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効能・効果/用法・用量 

効能・効果

  • 頻脈性不整脈

用法・用量

  • 通常、成人には1回0.1mL/kg(シベンゾリンコハク酸塩として1.4mg/kg)を必要に応じて生理食塩液又はブドウ糖液にて希釈し、血圧及び心電図監視下2~5分間かけて静脈内に注射する。
    なお、年齢、症状により適宜減量する。

禁忌 

【禁忌】

次の患者には投与しないこと

  • 2.1 高度の房室ブロック、高度の洞房ブロックのある患者[心停止を起こすおそれがある。][9.1.2参照]
  • 2.2 うっ血性心不全のある患者[心機能抑制作用及び催不整脈作用により、心不全を悪化させるおそれがある。また、循環不全により肝・腎障害があらわれるおそれがある。]
  • 2.3 透析中の患者[9.2.1参照]
  • 2.4 閉塞隅角緑内障の患者[抗コリン作用により眼圧が上昇し、症状を悪化させることがある。]
  • 2.5 尿貯留傾向のある患者[抗コリン作用により、尿閉を悪化させるおそれがある。]
  • 2.6 本剤の成分に対し過敏症の既往歴のある患者
  • 2.7 バルデナフィル塩酸塩水和物、モキシフロキサシン塩酸塩、ラスクフロキサシン塩酸塩(注射剤)、トレミフェンクエン酸塩、フィンゴリモド塩酸塩、シポニモド フマル酸又はエリグルスタット酒石酸塩を投与中の患者[10.1参照]

注意 

9.特定の背景を有する患者に関する注意

9.1 合併症・既往歴等のある患者
9.1.1 基礎心疾患(心筋梗塞、弁膜症、心筋症等)のある患者
心不全を来すおそれのある患者では、少量を投与するなど投与量に注意し、慎重に観察しながら投与すること。心停止に至ることがある。心室頻拍、心室細動が発現するおそれが高い。[8.1参照]
9.1.2 刺激伝導障害(房室ブロック、洞房ブロック、脚ブロック等)のある患者(高度の房室ブロック、高度の洞房ブロックのある患者は除く)[2.1参照]
9.1.3 著明な洞性徐脈のある患者
9.1.4 治療中の糖尿病患者
血糖値に注意すること。低血糖があらわれるおそれがある。[10.2参照]
9.1.5 血清カリウム低下のある患者
心電図変化に注意すること。催不整脈作用が誘発されやすい。
9.1.6 開放隅角緑内障の患者
抗コリン作用により眼圧が上昇し、症状を悪化させることがある。
9.1.7 他の抗不整脈薬を併用している患者
少量を投与するなど投与量に注意し、慎重に観察しながら投与すること。心停止に至ることがある。併用時の有効性、安全性は確立していない。[8.1参照]
9.2 腎機能障害患者
9.2.1 透析中の患者
投与しないこと。急激な血中濃度上昇により意識障害を伴う低血糖などの重篤な副作用を起こしやすい。本剤は透析ではほとんど除去されない。[2.3参照]
9.2.2 腎機能障害患者(透析中の患者を除く)
少量を投与するなど投与量に十分に注意し、慎重に観察しながら投与すること。心停止に至ることがある。本剤は腎臓からの排泄により体内から消失する薬剤であり、血中濃度が高くなりやすい。[8.1、8.2参照]
9.3 肝機能障害患者
9.3.1 重篤な肝機能障害のある患者
9.5 妊婦
妊婦又は妊娠している可能性のある女性には、治療上の有益性が危険性を上回ると判断される場合にのみ投与すること。
9.6 授乳婦
治療上の有益性及び母乳栄養の有益性を考慮し、授乳の継続又は中止を検討すること。動物実験(ラット)で本剤の乳汁中移行が報告されている。
9.7 小児等
小児等を対象とした臨床試験は実施していない。
9.8 高齢者
腎機能障害のある患者に準じて投与すること。腎機能が低下していることが多く、血中濃度が高くなることがある。必ず血圧及び心電図の連続監視を行い、少量(例えば、0.05mL/kg)を投与するなど投与量に注意し、慎重に観察しながら投与すること。心停止に至ることがある。肝・腎機能が低下していることが多く、また、体重が少ない傾向があるなど副作用が発現しやすい。[8.1、8.2、16.6.1参照]

8.重要な基本的注意

8.1 本剤の投与に際しては必ず血圧及び心電図の連続監視を行うこと。QRS・QTの延長、徐脈、過度の血圧低下等の異常が認められた場合には直ちに投与を中止すること。[9.1.1、9.1.7、9.2.2、9.8、11.1.1、11.1.3参照]
8.2 本剤の投与後は、臨床検査(血液検査、肝・腎機能検査、血糖検査等)を実施し、異常変動に留意すること。特に高齢者及び腎機能障害患者では、血中濃度上昇により低血糖が、また、基礎心疾患のある患者では、心機能抑制作用及び催不整脈作用に起因する循環不全によって肝・腎障害があらわれることがあるので、このような場合には投与を中止すること。[9.2.2、9.8、11.1.4、16.6.1参照]
8.3 本剤は心臓ペーシング閾値を上昇させる場合があるので、恒久的ペースメーカー使用中、あるいは一時的ペーシング中の患者に対しては十分注意して投与すること。異常が認められた場合には直ちに投与を中止すること。
8.4 経口投与が可能となった後は、1時間後を目安に速やかに経口投与に切り換えること。
8.5 投与中に不整脈が消失した場合は、患者の状態を観察しながら投与を中止すること。
8.6 本剤には抗コリン作用があり、その作用に基づくと思われる排尿障害、口渇、霧視、視調節障害等の症状があらわれることがあるので注意して投与すること。

16.薬物動態

16.1 血中濃度
不整脈患者(12例)にシベンゾリンコハク酸塩1.4mg/kgを静脈内投与した場合、血漿中濃度は見掛け上3相性で消失し、最終相の消失半減期は7.0時間であった。
基礎疾患として急性心筋梗塞を有する不整脈患者(7例)と有さない不整脈患者(4例)に、シベンゾリンコハク酸塩1.4mg/kgを静脈内投与し、その体内動態を比較したところ、血漿中濃度は両群ともほぼ同様の推移を示し、急性心筋梗塞の有無に影響されなかった。
不整脈患者にシベンゾリンコハク酸塩を1.4mg/kg静脈内投与後の血漿中シベンゾリン濃度
t1/2(h)AUC0-∞(ng・h/mL)CLt(mL/min)
7.0±2.41,467±726742±266
(n=12,平均±S.D.)
16.4 代謝
14C標識シベンゾリンをヒト肝ミクロゾーム又はヒトCYP発現系ミクロゾームと反応させ、代謝反応に関与するP450分子種を検討した結果、p-ヒドロキシ体及びデヒドロ体の生成にはそれぞれCYP2D6及びCYP3A4(一部CYP2D6)が主に関与していることが示唆された。[10.参照]
16.5 排泄
健康成人(6例)にシベンゾリンコハク酸塩1.4mg/kgを静脈内投与した場合、尿中への未変化体の平均排泄率は65.1%であった。
また、外国において健康成人(5例)に、14C標識シベンゾリンコハク酸塩153mgを単回経口投与した場合、尿中への放射能排泄率は最初の24時間で投与量の75.4%、6日間では85.7%であった。糞便中へは6日間で投与量の13.2%が排泄された。なお、ヒトでの代謝物は最初の24時間尿中にデヒドロ体とp-ヒドロキシ体がそれぞれ2.8%及び3.4%(抱合体を含む)排泄された。[10.参照]
16.6 特定の背景を有する患者
16.6.1 高齢者
高齢患者では、若年患者に比べてシベンゾリンの血漿中濃度の消失半減期は延長し、AUCは増大し、全身クリアランスは減少した。[8.2、9.8参照]

併用禁忌 

薬剤名等臨床症状・措置方法機序・危険因子
バルデナフィル塩酸塩水和物
(レビトラ)
モキシフロキサシン塩酸塩
(アベロックス)
ラスクフロキサシン塩酸塩(注射剤)
(ラスビック点滴静注)
トレミフェンクエン酸塩
(フェアストン)
フィンゴリモド塩酸塩
(イムセラ、ジレニア)
シポニモド フマル酸
(メーゼント)
エリグルスタット酒石酸塩
(サデルガ)
[2.7参照]
心室頻拍(Torsades de Pointesを含む)、QT延長を起こすおそれがある。本剤及びこれらの薬剤はいずれもQT間隔を延長させるおそれがあるため、併用により相加的に作用が増強するおそれがある。

併用注意 

薬剤名等臨床症状・措置方法機序・危険因子
β-受容体遮断剤
プロプラノロール
本剤の作用が増強される可能性がある。機序は明らかではないが、動物実験において本剤とこれらの薬剤との併用による作用増強の可能性が報告されている。
糖尿病用薬
インスリン製剤
スルホニルウレア系薬剤
ビグアナイド系薬剤
チアゾリジン系薬剤
速効型インスリン分泌促進剤
α-グルコシダーゼ阻害剤
GLP-1受容体作動薬
DPP-4阻害剤
SGLT2阻害剤

[9.1.4参照]
低血糖があらわれるおそれがある。動物実験において、本剤高用量投与時にインスリン分泌亢進が認められるとの報告があり、これらの薬剤との併用により血糖降下作用が増強される可能性がある。

重大な副作用 

次の副作用があらわれることがあるので、観察を十分に行い、異常が認められた場合には投与を中止するなど適切な処置を行うこと。
11.1.1 催不整脈作用
心室細動、心室頻拍(Torsades de Pointesを含む)(いずれも頻度不明)、上室性不整脈(1%未満)があらわれ、心停止に至る場合もある。心電図に異常な変動が観察された場合には、投与を中止し、抗不整脈薬を投与するなど適切な処置を行うこと。[8.1参照]
11.1.2 ショック、アナフィラキシー(いずれも頻度不明)
胸内苦悶、冷汗、呼吸困難、血圧低下、発疹、浮腫等があらわれた場合には、投与を中止し、適切な処置を行うこと。
11.1.3 心不全、心原性ショック(いずれも頻度不明)
心機能に異常な変動が観察された場合には、投与を中止し、ドパミンの投与等適切な処置を行うこと。[8.1参照]
11.1.4 循環不全による肝障害(頻度不明)
本剤の心機能抑制作用及び催不整脈作用に起因する循環不全によって重篤な肝障害(トランスアミナーゼ、LDHの急激な上昇を特徴とするショック肝)があらわれることがある。このような場合には、投与を中止し、早急にドパミンの投与等心機能改善のための処置を行うとともに、必要に応じ肝庇護療法など適切な処置を行うこと。なお、このような症例では、腎障害を伴うことがある。[8.2参照]
11.1.5 肝機能障害、黄疸(いずれも頻度不明)
AST、ALT、γ-GTP等の上昇を伴う肝機能障害、黄疸があらわれることがある。

その他の副作用 

次の副作用があらわれることがあるので、観察を十分に行い、異常が認められた場合には投与を中止するなど適切な処置を行うこと。

1~3%未満1%未満頻度不明
循環器QRS幅延長、脚ブロック、動悸QTc延長、徐脈、血圧低下、PQ延長、房室ブロック
代謝注)低血糖
肝臓AST上昇、ALT上昇
血液白血球減少、血小板減少
泌尿器尿閉、排尿困難等の排尿障害
腎臓BUN上昇、クレアチニン上昇
霧視等の視調節障害
消化器口渇悪心、腹痛
精神神経系しびれ頭痛、めまい、発汗
その他ほてり胸痛下肢冷感、血管痛

注)低血糖症状(意識障害、錯乱等)が出現した場合には、投与を中止し、必要に応じブドウ糖を投与すること。

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