薬剤名等 | 臨床症状・措置方法 | 機序・危険因子 |
ヒダントイン系抗てんかん剤 フェニトイン | ヒダントインの血中濃度が上昇し、作用が増強することがある。 異常が認められた場合には本剤を減量するなど適切な処置を行う。 | 血漿蛋白結合の競合的拮抗作用 (本剤の蛋白結合率が高く、併用により作用が増強する。) |
スルホニル尿素系血糖降下剤 クロルプロパミド トルブタミド グリベンクラミド | 血糖降下剤の作用が増強(低血糖)することがある。 血糖値に注意し、異常が認められた場合には本剤を減量するなど適切な処置を行う。 | 血漿蛋白結合の競合的拮抗作用 (本剤の蛋白結合率が高く、併用により作用が増強する。) |
抗凝固剤 ワルファリン ダビガトランエテキシラート等 | 出血の危険性が増大する可能性がある。このような場合には、患者の状態を十分に観察するなど注意すること。 | 本剤は血小板凝集抑制作用を有するため、これら薬剤と併用すると出血を助長するおそれがある。 |
抗血小板剤 クロピドグレル等 | 出血の危険性が増大する可能性がある。このような場合には、患者の状態を十分に観察するなど注意すること。 | 本剤は血小板凝集抑制作用を有するため、これら薬剤と併用すると出血を助長するおそれがある。 |
プロベネシド | 本剤の血中濃度が上昇し、半減期が延長することがある。 異常が認められた場合には本剤を減量するなど適切な処置を行う。 | プロベネシドは、本剤の腎排泄ならびに肝代謝を抑える可能性がある。 |
メトトレキサート | メトトレキサートの血中濃度が上昇し、副作用(骨髄抑制、腎機能不全等)が増強することがある。 異常が認められた場合にはメトトレキサートを減量するなど適切な処置を行う。 | メトトレキサートの腎クリアランス及び尿細管分泌を抑制する。 |
降圧剤 β遮断剤 利尿剤 ACE阻害剤 A-II受容体拮抗剤等 | 降圧作用及び利尿作用が低下することがある。 併用する場合には、定期的に血圧を測定し、用量について注意する。 | 本剤はPGを介する血管拡張作用及び水、Na排泄作用を抑制する。 |
ACE阻害剤 A-II受容体拮抗剤 | 腎障害があらわれることがある。 異常が認められた場合には両剤を減量するなど適切な処置を行う。 | 本剤のPG合成阻害作用により、腎血流量が低下するためと考えられる。 |
リチウム製剤 炭酸リチウム | リチウム中毒(振戦、悪心、嘔吐等)を起こすことがある。 定期的にリチウムの血中濃度を測定し、異常が認められた場合にはリチウム製剤を減量するなど適切な処置を行う。 | 本剤はリチウムの腎クリアランスを低下させ、血中濃度を上昇させる。 |
ジドブジン | ジドブジンの血中濃度が上昇し、副作用(骨髄抑制等)があらわれるおそれがある。 定期的に血液検査を行うなど観察を十分行い、異常が認められた場合には、適切な処置を行う。 | ジドブジンの代謝を抑制する。 |
ニューキノロン系抗菌剤 エノキサシン等 | 痙攣発作が増強するおそれがある。 異常が認められた場合には両剤の投与を中止し、適切な処置を行う。 | ニューキノロン系抗菌剤の持つGABA結合阻害作用が考えられる。 |
イグラチモド [11.1.4参照] | 胃腸障害の発現率が増加するおそれがあるので、特に消化性潰瘍があらわれた場合には本剤の投与を中止し、適切な処置を行うこと。 | 両剤ともにPG生合成阻害作用を有する。 |
アスピリン製剤 (抗血小板剤として投与している場合) | アスピリンの血小板凝集抑制作用を減弱するとの報告がある。 | 本剤が血小板シクロオキシゲナーゼ-1(COX-1)とアスピリンの結合を阻害するためと考えられる。 |