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フォルテオ皮下注キット600μg、他

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効能・効果/用法・用量 

効能・効果

  • 骨折の危険性の高い骨粗鬆症

用法・用量

  • 通常、成人には1日1回テリパラチド(遺伝子組換え)として20μgを皮下に注射する。
    なお、本剤の投与は24ヵ月間までとすること。

禁忌 

【禁忌】

次の患者には投与しないこと

  • 2.1 高カルシウム血症の患者[8.2、10.2参照]
  • 2.2 次に掲げる骨肉腫発生のリスクが高いと考えられる患者[15.2参照]

    • ・骨ページェット病の患者
    • ・原因不明のアルカリフォスファターゼ高値を示す患者
    • ・小児等及び若年者で骨端線が閉じていない患者[9.7参照]
    • ・過去に骨への影響が考えられる放射線治療を受けた患者
  • 2.3 原発性の悪性骨腫瘍もしくは転移性骨腫瘍のある患者[症状を悪化させるおそれがある。]
  • 2.4 骨粗鬆症以外の代謝性骨疾患の患者(副甲状腺機能亢進症等)[症状を悪化させるおそれがある。]
  • 2.5 妊婦又は妊娠している可能性のある女性及び授乳婦[9.5、9.6参照]
  • 2.6 本剤の成分又はテリパラチド酢酸塩に対し過敏症の既往歴のある患者

注意 

9.特定の背景を有する患者に関する注意

9.1 合併症・既往歴等のある患者
9.1.1 尿路結石のある患者及びその既往歴のある患者
症状を悪化させるおそれがある。
9.1.2 心疾患のある患者
患者の状態を観察し、病態の悪化がないか注意しながら本剤を投与すること。副甲状腺ホルモンは血管平滑筋の拡張作用や心筋への陽性変時・陽性変力作用を示すことが報告されている。
9.1.3 閉経前の骨粗鬆症患者
ステロイド性骨粗鬆症以外の閉経前骨粗鬆症患者を対象とした有効性及び安全性を指標とした臨床試験は実施していない。
9.2 腎機能障害患者
定期的に腎機能検査を行うこと。
9.2.1 重度の腎機能障害患者
外国の臨床薬理試験において、重度の腎機能障害患者では血中からのテリパラチドの消失に遅延が認められている。[16.6.2参照]
9.3 肝機能障害患者
9.3.1 重度の肝機能障害患者
臨床試験では重度の肝機能障害患者は除外されている。
9.4 生殖能を有する者
妊娠する可能性のある女性には、治療上の有益性が危険性を上回ると判断される場合にのみ投与すること。また、本剤投与期間中は有効な避妊を行うよう指導すること。[9.5参照]
9.5 妊婦
妊婦又は妊娠している可能性のある女性には投与しないこと。ウサギでは妊娠によって毒性が強く発現するとともに胎児毒性(胚死亡)がみられ、マウスでは胎児の骨格変異又は異常のわずかな増加、ラットでは出生児の体重増加抑制及び自発運動量の低下が認められている。[2.5、9.4参照]
9.6 授乳婦
投与しないこと。本剤がヒト乳汁中へ移行するかどうかは不明である。[2.5参照]
9.7 小児等
小児等及び若年者で骨端線が閉じていない患者には投与しないこと。小児等を対象とした臨床試験は実施していないが、これらの患者では、一般に骨肉腫発生のリスクが高いと考えられている。[2.2参照]
9.8 高齢者
一般に高齢者では生理機能が低下していることが多い。

8.重要な基本的注意

8.1 本剤投与直後から数時間後にかけて、ショック、一過性の急激な血圧低下に伴う意識消失、痙攣、転倒があらわれることがある。投与開始後数ヵ月以上を経て初めて発現することもあるので、本剤投与時には以下の点に留意するよう患者に指導すること。
・投与後30分程度はできる限り安静にすること。
・投与後に血圧低下、めまい、立ちくらみ、動悸、気分不良、悪心、顔面蒼白、冷汗等が生じた場合には、症状がおさまるまで座るか横になること。
[11.1.2参照]
8.2 本剤の薬理作用により、投与後約4から6時間を最大として一過性の血清カルシウム値上昇がみられる。また、血清カルシウム値は投与後16時間でほぼ基準値まで下降することが知られているため、本剤投与患者における血清カルシウム値を測定評価する場合は、本剤投与後16時間以降の測定値を評価基準とすること。本剤の投与にあたっては、患者に十分な説明を行い、特に、嘔気・嘔吐、便秘、嗜眠及び筋力低下等の持続性の血清カルシウム値上昇が疑われる症状が認められた場合は、速やかに診察を受けるように指導すること。持続性高カルシウム血症の診断は、血清カルシウム値と測定時点を考慮し、持続性高カルシウム血症と判断された場合は、本剤の投与を中止すること。[2.1、10.2参照]
8.3 起立性低血圧、めまいがあらわれることがあるので、高所での作業、自動車の運転等危険を伴う作業に従事する場合には注意させること。
8.4 本剤の自己注射にあたっては、患者に十分な教育訓練を実施したのち、患者自ら確実に投与できることを確認した上で、医師の管理指導のもとで実施すること。また、器具の安全な廃棄方法について指導を徹底すること。添付されている取扱説明書を必ず読むよう指導すること。

14.適用上の注意

14.1 薬剤投与時の注意
14.1.1 本剤は皮下注射のみに使用し、注射部位を腹部及び大腿部とし、広範に順序よく移動して注射すること。
14.1.2 本剤はJIS T 3226-2に準拠したA型専用注射針を用いて使用すること。本剤はA型専用注射針との適合性の確認をBDマイクロファインプラス及びナノパスニードルで行っている。
14.1.3 本剤とA型専用注射針との装着時に液漏れ等の不具合が認められた場合には、新しい注射針に取り替えるなどの処置方法を患者に十分指導すること。
14.1.4 1本を複数の患者に使用しないこと。

7.用法及び用量に関連する注意

7.1 本剤を投与期間の上限を超えて投与したときの安全性は確立していないので、本剤の適用にあたっては、投与期間の上限を守ること。[15.2、17.1.1、17.1.2参照]
7.2 本剤の投与をやむを得ず一時中断したのちに再投与する場合であっても、投与日数の合計が24ヵ月を超えないこと。また、24ヵ月の投与終了後、再度24ヵ月の投与を繰り返さないこと。
7.3 テリパラチド酢酸塩製剤から本剤に切り替えた臨床試験は実施しておらず、その安全性は確立していない。なお、テリパラチド酢酸塩製剤から本剤に切り替えたときにおける本剤の投与期間の上限は検討されていない。[15.2参照]
7.4 アバロパラチド製剤から本剤に切り替えた臨床試験は実施しておらず、その安全性は確立していない。

5.効能又は効果に関連する注意

本剤の適用にあたっては、低骨密度、既存骨折、加齢、大腿骨頸部骨折の家族歴等の骨折の危険因子を有する患者を対象とすること。

16.薬物動態

16.1 血中濃度
16.1.1 単回投与
日本人閉経後健康女性18例にテリパラチド10、20、40、60μgを単回皮下投与注1)したときの血清中テリパラチド濃度は、投与0.25時間(tmaxの中央値)にピークに達した後、速やかに消失した。消失半減期は1時間未満であった。
表1)日本人閉経後健康女性にテリパラチド20μgを単回皮下投与したときのテリパラチドの薬物動態パラメータ
AUC0-t(pg・hr/mL)a)Cmax(pg/mL)a)tmax(hr)b)t1/2(hr)c)
222(53.0)227(35.7)0.25(0.25-0.75)0.708(0.479-1.21)
a)幾何平均値(CV%):n=18b)中央値(範囲):n=18c)幾何平均値(範囲):n=17
外国人健康成人22例(男性11例、女性11例)にテリパラチド20μgを単回皮下投与したときのAUC0-∞及びCmaxは、男性被験者でそれぞれ229pg・hr/mL及び112.7pg/mLであり、女性被験者ではそれぞれ281pg・hr/mL及び125.7pg/mLであった。
16.1.2 反復投与
外国人閉経後健康女性24例にテリパラチド40μgを14日間1日1回反復皮下投与注1)したとき、投与1日目(18例)及び14日目(16例)のCmaxはそれぞれ479pg/mL、438pg/mL、投与後2.5時間までのAUCはそれぞれ802pg・hr/mL、767pg・hr/mLであり、蓄積性は認められなかった。
第II相臨床試験でテリパラチド10、20又は40μgを投与注1)された日本人閉経後骨粗鬆症患者94例から得た血清中テリパラチド濃度データを用いて、母集団薬物動態解析により薬物動態パラメータを推定した。テリパラチド20μgを皮下投与したときのAUC及びCmaxはそれぞれ373.7pg・hr/mL及び229.5pg/mLと推定された。体重はテリパラチドの薬物動態に有意な影響を及ぼすと推定され、体重が増加するに従いCmaxは低下すると予測された。
表2)日本人閉経後骨粗鬆症患者におけるテリパラチドの母集団薬物動態パラメータ
パラメータ母集団パラメータ推定値個体間変動
吸収速度定数 Ka(hr-117.5
見かけのクリアランス CL/F(L/hr)54.328.9%
見かけの分布容積 V/F(L)80.136.5%
V/Fに対する体重の影響a)1.62
CL/FとV/Fの相互作用の項0.0606
残差変動(比例誤差)25.9%
a)V/F=80.1×(体重/47.4)1.62、47.4は解析対象患者における体重の中央値
図1)日本人閉経後骨粗鬆症患者にテリパラチド20μgを皮下投与したときの血清中テリパラチド濃度推移の予測
16.2 吸収
外国人健康成人22例(男性11例、女性11例)にテリパラチド20、40及び80μgを単回皮下投与注1)、並びに17.54μgを単回静脈内投与注1)したときの血清中テリパラチド濃度を用い、母集団薬物動態解析により推定したテリパラチドを皮下投与したときの絶対的バイオアベイラビリティは、約95%であった。また、外国人骨粗鬆症患者360例(女性)及び251例(男性)を対象とした母集団薬物動態解析により投与部位による違いを検討した結果、腹部に皮下注射するときに比べ、大腿部に皮下注射したときにCmaxが約15~20%低下すると推定されたが、CL/Fに投与部位による有意な差は認められず、AUCに差はないと推測された。
16.6 特定の背景を有する患者
16.6.1 心不全の患者
軽度及び中等度の心不全注2)を有する外国人患者13例(男性5例、女性8例)にテリパラチド20μgを皮下投与したときのCmaxは118.9pg/mL、AUC0-tは135.9pg・hr/mLであった。
16.6.2 腎機能障害患者
外国人の軽度及び中等度の腎機能障害患者(クレアチニンクリアランス:31~75mL/min)12例(男性7例、女性5例)にテリパラチド40μgを単回皮下投与注1)したときのCmaxは228.6pg/mL、AUC0-tは326.6pg・hr/mL及びt1/2は1.18hrであり、腎機能が正常な被験者(クレアチニンクリアランス:90mL/min以上)9例(男性5例、女性4例)のCmax(222.8pg/mL)、AUC0-t(321.7pg・hr/mL)及びt1/2(1.14hr)と同様であった。一方、重度の腎機能障害患者(クレアチニンクリアランス:30mL/min以下)5例(男性3例、女性2例)にテリパラチド40μgを単回皮下投与注1)したときのCmaxは227.7pg/mL、AUC0-tは555.8pg・hr/mL及びt1/2は2.02hrであり、腎機能が正常な被験者と比べてAUC0-t及びt1/2はそれぞれ73%、77%増加した。[9.2.1参照]
注1)本剤の承認された用法及び用量は「テリパラチド(遺伝子組換え)として1日1回20μg皮下投与」である。
注2)ニューヨーク心臓協会(NYHA;New York Heart Association)心機能分類のクラス1~3

併用注意 

薬剤名等臨床症状・措置方法機序・危険因子
活性型ビタミンD製剤
カルシトリオール
マキサカルシトール
ファレカルシトリオール
エルデカルシトール等
[8.2参照]
血清カルシウム値が上昇するおそれがあるため、併用は避けることが望ましい。相加作用による。
アルファカルシドール
[8.2参照]
血清カルシウム値が上昇することがある。相加作用による。
ジギタリス製剤
ジゴキシン等
[2.1、8.2参照]
高カルシウム血症に伴う不整脈があらわれることがある。血清カルシウム値が上昇すると、ジギタリスの作用が増強される。

重大な副作用 

次の副作用があらわれることがあるので、観察を十分に行い、異常が認められた場合には投与を中止するなど適切な処置を行うこと。
11.1.1 アナフィラキシー(頻度不明)
アナフィラキシー(呼吸困難、血圧低下、発疹等)があらわれることがある。
11.1.2 ショック(頻度不明)、意識消失(頻度不明)
ショック、一過性の急激な血圧低下に伴う意識消失があらわれることがあり、心停止、呼吸停止を来した症例も報告されている。異常が認められた場合には、適切な処置を行い、次回以降の投与中止を考慮すること。[8.1参照]

その他の副作用 

次の副作用があらわれることがあるので、観察を十分に行い、異常が認められた場合には投与を中止するなど適切な処置を行うこと。

1~5%未満1%未満頻度不明
消化器悪心、上腹部痛腹部不快感、嘔吐、口渇食欲不振、胃炎
精神神経系頭痛浮動性めまい、体位性めまい、傾眠痙攣、神経過敏
筋・骨格系筋痙縮関節痛、関節炎、筋肉痛、四肢痛
内分泌・代謝系血中尿酸上昇、高尿酸血症、ALP上昇血中カリウム上昇高カルシウム血症
循環器血圧低下、動悸心電図ST部分下降、心電図T波振幅減少
皮膚発疹そう痒症、紅斑
腎臓血中クレアチニン上昇、血中尿素上昇腎結石症頻尿
呼吸器呼吸困難
結膜出血
肝臓肝機能異常(AST上昇、ALT上昇、γ-GTP上昇)
血液白血球数増加
注射部位注射部位反応(紅斑、血腫、疼痛、硬結、そう痒感、変色、腫脹等)
過敏症口腔粘膜浮腫、顔面浮腫、全身性蕁麻疹
その他脱力感胸痛、背部痛、胸部不快感、ほてり、倦怠感、熱感
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