今日の臨床サポート 今日の臨床サポート

カデチア配合錠LD「あすか」、他

一部のコンテンツを閲覧になるにはご契約が必要となります。

効能・効果/用法・用量 

効能・効果

  • 高血圧症

用法・用量

  • カデチア配合錠LD「あすか」

    • 成人には1日1回1錠(カンデサルタン シレキセチル/ヒドロクロロチアジドとして4mg/6.25mg)を経口投与する.本剤は高血圧治療の第一選択薬として用いない.
  • カデチア配合錠HD「あすか」

    • 成人には1日1回1錠(カンデサルタン シレキセチル/ヒドロクロロチアジドとして8mg/6.25mg)を経口投与する.本剤は高血圧治療の第一選択薬として用いない.

禁忌 

【禁忌】

次の患者には投与しないこと

  • 本剤の成分あるいは他のチアジド系薬剤又はその類似化合物(例えばクロルタリドン等のスルフォンアミド誘導体)に対する過敏症の既往歴のある患者
  • 無尿の患者又は血液透析中の患者[ヒドロクロロチアジドの効果が期待できない.]
  • 急性腎不全の患者[ヒドロクロロチアジドは腎機能を更に悪化させるおそれがある.]
  • 体液中のナトリウム・カリウムが明らかに減少している患者[ヒドロクロロチアジドは低ナトリウム血症,低カリウム血症等の電解質失調を悪化させるおそれがある.]
  • 妊婦又は妊娠している可能性のある女性(「妊婦,産婦,授乳婦等への投与」の項参照)
  • アリスキレンフマル酸塩を投与中の糖尿病患者(ただし,他の降圧治療を行ってもなお血圧のコントロールが著しく不良の患者を除く)[非致死性脳卒中,腎機能障害,高カリウム血症及び低血圧のリスク増加が報告されている.](「重要な基本的注意」の項参照)
  • デスモプレシン酢酸塩水和物(男性における夜間多尿による夜間頻尿)を投与中の患者(「相互作用」の項参照)

注意 

慎重投与

次の患者には慎重に投与すること

両側性腎動脈狭窄のある患者又は片腎で腎動脈狭窄のある患者(「重要な基本的注意」の項参照)
腎障害のある患者[ヒドロクロロチアジド又はカンデサルタン シレキセチルによる腎血流量の低下あるいは過度の降圧により腎機能が悪化するおそれがある.]
高カリウム血症の患者[カンデサルタン シレキセチルは高カリウム血症を増悪させるおそれがある.](「重要な基本的注意」の項参照)
本人又は両親,兄弟に痛風,糖尿病のある患者[ヒドロクロロチアジドにより高尿酸血症,高血糖症を来し,痛風,糖尿病の悪化や顕性化のおそれがある.]
肝障害のある患者[[1]カンデサルタン シレキセチルは肝機能を悪化させるおそれがある.また,活性代謝物カンデサルタンのクリアランスが低下することが推定されているため,少量から投与を開始するなど慎重に投与すること(「薬物動態」の項参照).[2]ヒドロクロロチアジドは肝性昏睡を起こすおそれがある.]
重篤な冠硬化症又は脳動脈硬化症のある患者[ヒドロクロロチアジドによる急激な利尿があらわれた場合,急速な血漿量減少,血液濃縮を来し,血栓塞栓症を誘発するおそれがある.]
下痢,嘔吐のある患者[ヒドロクロロチアジドにより電解質失調を起こすおそれがある.]
高カルシウム血症,副甲状腺機能亢進症のある患者[ヒドロクロロチアジドは血清カルシウムを上昇させるおそれがある.]
減塩療法中の患者[ヒドロクロロチアジドにより低ナトリウム血症を起こすおそれがある.]
ジギタリス剤,糖質副腎皮質ホルモン剤又はACTHの投与を受けている患者(「相互作用」の項参照)
交感神経切除後の患者[ヒドロクロロチアジドの降圧作用が増強される.]
薬剤過敏症の既往歴のある患者
高齢者(「高齢者への投与」の項参照)

重要な基本的注意

本剤は,カンデサルタン シレキセチル4mgあるいは8mgとヒドロクロロチアジド6.25mgとの配合剤であり,カンデサルタン シレキセチルとヒドロクロロチアジド双方の副作用が発現するおそれがあるため,適切に本剤の使用を検討すること.
カンデサルタン シレキセチルは,両側性腎動脈狭窄のある患者又は片腎で腎動脈狭窄のある患者においては,腎血流量の減少や糸球体ろ過圧の低下により急速に腎機能を悪化させるおそれがあるので,治療上やむを得ないと判断される場合を除き,使用は避けること.
血清クレアチニン値が2.0mg/dLを超える腎機能障害患者においては,治療上やむを得ないと判断される場合を除き,使用は避けること.
腎機能障害患者では,血清クレアチニン値上昇及び血清尿酸値上昇のおそれがあるので,定期的に血清クレアチニン値及び血清尿酸値のモニタリングを実施し,観察を十分に行うこと.
ヒドロクロロチアジドは低カリウム血症あるいは高尿酸血症を発現させるおそれがあるので,定期的に血清カリウム値及び血清尿酸値のモニタリングを実施し,観察を十分に行うこと.
カンデサルタン シレキセチルは,高カリウム血症の患者においては,高カリウム血症を増悪させるおそれがあるので,治療上やむを得ないと判断される場合を除き,使用は避けること.
また,腎機能障害,コントロール不良の糖尿病等により血清カリウム値が高くなりやすい患者では,高カリウム血症が発現するおそれがあるので,血清カリウム値に注意すること.
ヒドロクロロチアジドの利尿効果は急激にあらわれることがあるので,電解質失調,脱水に十分注意すること.
アリスキレンフマル酸塩を併用する場合,腎機能障害,高カリウム血症及び低血圧を起こすおそれがあるため,患者の状態を観察しながら慎重に投与すること.なお,eGFRが60mL/min/1.73m2未満の腎機能障害のある患者へのアリスキレンフマル酸塩との併用については,治療上やむを得ないと判断される場合を除き避けること.
カンデサルタン シレキセチルの投与により,まれに血圧が急激に低下し,ショック,失神,一過性の意識消失や腎機能の低下を起こすおそれがあるので,特に次の患者に投与する場合は,本剤の成分であるカンデサルタン シレキセチルの用量を少量より開始し,増量する場合は血圧,腎機能及び患者の状態を十分に観察しながら行うこと.(「重大な副作用」の項参照)
厳重な減塩療法中の患者
利尿剤投与中の患者(特に最近利尿剤投与を開始した患者)
低ナトリウム血症の患者
腎障害のある患者
心不全を合併する患者
降圧作用に基づくめまい,ふらつきがあらわれることがあるので,高所作業,自動車の運転等危険を伴う機械を操作する際には注意させること.
手術前24時間は投与しないことが望ましい(アンジオテンシンII受容体拮抗剤投与中の患者は,麻酔及び手術中にレニン-アンジオテンシン系の抑制作用による高度な血圧低下を起こす可能性がある).
夜間の休息が特に必要な患者には,夜間の排尿を避けるため,午前中に投与することが望ましい.

適用上の注意

薬剤交付時
PTP包装の薬剤はPTPシートから取り出して服用するよう指導すること(PTPシートの誤飲により,硬い鋭角部が食道粘膜へ刺入し,更には穿孔を起こして縦隔洞炎等の重篤な合併症を併発することが報告されている).

用法用量に関連する使用上の注意

原則として,カンデサルタン シレキセチル4mgで効果不十分な場合にカンデサルタン シレキセチル/ヒドロクロロチアジド4mg/6.25mgの投与を,カンデサルタン シレキセチル8mg,又はカンデサルタン シレキセチル/ヒドロクロロチアジド4mg/6.25mgで効果不十分な場合にカンデサルタン シレキセチル/ヒドロクロロチアジド8mg/6.25mgの投与を検討すること.

効能効果に関連する使用上の注意

過度な血圧低下のおそれ等があり,本剤を高血圧治療の第一選択薬としないこと.

高齢者への投与

高齢者には,次の点に注意し,患者の状態を観察しながら慎重に投与すること.
高齢者では一般に過度の降圧は好ましくないとされている(脳梗塞等が起こるおそれがある).
高齢者では,ヒドロクロロチアジドによる急激な利尿は血漿量の減少を来し,脱水,低血圧等による立ちくらみ,めまい,失神等を起こすことがある.
特に心疾患等で浮腫のある高齢者では,ヒドロクロロチアジドによる急激な利尿は急速な血漿量の減少と血液濃縮を来し,脳梗塞等の血栓塞栓症を誘発するおそれがある.
高齢者ではヒドロクロロチアジドによる低ナトリウム血症,低カリウム血症があらわれやすい.

妊婦,産婦,授乳婦等への投与

妊婦又は妊娠している可能性のある女性には投与しないこと.また,投与中に妊娠が判明した場合には,直ちに投与を中止すること.
[[1]妊娠中期及び末期にアンジオテンシンII受容体拮抗剤又はアンジオテンシン変換酵素阻害剤を投与された患者で羊水過少症,胎児・新生児の死亡,新生児の低血圧,腎不全,高カリウム血症,頭蓋の形成不全及び羊水過少症によると推測される四肢の拘縮,頭蓋顔面の変形,肺の低形成等があらわれたとの報告がある.[2]チアジド系薬剤では新生児又は乳児に高ビリルビン血症,血小板減少症等を起こすことがある.また,利尿効果に基づく血漿量減少,血液濃縮,子宮・胎盤血流量減少があらわれることがある.]
妊娠する可能性のある女性に投与する場合には,本剤の投与に先立ち,代替薬の有無等も考慮して本剤投与の必要性を慎重に検討し,治療上の有益性が危険性を上回ると判断される場合にのみ投与すること.また,投与が必要な場合には次の注意事項に留意すること.
本剤投与開始前に妊娠していないことを確認すること.本剤投与中も,妊娠していないことを定期的に確認すること.投与中に妊娠が判明した場合には,直ちに投与を中止すること.
次の事項について,本剤投与開始時に患者に説明すること.また,投与中も必要に応じ説明すること.
妊娠中に本剤を使用した場合,胎児・新生児に影響を及ぼすリスクがあること.
妊娠が判明した又は疑われる場合は,速やかに担当医に相談すること.
妊娠を計画する場合は,担当医に相談すること.
[妊娠していることが把握されずアンジオテンシン変換酵素阻害剤又はアンジオテンシンII受容体拮抗剤を使用し,胎児・新生児への影響(腎不全,頭蓋・肺・腎の形成不全,死亡等)が認められた例が報告されている.
授乳中の女性に投与することを避け,やむを得ず投与する場合には授乳を中止させること.
[[1]ラットの周産期及び授乳期にカンデサルタン シレキセチルを強制経口投与すると,10mg/kg/日以上の群で出生児に水腎症の発生増加が認められている.なお,ラットの妊娠末期のみ,あるいは授乳期のみにカンデサルタン シレキセチルを投与した場合,いずれも300mg/kg/日で出生児に水腎症の増加が認められている.[2]ヒドロクロロチアジドは母乳中に移行することが報告されている.]

小児等への投与

小児等に対する安全性は確立していない(使用経験がない).

薬物動態

生物学的同等性試験
カデチア配合錠LD「あすか」
カデチア配合錠LD「あすか」と標準製剤を,クロスオーバー法によりそれぞれ1錠(カンデサルタン シレキセチル4mg及びヒドロクロロチアジド6.25mg)健康成人男性に絶食単回経口投与して血漿中濃度を測定し,得られた薬物動態パラメータ(AUC,Cmax)について90%信頼区間法にて統計解析を行った結果,log(0.80)~log(1.25)の範囲内であり,両剤の生物学的同等性が確認された.
血漿中カンデサルタン濃度
投与量AUC0-36(ng・hr/mL)Cmax(ng/mL)Tmax(hr)t1/2(hr)
カデチア配合錠LD「あすか」,1錠4mg542.17±159.4946.87±16.524.9±1.08.1±1.9
標準製剤(配合錠LD,1錠)4mg606.74±168.5254.83±20.424.3±1.07.6±1.5
(mean±S.D.,n=68)
血漿中ヒドロクロロチアジド濃度
投与量AUC0-36(ng・hr/mL)Cmax(ng/mL)Tmax(hr)t1/2(hr)
カデチア配合錠LD「あすか」,1錠6.25mg283.93±50.5350.89±12.712.0±0.98.8±0.9
標準製剤(配合錠LD,1錠)6.25mg281.70±54.0854.84±17.241.9±0.89.0±0.9
(mean±S.D.,n=23)
カデチア配合錠HD「あすか」
カデチア配合錠HD「あすか」と標準製剤を,クロスオーバー法によりそれぞれ1錠(カンデサルタン シレキセチル8mg及びヒドロクロロチアジド6.25mg)健康成人男性に絶食単回経口投与して血漿中濃度を測定し,得られた薬物動態パラメータ(AUC,Cmax)について90%信頼区間法にて統計解析を行った結果,log(0.80)~log(1.25)の範囲内であり,両剤の生物学的同等性が確認された.
血漿中カンデサルタン濃度
投与量AUC0-36(ng・hr/mL)Cmax(ng/mL)Tmax(hr)t1/2(hr)
カデチア配合錠HD「あすか」,1錠8mg1009.10±339.7186.83±28.795.0±1.77.9±1.7
標準製剤(配合錠HD,1錠)8mg1070.28±365.9297.61±42.474.5±1.17.7±1.5
(mean±S.D.,n=24)
血漿中ヒドロクロロチアジド濃度
投与量AUC0-36(ng・hr/mL)Cmax(ng/mL)Tmax(hr)t1/2(hr)
カデチア配合錠HD「あすか」,1錠6.25mg277.11±47.2746.43±11.462.1±1.18.9±0.9
標準製剤(配合錠HD,1錠)6.25mg273.67±42.1346.35±13.962.0±0.89.1±0.7
(mean±S.D.,n=24)
血漿中濃度並びにAUC,Cmax等のパラメータは,被験者の選択,体液の採取回数・時間等の試験条件によって異なる可能性がある.
血中濃度(参考)
カンデサルタン シレキセチルでは,高齢本態性高血圧症患者(65~70歳)及び腎障害(血清クレアチニン:0.6~3.6mg/dL)を伴う高血圧症患者18例及び肝障害(ICGR15:15.0~28.0%)を伴う高血圧症患者においても血中濃度は本態性高血圧症患者の場合とほとんど差は認められない.
ヒドロクロロチアジドでは,経口投与後,血漿中より消失半減期約1.7時間及び13時間の速度で,2相性に消失する.腎に対する親和性は高く,経口投与後1~3時間での腎中濃度はクロロチアジドの約4倍である.
カンデサルタン シレキセチルを投与した健康成人男子延べ168例,本態性高血圧症及び高齢本態性高血圧症患者延べ30例,腎障害を伴う高血圧症患者18例,肝障害を伴う高血圧症患者8例,計224例から得られた2,886時点の血中カンデサルタン濃度測定値を用いて,性,年齢,体重,肝機能指標〔AST(GOT),ALT(GPT)〕,腎機能指標(血清クレアチニン,BUN),血中アルブミン値及び高血圧の有無とカンデサルタンのクリアランス,分布容積,相対的バイオアベイラビリティとの関連性を検討した結果,肝障害患者〔AST(GOT)値>40又はALT(GPT)値>35〕におけるクリアランスが45%低下することが推定されている.
尿中排泄率(参考)
カンデサルタン シレキセチルでは,本態性高血圧症患者(38~68歳)8例,高齢本態性高血圧症患者(65~70歳)6例,腎障害を伴う高血圧症患者18例,肝障害を伴う高血圧症患者8例に1日1回4mgを朝食後に初回投与し,さらに1日休薬後連日7日間反復投与したとき,いずれも尿中には未変化体は検出されず,活性代謝物のカンデサルタン及び非活性代謝物M-IIが排泄される.投与24時間までの尿中カンデサルタン及びM-IIの総排泄率は本態性高血圧症患者で11~12%,高齢本態性高血圧症患者及び肝障害を伴う高血圧症患者でほとんど差は認めない.腎障害を伴う高血圧症患者の尿中排泄率は,血清クレアチニン3.0mg/dL以上の患者では1日目1.1%,9日目1.8%で,血清クレアチニン1.5mg/dL未満の腎機能正常例では1日目6.8%,9日目9.3%であった.以上の反復投与時の血中濃度,尿中排泄率からみて,本態性高血圧症患者,高齢本態性高血圧症患者,肝障害を伴う高血圧症患者及び腎障害を伴う高血圧症患者ともに蓄積性は認められないと考えられる.
ヒドロクロロチアジドでは,ヒトに3H標識体を経口投与すると24時間以内に61~66%が尿中に排泄され,静脈内投与では放射能のほぼ全量が排泄される.
代謝(参考)
カンデサルタン シレキセチルはカルボキシルエステラーゼにより活性代謝物カンデサルタンに代謝され,さらに一部がCYP2C9により非活性代謝物M-IIに代謝されるが,本態性高血圧症患者に投与したときのM-IIの血中濃度及び尿中排泄率はカンデサルタンの血中濃度及び尿中排泄率に比べ低く,CYP2C9の遺伝的多型によるカンデサルタンの血中濃度への影響は少ないと考えられる.
蛋白結合率(参考)
カンデサルタンをヒトの血清,4%ヒト血清アルブミン溶液に添加したときの蛋白結合率は,ともに99%以上である.
ヒドロクロロチアジドのヒト血清蛋白結合率は20.8~24.0%である.
溶出挙動
カデチア配合錠LD「あすか」及びカデチア配合錠HD「あすか」は,日本薬局方医薬品各条に定められたカンデサルタン シレキセチル・ヒドロクロロチアジド錠の溶出規格に適合していることが確認されている.

併用禁忌 

薬剤名等臨床症状・措置方法機序・危険因子
デスモプレシン酢酸塩水和物
ミニリンメルト(男性における夜間多尿による夜間頻尿)
低ナトリウム血症が発現するおそれがある.いずれも低ナトリウム血症が発現するおそれがある.

併用注意 

薬剤名等臨床症状・措置方法機序・危険因子
カリウム保持性利尿剤
スピロノラクトン,トリアムテレン等
エプレレノン
カリウム補給剤
血清カリウム値が上昇することがあるので注意すること.カンデサルタン シレキセチルのアルドステロン分泌抑制作用によりカリウム貯留作用が増強することによる.
危険因子:特に腎機能障害のある患者
利尿剤
フロセミド,トリクロルメチアジド等
利尿剤で治療を受けている患者に本剤を初めて投与する場合,降圧作用が増強するおそれがあるので,少量から開始するなど慎重に投与すること.利尿剤で治療を受けている患者にはレニン活性が亢進している患者が多く,カンデサルタン シレキセチルが奏効しやすい.
バルビツール酸誘導体起立性低血圧が増強することがある.左記薬剤の中枢抑制作用と本剤の降圧作用による.
あへんアルカロイド系麻薬起立性低血圧が増強することがある.あへんアルカロイドの大量投与で血圧下降があらわれることが報告されている.
アルコール起立性低血圧が増強することがある.血管拡張作用を有するアルコールとの併用により降圧作用が増強する可能性がある.
昇圧アミン
ノルアドレナリン,アドレナリン
昇圧アミンの作用が減弱することがある.
手術前の患者に使用する場合,本剤の一時休薬等の処置を講ずること.
チアジド系薬剤は昇圧アミンに対する血管壁の反応性を低下させることが報告されている.
ツボクラリン及びその類似作用物質
ツボクラリン塩化物塩酸塩水和物,パンクロニウム臭化物
ツボクラリン及びその類似作用物質の麻痺作用が増強することがある.手術前の患者に使用する場合,本剤の一時休薬等の処置を講ずること.ヒドロクロロチアジドによる血清カリウム値の低下により,左記薬剤の神経・筋遮断作用が増強すると考えられている.
降圧作用を有する他の薬剤
β-遮断剤,ニトログリセリン等
降圧作用が増強するおそれがある.
降圧剤の用量調節等に注意すること.
作用機序の異なる降圧作用により互いに協力的に作用する.
アリスキレンフマル酸塩腎機能障害,高カリウム血症及び低血圧を起こすおそれがあるため,腎機能,血清カリウム値及び血圧を十分に観察すること.なお,eGFRが60mL/min/1.73m2未満の腎機能障害のある患者へのアリスキレンフマル酸塩との併用については,治療上やむを得ないと判断される場合を除き避けること.併用によりレニン-アンジオテンシン系阻害作用が増強される可能性がある.
アンジオテンシン変換酵素阻害剤腎機能障害,高カリウム血症及び低血圧を起こすおそれがあるため,腎機能,血清カリウム値及び血圧を十分に観察すること.併用によりレニン-アンジオテンシン系阻害作用が増強される可能性がある.
ジギタリス剤
ジゴキシン,ジギトキシン
ジギタリスの心臓に対する作用が増強し,不整脈等が起こることがある.血清カリウム値に十分注意すること.ヒドロクロロチアジドによる血清カリウム値の低下により,多量のジギタリスが心筋Na-K ATPaseに結合し,心収縮力増強と不整脈が起こる.マグネシウム低下も同様の作用を示す.
乳酸ナトリウムチアジド系薬剤による代謝性アルカローシス,低カリウム血症が増強することがある.ヒドロクロロチアジドによるカリウム排泄作用により低カリウム血症や代謝性アルカローシスが引き起こされることがある.アルカリ化剤である乳酸ナトリウムの併用はこの状態をさらに増強させる.
炭酸リチウムリチウム中毒が報告されているので,リチウムと併用する場合には,血中のリチウム濃度に注意すること.腎尿細管におけるリチウムの再吸収が促進される.
糖質副腎皮質ホルモン剤,ACTH低カリウム血症が発現することがある.ヒドロクロロチアジド及び左記薬剤ともカリウム排泄作用を持つ.
グリチルリチン製剤血清カリウム値の低下があらわれやすくなる.左記薬剤は低カリウム血症を主徴とした偽アルドステロン症を引き起こすことがあり,ヒドロクロロチアジドとの併用により,低カリウム血症を増強させる可能性がある.
糖尿病用剤
SU剤,
インスリン
糖尿病用剤の作用が著しく減弱することがある.機序は明確ではないが,ヒドロクロロチアジドによるカリウム喪失により,膵臓のβ細胞のインスリン放出が低下すると考えられている.
コレスチラミンチアジド系薬剤の作用が減弱することがある.左記薬剤の吸着作用によりチアジド系薬剤の吸収が阻害されることがある.
非ステロイド性消炎鎮痛剤(NSAIDs)・COX-2選択的阻害剤
インドメタシン等
降圧作用が減弱することがある.非ステロイド性消炎鎮痛剤・COX-2選択的阻害剤はプロスタグランジンの合成を阻害することから,血管拡張抑制等をきたし,降圧作用を減弱させる可能性があると考えられている.
非ステロイド性消炎鎮痛剤(NSAIDs)・COX-2選択的阻害剤
インドメタシン等
腎障害のある患者では,さらに腎機能が悪化するおそれがある.非ステロイド性消炎鎮痛剤・COX-2選択的阻害剤のプロスタグランジン合成阻害作用により,腎血流量が低下するためと考えられている.

重大な副作用 

(頻度不明)
血管浮腫
顔面,口唇,舌,咽・喉頭等の腫脹を症状とする血管浮腫があらわれることがあるので観察を十分に行い,異常が認められた場合には投与を中止し,適切な処置を行うこと.
ショック,失神,意識消失
ショック,血圧低下に伴う失神,意識消失があらわれることがあるので,観察を十分に行い,冷感,嘔吐,意識消失等があらわれた場合には,直ちに適切な処置を行うこと.特に厳重な減塩療法中,利尿剤投与中あるいは心不全を合併する患者では,本剤の成分であるカンデサルタン シレキセチルの用量を少量から投与を開始し,増量する場合は患者の状態を十分に観察しながら行うこと.
急性腎障害
急性腎障害があらわれることがあるので,観察を十分に行い,異常が認められた場合には投与を中止し,適切な処置を行うこと.
高カリウム血症
重篤な高カリウム血症があらわれることがあるので,観察を十分に行い,異常が認められた場合には,直ちに適切な処置を行うこと.
低ナトリウム血症
倦怠感,食欲不振,嘔気,嘔吐,意識障害等を伴う低ナトリウム血症があらわれることがある(高齢者であらわれやすい)ので,観察を十分に行い,異常が認められた場合には投与を中止し,直ちに適切な処置を行うこと.(「慎重投与」,「高齢者への投与」の項参照)
肝機能障害,黄疸
AST(GOT),ALT(GPT),γ-GTPの上昇等の肝機能障害,黄疸があらわれることがあるので,観察を十分に行い,異常が認められた場合には投与を中止し,適切な処置を行うこと.
無顆粒球症
無顆粒球症があらわれることがあるので,観察を十分に行い,異常が認められた場合には投与を中止し,適切な処置を行うこと.
横紋筋融解症
筋肉痛,脱力感,CK(CPK)上昇,血中及び尿中ミオグロビン上昇を特徴とする横紋筋融解症があらわれることがあるので,観察を十分に行い,このような場合には直ちに投与を中止し,適切な処置を行うこと.
間質性肺炎
発熱,咳嗽,呼吸困難,胸部X線異常等を伴う間質性肺炎があらわれることがあるので,このような場合には投与を中止し,副腎皮質ホルモン剤の投与等の適切な処置を行うこと.
低血糖
低血糖があらわれることがある(糖尿病治療中の患者であらわれやすい)ので,観察を十分に行い,脱力感,空腹感,冷汗,手の震え,集中力低下,痙攣,意識障害等があらわれた場合には投与を中止し,適切な処置を行うこと.
再生不良性貧血,溶血性貧血
重篤な血液障害があらわれることがあるので,定期的に検査を実施するなど観察を十分に行うこと.
壊死性血管炎
壊死性血管炎があらわれることがあるので,異常が認められた場合には投与を中止し,直ちに適切な処置を行うこと.
肺水腫,急性呼吸窮迫症候群
肺水腫があらわれることがあるので,観察を十分に行い,異常が認められた場合には投与を中止し,直ちに適切な処置を行うこと.また,ヒドロクロロチアジド服用後,数分から数時間以内に急性呼吸窮迫症候群が発現したとの報告がある.
全身性エリテマトーデスの悪化
全身性エリテマトーデスを悪化させることがあるので,観察を十分に行い,異常が認められた場合には投与を中止し,適切な処置を行うこと.
アナフィラキシー
アナフィラキシーがあらわれることがあるので,観察を十分に行い,異常が認められた場合には投与を中止し,適切な処置を行うこと.
中毒性表皮壊死融解症(Toxic Epidermal Necrolysis:TEN)
中毒性表皮壊死融解症があらわれることがあるので,異常が認められた場合には投与を中止し,適切な処置を行うこと.
間質性腎炎
間質性腎炎があらわれることがあるので,異常が認められた場合には投与を中止し,適切な処置を行うこと.
急性近視,閉塞隅角緑内障
急性近視(霧視,視力低下等を含む),閉塞隅角緑内障があらわれることがあるので,急激な視力の低下や眼痛等の異常が認められた場合には投与を中止し,速やかに眼科医の診察を受けるよう,患者に指導すること.

その他の副作用 

頻度不明
過敏症注1)発疹,光線過敏症,湿疹,蕁麻疹,そう痒,呼吸困難,顔面紅潮
循環器めまい注2),動悸,ほてり,期外収縮,ふらつき注2)立ちくらみ注2),心房細動,起立性低血圧
精神神経系頭痛,頭重感,不眠,眠気,舌のしびれ感,四肢のしびれ感,知覚異常
代謝異常血中尿酸上昇,血中カリウム上昇,血清脂質上昇,総コレステロール上昇,高血糖症,低カリウム血症,低マグネシウム血症,低クロール性アルカローシス,血清カルシウムの上昇等の電解質失調,血清総タンパク減少
消化器悪心,口内炎,味覚異常,便秘,口渇,嘔吐,食欲不振,胃部不快感,心窩部痛,下痢,腹部疝痛,膵炎,唾液腺炎,腹部不快感
肝臓ALT(GPT),LDH,ALP,γ-GTP,AST(GOT)の上昇
皮膚皮膚エリテマトーデス
血液白血球増多,貧血,白血球減少,好酸球増多,血小板減少,紫斑
腎臓BUN,クレアチニンの上昇,蛋白尿
その他倦怠感,頻尿,浮腫,咳,血中CK(CPK)上昇,CRP上昇,勃起不全,視力異常(霧視等),脱力感,鼻出血,腰背部痛,筋肉痛,筋痙攣,高カルシウム血症を伴う副甲状腺障害,鼻閉,黄視症,耳鳴

注1)このような場合には投与を中止すること.
注2)このような場合には減量,休薬するなど適切な処置を行うこと.

戻る

さらなるご利用にはご登録が必要です。

こちらよりご契約または優待日間無料トライアルお申込みをお願いします。

(※トライアルご登録は1名様につき、一度となります)


ご契約の場合はご招待された方だけのご優待特典があります。

以下の優待コードを入力いただくと、

契約期間が通常12ヵ月のところ、14ヵ月ご利用いただけます。

優待コード: (利用期限:まで)

ご契約はこちらから