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アプリンジン塩酸塩カプセル10mg「NP」、他

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効能・効果/用法・用量 

効能・効果

  • 下記の状態で他の抗不整脈薬が使用できないか、又は無効の場合

    • 頻脈性不整脈

用法・用量

  • 通常、成人にはアプリンジン塩酸塩として、1日40mgより投与を始め、効果が不十分な場合は60mgまで増量し、1日2~3回に分けて経口投与する。
    なお、年齢、症状により適宜増減する。

禁忌 

【禁忌】

次の患者には投与しないこと

  • 2.1 重篤な刺激伝導障害(完全房室ブロック等)のある患者[刺激伝導障害を増悪させるおそれがある。][11.1.1参照]
  • 2.2 重篤なうっ血性心不全の患者[心筋収縮力低下により、心不全を悪化させるおそれがある。]
  • 2.3 妊婦又は妊娠している可能性のある女性[9.5参照]

注意 

9.特定の背景を有する患者に関する注意

9.1 合併症・既往歴等のある患者
9.1.1 うっ血性心不全の患者(重篤なうっ血性心不全の患者を除く)又は基礎心疾患(心筋梗塞、弁膜症、心筋症等)のある患者
開始後1~2週間は入院させること。また、少量から開始するなど投与量に十分注意するとともに、頻回に心電図検査を実施すること。
心室頻拍、心室細動等が発現するおそれが高い。うっ血性心不全の患者においては心筋収縮力低下により、心不全を悪化させるおそれがある。[8.2、11.1.1参照]
9.1.2 軽度の刺激伝導障害(不完全房室ブロック、脚ブロック等)のある患者
刺激伝導障害を増悪させるおそれがある。[8.2、11.1.1参照]
9.1.3 著明な洞性徐脈の患者
徐脈を助長させるおそれがある。[8.2、11.1.1参照]
9.1.4 パーキンソン症候群の患者
パーキンソン様症状を増悪させるおそれがある。
9.1.5 血清カリウム低下のある患者
QT延長、催不整脈(Torsades de pointes等)などを発現させるおそれがある。[11.1.1参照]
9.1.6 他の抗不整脈薬を投与中の患者
少量から開始するなど投与量に十分注意するとともに、頻回に心電図検査を実施すること。併用時の有効性、安全性は確立していない。[8.2参照]
9.2 腎機能障害患者
9.2.1 重篤な腎機能障害のある患者
腎機能障害を増悪させるおそれがある。
9.3 肝機能障害患者
9.3.1 重篤な肝機能障害のある患者
肝機能障害を増悪させるおそれがある。また、アプリンジンは肝代謝型の薬剤であるため、肝機能障害のある患者では血中アプリンジン濃度が上昇するおそれがある。
9.5 妊婦
妊婦又は妊娠している可能性のある女性には、投与しないこと。動物実験で、母体の一般状態悪化による二次的影響と考えられるが、経口投与(ラット)による胎児の発育抑制、静脈内投与(ウサギ)による生存胎児数の減少及び胎児死亡数の増加がみられている。[2.3参照]
9.6 授乳婦
治療上の有益性及び母乳栄養の有益性を考慮し、授乳の継続又は中止を検討すること。動物(ラット)の乳汁中への移行が報告されている。
9.7 小児等
小児等を対象とした有効性及び安全性を指標とした臨床試験は実施していない。
9.8 高齢者
入院させて開始することが望ましい。少量から開始するなど投与量に十分注意するとともに、頻回に心電図検査を実施すること。肝・腎機能が低下していることが多く、また、体重が少ない傾向があるなど副作用が発現しやすい。[8.2参照]

8.重要な基本的注意

8.1 本剤の投与中に、無顆粒球症、顆粒球減少あるいは白血球減少があらわれることがあるので、定期的に血液検査を行うこと。なお、無顆粒球症による死亡例が報告されている。[11.1.2参照]
8.2 本剤の投与に際しては、頻回に患者の状態を観察し、心電図、脈拍、血圧、心胸比を定期的に調べること。PQの延長、QRS幅の増大、QTの延長、徐脈、血圧低下等の異常所見が認められた場合には、直ちに減量又は投与を中止すること。[9.1.1-9.1.3、9.1.6、9.8、11.1.1参照]
8.3 本剤の投与中に、AST、ALT、Al-P、LDH等、肝・胆道系酵素値及び総ビリルビンの上昇があらわれることがあるので、定期的に肝機能検査を行うなど観察を十分に行うこと。特に投与初期においては2週間に1回検査を行うことが望ましい。[11.1.4参照]
8.4 本剤の投与中に、手指振戦、めまい、ふらつき等の精神神経系症状が発現し、増悪する傾向がある場合には、直ちに減量又は投与を中止すること(精神神経系の症状は用量依存的に発現しやすい)。また、本剤投与中の患者には自動車の運転等危険を伴う機械の操作に従事させないよう注意すること。

14.適用上の注意

14.1 薬剤交付時の注意
14.1.1 PTP包装の薬剤はPTPシートから取り出して服用するよう指導すること。PTPシートの誤飲により、硬い鋭角部が食道粘膜へ刺入し、更には穿孔をおこして縦隔洞炎等の重篤な合併症を併発することがある。
14.1.2 小児の手の届かない所に保管するよう指導すること。

7.用法・用量に関連する注意

1日用量60mgを超えて投与する場合、副作用発現の可能性が増大するので注意すること。本剤は非線形の薬物動態を示すため、増量の際は注意すること。[16.1.1参照]

16.薬物動態

16.1 血中濃度
16.1.1 単回投与
健康成人及び不整脈患者に経口投与した場合、消化管からの吸収は良好で投与後2~4時間で最高血漿中濃度に達する。
血漿中濃度の半減期は投与量に依存して延長し、投与量と血漿中濃度は非直線関係を示す。
アプリンジン塩酸塩カプセルを単回投与後の投与量と血漿中濃度曲線下面積(AUC0~24)、最高血漿中濃度(Cmax)との関係は下図のとおりで、アプリンジン塩酸塩は非線形の薬物動態を示すため、投与量と最高血漿中濃度(Cmax)、曲線下面積(AUC)は比例しない。投与量の増加に伴い、半減期(T1/2β)は延長し、予想以上の血漿中濃度上昇が見られることがある。[7.参照]
16.1.2 反復投与
不整脈患者に反復経口投与した場合、血漿中濃度は7~14日でほぼ定常状態に達し、その後の消失半減期は約50時間である。
16.1.3 有効血中濃度
0.25~1.25μg/mL
16.1.4 生物学的同等性試験
<アプリンジン塩酸塩カプセル10mg「NP」>
アプリンジン塩酸塩カプセル10mg「NP」とアスペノンカプセル10のそれぞれ4カプセル(アプリンジン塩酸塩として40mg)を、クロスオーバー法により健康成人男子に絶食時に単回経口投与して血漿中未変化体濃度を測定した。得られた薬物動態パラメータ(AUC0→24hr、Cmax)の平均値の差の95%信頼区間は±20%の範囲にあり、両剤の生物学的同等性が確認された。
薬物動態パラメータ
判定パラメータ参考パラメータ
AUC0→24hr(ng・hr/mL)Cmax(ng/mL)Tmax(hr)t1/2(hr)
アプリンジン塩酸塩カプセル10mg「NP」885.74±568.90112.64±43.852.27±0.597.59±5.55
アスペノンカプセル10925.62±542.18118.77±43.472.07±0.596.84±4.10
(Mean±S.D.,n=15)
血漿中アプリンジン塩酸塩濃度推移
血漿中濃度ならびにAUC、Cmax等のパラメータは、被験者の選択、体液の採取回数・時間等の試験条件によって異なる可能性がある。
<アプリンジン塩酸塩カプセル20mg「NP」>
アプリンジン塩酸塩カプセル20mg「NP」とアスペノンカプセル20のそれぞれ2カプセル(アプリンジン塩酸塩として40mg)を、クロスオーバー法により健康成人男子に絶食時に単回経口投与して血漿中未変化体濃度を測定した。得られた薬物動態パラメータ(AUC0→24hr、Cmax)の平均値の差の95%信頼区間は±20%の範囲にあり、両剤の生物学的同等性が確認された。
薬物動態パラメータ
判定パラメータ参考パラメータ
AUC0→24hr(ng・hr/mL)Cmax(ng/mL)Tmax(hr)t1/2(hr)
アプリンジン塩酸塩カプセル20mg「NP」954.62±479.71127.72±54.592.50±0.736.40±3.00
アスペノンカプセル20962.94±457.04124.14±48.102.44±0.638.75±7.53
(Mean±S.D.,n=16)
血漿中アプリンジン塩酸塩濃度推移
血漿中濃度ならびにAUC、Cmax等のパラメータは、被験者の選択、体液の採取回数・時間等の試験条件によって異なる可能性がある。
16.3 分布
16.3.1 血漿タンパク結合率
94~97%(平衡透析法)
16.4 代謝
アプリンジンは主に肝臓で代謝され、健康成人での主要代謝物はアプリンジンのデスエチル体及び水酸化体である。
肝臓の薬物代謝酵素のうち、CYP2D6がアプリンジンの代謝に関与しているとの報告がある(外国人データ)。
代謝物のうちデスエチルアプリンジンには、動物実験(イヌ)においてアプリンジンと同等の抗不整脈作用が認められているが、ヒトの血中には検出されないか、認められてもわずかである。
16.5 排泄
健康成人に3H-アプリンジンを経口投与した場合、尿中への排泄量は24時間で17.0%、120時間で42.5%である(外国人データ)。
健康成人に経口投与したときの未変化体尿中排泄率(96時間)は1%以下である。

併用注意 

薬剤名等臨床症状・措置方法機序・危険因子
ジソピラミド
キニジン硫酸塩水和物
メキシレチン塩酸塩
動物実験において作用増強の報告があることから、刺激伝導障害(房室ブロック、脚ブロック等)を起こすおそれがあるので、慎重に投与すること。心筋の最大脱分極速度を抑制することから、本剤並びに併用薬剤の刺激伝導系の抑制作用を相加的又は相乗的に増強すると考えられる。
ジルチアゼム塩酸塩両剤の血中濃度が上昇したとの報告があるので、併用する場合には両剤共減量する等、慎重に投与すること。肝臓の同一薬物代謝酵素に影響を及ぼし合い、両剤の血中濃度を上昇させる。
アミオダロン塩酸塩アプリンジンの血中濃度が上昇するとの海外報告があるため、併用する場合には慎重に投与すること。機序不明
局所麻酔剤
メピバカイン塩酸塩
両剤の中枢神経系及び心臓に対する副作用が増強される可能性が報告されているので、併用する場合には慎重に投与すること。両剤の抗不整脈作用及び局所麻酔作用が、併用により相加することが考えられる。
ベラパミル塩酸塩アプリンジンの血中濃度が上昇するとの報告があるので、併用する場合には慎重に投与すること。ベラパミルによるチトクロームP450(CYP3A4)に対する競合的阻害作用による。

重大な副作用 

次の副作用があらわれることがあるので、観察を十分に行い、異常が認められた場合には投与を中止するなど適切な処置を行うこと。
11.1.1 催不整脈(頻度不明)
心室頻拍(Torsades de pointesを含む)等があらわれることがある。[2.1、8.2、9.1.1-9.1.3、9.1.5参照]
11.1.2 無顆粒球症(頻度不明)
無顆粒球症(初期症状:発熱、咽頭痛、全身倦怠感等)があらわれることがある。[8.1参照]
11.1.3 間質性肺炎(頻度不明)
間質性肺炎(初期症状:咳嗽、息切れ、呼吸困難、発熱等)があらわれることがあるので、観察を十分に行い、異常が認められた場合には投与を中止し、胸部X線等の検査を行い、副腎皮質ホルモン剤等の投与など適切な処置を行うこと。
11.1.4 肝機能障害、黄疸(いずれも頻度不明)
AST、ALT、γ-GTPの上昇等を伴う肝機能障害や黄疸があらわれることがある。[8.3参照]

その他の副作用 

次の副作用があらわれることがあるので、観察を十分に行い、異常が認められた場合には投与を中止するなど適切な処置を行うこと。

0.5~5%未満0.5%未満頻度不明
肝臓AST、ALT、γ-GTP、Al-P、LDH、総ビリルビンの上昇肝炎、胆汁うっ滞性肝炎
血液白血球減少貧血、顆粒球減少好酸球増多、血小板減少
循環器徐脈、前胸部痛、PQ・QRS・QTcの延長、血圧低下動悸、房室ブロック、洞停止、心不全
精神神経系振戦、めまい・ふらつき眠気、足のもつれ、しびれ感、不眠、抑うつ症状、頭がボーとする、沈みこむ感じ幻覚、言語障害
視覚器視力異常、緑視、複視
消化器悪心・嘔気、食欲不振、口渇、嘔吐消化不良、下痢、便秘、腹痛
過敏症発疹そう痒感
腎臓排尿障害腎機能異常
その他発熱倦怠感、頭痛、頭重感、抗核抗体の陽性化CKの上昇、発汗
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