている。[9.1.4参照]
11.1.2 麻痺性イレウス(頻度不明)
腸管麻痺(初期症状:食欲不振、悪心・嘔吐、著しい便秘、腹部の膨満あるいは弛緩、腸内容物のうっ滞等)をきたし、麻痺性イレウスに移行することがあるので、腸管麻痺が認められた場合には投与を中止すること。なお、この悪心・嘔吐は本剤の制吐作用により不顕性化することもあるので注意すること。[8.2参照]
11.1.3 遅発性ジスキネジア(頻度不明)
長期投与により、口周部等の不随意運動があらわれ、投与中止後も持続することがある。
11.1.4 無顆粒球症、白血球減少(いずれも頻度不明)
11.1.5 肺塞栓症、深部静脈血栓症(いずれも頻度不明)
肺塞栓症、静脈血栓症等の血栓塞栓症が報告されているので、観察を十分に行い、息切れ、胸痛、四肢の疼痛、浮腫等が認められた場合には、投与を中止するなど適切な処置を行うこと。[9.1.6参照]

その他の副作用 

次の副作用があらわれることがあるので、観察を十分に行い、異常が認められた場合には投与を中止するなど適切な処置を行うこと。

5%以上0.1~5%未満0.1%未満頻度不明
循環器血圧低下、頻脈、徐脈、胸内苦悶感、心電図変化(洞性徐脈、洞性頻脈、洞性不整脈、不完全脚ブロック、T波の変化、QT間隔の延長等)血圧上昇
肝臓ALT上昇等AST上昇、LDH上昇等
錐体外路症状アカシジア(静坐不能)、パーキンソン症候群(手指振戦、固縮、流涎等)ジスキネジア(痙攣性斜頸、顔面及び頸部の攣縮、後弓反張、眼球回転発作、構音障害、舌のもつれ等)、歩行異常嚥下困難
視調節障害、かすみ目
過敏症発疹等
血液白血球増加、血小板減少、血小板増加、血糖値低下、血糖値上昇等
消化器口渇、便秘、食欲不振、悪心、嘔吐、下痢
内分泌乳汁分泌、月経異常血中プロラクチン値上昇
精神神経系眠気、めまい、ふらつき痙攣、意識障害、錯乱、睡眠障害、不安・焦燥、頭痛、興奮・易刺激性、知覚異常等
その他倦怠感、CK上昇脱力感、立ちくらみ、発熱、発汗、鼻閉、排尿障害、総コレステロール上昇、BUN上昇、クレアチニン値上昇、尿蛋白・ウロビリノーゲン・尿糖等の判定が偽陽性ないし陽性化浮腫

注)発現頻度は使用成績調査を含む。

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