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効能・効果/用法・用量 

効能・効果

  • 非弁膜症性心房細動患者における虚血性脳卒中及び全身性塞栓症の発症抑制

用法・用量

  • 通常、成人にはダビガトランエテキシラートとして1回150mg(75mgカプセルを2カプセル)を1日2回経口投与する。なお、必要に応じて、ダビガトランエテキシラートとして1回110mg(110mgカプセルを1カプセル)を1日2回投与へ減量すること。

禁忌 

【警告】

  • 本剤の投与により消化管出血等の出血による死亡例が認められている。本剤の使用にあたっては、出血の危険性を考慮し、本剤の投与の適否を慎重に判断すること。
  • 本剤による出血リスクを正確に評価できる指標は確立されていないため、本剤投与中は、血液凝固に関する検査値のみならず、出血や貧血等の徴候を十分に観察すること。これらの徴候が認められた場合には、直ちに適切な処置を行うこと。
  • [2.3-2.5、7.2、8.1-8.4、8.8-8.10、8.12、9.1.1、9.1.2、13.1、13.2参照]
【禁忌】

次の患者には投与しないこと

  • 2.1 本剤の成分に対し過敏症の既往歴のある患者
  • 2.2 透析患者を含む高度の腎障害(クレアチニンクリアランス30mL/min未満)のある患者[8.2、9.1.2、9.2.1、16.6.1参照]
  • 2.3 出血症状のある患者、出血性素因のある患者及び止血障害のある患者[出血を助長するおそれがある。][1.、8.1、9.1.2参照]
  • 2.4 臨床的に問題となる出血リスクのある器質的病変(6ヶ月以内の出血性脳卒中を含む)の患者[1.、9.1.2参照]
  • 2.5 脊椎・硬膜外カテーテルを留置している患者及び抜去後1時間以内の患者[外傷性や頻回の穿刺や術後の硬膜外カテーテルの留置によって脊髄血腫や硬膜外血腫の危険性が増大する。][1.、9.1.2参照]
  • 2.6 イトラコナゾール(経口剤)を投与中の患者[9.1.2、10.1参照]

注意 

9.特定の背景を有する患者に関する注意

9.1 合併症・既往歴等のある患者
9.1.1 消化管出血の既往を有する患者及び上部消化管の潰瘍の既往のある患者
出血の危険性が増大するおそれがある。[1.、7.2参照]
9.1.2 出血の危険性が高い患者[1.、2.2-2.6、8.1、8.2、8.5-8.7、8.9、8.10参照]
9.2 腎機能障害患者
9.2.1 透析患者を含む高度の腎障害(クレアチニンクリアランス30mL/min未満)のある患者
本剤を投与しないこと。ダビガトランの血中濃度が上昇するおそれがある。[2.2、8.2、16.6.1参照]
9.5 妊婦
妊婦又は妊娠している可能性のある女性には、治療上の有益性が危険性を上回ると判断される場合にのみ投与すること。
動物実験(ラット)で胎児に移行することが認められている。[16.3参照]
9.6 授乳婦
治療上の有益性及び母乳栄養の有益性を考慮し、授乳の継続又は中止を検討すること。
動物実験(ラット)で乳汁中へ移行することが認められている。[16.3参照]
9.7 小児等
小児等を対象とした臨床試験は実施していない。
9.8 高齢者
一般に腎機能が低下しダビガトランの血中濃度が上昇する可能性がある。[8.2、16.6.3参照]

8.重要な基本的注意

8.1 本剤の使用にあたっては、患者の状態(腎機能、高齢者、消化管出血の既往等)による出血の危険性を考慮し、本剤の投与の適否を慎重に判断すること。[1.、2.3、7.2、9.1.2参照]
8.2 本剤は主に腎臓を介して排泄されるため、腎障害のある患者では、本剤の血中濃度が上昇し、出血の危険性が増大するおそれがある。本剤を投与する前に、必ず腎機能を確認すること。また、本剤投与中は適宜、腎機能検査を行い、腎機能の悪化が認められた場合には、投与の中止や減量を考慮すること。[1.、2.2、7.1、9.1.2、9.2.1、9.8、16.6.1参照]
8.3 本剤による出血リスクを正確に評価できる指標は確立されていないため、本剤投与中は、血液凝固に関する検査値のみならず、出血や貧血等の徴候を十分に観察すること。これらの徴候が認められた場合には、直ちに投与の中止や止血など適切な処置を行うこと。特に「9.特定の背景を有する患者に関する注意」の項に掲げられた患者には注意すること。
本剤投与中の出血はどの部位にも発現する可能性があることに留意し、ヘモグロビン、ヘマトクリット、血圧の低下あるいは血尿などの出血の徴候に注意すること。特に消化管出血には注意が必要であり、吐血、血便などの症状が認められた場合は投与を中止すること。[1.、13.2参照]
8.4 患者には出血しやすくなることを説明し、鼻出血、歯肉出血、皮下出血、血尿、血便等の異常な出血が認められた場合には、直ちに医師に連絡するよう指導すること。[1.参照]
8.5 本剤から他の抗凝固剤(注射剤)へ切り替える際には、本剤投与後12時間の間隔を空けること。[9.1.2参照]
8.6 他の抗凝固剤(注射剤)から本剤へ切り替える際には、他の抗凝固剤(注射剤)の次回投与予定時間の2時間前から、あるいは持続静注(例えば、未分画ヘパリン)中止時に本剤を投与すること。[9.1.2参照]
8.7 ビタミンK拮抗薬(ワルファリン)から本剤へ切り替える際には、ビタミンK拮抗薬を投与中止し、PT-INRが2.0未満になれば投与可能である。[9.1.2参照]
8.8 aPTT(活性化部分トロンボプラスチン時間)は、出血している患者では過度の抗凝固作用を判断する目安となる可能性がある。日本人を含む第III相国際共同試験においては、トラフ時aPTTが80秒を超える場合は大出血が多かった。[1.参照]
8.9 生体組織検査、大きな外傷、細菌性心内膜炎など出血の危険性が増大する場合、出血や貧血の徴候に十分注意すること。[1.、9.1.2参照]
8.10 手術や侵襲的手技を実施する患者では、出血の危険性が増大するため危険性に応じて本剤の投与を一時中止すること。可能であれば、手術や侵襲的手技の24時間前までに投与中止すること。完全な止血機能を要する大手術を実施する場合や出血の危険性が高い患者を対象とする場合には、手術の2日以上前までの投与中止を考慮し、従来の抗凝固療法と同様に代替療法(ヘパリン等)の使用を考慮すること。また、手術後は止血を確認した後に、本剤の投与を再開すること。[1.、9.1.2参照]
8.11 患者の判断で本剤の服用を中止することのないよう十分な服薬指導をすること。本剤を服用し忘れた場合、同日中にできるだけ早く1回量を服用するとともに次の服用まで6時間以上空けさせること。服用し忘れた場合でも決して2回量を服用しないよう指導すること。
8.12 本剤投与中の患者で生命を脅かす出血又は止血困難な出血の発現時、もしくは重大な出血が予想される緊急を要する手術又は処置の施行時に本剤の抗凝固作用の中和を必要とする場合には、中和剤であるイダルシズマブ(遺伝子組換え)の電子添文を必ず参照し、禁忌、重要な基本的注意、特定の背景を有する患者に関する注意、副作用等の使用上の注意の記載を確認すること。[1.参照]
8.13 本剤が食道に滞留した場合、食道潰瘍及び食道炎があらわれるおそれがあるので、以下の点を患者に指導すること。[11.1.5参照]
・本剤を速やかに胃に到達させるため、十分量(コップ1杯程度)の水とともに本剤を服用すること。
・食道疾患の症状(嚥下困難又は嚥下痛、胸骨後部の痛み、高度の持続する胸やけ等)があらわれた場合には、担当医に相談すること。

14.適用上の注意

14.1 薬剤交付時の注意
14.1.1 PTP包装の薬剤はPTPシートから取り出して服用するよう指導すること。PTPシートの誤飲により、硬い鋭角部が食道粘膜へ刺入し、更には穿孔をおこして縦隔洞炎等の重篤な合併症を併発することがある。
14.1.2 本剤は吸湿性があるので、服用直前にPTPシートから取り出すよう指導すること。また、アルミピロー包装注)のまま調剤を行うことが望ましい。
注)1アルミピロー包装中に28カプセル(14カプセル入りPTPシート×2)を含む。[20.参照]
14.1.3 カプセルを開けて服用しないよう指導すること。

7.用法及び用量に関連する注意

7.1 以下の患者では、ダビガトランの血中濃度が上昇するおそれがあるため、本剤1回110mg1日2回投与を考慮すること。
・中等度の腎障害(クレアチニンクリアランス30-50mL/min)のある患者[8.2参照]
・P-糖蛋白阻害剤(経口剤)を併用している患者[10.2参照]
7.2 以下のような出血の危険性が高いと判断される患者では、本剤1回110mg1日2回投与を考慮し、慎重に投与すること。
・70歳以上の患者[1.参照]
・消化管出血の既往を有する患者[1.、8.1、9.1.1参照]

5.効能又は効果に関連する注意

本剤を人工心臓弁置換術後の抗凝固療法には使用しないこと。[15.1参照]

16.薬物動態

16.1 血中濃度
本剤は経口投与後速やかに吸収され、エステラーゼで加水分解されて活性代謝物であるダビガトランとなる。ダビガトランの一部は、さらにグルクロン酸抱合を受け、ダビガトランと同様の薬理活性を有するグルクロン酸抱合体を生成する。本剤を健康被験者に対して空腹時に経口投与したとき、投与後0.5~2時間で総ダビガトラン(ダビガトランとグルクロン酸抱合体の総和)は最高血漿中濃度に達する。日本人健康成人男性に本剤110mg及び150mgを食後に単回投与もしくは1日2回7日間反復経口投与したときの、総ダビガトランの薬物動態パラメータ及び血漿中濃度推移を示す。
ダビガトランエテキシラート食後経口投与後の総ダビガトランの薬物動態パラメータ
薬物動態パラメータ
幾何平均値(%gCVa)
初回投与AUC0-12[ng・h/mL]Cmax[ng/mL]tmaxb)[h]
110mg
N=12
485(19.6)94.4(26.3)4.00(3.00-4.00)
150mg
N=12
623(23.0)116(27.9)4.00(2.00-6.00)
1日2回反復投与AUCτ,ssc)[ng・h/mL]Cmax,ss[ng/mL]tmax,ssb)[h]t1/2,ss[h]
110mg
N=11
818(18.8)124(25.5)4.00(3.00-6.00)10.7(19.8)
150mg
N=12
1100(19.1)169(26.3)4.00(2.00-4.00)11.8(13.7)
a)gCVは幾何変動係数を表す。b)中央値(最小値-最大値)c)τは12時間、ssは定常状態のパラメータを示す。
ダビガトランエテキシラート経口投与後の総ダビガトランの血漿中濃度推移(算術平均値±SD)
16.2 吸収
16.2.1 食事の影響
健康被験者に、高脂質、高カロリーの朝食後に本剤を投与したとき、空腹時投与に比べてAUC0-∞は約27%増加したが、Cmaxは約9%の上昇であった。tmaxは約2時間延長したが、バイオアベイラビリティに顕著な影響はないと考えられる(外国人データ)。
16.3 分布
ダビガトランのヒト血漿蛋白結合率は、in vitroで28.2~31.5%であった。
14C標識ダビガトランエテキシラートを投与した動物実験(ラット)において、胎児及び乳汁への放射能移行が認められている。[9.5、9.6参照]
16.4 代謝
In vitroにおいて、ダビガトランエテキシラートはエステラーゼによる加水分解によってダビガトランへ変換され、その一部はグルクロン酸抱合される。薬物代謝酵素P-450による代謝は受けない。
16.5 排泄
健康被験者に14C標識ダビガトラン(活性代謝物)を静脈内投与したとき、投与168時間後までに投与量の85%が尿中に、6%が糞便中に排泄された(外国人データ)。
16.6 特定の背景を有する患者
16.6.1 腎障害患者
軽度~高度の腎障害患者(軽度:クレアチニンクリアランス50mL/min超80mL/min以下、中等度:30mL/min超50mL/min以下、高度:30mL/min以下)に本剤150mgを単回投与した時の総ダビガトランのAUC0-∞の幾何平均値は健康被験者(クレアチニンクリアランス80mL/min超)に比べて、それぞれ1.5倍、3.2倍及び6.3倍高くなった(外国人データ)。[2.2、8.2、9.2.1参照]
総ダビガトランの薬物動態パラメータに及ぼす腎機能の影響
対象クレアチニンクリアランス[mL/min]例数薬物動態パラメータ
幾何平均値
AUC0-∞[ng・h/mL]Cmax[ng/mL]t1/2[h]
健康被験者80超678178.613.4
軽度腎障害50超80以下6117087.615.3
中等度腎障害30超50以下6246013318.4
高度腎障害30以下11493016627.2
心房細動及び整形外科手術施行患者を対象とした母集団薬物動態解析では、クレアチニンクリアランスが120mL/min以下の患者ではクレアチニンクリアランスが1mL/min低下するごとに本薬のCL/F(みかけのクリアランス)が0.64%低下すると推定された。クレアチニンクリアランスが88mL/minの男性の心房細動患者を基準とすると、クレアチニンクリアランスが50mL/min及び30mL/minに低下した場合、AUCτ,ssがそれぞれ1.4倍、1.9倍に増加すると推定される(外国人データ)。
16.6.2 肝障害患者
中等度の肝障害患者に本剤150mgを単回投与した時の総ダビガトランのAUC0-∞は健康被験者と同程度であった(外国人データ)。
16.6.3 高齢者
65歳を超える高齢男性被験者における定常状態のAUCτ,ssは、18~40歳の健康男性被験者に比べて約2.2倍であった。若年被験者と高齢被験者との曝露の差は、高齢者ではクレアチニンクリアランスが低下しているためと考えられる(外国人データ)。[9.8参照]
16.6.4 女性
健康男女被験者を対象とした第I相試験において、女性被験者のAUC0-∞は男性被験者よりも若干高かったが、その差は概して50%未満であった。一般的に女性では男性よりもクレアチニンクリアランスが低いことが、原因のひとつであると考えられた。臨床試験において、男女間で有効性及び安全性に違いがなかったことから、用量調節は必要ないと考えられる(外国人データ)。
16.7 薬物相互作用
ダビガトランエテキシラート及びダビガトランは、In vitroにおいて薬物代謝酵素P-450を阻害及び誘導しないことが示されている。
16.7.1 アトルバスタチン
アトルバスタチンとの経口投与での相互作用を検討したところ、本剤の薬物動態又は薬力学的作用に影響を及ぼさず、また逆に本剤がアトルバスタチンに問題となる影響を与えることもなかった(外国人データ)。
16.7.2 ジクロフェナクナトリウム
ジクロフェナクナトリウムとの経口投与での相互作用を検討したところ、本剤の薬物動態又は薬力学的作用に影響を及ぼさず、また逆に本剤がジクロフェナクナトリウムに問題となる影響を与えることもなかった(外国人データ)。
16.7.3 ジゴキシン
ジゴキシンとの経口投与での相互作用を検討したところ、本剤の薬物動態又は薬力学的作用に影響を及ぼさず、また逆に本剤がジゴキシンに問題となる影響を与えることもなかった(外国人データ)。
16.7.4 アミオダロン
アミオダロンと本剤を経口投与で併用した場合、総ダビガトランのAUCτ,ss及びCmax,ssの幾何平均値はそれぞれ1.58倍及び1.50倍に増加した。この相互作用はP-糖蛋白の阻害によるものと考えられる(外国人データ)。
16.7.5 ベラパミル
ベラパミルを本剤投与の1時間前に単回経口投与した場合、総ダビガトランのAUC0-∞及びCmaxの幾何平均値はそれぞれ2.43倍及び2.79倍に増加したが、ベラパミルの反復経口投与において、本剤をベラパミルの2時間前に投与した場合、臨床的に問題となる相互作用は認められなかった(AUC0-∞は1.18倍、Cmaxは1.12倍に増加)。この相互作用はP-糖蛋白の阻害によるものと考えられる(外国人データ)。[10.2参照]
16.7.6 ケトコナゾール
ケトコナゾールの単回又は反復経口投与と本剤の併用では、総ダビガトランの曝露量が最大約2.5倍に増加した。この相互作用はP-糖蛋白の阻害によるものと考えられる(外国人データ)。
16.7.7 キニジン
キニジンの経口投与との併用では、総ダビガトランの曝露量が1.53~1.56倍に増加した。この相互作用はP-糖蛋白の阻害によるものと考えられる(外国人データ)。
16.7.8 リファンピシン
リファンピシンの経口投与との併用では、総ダビガトランの曝露量が約1/3に低下した。この相互作用はP-糖蛋白の誘導によるものと考えられる(外国人データ)。
16.7.9 クラリスロマイシン
クラリスロマイシンの経口投与との併用では、総ダビガトランの曝露量は顕著な影響を受けなかった(外国人データ)。

併用禁忌 

薬剤名等臨床症状・措置方法機序・危険因子
P-糖蛋白阻害剤(経口剤)
イトラコナゾール(経口剤)
[2.6参照]
併用によりダビガトランの血中濃度が上昇し、出血の危険性が増大することがあるので、併用しないこと。本剤による抗凝固作用が増強することがある。

併用注意 

薬剤名等臨床症状・措置方法機序・危険因子
血小板凝集抑制作用を有する薬剤
アスピリン、ジピリダモール、チクロピジン塩酸塩、クロピドグレル硫酸塩等
これらの薬剤との併用により、ヘモグロビン2g/dL以上の減少を示すような大出血の危険性が増大することがあるので注意すること。やむを得ず併用する場合には治療上の有益性と危険性を十分に考慮し、本剤の投与が適切と判断される患者にのみ併用投与すること。本剤は抗凝固作用を有するため、これら薬剤と併用すると出血を助長するおそれがある。
抗凝固剤
ワルファリンカリウム、未分画ヘパリン、ヘパリン誘導体、低分子ヘパリン、フォンダパリヌクスナトリウム等
血栓溶解剤
ウロキナーゼ、t-PA製剤等
非ステロイド性消炎鎮痛剤
ジクロフェナクナトリウム等
これらの薬剤との併用により、出血の危険性が増大する可能性がある。本剤は抗凝固作用を有するため、これら薬剤と併用すると出血を助長するおそれがある。
P-糖蛋白阻害剤(経口剤)
ベラパミル塩酸塩
[7.1、16.7.5参照]
併用によりダビガトランの血中濃度が上昇することがあるため、本剤1回110mg1日2回投与を考慮すること。また、本剤と同時にベラパミル塩酸塩の併用を開始、もしくは本剤服用中に新たにベラパミル塩酸塩の併用を開始する場合は、併用開始から3日間はベラパミル塩酸塩服用の2時間以上前に本剤を服用させること。本剤による抗凝固作用が増強することがある。
P-糖蛋白阻害剤(経口剤)
アミオダロン塩酸塩、キニジン硫酸塩水和物、タクロリムス、シクロスポリン、リトナビル、ネルフィナビル、サキナビル、グレカプレビル水和物・ピブレンタスビル配合剤等
[7.1参照]
これらの薬剤との併用により、ダビガトランの血中濃度が上昇することがあるため、本剤1回110mg1日2回投与を考慮すること。本剤による抗凝固作用が増強することがある。
P-糖蛋白阻害剤(経口剤)
クラリスロマイシン
上記のP-糖蛋白阻害剤のような顕著な影響は受けないが、併用によりダビガトランの血中濃度が上昇することがある。本剤による抗凝固作用が増強することがある。
P-糖蛋白誘導剤
リファンピシン、カルバマゼピン、セイヨウオトギリソウ(St.John's Wort,セント・ジョーンズ・ワート)含有食品等
これらの薬剤との併用により、ダビガトランの血中濃度が低下することがある。本剤による抗凝固作用が減弱することがある。
選択的セロトニン再取り込み阻害剤(SSRI)
セロトニン・ノルアドレナリン再取り込み阻害剤(SNRI)
これらの薬剤との併用により、出血の危険性が増大したとの報告がある。機序は不明である。

重大な副作用 

次の副作用があらわれることがあるので、観察を十分に行い、異常が認められた場合には投与を中止するなど適切な処置を行うこと。
11.1.1 出血(消化管出血、頭蓋内出血等)
消化管出血(1.6%)、頭蓋内出血(頻度不明)等の出血があらわれることがある。
11.1.2 間質性肺炎(頻度不明)
咳嗽、呼吸困難、発熱、肺音の異常等が認められた場合には、速やかに胸部X線、胸部CT、血清マーカー等の検査を実施すること。異常が認められた場合には、投与を中止し、副腎皮質ホルモン剤の投与等の適切な処置を行うこと。
11.1.3 アナフィラキシー(頻度不明)
アナフィラキシー(じん麻疹、顔面腫脹、呼吸困難等)があらわれることがある。
11.1.4 急性肝不全(頻度不明)、肝機能障害(頻度不明)、黄疸(頻度不明)
11.1.5 食道潰瘍(頻度不明)、食道炎(頻度不明)[8.13参照]
11.1.6 急性腎障害(頻度不明)
経口抗凝固薬の投与後に急性腎障害があらわれることがある。経口抗凝固薬投与後の急性腎障害の中には、血尿を認めるもの、腎生検により尿細管内に赤血球円柱を多数認めるものが報告されている。

その他の副作用 

次の副作用があらわれることがあるので、観察を十分に行い、異常が認められた場合には投与を中止するなど適切な処置を行うこと。

1%以上1%未満頻度不明
血液及びリンパ系障害貧血、凝血異常、好酸球増加症血小板減少症、好中球減少症
免疫系障害薬物過敏症、そう痒、気管支痙攣、血管浮腫
神経系障害浮動性めまい、傾眠
眼障害結膜出血、結膜ポリープ
心臓障害うっ血性心不全、動悸
血管障害高血圧、創傷出血血腫、出血
呼吸器障害鼻出血(1.3%)口腔咽頭不快感、口腔咽頭痛、しゃっくり、胸水、咽喉絞扼感喀血
胃腸障害消化不良(4.7%)、胃食道炎(3.1%)、悪心(2.8%)、腹部不快感(2.2%)、上腹部痛(1.9%)、心窩部不快感(1.6%)、嘔吐(1.3%)、消化管潰瘍(1.3%)便秘、歯肉出血、腹部膨満、歯肉炎、痔出血、口腔内出血、嚥下障害、下痢、胃腸障害、胃食道逆流性疾患、吐血、血便排泄、痔核、胃酸過多、口の錯感覚腹痛
肝胆道系障害胆嚢ポリープ、肝障害
皮膚及び皮下組織障害皮下出血(3.1%)発疹、湿疹、じん麻疹、皮膚乾燥、皮膚出血脱毛症
筋骨格系及び結合組織障害背部痛、関節腫脹、筋痙縮出血性関節症
腎及び尿路障害血尿(1.3%)腎機能障害、腎不全、排尿困難尿生殖器出血
生殖系及び乳房障害良性前立腺肥大症、女性化乳房
全身障害及び投与局所様態胸痛(2.2%)、浮腫(1.6%)異常感、熱感、胸部不快感、疲労、歩行障害注射部位出血、カテーテル留置部位出血
臨床検査血中ビリルビン増加、便潜血陽性、γ-グルタミルトランスフェラーゼ増加、ヘモグロビン減少、肝酵素上昇、血小板数減少白血球数減少、血中クレアチンホスホキナーゼ増加
傷害、中毒及び処置合併症硬膜下血腫、創傷外傷性出血、切開部位出血
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