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ペロスピロン塩酸塩錠4mg「アメル」、他

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効能・効果/用法・用量 

効能・効果

  • 統合失調症

用法・用量

  • 通常、ペロスピロン塩酸塩として成人1回4mg1日3回より始め、徐々に増量する。維持量として1日12~48mgを3回に分けて食後経口投与する。
    なお、年齢、症状により適宜増減する。但し、1日量は48mgを超えないこと。

禁忌 

【禁忌】

次の患者には投与しないこと

  • 昏睡状態の患者〔昏睡状態を悪化させるおそれがある。〕
  • バルビツール酸誘導体等の中枢神経抑制剤の強い影響下にある患者〔中枢神経抑制作用が増強される。〕
  • 本剤の成分に対し過敏症の既往歴のある患者
  • アドレナリンを投与中の患者(アドレナリンをアナフィラキシーの救急治療に使用する場合を除く)〔「相互作用」の項参照〕

注意 

慎重投与

次の患者には慎重に投与すること

肝障害のある患者〔肝障害モデル動物(ラット)で本剤の血中濃度の増大が認められている。〕
腎障害のある患者〔腎障害モデル動物(ラット)で本剤の血中濃度の増大が認められている。〕
高齢者〔「高齢者への投与」の項参照〕
心・血管疾患、低血圧、又はそれらの疑いのある患者〔一過性の血圧降下があらわれることがある。〕
パーキンソン病又はレビー小体型認知症のある患者〔錐体外路症状が悪化するおそれがある。〕
てんかん等の痙攣性疾患、又はこれらの既往歴のある患者〔痙攣閾値を低下させるおそれがある。〕
小児〔「小児等への投与」の項参照〕
薬物過敏症の患者
脱水・栄養不良状態等を伴う身体的疲弊のある患者〔悪性症候群(Syndrome malin)が起こりやすい。〕
自殺企図の既往及び自殺念慮を有する患者〔症状を悪化させるおそれがある。〕
糖尿病又はその既往歴のある患者、あるいは糖尿病の家族歴、高血糖、肥満等の糖尿病の危険因子を有する患者〔血糖値が上昇することがある。〕

重要な基本的注意

悪性症候群(Syndrome malin)の発現に伴いCK(CPK)が上昇すること、また、本剤によりCK(CPK)が高くなる場合があることから、観察を十分に行い、異常が認められた場合には、投与を中止するなど適切な処置を行うこと。なお、他の抗精神病薬において、急激な増量により悪性症候群(Syndrome malin)があらわれたとの報告がある。
眠気、注意力・集中力・反射運動能力等の低下が起こることがあるので、本剤投与中の患者には自動車の運転等危険を伴う機械の操作に従事させないよう注意すること。
興奮、非協調性、緊張、衝動性の調節障害等の陽性症状を悪化させることがあるので観察を十分に行い、悪化がみられた場合には他の治療法に切り替えるなど適切な処置を行うこと。
本剤は動物実験(イヌ)で制吐作用を有することから、他の薬剤に基づく中毒、腸閉塞、脳腫瘍等による嘔吐症状を不顕性化することが考えられるので注意すること。
本剤の吸収は食事の影響を受けやすいので、食後に服用するよう指導すること(空腹時投与の吸収は、食後投与と比較して低下する)。本剤は肝酵素により代謝を受けやすく、血中濃度が変動しやすいため、特に肝及び腎障害のある患者(「慎重投与」の項参照)、高齢者(「高齢者への投与」の項参照)、マクロライド系抗生物質等の代謝阻害剤併用中の患者(「相互作用」の項参照)では、血中濃度が高くなる可能性があるので、観察を十分に行い慎重に投与すること。
本剤の投与により、高血糖や糖尿病の悪化があらわれ、糖尿病性ケトアシドーシス、糖尿病性昏睡に至ることがあるので、本剤投与中は、口渇、多飲、多尿、頻尿等の症状の発現に注意するとともに、特に糖尿病又はその既往歴あるいはその危険因子を有する患者については、血糖値の測定等の観察を十分に行うこと。〔「慎重投与」、「重大な副作用」の項参照〕
本剤の投与に際し、あらかじめ上記6.の副作用が発現する場合があることを、患者及びその家族に十分に説明し、口渇、多飲、多尿、頻尿等の異常に注意し、このような症状があらわれた場合には、直ちに投与を中断し、医師の診察を受けるよう、指導すること。〔「慎重投与」、「重大な副作用」の項参照〕
抗精神病薬において、肺塞栓症、静脈血栓症等の血栓塞栓症が報告されているので、不動状態、長期臥床、肥満、脱水状態等の危険因子を有する患者に投与する場合には注意すること。〔「重大な副作用」の項参照〕

適用上の注意

薬剤交付時
PTP包装の薬剤はPTPシートから取り出して服用するよう指導すること。(PTPシートの誤飲により、硬い鋭角部が食道粘膜へ刺入し、更には穿孔を起こして縦隔洞炎等の重篤な合併症を併発することが報告されている。)

高齢者への投与

高齢者では錐体外路症状等の副作用があらわれやすく、また、一般に生理機能が低下しており、動物実験(ラット)で老齢動物、肝障害及び腎障害モデル動物において血清中濃度の増大等が認められているので、少量(1回4mg)から投与を開始するなど、患者の状態を観察しながら慎重に投与すること。

妊婦、産婦、授乳婦等への投与

妊婦又は妊娠している可能性のある婦人には、治療上の有益性が危険性を上回ると判断される場合にのみ投与すること。〔妊娠中の投与に関する安全性は確立していない。妊娠後期に抗精神病薬が投与されている場合、新生児に哺乳障害、傾眠、呼吸障害、振戦、筋緊張低下、易刺激性等の離脱症状や錐体外路症状があらわれたとの報告がある。〕
授乳中の婦人に投与する場合には、授乳を中止させること。〔動物実験(ラット)で乳汁移行が認められている。〕

小児等への投与

低出生体重児、新生児、乳児、幼児又は小児に対する安全性は確立していない(使用経験がない)。

薬物動態

<生物学的同等性試験>
ペロスピロン塩酸塩錠8mg「アメル」と標準製剤を、クロスオーバー法によりそれぞれ1錠(ペロスピロン塩酸塩として8mg)健康成人男子に絶食単回経口投与して血漿中未変化体濃度を測定し、得られた薬物動態パラメータ(AUC、Cmax)について90%信頼区間法にて統計解析を行った結果、判定パラメータの対数値の平均値の差がlog(0.90)~log(1.11)で、かつ、溶出試験で規定するすべての条件で溶出挙動が類似していたことから、両剤の生物学的同等性が確認された。
また、ペロスピロン塩酸塩錠4mg「アメル」及びペロスピロン塩酸塩錠16mg「アメル」について、「含量が異なる経口固形製剤の生物学的同等性試験ガイドライン(平成18年11月24日 薬食審査発第1124004号)」に基づき、ペロスピロン塩酸塩錠8mg「アメル」を標準製剤としたとき、溶出挙動が等しく、生物学的に同等とみなされた。
(注)本剤の承認された用法は、食後投与である。
判定パラメータ参考パラメータ
AUC(0→24)(ng・hr/mL)Cmax(ng/mL)Tmax(hr)T1/2(hr)
ペロスピロン塩酸塩錠8mg「アメル」7.194±6.2573.534±2.2810.828±0.4685.845±1.297
標準製剤(錠剤、8mg)7.351±9.9524.321±4.5090.750±0.3726.517±2.143
(Mean±S.D.,n=29)
血漿中濃度並びにAUC、Cmax等のパラメータは、被験者の選択、体液の採取回数・時間等の試験条件によって異なる可能性がある。

併用禁忌 

薬剤名等臨床症状・措置方法機序・危険因子
アドレナリン
(アナフィラキシーの救急治療に使用する場合を除く)
ボスミン
アドレナリンの作用を逆転させ、血圧降下を起こすことがある。アドレナリンはアドレナリン作動性α、β受容体の刺激剤であり、本剤のα受容体遮断作用により、β受容体刺激作用が優位となり、血圧降下作用が増強される。

併用注意 

薬剤名等臨床症状・措置方法機序・危険因子
中枢神経抑制剤
(バルビツール酸誘導体等)
相互に中枢神経抑制作用を増強することがあるので、減量するなど慎重に投与すること。ともに中枢神経抑制作用を有する。
ドパミン作動薬
(レボドパ製剤、ブロモクリプチン)
相互に作用が減弱することがあるので、減量するなど慎重に投与すること。本剤はドパミン受容体遮断作用を有する。
降圧剤相互に降圧作用を増強する可能性があるので、減量するなど慎重に投与すること。ともに降圧作用を有する。
ドンペリドン、メトクロプラミド内分泌機能調節異常又は錐体外路症状が発現しやすくなることがある。ともにドパミン受容体遮断作用を有する。
アルコール
(飲酒)
相互に中枢神経抑制作用を増強することがある。ともに中枢神経抑制作用を有する。
H2受容体遮断薬
(シメチジン等)
相互に胃液分泌抑制作用を増強する可能性があるので、観察を十分に行い、慎重に投与すること。ともに胃液分泌抑制作用を有する。
P450の分子種3A4の選択的阻害剤
(マクロライド系抗生物質等)
本剤による副作用が強くあらわれる可能性があるので、観察を十分に行い、慎重に投与すること。本剤の代謝が阻害され、血中濃度が上昇する可能性がある。
P450の分子種3A4によって代謝される薬剤
(シサプリド、トリアゾラム等)
P450の分子種3A4によって代謝される薬剤及び本剤による副作用が強くあらわれる可能性があるので、観察を十分に行い、慎重に投与すること。本剤とこれら併用薬剤の代謝酵素が同じ(P450の分子種3A4)であるため、代謝を競合的に阻害する可能性がある。

重大な副作用 

(頻度不明)
悪性症候群(Syndrome malin)
無動緘黙、強度の筋強剛、嚥下困難、頻脈、血圧の変動、発汗等が発現し、それに引き続き発熱がみられる場合は、投与を中止し、体冷却、水分補給等の全身管理とともに適切な処置を行うこと。本症発症時には、白血球の増加や血清CK(CPK)の上昇がみられることが多く、また、ミオグロビン尿を伴う腎機能の低下がみられることがある。なお、高熱が持続し、意識障害、呼吸困難、循環虚脱、脱水症状、急性腎障害へと移行し、死亡することがある。
遅発性ジスキネジア
長期投与により、口周部等の不随意運動があらわれることがあるので、このような症状があらわれた場合は減量又は中止を考慮すること。なお、投与中止後も症状が持続することがある。
麻痺性イレウス
腸管麻痺(食欲不振、悪心・嘔吐、著しい便秘、腹部の膨満あるいは弛緩及び腸内容物のうっ滞等の症状)を来し、麻痺性イレウスに移行することがあるので、腸管麻痺があらわれた場合には、投与を中止すること。なお、本剤は動物実験(イヌ)で制吐作用を有することから、悪心・嘔吐が不顕性化することが考えられるので注意すること。
抗利尿ホルモン不適合分泌症候群(SIADH)
低ナトリウム血症、低浸透圧血症、尿中ナトリウム排泄量の増加、高張尿、痙攣、意識障害等を伴う抗利尿ホルモン不適合分泌症候群(SIADH)があらわれることがあるので、このような場合には投与を中止し、水分摂取の制限等適切な処置を行うこと。なお、抗精神病薬の高用量、長期間投与がSIADH発現の危険因子になるとの報告がある。
痙攣
痙攣があらわれることがあるので、異常が認められた場合には投与を中止するなど適切な処置を行うこと。
横紋筋融解症
横紋筋融解症があらわれることがあるので、筋肉痛、脱力感、CK(CPK)上昇、血中及び尿中ミオグロビン上昇等が認められた場合には投与を中止し、適切な処置を行うこと。また、横紋筋融解症による急性腎障害の発症に注意すること。
無顆粒球症、白血球減少
無顆粒球症、白血球減少があらわれることがあるので、観察を十分に行い、異常が認められた場合には投与を中止するなど適切な処置を行うこと。
高血糖、糖尿病性ケトアシドーシス、糖尿病性昏睡
高血糖や糖尿病の悪化があらわれ、糖尿病性ケトアシドーシス、糖尿病性昏睡に至ることがある。口渇、多飲、多尿、頻尿等の症状の発現に注意するとともに、血糖値の測定を行うなど十分な観察を行い、異常が認められた場合には、投与を中止し、インスリン製剤の投与等の適切な処置を行うこと。〔「慎重投与」、「重要な基本的注意」の項参照〕
肺塞栓症、深部静脈血栓症
抗精神病薬において、肺塞栓症、静脈血栓症等の血栓塞栓症が報告されているので、観察を十分に行い、息切れ、胸痛、四肢の疼痛、浮腫等が認められた場合には、投与を中止するなど適切な処置を行うこと。〔「重要な基本的注意」の項参照〕

その他の副作用 

次のような副作用が認められた場合には必要に応じ、減量、投与中止等の適切な処置を行うこと。

頻度不明
循環器注1)心悸亢進、胸内苦悶感、血圧低下、頻脈、心室性期外収縮、徐脈、血圧上昇
錐体外路症状注2)パーキンソン症候群(振戦、筋強剛、流涎、仮面様顔貌、寡黙寡動、歩行障害等)、アカシジア(静坐不能)、ジスキネジア(口周部・四肢等の不随意運動、構音障害、嚥下障害等)、ジストニア(斜頚、眼球上転発作等)
肝臓AST(GOT)、ALT(GPT)、ALP、γ-GTP、LDH上昇
視力障害、眼のかすみ、角膜びらん
過敏症注3)発疹、紅斑
消化器便秘、悪心・嘔吐、食欲減退、食欲亢進、腹部不快感、下痢、腹痛
内分泌プロラクチン上昇、月経異常、乳汁分泌
泌尿器排尿障害、頻尿
血液注4)白血球増加、白血球減少、赤血球減少、ヘモグロビン減少、ヘマトクリット減少、血小板減少、白血球分類異常、赤血球増加、ヘモグロビン増加、ヘマトクリット増加
精神神経系不眠、眠気、焦燥・不安、興奮・易刺激性、めまい・ふらつき、過度鎮静、頭重・頭痛、痙攣発作、うつ状態、躁状態、自殺企図、精神病症状の増悪、妄想、幻覚、衝動行為、思考異常、頭部異常感、しびれ感、眼瞼下垂、頭鳴
その他脱力倦怠感、口渇、CK(CPK)上昇、無力感、発汗、発熱、ほてり(顔面紅潮)、射精障害、鼻閉、体重増加、水中毒、多飲症、総コレステロール上昇、総蛋白低下、尿蛋白、尿糖、気分不快感、喀痰、総コレステロール低下、血清ナトリウム低下、血清クロール低下、尿ウロビリノーゲン、血糖上昇

注1)観察を十分に行い、慎重に投与すること。
注2)症状があらわれた場合には、必要に応じて減量又は抗パーキンソン薬の投与等、適切な処置を行うこと。
注3)症状があらわれた場合には、投与を中止すること。
注4)観察を十分に行い、異常が認められた場合には、減量又は投与を中止すること。

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