薬剤名等 | 臨床症状・措置方法 | 機序・危険因子 |
尿酸排泄促進剤 プロベネシド ベンズブロマロン | 尿酸排泄促進剤の尿酸排泄作用を減弱させる。 | 本剤が尿酸排泄促進剤の尿酸排泄に拮抗する。 |
抗凝固剤 クマリン系抗凝固剤 ワルファリンカリウム [8.1、11.1.2参照] | クマリン系抗凝固剤の作用を増強し、出血時間の延長、消化管出血等を起こすことがあるので、クマリン系抗凝固剤を減量するなど、慎重に投与すること。 | 本剤は血漿蛋白に結合したクマリン系抗凝固剤と置換し、遊離させる。また、本剤は血小板凝集抑制作用、消化管刺激による出血作用を有する。 |
抗凝固剤 血液凝固阻止剤 ヘパリン製剤 ダナパロイドナトリウム 第Xa因子阻害剤 リバーロキサバン等 抗トロンビン剤 ダビガトランエテキシラートメタンスルホン酸塩等 トロンボモデュリンアルファ等 [8.1、11.1.2参照] | これら薬剤との併用により、出血の危険性が増大するおそれがあるので、観察を十分に行い、注意すること。 | 本剤は血小板凝集抑制作用を有するため、これら薬剤との併用により出血傾向が増強されるおそれがある。 |
血小板凝集抑制作用を有する薬剤 チクロピジン塩酸塩 シロスタゾール クロピドグレル硫酸塩 トロンボキサン合成酵素阻害剤 オザグレルナトリウム プロスタグランジンE1製剤、E1及びI2誘導体製剤 ベラプロストナトリウム等 サルポグレラート塩酸塩 イコサペント酸エチル等 [8.1、11.1.2参照] | これら薬剤との併用により、出血の危険性が増大するおそれがあるので、観察を十分に行い、注意すること。 | 本剤は血小板凝集抑制作用を有するため、これら薬剤との併用により出血傾向が増強されるおそれがある。 |
血栓溶解剤 ウロキナーゼ t-PA製剤等 [8.1、11.1.2参照] | これら薬剤との併用により、出血の危険性が増大するおそれがあるので、観察を十分に行い、注意すること。 | 本剤は血小板凝集抑制作用を有するため、これら薬剤との併用により出血傾向が増強されるおそれがある。 |
糖尿病用剤 インシュリン製剤 トルブタミド等 | 血糖降下作用を増強することがあるので注意し、必要があれば減量する。 | サリチル酸自身が血糖降下作用をもつ。また、血漿蛋白と結合したスルホニル尿素系血糖降下剤(トルブタミド等)と置換し、遊離のスルホニル尿素系血糖降下剤が増加すると考えられている。 |
メトトレキサート | メトトレキサートの副作用(骨髄抑制、肝・腎・消化管障害等)が増強されることがある。 | 本剤(高用量投与時)は血漿蛋白に結合したメトトレキサートと置換し、遊離させる。また、本剤はメトトレキサートの腎排泄を阻害すると考えられている。 |
リチウム製剤 | 血中リチウム濃度を上昇させ、リチウム中毒を起こすおそれがある。 | 本剤の腎におけるプロスタグランジン生合成抑制作用により、リチウムの腎排泄が減少し、血中濃度が上昇するためと考えられる。 |
チアジド系利尿剤 | 利尿・降圧作用を減弱するおそれがある。 | 本剤の腎におけるプロスタグランジン生合成抑制作用により、水・ナトリウムの排泄を減少させるためと考えられている。 |
フロセミド アゾセミド ピレタニド | 本剤の副作用が増強することがある。 | 腎の排泄部位にて本剤と競合する。 |
非ステロイド性消炎鎮痛剤 インドメタシン ジクロフェナクナトリウム等 [7.6、8.1、11.1.2参照] | 非ステロイド性消炎鎮痛剤の血中濃度が低下し作用を減弱することがある。 | 非ステロイド性消炎鎮痛剤の吸収阻害あるいは血漿蛋白結合部位での遊離置換が考えられている。 |
非ステロイド性消炎鎮痛剤 インドメタシン ジクロフェナクナトリウム等 [7.6、8.1、11.1.2参照] | 出血を増加し、腎機能低下をもたらすことがある。 | 機序は不明である。 |
イブプロフェン ナプロキセン ピロキシカム スルピリン | 本剤の血小板凝集抑制作用を減弱するとの報告がある。 | 血小板のシクロオキシゲナーゼ-1(COX-1)と本剤の結合を阻害するためと考えられる。 |
オキシカム系消炎鎮痛剤 ピロキシカム等 | 両剤又は一方の薬剤の副作用の発現頻度を増加させるおそれがある。 | 機序は不明である。 |
ニトログリセリン | ニトログリセリンの作用を減弱するおそれがある。 | 本剤は血管内皮細胞から産生され血管拡張作用を有するプロスタグランジンI2等の生合成を阻害し、ニトログリセリンの血管拡張作用を減弱させる可能性が考えられる。 |
テトラサイクリン系抗生物質 ニューキノロン系抗菌剤 | テトラサイクリン系抗生物質またはニューキノロン系抗菌剤の作用を減弱させ、抗菌力が低下する。 | 制酸緩衝剤ダイアルミネートが消化管内でテトラサイクリン系抗生物質又はニューキノロン系抗菌剤と難溶性のキレートを作り、これらの医薬品の消化管からの吸収を阻害し、血中濃度が低下するためと考えられている。 |
副腎皮質ホルモン剤 ベタメタゾン コルチゾン酢酸エステル メチルプレドニゾロン等 | 高用量の本剤とこれらの薬剤の併用時、これらの薬剤を減量する際、本剤の血中濃度が増加し、サリチル酸中毒を起こすことが報告されているので、併用する場合には用量に注意する。 | 副腎皮質ホルモン剤は、サリチル酸の腎排泄と肝代謝を著しく増加し、サリチル酸濃度を治療域以下にするといわれており、副腎皮質ホルモン剤との併用時には、サリチル酸の投与量を増量することがあるので、副腎皮質ホルモン剤を減量又は中止するときには注意する。 |
乳酸ナトリウム | 本剤の尿中排泄を増加することがある。 | 乳酸ナトリウムのアルカリ化作用により、本剤の尿中排泄が促進するためと考えられる。 |
バルプロ酸ナトリウム | バルプロ酸ナトリウムの作用を増強し、振戦等を起こすことがある。 | アスピリンは血漿蛋白に結合したバルプロ酸ナトリウムと置換し、遊離させる。 |
フェニトイン | 総フェニトイン濃度を低下させるが、非結合型フェニトイン濃度を低下させないとの報告があるので、総フェニトイン濃度に基づいて増量する際には臨床症状等を慎重に観察すること。 | 本剤(高用量投与時)は血漿蛋白に結合したフェニトインと置換し、遊離させる。 |
アセタゾラミド | アセタゾラミドの副作用を増強し、嗜眠、錯乱等の中枢神経系症状、代謝性アシドーシス等を起こすことが報告されている。 | アスピリンは血漿蛋白に結合したアセタゾラミドと置換し、遊離させる。 |
アンジオテンシン変換酵素阻害剤(ACE阻害剤) | ACE阻害剤の降圧作用が減弱することがある。 | 本剤はACE阻害剤のプロスタグランジン生合成作用に拮抗する。 |
β-遮断剤 | β-遮断剤の降圧作用が減弱することがある。 | 本剤がプロスタグランジン生合成を抑制し、β-遮断剤の降圧作用に拮抗する。 |
ドネペジル塩酸塩 [11.1.7参照] | 消化性潰瘍を起こすことがある。 | コリン系が賦活され胃酸分泌が促進される。 |
タクロリムス水和物 シクロスポリン | 腎障害が発現することがある。 | 腎障害の副作用が相互に増強されると考えられる。 |
ザフィルルカスト | ザフィルルカストの血漿中濃度が上昇することがある。 | 機序は不明である。 |
プロスタグランジンD2、トロンボキサンA2受容体拮抗剤 (セラトロダスト、ラマトロバン) | ヒト血漿蛋白結合に対する相互作用の検討(in vitro)において、本剤によりこれら薬剤の非結合型分率が上昇することがある。 | これら薬剤が本剤と血漿蛋白結合部位で置換し、遊離型血中濃度が上昇すると考えられる。 |
選択的セロトニン再取り込み阻害剤(SSRI) フルボキサミンマレイン酸塩 塩酸セルトラリン等 [8.1、11.1.2参照] | 皮膚の異常出血(斑状出血、紫斑等)、出血症状(胃腸出血等)が報告されている。 | SSRIの投与により血小板凝集が阻害され、本剤との併用により出血傾向が増強すると考えられる。 |
アルコール [9.1.6、11.1.2参照] | 消化管出血が増強されるおそれがある。 | アルコールによる胃粘膜障害と本剤のプロスタグランジン合成阻害作用により、相加的に消化管出血が増強すると考えられる。 |