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フリウェル配合錠LD「トーワ」、他

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効能・効果/用法・用量 

効能・効果

  • ○月経困難症
  • ○生殖補助医療における調節卵巣刺激の開始時期の調整

用法・用量

  • <月経困難症>

    • 1日1錠を毎日一定の時刻に21日間経口投与し、その後7日間休薬する。以上28日間を投与1周期とし、出血が終わっているか続いているかにかかわらず、29日目から次の周期の錠剤を投与し、以後同様に繰り返す。
  • <生殖補助医療における調節卵巣刺激の開始時期の調整>

    • 1日1錠を毎日一定の時刻に、通常、14~21日間経口投与する。

禁忌 

【禁忌】

次の患者には投与しないこと

  • 2.1 本剤の成分に対し過敏性素因のある患者
  • 2.2 エストロゲン依存性悪性腫瘍(例えば乳癌、子宮内膜癌)、子宮頸癌及びその疑いのある患者[腫瘍の悪化あるいは顕性化を促すことがある。][8.9-8.11、8.13参照]
  • 2.3 診断の確定していない異常性器出血のある患者[性器癌の疑いがある。出血が性器癌による場合は、癌の悪化あるいは顕性化を促すことがある。][8.9、8.11、8.13参照]
  • 2.4 血栓性静脈炎、肺塞栓症、脳血管障害、冠動脈疾患又はその既往歴のある患者[血液凝固能が亢進され、これらの症状が増悪することがある。][11.1.1参照]
  • 2.5 35歳以上で1日15本以上の喫煙者[心筋梗塞等の心血管系の障害が発生しやすくなるとの報告がある。][8.7、9.1.2、9.1.5、11.1.1参照]
  • 2.6 前兆(閃輝暗点、星型閃光等)を伴う片頭痛の患者[前兆を伴う片頭痛の患者は前兆を伴わない患者に比べ脳血管障害(脳卒中等)が発生しやすくなるとの報告がある。][11.1.1参照]
  • 2.7 肺高血圧症又は心房細動を合併する心臓弁膜症の患者、亜急性細菌性心内膜炎の既往歴のある心臓弁膜症の患者[血栓症等の心血管系の障害が発生しやすくなるとの報告がある。][9.1.9、11.1.1参照]
  • 2.8 血管病変を伴う糖尿病患者(糖尿病性腎症、糖尿病性網膜症等)[血栓症等の心血管系の障害が発生しやすくなるとの報告がある。][11.1.1参照]
  • 2.9 血栓性素因のある患者[血栓症等の心血管系の障害が発生しやすくなるとの報告がある。][11.1.1参照]
  • 2.10 抗リン脂質抗体症候群の患者[血栓症等の心血管系の障害が発生しやすくなるとの報告がある。][11.1.1参照]
  • 2.11 手術前4週以内、術後2週以内、産後4週以内及び長期間安静状態の患者[血液凝固能が亢進され、心血管系の副作用の危険性が高くなることがある。][8.6、11.1.1参照]
  • 2.12 重篤な肝障害のある患者[9.3.1参照]
  • 2.13 肝腫瘍のある患者[症状が増悪することがある。]
  • 2.14 脂質代謝異常のある患者[血栓症等の心血管系の障害が発生しやすくなるとの報告がある。また、脂質代謝に影響を及ぼす可能性があるため、症状が増悪することがある。][11.1.1参照]
  • 2.15 高血圧のある患者(軽度の高血圧の患者を除く)[血栓症等の心血管系の障害が発生しやすくなるとの報告がある。また、症状が増悪することがある。][9.1.10、11.1.1参照]
  • 2.16 耳硬化症の患者[症状が増悪することがある。]
  • 2.17 妊娠中に黄疸、持続性そう痒症又は妊娠ヘルペスの既往歴のある患者[症状が再発するおそれがある。]
  • 2.18 妊婦又は妊娠している可能性のある患者[9.4.1、9.4.2、9.5.1参照]
  • 2.19 授乳婦[9.6参照]
  • 2.20 骨成長が終了していない可能性がある患者[骨端の早期閉鎖を来すおそれがある。]

注意 

9.特定の背景を有する患者に関する注意

9.1 合併症・既往歴等のある患者
9.1.1 子宮筋腫のある患者
定期的に内診や画像診断等の検査を行うなど慎重に投与すること。筋腫の腫大を促すことがある。[8.9参照]
9.1.2 40歳以上の患者(ただし、1日15本以上の喫煙者には投与しないこと)
一般に心筋梗塞等の心血管系の障害が発生しやすくなる年代であるため、これを助長するおそれがある。[2.5、8.7、11.1.1参照]
9.1.3 乳癌の既往歴のある患者
乳癌が再発するおそれがある。[8.10参照]
9.1.4 乳癌の家族歴又は乳房に結節のある患者
定期的に乳房検診を行うなど慎重に投与すること。エストロゲン投与と乳癌発生との因果関係についてその関連性を示唆する報告もある。[8.10参照]
9.1.5 喫煙者(ただし、35歳以上で1日15本以上の喫煙者には投与しないこと)
心筋梗塞等の心血管系の障害が発生しやすくなるとの報告がある。[2.5、8.7、11.1.1参照]
9.1.6 肥満の患者
血栓症等の心血管系の障害が発生しやすくなるとの報告がある。[11.1.1参照]
9.1.7 血栓症の家族歴を持つ患者
血栓症等の心血管系の障害が発生しやすくなるとの報告がある。[11.1.1参照]
9.1.8 前兆を伴わない片頭痛の患者
脳血管障害(脳卒中等)が発生しやすくなるとの報告がある。[11.1.1参照]
9.1.9 心臓弁膜症の患者(ただし、肺高血圧症又は心房細動を合併する心臓弁膜症の患者、亜急性細菌性心内膜炎の既往歴のある心臓弁膜症の患者には投与しないこと)
血栓症等の心血管系の障害が発生しやすくなるとの報告がある。[2.7、11.1.1参照]
9.1.10 軽度の高血圧(妊娠中の高血圧の既往も含む)のある患者
血栓症等の心血管系の障害が発生しやすくなるとの報告がある。また、症状が増悪することがある。[2.15、11.1.1参照]
9.1.11 耐糖能の低下している患者(糖尿病患者及び耐糖能異常の患者)
十分コントロールを行いながら投与すること。耐糖能が低下することがある。
9.1.12 ポルフィリン症の患者
症状が増悪することがある。
9.1.13 心疾患又はその既往歴のある患者
ナトリウム又は体液の貯留により症状が増悪することがある。
9.1.14 てんかん患者
症状が増悪することがある。
9.1.15 テタニーのある患者
症状が増悪することがある。
9.2 腎機能障害患者
9.2.1 腎疾患又はその既往歴のある患者
ナトリウム又は体液の貯留により症状が増悪することがある。
9.3 肝機能障害患者
9.3.1 重篤な肝障害のある患者
投与しないこと。代謝能が低下しており肝臓への負担が増加するため、症状が増悪することがある。[2.12参照]
9.3.2 肝障害のある患者(重篤な肝障害の患者を除く)
代謝能が低下しており肝臓への負担が増加するため、症状が増悪することがある。
9.4 生殖能を有する者
<月経困難症>
9.4.1 本剤の投与に際しては、問診、内診、基礎体温の測定、免疫学的妊娠診断等により、妊娠していないことを十分に確認すること。[2.18、9.5.1参照]
9.4.2 服用中に消退出血が2周期連続して発来しなかった場合、投与継続に先だって妊娠していないことを確認すること。[2.18、9.5.1参照]
9.4.3 妊娠を希望する場合には、本剤の服用を中止後に月経周期が回復するまで避妊させることが望ましい。
9.5 妊婦
9.5.1 妊婦又は妊娠している可能性のある女性には投与しないこと。妊娠が確認された場合には投与を中止すること。[2.18、9.4.1、9.4.2参照]
9.5.2 卵胞ホルモン剤を妊娠動物(マウス)に投与した場合、児の成長後腟上皮及び子宮内膜の悪性変性を示唆する結果が報告されている。また、新生児(マウス)に投与した場合、児の成長後腟上皮の悪性変性を認めたとの報告がある。
9.6 授乳婦
投与しないこと。母乳の量的質的低下が起こることがある。また、母乳中への移行、児において黄疸、乳房腫大が起こるとの報告がある。[2.19参照]
9.7 小児等
小児等を対象とした有効性及び安全性を指標とした臨床試験は実施していない。

8.重要な基本的注意

<効能共通>
8.1 本剤を避妊目的で使用しないこと。
8.2 本剤の服用により、年齢、喫煙、肥満、家族歴等のリスク因子の有無にかかわらず血栓症があらわれることがあるので、次のような症状があらわれた場合は直ちに投与を中止し、適切な処置を行うこと。
緊急対応を要する血栓症の主な症状
下肢の急激な疼痛・腫脹、突然の息切れ、胸痛、激しい頭痛、四肢の脱力・麻痺、構語障害、急性視力障害等
患者に対しても、このような症状があらわれた場合は、直ちに服用を中止し、救急医療機関を受診するよう説明すること。[11.1.1参照]
8.3 本剤の服用中に、血栓症が疑われる症状があらわれた場合は、投与を中止するなど適切な処置を行うこと。[11.1.1参照]
血栓症が疑われる症状
下肢の疼痛・腫脹・しびれ・発赤・熱感、頭痛、嘔気・嘔吐等
8.4 血栓症のリスクが高まる状態(体を動かせない状態、顕著な血圧上昇、脱水等)が認められる場合は、投与を中止するなど適切な処置を行うこと。[11.1.1参照]
8.5 患者には、投与開始時及び継続時に以下について説明すること。[11.1.1参照]
・血栓症は生命に関わる経過をたどることがあること。
・血栓症が疑われる症状があらわれた場合や、血栓症のリスクが高まる状態になった場合は、症状・状態が軽度であっても直ちに服用を中止し医師等に相談すること。
・血栓症を疑って他の医療機関を受診する際は、本剤の使用を医師に告知し、本剤による血栓症を念頭においた診察を受けられるようにすること。
8.6 本剤服用中にやむを得ず手術が必要と判断される場合には、血栓症の予防に十分配慮すること。[2.11、11.1.1参照]
8.7 年齢及び喫煙量により心血管系の重篤な副作用の危険性が増大するとの報告があるので、本剤服用患者には禁煙するよう指導すること。[2.5、9.1.2、9.1.5、11.1.1参照]
8.8 本剤は黄体ホルモンと卵胞ホルモンの配合剤であることから、黄体ホルモン又は卵胞ホルモンを含有する薬剤(経口避妊薬等)を使用している場合は、本剤の投与開始前に中止させること。また、本剤投与中にこれらの薬剤を使用しないよう患者に指導すること。
<月経困難症>
8.9 本剤の投与に際しては、患者の病歴調査及び検診が必要である。この検診には、血圧測定、乳房・腹部の検査及び臨床検査が含まれる。本剤投与中は6ヵ月毎の検診を行い、1年に1回以上、子宮・卵巣を中心とした骨盤内臓器の検査を行うこと。また、1年に1回、子宮頸部の細胞診の実施を考慮すること。[2.2、2.3、9.1.1参照]
8.10 乳癌の検査は、患者に自己検診を行うよう指導すること。[2.2、9.1.3、9.1.4参照]
8.11 本剤投与中の器質的疾患を伴う月経困難症患者では、不正性器出血の発現に注意するとともに定期的に内診及び超音波検査等を実施して、器質的疾患の増悪の有無を確認すること。特に、子宮内膜症性卵巣嚢胞(卵巣チョコレート嚢胞)は、自然経過において悪性化することを示唆する報告があるので、画像診断や腫瘍マーカー等の検査も行うこと。本剤投与中に腫瘤が増大するなど器質的疾患の増悪が認められる場合は、他の治療法も勘案したうえで投与継続の可否を判断すること。[2.2、2.3参照]
8.12 本剤投与中は経過を十分に観察し、期待する効果が得られない場合には漫然と投与を継続せず、他の適切な治療を考慮すること。
8.13 服用中に不正性器出血が発現した場合、通常は投与継続中に消失するが、長期間持続する場合は、腟細胞診等の検査で悪性疾患によるものではないことを確認の上、投与すること。[2.2、2.3参照]
8.14 本剤投与により希発月経等の月経異常や不正性器出血がみられる。患者にはあらかじめ十分に説明し、通常の月経に比べて出血量が多く持続日数が長い場合あるいは月経の発来がない場合には、医師へ相談するよう指導すること。出血が続く患者には必要に応じて血液検査等を実施し、異常が認められた場合には鉄剤の投与又は本剤の投与中止など適切な処置を行うこと。
8.15 服用中に激しい下痢、嘔吐が続いた場合には本剤の吸収不良をきたすことがあり、妊娠する可能性が高くなるので注意すること。
<生殖補助医療における調節卵巣刺激の開始時期の調整>
8.16 本剤は、不妊治療に十分な知識と経験のある医師のもとで使用すること。本剤投与により予想されるリスク及び注意すべき症状について、あらかじめ患者に説明を行うこと。
8.17 服用中に激しい下痢、嘔吐が続いた場合には本剤の吸収不良を来すことがあり、予定した時期に消退出血が発来しない可能性があるので、医師に相談すること。

14.適用上の注意

14.1 薬剤交付時の注意
PTP包装の薬剤はPTPシートから取り出して服用するよう指導すること。PTPシートの誤飲により、硬い鋭角部が食道粘膜へ刺入し、更には穿孔をおこして縦隔洞炎等の重篤な合併症を併発することがある。

7.用法及び用量に関連する注意

<効能共通>
7.1 毎日一定の時刻に服用させること。
7.2 本剤の投与にあたっては飲み忘れ等がないよう服用方法を十分指導すること。
7.3 万一前日の飲み忘れに気付いた場合、直ちに前日の飲み忘れた錠剤を服用し、当日の錠剤も通常の服薬時刻に服用する。2日以上服薬を忘れた場合は、気付いた時点で前日分の1錠を服用し、当日の錠剤も通常の服薬時刻に服用し、その後は当初の服薬スケジュールとおり服用を継続すること。
<月経困難症>
7.4 初めて服用させる場合、原則として月経第1~5日目に服用を開始させること。
7.5 本剤の1年を超える投与における有効性及び安全性は確立していないので、1年を超える投与は治療上必要と判断される場合にのみ行い、定期的に画像診断及び臨床検査(血液検査等)を行うなど、患者の状態に十分注意すること。
7.6 ノルエチステロン・エチニルエストラジオール配合錠ULDのエチニルエストラジオールの用量はノルエチステロン・エチニルエストラジオール配合錠LDより低用量であり、臨床試験においてノルエチステロン・エチニルエストラジオール配合錠LDと比較して不正性器出血の発現率が高いことを踏まえ、症状や治療目標に応じて治療薬を選択すること。[11.2参照]

5.効能又は効果に関連する注意

<生殖補助医療における調節卵巣刺激の開始時期の調整>
妊娠率や生産率の報告を踏まえると、本剤を含む低用量卵胞ホルモン・黄体ホルモン配合剤で調節卵巣刺激の開始時期の調整を行った場合は、開始時期の調整を行わない場合と比べて、妊娠率や生産率が低下する可能性があるので、このことを患者に説明した上で、本剤の投与の要否は、患者ごとに治療上の必要性を考慮して慎重に判断すること。[15.1.6参照]

16.薬物動態

16.1 血中濃度
<ノルエチステロン1mg及びエチニルエストラジオール0.035mg配合製剤(以下、LD配合製剤)>
16.1.1 単回経口投与
健康成人女性29例へのLD配合製剤(ノルエチステロン1mg、エチニルエストラジオール0.035mg)単回経口投与時の薬物動態パラメータは、以下のとおりであった。
Cmax(ng/mL)Tmax(hr)t1/2(hr)AUC0-∞(ng・hr/mL)
ノルエチステロン12.4±4.41.7±1.06.8±1.175.2±34.1
エチニルエストラジオール0.094±0.0311.4±0.59.3±3.70.923±0.357
(n=29、平均値±標準偏差)
16.1.2 反復経口投与
健康成人女性9例に本剤と同一成分・含量の薬剤を21日間反復経口投与した場合の薬物動態パラメータは、以下のとおりであった。
Cmax(ng/mL)Tmax(hr)t1/2(hr)AUC0-24(ng・hr/mL)
ノルエチステロン22.4±11.12.6±3.79.7±2.2175.7±51.3
エチニルエストラジオール0.172±0.0521.3±1.012.5±2.71.999±0.455
(n=9、平均値±標準偏差)
<ノルエチステロン1mg及びエチニルエストラジオール0.02mg配合製剤(以下、ULD配合製剤)>
16.1.3 単回経口投与
健康成人女性12例へのULD配合製剤(ノルエチステロン1mg、エチニルエストラジオール0.02mg)単回経口投与時の薬物動態パラメータは、以下のとおりであった。
Cmax(ng/mL)Tmax(hr)t1/2(hr)AUC0-24(ng・hr/mL)
ノルエチステロン12.5±6.21.8±0.87.4±1.969.2±36.3
エチニルエストラジオール0.056±0.0171.5±0.45.5±2.20.368±0.171
(n=12、平均値±標準偏差)
16.1.4 反復経口投与
ノルエチステロン、エチニルエストラジオールともに投与4日目から定常状態に達すると考えられる。
16.1.5 生物学的同等性試験
<フリウェル配合錠LD「トーワ」>
フリウェル配合錠LD「トーワ」とルナベル配合錠LDを、クロスオーバー法によりそれぞれ1錠(ノルエチステロンとして1mg及びエチニルエストラジオールとして0.035mg)健康成人女性に絶食単回経口投与してノルエチステロン及びエチニルエストラジオールの血漿中未変化体濃度を測定し、得られた薬物動態パラメータ(AUC、Cmax)について90%信頼区間法にて統計解析を行った。その結果、いずれもlog(0.80)~log(1.25)の範囲内であり、両剤の生物学的同等性が確認された。
(1)ノルエチステロン
判定パラメータ参考パラメータ
AUC0-24(ng・hr/mL)Cmax(ng/mL)Tmax(hr)t1/2(hr)
フリウェル配合錠LD「トーワ」74.7±38.214.28±5.761.28±0.397.07±1.54
ルナベル配合錠LD73.9±34.512.37±4.821.69±0.576.84±1.27
(n=18、平均値±標準偏差)
血漿中濃度並びにAUC、Cmax等のパラメータは、被験者の選択、体液の採取回数・時間等の試験条件によって異なる可能性がある。
(2)エチニルエストラジオール
判定パラメータ参考パラメータ
AUC0-24(pg・hr/mL)Cmax(pg/mL)Tmax(hr)t1/2(hr)
フリウェル配合錠LD「トーワ」852±257107.7±30.71.58±0.398.78±3.05
ルナベル配合錠LD838±242102.4±26.51.42±0.358.29±2.83
(n=18、平均値±標準偏差)
血漿中濃度並びにAUC、Cmax等のパラメータは、被験者の選択、体液の採取回数・時間等の試験条件によって異なる可能性がある。
16.2 吸収
16.2.1 生物学的利用率
外国人において、ラジオイムノアッセイ法により測定したノルエチステロン及びエチニルエストラジオールの経口投与後の生物学的利用率はそれぞれ64%及び約40%であった。
16.3 分布
16.3.1 血漿蛋白結合率
限外ろ過法により測定したノルエチステロン及びエチニルエストラジオールのヒト血漿中蛋白結合率はそれぞれ約96%及び99%であった(in vitro)。
16.4 代謝
ノルエチステロンは主にステロイド骨格中のA環の還元により代謝され、その後硫酸抱合あるいはグルクロン酸抱合を受ける。エチニルエストラジオールは肝ミクロゾーム代謝酵素によって不活性代謝物へ変換され、その後3位で直接硫酸抱合あるいはグルクロン酸抱合を受ける。
16.5 排泄
ラットに経口投与した場合、ノルエチステロン及びエチニルエストラジオールは主に胆汁を経由して、糞中に排泄された。
16.8 その他
<フリウェル配合錠ULD「トーワ」>
フリウェル配合錠ULD「トーワ」は、フリウェル配合錠LD「トーワ」を標準製剤としたとき、溶出挙動が同等と判断され、生物学的に同等とみなされた。

併用注意 

薬剤名等臨床症状・措置方法機序・危険因子
副腎皮質ホルモン
プレドニゾロン等
三環系抗うつ剤
イミプラミン等
セレギリン塩酸塩
シクロスポリン
テオフィリン
オメプラゾール
これらの薬剤の作用が増強するおそれがある。本剤はこれらの薬剤の代謝を抑制すると考えられる。
チザニジンこれらの薬剤の作用が増強するおそれがある。本剤は肝の薬物代謝酵素(CYP1A2)を阻害し、この薬剤の代謝を抑制すると考えられる。
リファンピシン
リファブチン
本剤の効果の減弱化及び不正性器出血の発現率が増大するおそれがある。これらの薬剤は肝の薬物代謝酵素(CYP3A4等)を誘導し、本剤の代謝を促進すると考えられる。
バルビツール酸系製剤
フェノバルビタール等
ヒダントイン系製剤
フェニトインナトリウム等
カルバマゼピン
ボセンタン
モダフィニル
トピラマート
本剤の効果の減弱化及び不正性器出血の発現率が増大するおそれがある。これらの薬剤は肝の薬物代謝酵素を誘導し、本剤の代謝を促進すると考えられる。
テトラサイクリン系抗生物質
テトラサイクリン等
ペニシリン系抗生物質
アンピシリン等
本剤の効果の減弱化及び不正性器出血の発現率が増大するおそれがある。これらの薬剤は腸内細菌叢を変化させ、本剤の腸肝循環による再吸収を抑制すると考えられる。
テルビナフィン塩酸塩黄体ホルモン・卵胞ホルモン配合剤との併用で、月経異常があらわれたとの報告がある。機序不明
Gn-RH誘導体
ブセレリン酢酸塩等
これらの薬剤の作用を減弱するおそれがある。これらの薬剤は性ホルモンの分泌を低下することにより薬効を示すため、性ホルモンである本剤の投与によってこれらの薬剤の効果を減弱する可能性が考えられる。
血糖降下剤
インスリン製剤
スルフォニル尿素系製剤
スルフォンアミド系製剤
ビグアナイド系製剤等
血糖降下剤の作用が減弱するおそれがある。血糖値その他患者の状態を十分観察し、血糖降下剤の用量を調節するなど注意する。本剤は耐糖能を低下させ、血糖降下剤の作用を減弱させると考えられる。
ラモトリギン
モルヒネ
サリチル酸
これらの薬剤の血中濃度が低下するおそれがある。本剤はこれらの薬剤のグルクロン酸抱合を促進すると考えられる。
HIVプロテアーゼ阻害剤
ネルフィナビルメシル酸塩
ホスアンプレナビル(リトナビル併用時)
エチニルエストラジオールの血中濃度が低下するおそれがある。機序不明
HIVプロテアーゼ阻害剤
リトナビル
ダルナビル(リトナビル併用時)
エチニルエストラジオールの血中濃度が低下するおそれがある。リトナビルは薬物代謝酵素を誘導し、本剤の代謝を促進すると考えられる。
HIVプロテアーゼ阻害剤
ロピナビル・リトナビル配合剤
エチニルエストラジオールの血中濃度が低下するおそれがある。この薬剤は薬物代謝酵素を誘導し、本剤の代謝を促進すると考えられる。
非ヌクレオシド系逆転写酵素阻害剤
ネビラピン
エチニルエストラジオールの血中濃度が低下するおそれがある。機序不明
HIVプロテアーゼ阻害剤
アタザナビル
本剤の血中濃度が上昇するおそれがある。本剤の代謝酵素(CYP3A4)を阻害すると考えられる。
非ヌクレオシド系逆転写酵素阻害剤
エトラビリン
本剤の血中濃度が上昇するおそれがある。この薬剤は本剤の代謝酵素(CYP2C9)を阻害すると考えられる。
アプレピタント
ホスアプレピタント
本剤の効果が減弱されるおそれがある。機序は解明されていないが、これらの薬剤との併用により本剤の代謝が亢進すると考えられる。
フルコナゾール本剤の血中濃度が上昇するおそれがある。フルコナゾールは本剤の代謝酵素(CYP3A4)を阻害すると考えられる。
ボリコナゾール本剤の血中濃度が上昇するおそれがある。
ボリコナゾールの血中濃度が上昇するおそれがある。
ボリコナゾールは本剤の代謝酵素(CYP3A4)を阻害すると考えられる。
本剤がボリコナゾールの代謝酵素(CYP2C19)を阻害すると考えられる。
アセトアミノフェン本剤の血中濃度が上昇するおそれがある。
アセトアミノフェンの血中濃度が低下するおそれがある。
アセトアミノフェンはエチニルエストラジオールの硫酸抱合を阻害すると考えられる。
本剤が肝におけるアセトアミノフェンのグルクロン酸抱合を促進すると考えられる。
ルフィナミド本剤の効果が減弱化するおそれがある。機序不明
セイヨウオトギリソウ(St.John's Wort、セント・ジョーンズ・ワート)含有食品本剤の効果の減弱化及び不正性器出血の発現率が増大するおそれがあるので、本剤投与時はセイヨウオトギリソウ含有食品を摂取しないよう注意すること。この食品は肝の薬物代謝酵素を誘導し、本剤の代謝を促進すると考えられる。

重大な副作用 

次の副作用があらわれることがあるので、観察を十分に行い、異常が認められた場合には投与を中止するなど適切な処置を行うこと。
11.1.1 血栓症(四肢、肺、心、脳、網膜等)(頻度不明)
下肢の急激な疼痛・腫脹、突然の息切れ、胸痛、激しい頭痛、四肢の脱力・麻痺、構語障害、急性視力障害等の症状があらわれた場合には直ちに投与を中止し、適切な処置を行うこと。[2.4-2.11、2.14、2.15、8.2-8.7、9.1.2、9.1.5-9.1.10参照]
11.1.2 アナフィラキシー(頻度不明)
呼吸困難、蕁麻疹、血管浮腫、そう痒感等があらわれることがある。

その他の副作用 

次の副作用があらわれることがあるので、観察を十分に行い、異常が認められた場合には投与を中止するなど適切な処置を行うこと。

5%以上0.1~5%未満頻度不明
過敏症発疹、薬疹、顔面浮腫
血液貧血
内分泌代謝浮腫、体重増加、体重減少、高プロラクチン血症高脂血症
精神神経頭痛(15.5%)倦怠感、めまい、いらいら感、ふらつき、感覚鈍麻、嗅覚錯誤、眠気、不眠症、感情不安定、顔面感覚鈍麻、片頭痛、異常感、知覚過敏、睡眠障害神経過敏、頭重、しびれ感、振戦、抑うつ
霧視視覚障害(視力低下、視野欠損等)
循環器血圧上昇、動悸、ほてり、末梢性浮腫、起立性低血圧
消化器悪心(17.9%)、上腹部痛嘔吐、腹痛、下痢、便秘、胃痛、腹部膨満、鼓腸、胃炎、過敏性腸症候群、胃不快感、歯痛、排便痛、消化管運動障害、口内炎、食欲不振、痔核、腸炎、腹部不快感、消化不良、胃腸炎口渇、胸やけ、食欲亢進
肝臓肝機能異常黄疸
皮膚ざ瘡、湿疹、蕁麻疹、多形紅斑、アトピー性皮膚炎、女性陰部そう痒症、紅斑、そう痒症、皮膚乾燥、紫斑色素沈着注1)、脱毛症、結節性紅斑
筋・骨格背部痛四肢痛、筋痙縮、筋骨格硬直
腎・尿路尿道炎、尿中蛋白陽性
卵巣出血性卵巣嚢胞、卵巣新生物、卵巣嚢胞、卵巣血腫、卵巣出血
子宮不正性器出血(破綻出血、点状出血)(LD:60.0%、ULD:81.1%)注2)、希発月経(LD:14.1%、ULD:35.8%)、月経過多、下腹部痛、過少月経、頻発月経無月経、不規則月経、性器分泌物、子宮肥大、消退出血不規則、性交出血、子宮類線維腫の変性、子宮平滑筋腫、子宮頸管ポリープ、月経前症候群、子宮出血経血量の変化、帯下の増加
乳房乳房痛、乳房不快感乳房緊満感、乳房萎縮、乳汁分泌、乳癌、乳房腫瘤、乳汁漏出症、線維嚢胞性乳腺疾患、乳腺線維腺腫
臨床検査AST増加、ALT増加、γ-GTP増加、プラスミノーゲン増加、血中トリグリセリド増加、血中コレステロール増加、血中フィブリノゲン増加、血中鉄減少、血小板数増加、血中ビリルビン増加、血中鉄増加、子宮頸部スミア異常フィブリンDダイマー増加
その他性欲減退、熱感、胸部不快感、炎症性疼痛、帯状疱疹、副鼻腔炎、齲歯、カンジダ症、鼻炎、髄膜腫、発熱、耳鳴、外陰腟乾燥、アレルギー性鼻炎多汗

注1)長時間太陽光を浴びないよう注意すること。
注2)[7.6参照]

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