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アスピリン腸溶錠100mg「トーワ」

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効能・効果/用法・用量 

効能・効果

  • ○下記疾患における血栓・塞栓形成の抑制

    • ・狭心症(慢性安定狭心症、不安定狭心症)
    • ・心筋梗塞
    • ・虚血性脳血管障害(一過性脳虚血発作(TIA)、脳梗塞)
  • ○冠動脈バイパス術(CABG)あるいは経皮経管冠動脈形成術(PTCA)施行後における血栓・塞栓形成の抑制
  • ○川崎病(川崎病による心血管後遺症を含む)

用法・用量

  • <狭心症(慢性安定狭心症、不安定狭心症)、心筋梗塞、虚血性脳血管障害(一過性脳虚血発作(TIA)、脳梗塞)における血栓・塞栓形成の抑制、冠動脈バイパス術(CABG)あるいは経皮経管冠動脈形成術(PTCA)施行後における血栓・塞栓形成の抑制に使用する場合>

    • 通常、成人にはアスピリンとして100mgを1日1回経口投与する。
      なお、症状により1回300mgまで増量できる。
  • <川崎病(川崎病による心血管後遺症を含む)に使用する場合>

    • 急性期有熱期間は、アスピリンとして1日体重1kgあたり30~50mgを3回に分けて経口投与する。解熱後の回復期から慢性期は、アスピリンとして1日体重1kgあたり3~5mgを1回経口投与する。
      なお、症状に応じて適宜増減する。

禁忌 

【禁忌】

次の患者には投与しないこと

  • 2.1 本剤の成分又はサリチル酸系製剤に対し過敏症の既往歴のある患者
  • 2.2 消化性潰瘍のある患者[プロスタグランジン生合成抑制作用により、胃の血流量が減少し、消化性潰瘍を悪化させることがある。][9.1.1、11.1.7参照]
  • 2.3 出血傾向のある患者[血小板機能異常が起こることがあるため、出血傾向を助長するおそれがある。][9.1.3、11.1.2参照]
  • 2.4 アスピリン喘息(非ステロイド性消炎鎮痛剤等による喘息発作の誘発)又はその既往歴のある患者[重篤なアスピリン喘息発作を誘発させることがある。][9.1.4、11.1.5参照]
  • 2.5 出産予定日12週以内の妊婦[9.5.1参照]
  • 2.6 低出生体重児、新生児又は乳児[9.7.1参照]

注意 

9.特定の背景を有する患者に関する注意

9.1 合併症・既往歴等のある患者
9.1.1 消化性潰瘍の既往歴のある患者
消化性潰瘍を再発させることがある。[2.2、11.1.7参照]
9.1.2 血液の異常又はその既往歴のある患者
血液の異常を悪化又は再発させるおそれがある。[11.1.4参照]
9.1.3 出血傾向の素因のある患者
出血を増強させるおそれがある。[2.3、11.1.2参照]
9.1.4 気管支喘息のある患者(アスピリン喘息を有する場合を除く)
アスピリン喘息でないことを十分に確認すること。気管支喘息の患者の中にはアスピリン喘息患者も含まれている可能性があり、それらの患者では重篤な喘息発作を誘発させることがある。[2.4、11.1.5参照]
9.1.5 アルコールを常飲している患者
アルコールと同時に服用すると、消化管出血を誘発又は増強することがある。[10.2、11.1.2参照]
9.1.6 手術、心臓カテーテル検査又は抜歯前1週間以内の患者
手術、心臓カテーテル検査又は抜歯時の失血量を増加させるおそれがある。
9.1.7 非ステロイド性消炎鎮痛剤の長期投与による消化性潰瘍のある患者で、本剤の長期投与が必要であり、かつミソプロストールによる治療が行われている患者
本剤を継続投与する場合には、十分経過を観察し、慎重に投与すること。ミソプロストールは非ステロイド性消炎鎮痛剤により生じた消化性潰瘍を効能・効果としているが、ミソプロストールによる治療に抵抗性を示す消化性潰瘍もある。
9.2 腎機能障害患者
9.2.1 腎障害又はその既往歴のある患者
腎障害を悪化又は再発させるおそれがある。
9.3 肝機能障害患者
9.3.1 肝障害又はその既往歴のある患者
肝障害を悪化又は再発させるおそれがある。[11.1.6参照]
9.5 妊婦
9.5.1 出産予定日12週以内の妊婦
投与しないこと。妊娠期間の延長、動脈管の早期閉鎖、子宮収縮の抑制、分娩時出血の増加につながるおそれがある。海外での大規模な疫学調査では、妊娠中のアスピリン服用と先天異常児出産の因果関係は否定的であるが、長期連用した場合は、母体の貧血、産前産後の出血、分娩時間の延長、難産、死産、新生児の体重減少・死亡などの危険が高くなるおそれを否定できないとの報告がある。また、ヒトで妊娠末期に投与された患者及びその新生児に出血異常があらわれたとの報告がある。さらに、妊娠末期のラットに投与した実験で、弱い胎児の動脈管収縮が報告されている。[2.5参照]
9.5.2 妊婦(ただし、出産予定日12週以内の妊婦は除く)又は妊娠している可能性のある女性
治療上の有益性が危険性を上回ると判断される場合にのみ投与すること。シクロオキシゲナーゼ阻害剤(経口剤、坐剤)を妊婦に使用し、胎児の腎機能障害及び尿量減少、それに伴う羊水過少症が起きたとの報告がある。動物実験(ラット)で催奇形性作用があらわれたとの報告がある。妊娠期間の延長、過期産につながるおそれがある。
9.6 授乳婦
授乳中の女性には本剤投与中は授乳を避けさせること。母乳中へ移行することが報告されている。
9.7 小児等
9.7.1 低出生体重児、新生児又は乳児には投与しないこと。錠剤である本剤の嚥下が不能である。[2.6参照]
9.7.2 幼児には本剤の嚥下が可能なことを確認して、慎重に投与すること。
9.7.3 患者の状態を観察しながら慎重に投与すること。小児等では、副作用があらわれやすい。川崎病の治療において肝機能障害の報告があるので、適宜、肝機能検査を行い、注意すること。[8.2、8.3参照]
9.7.4 サリチル酸系製剤の使用実態は我が国と異なるものの、米国においてサリチル酸系製剤とライ症候群との関連性を示す疫学調査報告があるので、本剤を15歳未満の水痘、インフルエンザの患者に投与しないことを原則とするが、やむを得ず投与する場合には、慎重に投与し、投与後の患者の状態を十分に観察すること。
ライ症候群
小児において極めてまれに水痘、インフルエンザ等のウイルス性疾患の先行後、激しい嘔吐、意識障害、痙攣(急性脳浮腫)と肝臓ほか諸臓器の脂肪沈着、ミトコンドリア変形、AST・ALT・LDH・CKの急激な上昇、高アンモニア血症、低プロトロンビン血症、低血糖等の症状が短期間に発現する高死亡率の病態である。
9.7.5 サリチル酸系製剤の使用実態は我が国と異なるものの、米国においてサリチル酸系製剤とライ症候群との関連性を示す疫学調査報告があるので、本剤投与中の15歳未満の川崎病の患者が水痘、インフルエンザを発症した場合には、投与を中断することを原則とするが、やむを得ず投与を継続する場合には、慎重に投与し、投与後の患者の状態を十分に観察すること。
9.8 高齢者
患者の状態を観察しながら慎重に投与すること。一般に腎機能、肝機能などの生理機能が低下しているため、副作用があらわれやすい。

8.重要な基本的注意

8.1 脳梗塞患者への投与にあたっては、他の血小板凝集を抑制する薬剤等との相互作用に注意するとともに、高血圧が持続する患者への投与は慎重に行い、投与中は十分な血圧のコントロールを行うこと。[10.2、11.1.2参照]
8.2 川崎病の急性期に対して投与する場合には、適宜、肝機能検査を行い、異常が認められた場合には減量、休薬等の適切な措置を講ずること。[9.7.3、11.1.6参照]
8.3 川崎病患者(川崎病による心血管後遺症を含む)に対して長期投与する場合には、定期的に臨床検査(尿検査、血液検査及び肝機能検査等)を行うこと。また、異常が認められた場合には減量、休薬等の適切な措置を講ずること。[9.7.3、11.1.6参照]

14.適用上の注意

14.1 薬剤投与時の注意
14.1.1 本剤は腸溶錠であるので、急性心筋梗塞ならびに脳梗塞急性期の初期治療に用いる場合以外は、割ったり、砕いたり、すりつぶしたりしないで、そのままかまずに服用させること。
14.1.2 本剤は空腹時の服用を避けることが望ましい。
14.2 薬剤交付時の注意
PTP包装の薬剤はPTPシートから取り出して服用するよう指導すること。PTPシートの誤飲により、硬い鋭角部が食道粘膜へ刺入し、更には穿孔をおこして縦隔洞炎等の重篤な合併症を併発することがある。

7.用法及び用量に関連する注意

7.1 急性心筋梗塞ならびに脳梗塞急性期の初期治療において、抗血小板作用の発現を急ぐ場合には、初回投与時には本剤をすりつぶしたり、かみ砕いて服用すること。[17.1.1参照]
7.2 心筋梗塞患者及び経皮経管冠動脈形成術(PTCA)施行患者の初期治療においては、常用量の数倍を投与することが望ましい。
7.3 原則として川崎病の診断がつき次第、投与を開始することが望ましい。
7.4 川崎病では発症後数ヵ月間、血小板凝集能が亢進しているので、川崎病の回復期において、本剤を発症後2~3ヵ月間投与し、その後断層心エコー図等の冠動脈検査で冠動脈障害が認められない場合には、本剤の投与を中止すること。冠動脈瘤を形成した症例では、冠動脈瘤の退縮が確認される時期まで投与を継続することが望ましい。
7.5 川崎病の治療において、低用量では十分な血小板機能の抑制が認められない場合もあるため、適宜、血小板凝集能の測定等を考慮すること。

16.薬物動態

16.1 血中濃度
16.1.1 単回投与
健康成人男性6名にアスピリン腸溶錠100mgを空腹時単回経口投与した際の薬物動態パラメータは以下のとおりである。
Cmax(μg/L)tmax(h)AUC(μg・h/L)t1/2(h)
アスピリン455.34.0542.20.44
Cmax:最高血中濃度tmax:最高血中濃度到達時間AUC:血中濃度時間曲線下面積t1/2:半減期(n=6)
なお、本剤は腸溶錠であり、他製剤(アスピリン普通錠等)と比較して吸収が遅延するので、血中アスピリン及びサリチル酸のtmaxが長く、Cmaxは低い(外国人データ)。
16.1.2 生物学的同等性試験
アスピリン腸溶錠100mg「トーワ」とバイアスピリン錠100mgを、クロスオーバー法によりそれぞれ1錠(アスピリンとして100mg)健康成人男子に絶食単回経口投与して血漿中未変化体濃度を測定し、得られた薬物動態パラメータ(AUC、Cmax)について統計解析を行った結果、判定パラメータの対数値の平均値の差がlog(0.90)~log(1.11)で、かつ、溶出試験で規定するすべての条件で溶出速度が同等であったことから、両剤の生物学的同等性が確認された。
判定パラメータ参考パラメータ
AUC0-12(ng・h/mL)Cmax(ng/mL)tmax(h)t1/2(h)
アスピリン腸溶錠100mg「トーワ」787±234508.6±172.25.02±1.680.53±0.37
バイアスピリン錠100mg932±523643.1±451.15.50±1.880.47±0.21
(平均値±標準偏差,n=22)※:n=21
血漿中濃度並びにAUC、Cmax等のパラメータは、被験者の選択、体液の採取回数・時間等の試験条件によって異なる可能性がある。
16.3 分布
サリチル酸は中枢神経系、母乳、胎児組織を含む全身の組織及び体液中に広く分布する。高濃度の分布が認められるのは血漿、肝臓、腎皮質、心臓、肺である。サリチル酸のタンパク結合率は血中濃度依存性を示し、低濃度域(<100μg/mL)では約90%であるのに対し、高濃度域(>400μg/mL)では約75%である。耳鳴等の過量投与の初期徴候は、血中サリチル酸濃度が約200μg/mLに達すると認められる。重度の毒性作用は400μg/mLを超えると発現する(外国人データ)。[13.1参照]
16.4 代謝
アスピリンは腸管での吸収過程及び生体内(主として肝臓)でサリチル酸に加水分解される。サリチル酸はさらに、生体内でグリシン抱合及びグルクロン酸抱合を受け、また、ごく一部は水酸化を受けゲンチジン酸に代謝される。血中濃度の上昇に伴い、サリチル酸代謝能は飽和に達し、全身クリアランスが低下する。毒性用量(10~20g)投与後では、サリチル酸の半減期は20時間を超えるほど延長することがある(外国人データ)。
16.5 排泄
アスピリン腸溶錠100mgを空腹時単回経口投与したとき、投与後24時間までに投与量の大部分がサリシレートとして尿中に排出され、投与24時間の尿中累積排泄率は約90%であった。サリチル酸の腎クリアランスは尿pH依存性を示し、低pHでは5%未満であるが、pH>6.5では80%以上となることから、尿のアルカリ化は過量投与の処置上重要である(外国人データ)。[13.2参照]

併用注意 

薬剤名等臨床症状・措置方法機序・危険因子
抗凝固剤
クマリン系抗凝固剤
ワルファリンカリウム
[8.1、11.1.2参照]
クマリン系抗凝固剤の作用を増強し、出血時間の延長、消化管出血等を起こすことがあるので、クマリン系抗凝固剤を減量するなど慎重に投与すること。本剤は血漿タンパクに結合したクマリン系抗凝固剤と置換し、遊離させる。また、本剤は血小板凝集抑制作用、消化管刺激による出血作用を有する。
抗凝固剤
血液凝固阻止剤
ヘパリン製剤
ダナパロイドナトリウム
第Xa因子阻害剤
リバーロキサバン等
抗トロンビン剤
ダビガトランエテキシラートメタンスルホン酸塩等
トロンボモデュリン アルファ等
[8.1、11.1.2参照]
これら薬剤との併用により、出血の危険性が増大するおそれがあるので、観察を十分に行い、注意すること。本剤は血小板凝集抑制作用を有するため、これら薬剤との併用により出血傾向が増強されるおそれがある。
血小板凝集抑制作用を有する薬剤
チクロピジン塩酸塩
シロスタゾール
クロピドグレル硫酸塩
トロンボキサン合成阻害剤
オザグレルナトリウム
プロスタグランジンE1製剤、E1及びI2誘導体製剤
ベラプロストナトリウム等
サルポグレラート塩酸塩
イコサペント酸エチル等
[8.1、11.1.2参照]
これら薬剤との併用により、出血の危険性が増大するおそれがあるので、観察を十分に行い、注意すること。本剤は血小板凝集抑制作用を有するため、これら薬剤との併用により出血傾向が増強されるおそれがある。
血栓溶解剤
ウロキナーゼ
t-PA製剤等
[8.1、11.1.2参照]
これら薬剤との併用により、出血の危険性が増大するおそれがあるので、観察を十分に行い、注意すること。本剤は血小板凝集抑制作用を有するため、これら薬剤との併用により出血傾向が増強されるおそれがある。
糖尿病用剤
ヒトインスリン
トルブタミド等
糖尿病用剤の作用を増強し、低血糖を起こすことがあるので、糖尿病用剤を減量するなど慎重に投与すること。本剤(高用量投与時)は血漿タンパクに結合した糖尿病用剤と置換し、遊離させる。また、本剤は大量で血糖降下作用を有する。
メトトレキサートメトトレキサートの副作用(骨髄抑制、肝・腎・消化器障害等)が増強されることがある。本剤(高用量投与時)は血漿タンパクに結合したメトトレキサートと置換し、遊離させる。また、本剤はメトトレキサートの腎排泄を阻害すると考えられている。
バルプロ酸ナトリウムバルプロ酸ナトリウムの作用を増強し、振戦等を起こすことがある。本剤(高用量投与時)は血漿タンパクに結合したバルプロ酸ナトリウムと置換し、遊離させる。
フェニトイン総フェニトイン濃度を低下させるが、非結合型フェニトイン濃度を低下させないとの報告があるので、総フェニトイン濃度に基づいて増量する際には臨床症状等を慎重に観察すること。本剤(高用量投与時)は血漿タンパクに結合したフェニトインと置換し、遊離させる。
副腎皮質ホルモン剤
ベタメタゾン
プレドニゾロン
メチルプレドニゾロン等
本剤(高用量投与時)との併用時に副腎皮質ホルモン剤を減量すると、サリチル酸中毒を起こすことが報告されている。また、消化管出血を増強させることが考えられる。機序は不明。
リチウム製剤リチウム中毒を起こすことが報告されている。本剤(高用量投与時)は腎のプロスタグランジンの生合成を抑制し、腎血流量を減少させることにより、リチウムの腎排泄を低下させることが考えられる。
チアジド系利尿剤
ヒドロクロロチアジド等
ループ利尿剤
フロセミド
これらの薬剤の作用を減弱させることが報告されている。本剤は腎のプロスタグランジンの生合成を抑制して、水、塩類の体内貯留が生じ、利尿剤の水、塩類排泄作用に拮抗するためと考えられる。
β遮断剤
プロプラノロール塩酸塩
ピンドロール等
ACE阻害剤
エナラプリルマレイン酸塩等
これらの薬剤の作用を減弱させることが報告されている。本剤は血管拡張作用を有する腎プロスタグランジンの生合成、遊離を抑制し、血圧を上昇させることが考えられる。
ニトログリセリン製剤ニトログリセリンの作用を減弱させることがある。本剤はプロスタグランジンの生合成を抑制することにより、冠動脈を収縮させ、ニトログリセリンの作用を減弱させることが考えられる。
尿酸排泄促進剤
プロベネシド
ベンズブロマロン
これらの薬剤の作用を減弱させることがある。本剤(高用量投与時)はこれらの薬剤の尿酸排泄に拮抗する。
非ステロイド性解熱鎮痛消炎剤
インドメタシン
ジクロフェナクナトリウム等
[8.1、11.1.2参照]
出血及び腎機能の低下を起こすことがある。機序は不明。
イブプロフェン
ナプロキセン
ピロキシカム
スルピリン
本剤の血小板凝集抑制作用を減弱するとの報告がある。血小板のシクロオキシゲナーゼ-1(COX-1)と本剤の結合を阻害するためと考えられる。
炭酸脱水酵素阻害剤
アセタゾラミド等
アセタゾラミドの副作用を増強し、嗜眠、錯乱等の中枢神経系症状、代謝性アシドーシス等を起こすことが報告されている。本剤は血漿タンパクに結合したアセタゾラミドと置換し、遊離させる。
ドネペジル塩酸塩
[11.1.7参照]
消化性潰瘍を起こすことがある。コリン系が賦活され胃酸分泌が促進される。
タクロリムス水和物、シクロスポリン腎障害が発現することがある。腎障害の副作用が相互に増強されると考えられる。
ザフィルルカストザフィルルカストの血漿中濃度が上昇することがある。機序不明。
プロスタグランジンD2、トロンボキサンA2受容体拮抗剤
ラマトロバン、
セラトロダスト
ヒト血漿タンパク結合に対する相互作用の検討(in vitro)において、本剤によりこれらの薬剤の非結合型分率が上昇することがある。これら薬剤が本剤と血漿タンパク結合部位で置換し、遊離型血中濃度が上昇すると考えられる。
選択的セロトニン再取り込み阻害剤(SSRI)
フルボキサミンマレイン酸塩
塩酸セルトラリン等
[8.1、11.1.2参照]
皮膚の異常出血(斑状出血、紫斑等)、出血症状(胃腸出血等)が報告されている。SSRIの投与により血小板凝集が阻害され、本剤との併用により出血傾向が増強すると考えられる。
アルコール
[9.1.5、11.1.2参照]
消化管出血が増強されるおそれがある。アルコールによる胃粘膜障害と本剤のプロスタグランジン合成阻害作用により、相加的に消化管出血が増強すると考えられる。

重大な副作用 

次の副作用があらわれることがあるので、観察を十分に行い、異常が認められた場合には投与を中止するなど適切な処置を行うこと。
11.1.1 ショック、アナフィラキシー(いずれも頻度不明)
ショックやアナフィラキシー(呼吸困難、全身潮紅、血管浮腫、じん麻疹等)があらわれることがある。
11.1.2 出血(頻度不明)
脳出血等の頭蓋内出血(初期症状:頭痛、悪心・嘔吐、意識障害、片麻痺等)、肺出血、消化管出血、鼻出血、眼底出血等があらわれることがある。[2.3、8.1、9.1.3、9.1.5、10.2参照]
11.1.3 中毒性表皮壊死融解症(Toxic Epidermal Necrolysis:TEN)、皮膚粘膜眼症候群(Stevens-Johnson症候群)、はく脱性皮膚炎(いずれも頻度不明)
11.1.4 再生不良性貧血、血小板減少、白血球減少(いずれも頻度不明)[9.1.2参照]
11.1.5 喘息発作(頻度不明)[2.4、9.1.4参照]
11.1.6 肝機能障害、黄疸(いずれも頻度不明)
AST、ALT、γ-GTP等の著しい上昇を伴う肝機能障害や黄疸があらわれることがある。[8.2、8.3、9.3.1参照]
11.1.7 消化性潰瘍、小腸・大腸潰瘍(いずれも頻度不明)
下血(メレナ)を伴う胃潰瘍・十二指腸潰瘍等の消化性潰瘍があらわれることがある。また、消化管出血、腸管穿孔、狭窄・閉塞を伴う小腸・大腸潰瘍があらわれることがある。[2.2、9.1.1、10.2参照]

その他の副作用 

次の副作用があらわれることがあるので、観察を十分に行い、異常が認められた場合には投与を中止するなど適切な処置を行うこと。

頻度不明
消化器胃腸障害、嘔吐、腹痛、胸やけ、便秘、下痢、食道炎、口唇腫脹、吐血、吐き気、悪心、食欲不振、胃部不快感
過敏症じん麻疹、発疹、浮腫
血液貧血、血小板機能低下(出血時間延長)
皮膚そう痒、皮疹、膨疹、発汗
精神神経系めまい、興奮、頭痛
肝臓AST上昇、ALT上昇
腎臓腎障害
循環器血圧低下、血管炎、心窩部痛
呼吸器気管支炎、鼻炎
感覚器角膜炎、結膜炎、耳鳴、難聴
その他過呼吸、代謝性アシドーシス、倦怠感、低血糖
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