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ハロペリドール細粒1%「タカタ」、他

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効能・効果/用法・用量 

効能・効果

  • 統合失調症、そう病

用法・用量

  • 通常、成人にはハロペリドールとして1日0.75~2.25mgからはじめ、徐々に増量する。
    維持量として1日3~6mgを経口投与する。
    なお、年齢、症状により適宜増減する。

禁忌 

【禁忌】

次の患者には投与しないこと

  • 昏睡状態にある患者[昏睡状態を悪化させるおそれがある。]
  • バルビツール酸誘導体等の中枢神経抑制剤の強い影響下にある患者[中枢神経抑制作用を増強させる。]
  • 重症の心不全患者[心筋に対する障害作用や血圧降下が報告されている。]
  • パーキンソン病又はレビー小体型認知症の患者[錐体外路症状が悪化するおそれがある。]
  • 本剤の成分又はブチロフェノン系化合物に対し過敏症の患者
  • アドレナリンを投与中の患者(アドレナリンをアナフィラキシーの救急治療に使用する場合を除く)(「3.相互作用」の項参照)
  • 妊婦又は妊娠している可能性のある婦人(「6.妊婦、産婦、授乳婦等への投与」の項参照)

注意 

慎重投与

次の患者には慎重に投与すること

肝障害のある患者[血中濃度が上昇するおそれがある。]
心・血管疾患、低血圧又はこれらの疑いのある患者[一過性の血圧降下があらわれることがある。]
QT延長を起こしやすい患者[QT延長が発現するおそれがある。]
QT延長を起こすことが知られている薬剤を投与中の患者
低カリウム血症のある患者 等
てんかん等の痙攣性疾患又はこれらの既往歴のある患者[痙攣閾値を低下させることがある。]
甲状腺機能亢進状態にある患者[錐体外路症状が起こりやすい。]
高齢者(「5.高齢者への投与」の項参照)
小児(「7.小児等への投与」の項参照)
薬物過敏症の患者
脱水・栄養不良状態等を伴う身体的疲弊のある患者、脳に器質的障害のある患者[悪性症候群(Syndrome malin)が起こりやすい。]
高温環境下にある患者[体温調節中枢を抑制するため、高熱反応が起こるおそれがある。]

重要な基本的注意

眠気、注意力・集中力・反射運動能力等の低下が起こることがあるので、本剤投与中の患者には自動車の運転等危険を伴う機械の操作に従事させないように注意すること。
本剤は制吐作用を有するため、他の薬剤に基づく中毒、腸閉塞、脳腫瘍等による嘔吐症状を不顕性化することがあるので注意すること。
抗精神病薬において、肺塞栓症、静脈血栓症等の血栓塞栓症が報告されているので、不動状態、長期臥床、肥満、脱水状態等の危険因子を有する患者に投与する場合には、注意すること。

適用上の注意

薬剤交付時
PTP包装の薬剤はPTPシートから取り出して服用するよう指導すること。[PTPシートの誤飲により、硬い鋭角部が食道粘膜へ刺入し、更には穿孔を起こして縦隔洞炎等の重篤な合併症を併発することが報告されている。]

用法用量に関連する使用上の注意

本剤を増量する場合は慎重に行うこと。[本剤の急激な増量により悪性症候群(Syndrome malin)が起こることがある。]

高齢者への投与

高齢者では、錐体外路症状等の副作用があらわれやすいので、少量から投与を開始するなど、患者の状態を観察しながら慎重に投与すること。

妊婦、産婦、授乳婦等への投与

妊婦又は妊娠している可能性のある婦人には、投与しないこと。[催奇形性を疑う症例がある。動物実験で口蓋裂(マウス)、脳奇形(ハムスター)等の催奇形性及び着床数の減少、胎児吸収の増加(マウス)、流産率の上昇(ラット)等の胎児毒性が報告されている。また、妊娠後期に抗精神病薬が投与されている場合、新生児に哺乳障害、傾眠、呼吸障害、振戦、筋緊張低下、易刺激性等の離脱症状や錐体外路症状があらわれたとの報告がある。]
授乳中の婦人に投与する場合には、授乳を中止させること。[ヒト母乳中へ移行し、哺乳中の児の血中に検出されたと報告されている。]

小児等への投与

小児には、慎重に投与すること。[小児に抗精神病薬を投与した場合、錐体外路症状、特にジスキネジアが起こりやすいとの報告がある。]

薬物動態

吸収
血漿中濃度
(参考)
健康成人7例にハロペリドール10mg(承認外用量)を単回経口投与したときの薬物動態パラメータは次のとおりである。(外国人によるデータ)
(本剤の承認された維持量は1日3~6mgである。)
投与量
(mg)
nCmax(ng/mL)tmax(hr)AUC(ng・hr/mL)t1/2(β)(hr)
1073.2±1.25.1±1.0103.5±23.924.1±8.9
(測定法:ガスクロマトグラフィー)(mean±S.D.)
生物学的利用率
約60%(外国人によるデータ)
分布
(参考)
ハロペリドール5mgを1日2回(承認外用量)投与したとき6日目の授乳婦の血漿中濃度は40ng/mL、母乳中濃度は23.5ng/mLであった。(外国人によるデータ)
(本剤の承認された維持量は1日3~6mgである。)
代謝
ハロペリドールは主に肝臓で代謝され、薬物代謝酵素CYP2D6及びCYP3A4が関与している。その主代謝経路はピペリジン環水酸基のグルクロン酸抱合である。その他、ケトン基の還元による還元型ハロペリドールの生成、還元型ハロペリドールのフルオロベンゼン環2位の水酸化及びそのグルクロン酸抱合、硫酸抱合が主な経路である。
また、還元型ハロペリドールが酸化されて元のハロペリドールに再変換される経路も存在する。還元型ハロペリドールの2位水酸化にはCYP2D6が関与する。代謝物の還元型ハロペリドールには、ドパミン受容体(D2)遮断作用はほとんどない。
その他
血清蛋白結合率
92%(外国人によるデータ)
溶出挙動
本剤は、日本薬局方医薬品各条に定められたハロペリドール細粒の溶出規格及び日本薬局方外医薬品規格第3部に定められたハロペリドール錠の溶出規格bに適合していることが確認されている。

併用禁忌 

薬剤名等臨床症状・措置方法機序・危険因子
アドレナリン
(アナフィラキシーの救急治療に使用する場合を除く)
ボスミン
アドレナリンの作用を逆転させ、血圧降下を起こすことがある。アドレナリンのα作用が遮断され、β作用が優位になることがある。

併用注意 

薬剤名等臨床症状・措置方法機序・危険因子
中枢神経抑制剤
バルビツール酸誘導体等
相互に中枢神経抑制作用を増強することがあるので、減量するなど注意すること。ともに中枢神経抑制作用を有する。
アルコール相互に中枢神経抑制作用を増強することがある。ともに中枢神経抑制作用を有する。
リチウム心電図変化、重症の錐体外路症状、持続性のジスキネジア、突発性の悪性症候群(Syndrome malin)、非可逆性の脳障害を起こすとの報告がある。
観察を十分に行い、慎重に投与すること。
なお、このような症状があらわれた場合には、投与を中止すること。
機序は不明
抗コリン作用を有する薬剤
抗コリン作動性抗パーキンソン剤、
フェノチアジン系化合物、
三環系抗うつ剤等
腸管麻痺等の抗コリン系の副作用が強くあらわれることがある。また,精神症状が悪化したとの報告がある。ともに抗コリン作用を有する。
抗ドパミン作用を有する薬剤
ベンザミド系薬剤
メトクロプラミド、
スルピリド、
チアプリド等
ドンペリドン等
内分泌機能異常、錐体外路症状が発現することがある。ともにドパミン受容体遮断作用を有する。
タンドスピロンクエン酸塩錐体外路症状を増強するおそれがある。タンドスピロンクエン酸塩は弱いドパミン受容体遮断作用を有する。
ドパミン作動薬
レボドパ製剤、
ブロモクリプチンメシル酸塩等
これらの薬剤のドパミン作動薬としての作用が減弱することがある。本剤はドパミン受容体遮断作用を有する。
薬物代謝酵素(主にCYP3A4)を誘導する薬剤
カルバマゼピン、
リファンピシン等
本剤の作用を減弱するとの報告があるので、観察を十分に行い、慎重に投与すること。薬物代謝酵素誘導作用により、本剤の代謝が促進され、血中濃度が低下する。
CYP3A4を阻害する薬剤
イトラコナゾール等
本剤の作用が増強し、副作用が発現するおそれがある。薬物代謝酵素阻害作用により、本剤の血中濃度が上昇する。
CYP2D6を阻害する薬剤
キニジン、
プロメタジン、
クロルプロマジン等
本剤の作用が増強し、副作用が発現するおそれがある。薬物代謝酵素阻害作用により、本剤の血中濃度が上昇する。

重大な副作用 

(頻度不明)
悪性症候群(Syndrome malin)
無動緘黙、強度の筋強剛、嚥下困難、頻脈、血圧の変動、発汗等が発現し、それに引き続き発熱がみられる場合は、投与を中止し、体冷却、水分補給等の全身管理とともに適切な処置を行うこと。本症発症時には、白血球の増加や血清CK(CPK)の上昇がみられることが多く、また、ミオグロビン尿を伴う腎機能の低下や、筋強剛を伴う嚥下困難から嚥下性肺炎が出現することがある。
なお、高熱が持続し、意識障害、呼吸困難、循環虚脱、脱水症状、急性腎障害へと移行し、死亡した例が報告されている。(<用法・用量に関連する使用上の注意>「1.慎重投与」の項参照)
心室細動、心室頻拍
心室細動、心室頻拍(Torsades de pointesを含む。)、QT延長があらわれることがあるので、観察を十分に行い、異常が認められた場合には、減量又は投与を中止するなど適切な処置を行うこと。
麻痺性イレウス
腸管麻痺(食欲不振、悪心・嘔吐、著しい便秘、腹部の膨満あるいは弛緩及び腸内容物のうっ滞等の症状)を来し、麻痺性イレウスに移行することがあるので、腸管麻痺があらわれた場合には、投与を中止すること。
なお、この悪心・嘔吐は、本剤の制吐作用により不顕性化することもあるので注意すること。
遅発性ジスキネジア
長期投与により、遅発性ジスキネジア(口周部の不随意運動、四肢の不随意運動等を伴うことがある。)があらわれ、投与中止後も持続することがある。抗パーキンソン剤を投与しても、症状が軽減しない場合があるので、このような症状があらわれた場合には、本剤の投与継続の必要性を、他の抗精神病薬への変更も考慮して慎重に判断すること。
抗利尿ホルモン不適合分泌症候群(SIADH)
低ナトリウム血症、低浸透圧血症、尿中ナトリウム排泄量の増加、高張尿、痙攣、意識障害等を伴う抗利尿ホルモン不適合分泌症候群があらわれることがあるので、このような場合には、投与を中止し、水分摂取の制限等適切な処置を行うこと。
無顆粒球症、白血球減少、血小板減少
無顆粒球症、白血球減少(初期症状として発熱、咽頭痛、全身倦怠等)、血小板減少(初期症状として皮下・粘膜下出血等)があらわれることがあるので、異常があらわれた場合には、血液検査を行い、投与を中止するなど適切な処置を行うこと。
横紋筋融解症
横紋筋融解症があらわれることがあるので、筋肉痛、脱力感、CK(CPK)上昇、血中及び尿中ミオグロビン上昇等が認められた場合には、投与を中止し、適切な処置を行うこと。また、横紋筋融解症による急性腎障害の発症に注意すること。
肺塞栓症、深部静脈血栓症
抗精神病薬において、肺塞栓症、静脈血栓症等の血栓塞栓症が報告されているので、観察を十分に行い、息切れ、胸痛、四肢の疼痛、浮腫等が認められた場合には、投与を中止するなど適切な処置を行うこと。
肝機能障害、黄疸
AST(GOT)、ALT(GPT)、γ-GTP、Al-P、ビリルビン等の上昇を伴う肝機能障害、黄疸があらわれることがあるので、観察を十分に行い、異常が認められた場合には、投与を中止するなど適切な処置を行うこと。

その他の副作用 

頻度不明
循環器注1)血圧降下、起立性低血圧、心電図異常(QT間隔の延長、T波の変化等)、頻脈
肝臓注2)肝機能異常
錐体外路症状注3)パーキンソン症候群(振戦、筋強剛、流涎、寡動、歩行障害、仮面様顔貌、嚥下障害等)、アカシジア(静坐不能)、ジスキネジア(口周部、四肢等の不随意運動等)、ジストニア(痙攣性斜頸、顔面・咽頭・頸部の攣縮、後弓反張、眼球上転発作等)
眼の調節障害、長期又は大量投与による角膜・水晶体の混濁、角膜等の色素沈着
過敏症注2)発疹、蕁麻疹、そう痒感、光線過敏症
血液貧血、白血球減少
消化器食欲不振、悪心・嘔吐、便秘、下痢、口渇
内分泌月経異常、体重増加、女性型乳房、乳汁分泌、高プロラクチン血症、インポテンス、持続勃起
呼吸器注2)呼吸困難、喉頭攣縮
精神神経系不眠、焦躁感、神経過敏、眠気、眩暈、頭痛・頭重、不安、幻覚、興奮、痙攣、性欲異常、過鎮静、抑うつ、知覚変容発作
その他脱力感・倦怠感・疲労感、発熱、発汗、潮紅、鼻閉、浮腫、排尿困難、体温調節障害

注1)異常が認められた場合には、減量又は投与を中止するなど適切な処置を行うこと。(太字)
注2)症状(異常)が認められた場合には、投与を中止し、適切な処置を行うこと。(太字)
注3)異常が認められた場合には、必要に応じて抗パーキンソン剤投与等適切な処置を行うこと。(太字)

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