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効能・効果/用法・用量 

効能・効果

  • 早産・低出生体重児における原発性無呼吸(未熟児無呼吸発作)

用法・用量

  • アミノフィリン水和物として、初回投与量を4~6mg/kg(本剤0.8~1.2mL/kg)、維持投与量2~6mg/kg/日(本剤0.4~1.2mL/kg/日)を1日2~3回に分けて、緩徐に静脈内注射する。なお、臨床症状、血中濃度に応じて適宜増減する。

禁忌 

【禁忌】

次の患者には投与しないこと

  • 2.1 本剤又は他のキサンチン系薬剤に対し重篤な副作用の既往歴のある患者
  • 2.2 12時間以内にアデノシン(アデノスキャン)を使用する患者[10.1参照]

注意 

9.特定の背景を有する患者に関する注意

9.1 合併症・既往歴等のある患者
9.1.1 重篤な心筋障害等のある患者
心筋刺激作用を有するため症状を悪化させることがある。[8.1参照]
9.1.2 痙攣の既往歴のある患者
痙攣を誘発することがある。[8.1参照]
9.1.3 うっ血性心不全の患者
血中濃度測定等の結果により減量すること。テオフィリンクリアランスが低下し、テオフィリン血中濃度が上昇することがある。[8.1参照]
9.1.4 発熱している患者
テオフィリン血中濃度の上昇や痙攣等の症状があらわれることがある。[8.1参照]
9.1.5 キサンチン系薬剤を投与されていた母体から生まれた患者
血中濃度測定等の結果により減量すること。テオフィリンは胎盤を通過する。[8.1、16.3.1参照]
9.1.6 キサンチン系薬剤を投与されている授乳婦から授乳されている患者
血中濃度測定等の結果により減量すること。テオフィリンは乳汁に移行する。[8.1、16.3.2参照]
9.2 腎機能障害患者
9.2.1 急性腎炎の患者
腎臓に対する負荷を高め、尿蛋白が増加するおそれがある。[8.1参照]
9.2.2 腎障害のある患者
血中濃度測定等の結果により減量すること。テオフィリンクリアランスが低下し、テオフィリン血中濃度が上昇することがある。[8.1参照]
9.3 肝機能障害患者
血中濃度測定等の結果により減量すること。テオフィリンクリアランスが低下し、テオフィリン血中濃度が上昇することがある。[8.1参照]

8.重要な基本的注意

8.1 テオフィリンによる副作用の発現はテオフィリン血中濃度の上昇に起因する場合が多いため、以下の場合についてテオフィリン血中濃度を測定することが望ましい。投与にあたっては副作用の発現に注意しながら慎重に投与すること。[16.8.1参照]
・副作用が発現した場合
・投与量を変更する場合もしくは変更した場合
・特定の背景を有する患者に関する注意に該当する患者に投与する場合[9.参照]
8.2 早産・低出生体重児はクリアランスが児によって大きく異なる。また同一の児でも生後日数とともにクリアランスが変動することから、臨床症状に応じて投与量を調節することが望ましい。

14.適用上の注意

14.1 薬剤調製時の注意
本剤は緩衝性が強く、他剤を本剤のpH域に近づける性質がある。したがって、アルカリ性で不安定な薬剤や酸性の薬剤等とは変化を生ずる場合があるので配合には注意すること。
14.2 薬剤投与時の注意
開封後はできるだけ速やかに使用すること。また、一部を使用した残液は、細菌汚染のおそれがあるので使用しないこと。(本剤は保存剤を含有していない。)

7.用法及び用量に関連する注意

適宜増減の際にはテオフィリン有効血中濃度の上限である15μg/mLを超えないよう注意すること。また、血中濃度の上限付近でも治療に反応しない場合は、投与を中止し、他の治療法への切り替えを考慮すること。

5.効能又は効果に関連する注意

本剤は原発性無呼吸に対する治療薬であるので、本剤投与前に二次性無呼吸の除外診断を行うこと。また、二次性無呼吸を呈する患者には、原疾患に応じ適切な処置を行うこと。

16.薬物動態

16.1 血中濃度
低出生体重児にアミノフィリン水和物を5mg/kgの用量で静脈内投与(ボーラス投与)したときの血漿中テオフィリン濃度推移を下図に示す。
投与直後に平均11.7μg/mLの血漿中濃度を示したのち、1時間後までは速やかに減少し、その後はゆっくりと減少した。t1/2、Vd及びCLはそれぞれ20.6時間、0.57L/kg及び23.5mL/kg/hrであった。
低出生体重児注1)にアミノフィリン水和物を5mg/kgの用量で静脈内投与(ボーラス投与)したときのテオフィリン濃度推移
注1)低出生体重児の在胎齢は29.3±3.6週、出生体重は1325±568g
低出生体重児にアミノフィリン水和物を5mg/kgの用量で静脈内投与(ボーラス投与)したときのテオフィリンの薬物動態パラメータ
在胎週数(weeks)出生体重(g)修正週数(weeks)t1/2(hr)Vd(L/kg)CL(mL/kg/hr)
29.2±3.2
(25-35)
1203±362
(705-1750)
31.9±2.7
(27-35)
20.6±8.0
(7.7-34.0)
0.57±0.15
(0.35-0.82)
23.5±14.2
(9.3-51.8)
平均値±S.D.,注2)n=9,( )内は範囲注2)平均値±S.D.は原著の個々の値から算出した。
16.3 分布
16.3.1 胎盤通過性
母体の血清中テオフィリン濃度が9.69±1.62μg/mL(平均値±S.E.,n=9)のとき、臍帯血の血清中テオフィリン濃度は10.21±1.71μg/mL(n=12)である(外国人データ)。[9.1.5参照]
16.3.2 乳汁移行性
母体の血清中テオフィリン濃度と母乳中テオフィリン濃度比は約1:0.7(n=4)である(外国人データ)。[9.1.6参照]
16.4 代謝
小児・成人とは異なり、早産・低出生体重児では、肝薬物代謝酵素が未発達であり、未変化のテオフィリンのまま腎から排泄される割合が高い。代謝に関与する主な代謝酵素は、小児・成人と同様にCYP1A2であると推察される。その他、代謝物として、小児・成人では認められないカフェイン及びテオブロミンが検出されている(外国人データ)。[10.参照]
16.5 排泄
早産・低出生体重児のデータによると、尿中代謝物の割合は未変化のテオフィリン43~71%、1,3-ジメチル尿酸15~34%、1-メチル尿酸7.9~14%、3-メチルキサンチン0.1~1.3%、カフェイン6.5~11%、テオブロミン2.0~3.8%である(外国人データ)。
16.8 その他
16.8.1 血中濃度と臨床効果、副作用との関係
本剤をはじめとするテオフィリン製剤の投与にあたっては、テオフィリン血中濃度を測定しながら投与量を調節することが望ましい。多くの児では、投与開始から6~10日で定常状態に至るが、有効血中濃度に達していない場合においても慎重に投与する。有効血中濃度は通常5~15μg/mL(中毒域:20μg/mL以上)とされているが、血中濃度の上昇に伴い中枢神経興奮症状や消化器症状等の副作用が発現しやすくなるので、症状をよく観察しながら投与する必要がある。また、血中には代謝物であるカフェインがテオフィリン濃度の約1/3(1/8~1/2)存在するため、テオフィリン血中濃度が有効血中濃度の範囲内であっても、カフェインが臨床効果及び副作用の発現に影響する可能性がある。これらのことから、症状をよく観察しながら投与する必要がある。[8.1、13.1参照]

併用禁忌 

薬剤名等臨床症状・措置方法機序・危険因子
アデノシン
(アデノスキャン)
[2.2参照]
本剤によりアデノシンによる冠血流速度の増加及び冠血管抵抗の減少を抑制し、虚血診断に影響を及ぼすことがある。アデノシン(アデノスキャン)を投与する場合は12時間以上の間隔をあけること。本剤はアデノシン受容体に拮抗するため、アデノシンの作用を減弱させる。

併用注意 

薬剤名等臨床症状・措置方法機序・危険因子
他のキサンチン系薬剤
テオフィリン
ジプロフィリン
カフェイン等
中枢神経興奮薬
エフェドリン塩酸塩
マオウ等
[13.1参照]
過度の中枢神経刺激作用があらわれることがある。
異常が認められた場合には減量又は投与を中止するなど適切な処置を行うこと。
併用により中枢神経刺激作用が増強される。
交感神経刺激剤
(β刺激剤)
イソプレナリン塩酸塩
クレンブテロール塩酸塩
ツロブテロール塩酸塩
テルブタリン硫酸塩
プロカテロール塩酸塩水和物等
低カリウム血症、心・血管症状(頻脈、不整脈等)等のβ刺激剤の副作用症状を増強させることがある。
異常が認められた場合には減量又は投与を中止するなど適切な処置を行うこと。
心刺激作用をともに有しており、β刺激剤の作用を増強するためと考えられる。
低カリウム血症の増強についての機序は不明である。
ハロタン不整脈等の副作用が増強することがある。また、連続併用によりテオフィリン血中濃度が上昇することがある。
異常が認められた場合には減量又は投与を中止するなど適切な処置を行うこと。
テオフィリンとハロタンの心臓に対する作用の相加又は相乗効果と考えられる。
ケタミン塩酸塩痙攣があらわれることがある。
異常が認められた場合には抗痙攣剤の投与など適切な処置を行うこと。
痙攣閾値が低下するためと考えられる。
シメチジン
メキシレチン塩酸塩
プロパフェノン塩酸塩
アミオダロン塩酸塩
ピペミド酸水和物
シプロフロキサシン
ノルフロキサシン
トスフロキサシントシル酸塩水和物
パズフロキサシンメシル酸塩
プルリフロキサシン
エリスロマイシン
クラリスロマイシン
ロキシスロマイシン
チクロピジン塩酸塩
ベラパミル塩酸塩
ジルチアゼム塩酸塩
フルボキサミンマレイン酸塩
フルコナゾール
ジスルフィラム
デフェラシロクス
[13.1参照]
テオフィリンの中毒症状があらわれることがある。
異常が認められた場合には減量又は投与を中止するなど適切な処置を行うこと。
肝薬物代謝酵素が阻害され、テオフィリンクリアランスが低下するため、テオフィリン血中濃度が上昇すると考えられる。
アシクロビル
バラシクロビル塩酸塩
インターフェロン
イプリフラボン
シクロスポリン
アロプリノール
[13.1参照]
テオフィリンの中毒症状があらわれることがある。
異常が認められた場合には減量又は投与を中止するなど適切な処置を行うこと。
テオフィリン血中濃度の上昇によると考えられる。
リファンピシン
フェノバルビタール
ランソプラゾール
リトナビル
テオフィリンの効果が減弱することがある。
テオフィリン血中濃度が低下することがあるので、適切な処置を行うこと。
肝薬物代謝酵素の誘導によりテオフィリンクリアランスが上昇するため、テオフィリン血中濃度が低下すると考えられる。
フェニトイン
カルバマゼピン
テオフィリン及び相手薬の効果が減弱することがある。
テオフィリン血中濃度が低下することがあるので、適切な処置を行うこと。また、相手薬の効果減弱や血中濃度の低下に注意すること。
肝薬物代謝酵素の誘導によりテオフィリンクリアランスが上昇するため、テオフィリン血中濃度が低下すると考えられる。
ジピリダモールジピリダモールの作用を減弱させることがある。アデノシン拮抗作用による。
ラマトロバンラマトロバンの血中濃度が上昇することがある。ラマトロバンの血中濃度上昇についての機序は不明である。
リルゾールリルゾールの作用を増強(副作用発現)するおそれがある。in vitro試験でリルゾールの代謝を阻害することが示唆されている。
タバコ
[13.1参照]
禁煙(禁煙補助剤であるニコチン製剤使用時を含む)によりテオフィリンの中毒症状があらわれることがある。
異常が認められた場合には減量又は投与を中止するなど適切な処置を行うこと。
喫煙により肝薬物代謝酵素が誘導され、テオフィリンクリアランスが上昇し、テオフィリン血中濃度が低下すると考えられる。また、禁煙により血中濃度が上昇すると考えられる。
セイヨウオトギリソウ(St.John's Wort,セント・ジョーンズ・ワート)含有食品本剤の代謝が促進され血中濃度が低下するおそれがあるので、本剤投与時はセイヨウオトギリソウ含有食品を摂取しないよう注意すること。セイヨウオトギリソウにより誘導された肝薬物代謝酵素が本剤の代謝を促進し、クリアランスを上昇させるためと考えられている。

重大な副作用 

次の副作用があらわれることがあるので、観察を十分に行い、異常が認められた場合には投与を中止するなど適切な処置を行うこと。
11.1.1 ショック、アナフィラキシーショック(いずれも頻度不明)
蕁麻疹、蒼白、発汗、血圧低下、呼吸困難等があらわれることがある。
11.1.2 痙攣、意識障害(いずれも頻度不明)
痙攣又はせん妄、昏睡等の意識障害があらわれることがあるので、抗痙攣剤の投与等適切な処置を行うこと。
11.1.3 急性脳症(頻度不明)
痙攣、意識障害等に引き続き急性脳症に至ることがあるので、このような症状があらわれた場合には投与を中止し、抗痙攣剤の投与等適切な処置を行うこと。
11.1.4 横紋筋融解症(頻度不明)
脱力感、筋肉痛、CK上昇等に注意し、このような症状があらわれた場合には投与を中止し、適切な処置を行うとともに横紋筋融解症による急性腎障害の発症に注意すること。
11.1.5 消化管出血(頻度不明)
潰瘍等による消化管出血(吐血、下血等)があらわれることがある。
11.1.6 赤芽球癆(頻度不明)
貧血があらわれることがある。
11.1.7 肝機能障害、黄疸(いずれも頻度不明)
肝機能障害(AST、ALTの上昇等)、黄疸があらわれることがある。
11.1.8 頻呼吸、高血糖症(いずれも頻度不明)
11.1.9 壊死性腸炎、脳室内出血、未熟児網膜症、動脈管開存症、心機能不全、低ナトリウム血症、コーヒー残渣様物質、尿糖、慢性肺疾患、気胸・間質性肺気腫、低カルシウム血症(いずれも頻度不明)

その他の副作用 

次の副作用があらわれることがあるので、観察を十分に行い、異常が認められた場合には投与を中止するなど適切な処置を行うこと。

頻度不明
過敏症発疹、そう痒感、蕁麻疹、紅斑(多形滲出性紅斑等)、固定薬疹
精神神経系頭痛、不眠、神経過敏(興奮、不機嫌、いらいら感)、不安、めまい、耳鳴、振戦、しびれ、不随意運動、筋緊張亢進
循環器顔面潮紅、動悸、頻脈、顔面蒼白、不整脈(心室性期外収縮等)
消化器悪心、嘔吐、食欲不振、腹痛、下痢、腹部膨満感、消化不良(胸やけ等)、しゃっくり
泌尿器蛋白尿、頻尿
代謝異常血清尿酸値上昇、CKの上昇
肝臓AST、ALT、Al-P、LDH、γ-GTPの上昇
血液貧血、好酸球増多
その他むくみ、倦怠感、関節痛、四肢痛、胸痛、発汗、低カリウム血症、鼻出血、しびれ(口、舌周囲)
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