今日の臨床サポート 今日の臨床サポート

クリアクター静注用40万、他

一部のコンテンツを閲覧になるにはご契約が必要となります。

効能・効果/用法・用量 

効能・効果

  • ○急性心筋梗塞における冠動脈血栓の溶解(発症後6時間以内)
  • ○不安定な血行動態を伴う急性肺塞栓症における肺動脈血栓の溶解

用法・用量

  • <急性心筋梗塞における冠動脈血栓の溶解(発症後6時間以内)>

    • 通常、成人には体重kgあたりモンテプラーゼ(遺伝子組換え)として27,500IUを静脈内投与する。
  • <不安定な血行動態を伴う急性肺塞栓症における肺動脈血栓の溶解>

    • 通常、成人には体重kgあたりモンテプラーゼ(遺伝子組換え)として13,750~27,500IUを静脈内投与する。なお、1回最大投与量は27,500IU/kgまでとすること。
  • 投与に際しては、1mLあたり80,000IUとなるように日本薬局方生理食塩液で溶解し、1分間あたり約10mL(800,000IU)の注入速度で投与する。なお、本剤の投与は発症後できるだけ早期に行う。

禁忌 

【警告】

  • 1.1 本剤の投与により脳出血が発現し、死亡が認められている。[8.3、11.1.1参照]
  • 1.2 本剤の投与に際しては「2.禁忌」及び「8.重要な基本的注意」等に留意し、適用患者の選択及び急性肺塞栓症患者に投与する場合には投与量の選択を慎重に行うこと。また、投与中及び投与後の患者の出血の有無を十分確認するとともに、血液凝固能などの血液検査・臨床症状の観察を頻回に行うこと。[5.2、8.3.3参照]
【禁忌】

次の患者には投与しないこと

  • 2.1 出血している患者(消化管出血、尿路出血、後腹膜出血、頭蓋内出血、喀血)[出血をさらに助長し、止血が困難になるおそれがある。]
  • 2.2 出血を起こすおそれの高い以下の患者[出血を惹起し、止血が困難になるおそれがある。]
    • ・頭蓋内あるいは脊髄の手術又は障害を受けた患者(2カ月以内)
    • ・頭蓋内腫瘍、動静脈奇形、動脈瘤のある患者
    • ・出血性素因のある患者
    • ・重篤な高血圧症患者
  • 2.3 デフィブロチドナトリウムを投与中の患者[10.1参照]

注意 

9.特定の背景を有する患者に関する注意

9.1 合併症・既往歴等のある患者
9.1.1 出血するおそれがある以下の患者
出血を惹起するおそれがある。
・大手術、臓器生検、血管穿刺(動注療法、動脈穿刺等)後日の浅い患者(10日以内)
・外傷後日の浅い患者(10日以内)
・脳血管障害の既往歴のある患者
・消化管潰瘍、消化管の憩室炎、大腸炎のある患者
・活動性結核のある患者
・月経期間中の患者
・糖尿病性出血性網膜症又は他の出血性眼疾患のある患者
9.1.2 左心房内血栓の疑いのある患者(心房細動を伴う僧帽弁狭窄症患者等)
脳塞栓を惹起するおそれがある。
9.1.3 亜急性細菌性心内膜炎又は急性心膜炎のある患者
脳塞栓又は心のう液貯留を惹起するおそれがある。
9.1.4 脳梗塞のある患者
出血性脳梗塞を惹起するおそれがある。
9.1.5 本剤又は蛋白製剤に対して過敏症の既往歴のある患者
9.2 腎機能障害患者
9.2.1 重篤な腎障害のある患者
代謝・排泄能の低下により、本剤の作用が増強することがある。
9.3 肝機能障害患者
9.3.1 重篤な肝障害のある患者
代謝・排泄能の低下により、本剤の作用が増強することがある。
9.5 妊婦
9.5.1 妊婦又は分娩・流早産後日の浅い患者(2週間以内)には、治療での有益性が危険性を上回ると判断される場合にのみ投与すること。
製造販売後の調査において、妊婦又は分娩・流早産後日の浅い患者(2週間以内)で分娩に関連した出血をともなう副作用が報告されている。本剤の投与により出血を惹起するおそれがある。
9.5.2 妊娠している可能性のある女性には、治療での有益性が危険性を上回ると判断される場合にのみ投与すること。動物実験(ウサギ)では高用量投与時に胚・胎児死亡の増加傾向及び流産が報告されており、本剤の線維素溶解作用からみて、早期胎盤はく離が起こる可能性が考えられる。
9.7 小児等
小児等を対象とした臨床試験は実施していない。
9.8 高齢者
出血の危険性が高まるおそれがある。また、急性心筋梗塞では心破裂及び心室中隔穿孔の危険性が高まるおそれがある。[8.3.1、8.6参照]

8.重要な基本的注意

<効能共通>
8.1 本剤は静脈内投与により使用し、点滴静注では使用しないこと。
8.2 本剤の投与は、CCU又はこれに準ずる設備を有する施設において実施し、心電図のモニタリングや動脈血ガスなど継続して患者の状態の観察を十分に行い、望ましくない変化があらわれた場合は、適切な処置を行うこと。
8.3 本剤はt-PA製剤に比較して出血の頻度が高まる可能性があり、特に本剤の投与により脳出血等の重篤な出血が起こることがあるので、次の点に十分注意すること。[1.1、11.1.1参照]
8.3.1 本剤の通常用量を超える用量及び75歳以上の高齢者で脳出血の危険性が高まるので、これらの患者には他の治療法の可能性も含め本剤の適用を慎重に検討すること。急性心筋梗塞対象の臨床試験では65歳を超える高齢者で脳出血が発生し、通常用量を超える用量で脳出血の頻度が高まった。また、t-PA製剤では75歳以上で脳出血の頻度が高まるとの報告がある。[9.8参照]
8.3.2 本剤の投与により出血が認められることがあるので、他の血栓溶解剤を投与する場合は、出血の遷延・重症化に影響を及ぼす可能性があることから、本剤投与60分後以降に開始し、その投与量をできる限り少量にとどめるなどの配慮を行うこと。また、血液凝固阻止作用を有する薬剤及び血小板凝集抑制作用を有する薬剤は本剤投与後早期の使用により出血の危険性が増大するので、出血の有無を十分確認するとともに血液凝固能などの血液検査・臨床症状の観察を頻回に行うこと。なお、またこれらの薬剤を投与する場合は、その必要性を慎重に検討するとともに、その投与時期及び投与量に十分注意すること。[8.7、8.8、10.2参照]
8.3.3 投与中及び投与後は患者の臨床症状の観察を十分に行い出血の早期発見に留意すること。また、血液凝固能などの血液検査を頻回に行うこと。[1.2参照]
8.3.4 穿刺部位等からの出血を防止するため動脈・静脈穿刺の方法、管理等に十分注意すること。特に動脈穿刺を行う場合は注意深くモニターする必要がある。
8.4 本剤は蛋白製剤であり、再投与によりアナフィラキシー等の反応が起きる可能性は否定できないので、再投与をする場合には注意して行うこと。万一、アナフィラキシー様の反応が起きた場合には直ちに投与を中止し、適切な処置を行うこと。
<急性心筋梗塞における冠動脈血栓の溶解(発症後6時間以内)>
8.5 冠動脈血栓の溶解にて血流が再開通することにより、不整脈(再灌流不整脈)があらわれることがあるので、特に心室細動、心室頻拍等の重篤な不整脈に注意して心電図のモニタリングなどの観察を十分に行い、このような症状があらわれた場合には、直ちに適切な処置を行うこと。
8.6 本剤の投与開始後に心破裂、心室中隔穿孔、心タンポナーデに至る心のう液貯留が起こることがあるので、十分注意すること。特に65歳以上の高齢者では心破裂及び心室中隔穿孔の危険性が高まるので、これらの患者には他の治療法の可能性を含め本剤の適用を慎重に検討すること。急性心筋梗塞対象の臨床試験において、65歳以上の高齢者又は前壁梗塞で心破裂、心室中隔穿孔及び心のう液貯留の発生頻度が高まった。[9.8参照]
8.7 ヘパリンは、再閉塞防止の意味で本剤との併用若しくは本剤の後療法に用いる。ただし、脳出血等の重篤な出血を起こすことがあるので、本剤投与後6時間以内はヘパリンの投与をできる限り控えること。急性心筋梗塞対象の臨床試験では本剤投与4~6時間後のヘパリン点滴静注時に脳出血が発生している。[8.3.2、8.8、10.2参照]
<不安定な血行動態を伴う急性肺塞栓症における肺動脈血栓の溶解>
8.8 基礎治療としてヘパリンを併用する場合、出血の危険性があるため、出血の確認とヘパリンの投与量の調整を行うこと。ヘパリン投与量は、活性化部分トロンボプラスチン時間(APTT)が正常値の2倍前後(1.5~2.5)になるように注意して調整すること。[5.3、8.3.2、8.7、10.2参照]
8.9 本剤投与後に再発が起こることがあるので十分注意すること。

14.適用上の注意

14.1 薬剤調製時の注意
14.1.1 溶解後は速やかに使用すること。
14.1.2 本剤の溶解には日本薬局方生理食塩液のみを用い、他剤との配合は避けること。

7.用法及び用量に関連する注意

<急性心筋梗塞における冠動脈血栓の溶解(発症後6時間以内)>
7.1 本剤は発症から6時間以内に投与を開始すること。
<不安定な血行動態を伴う急性肺塞栓症における肺動脈血栓の溶解>
7.2 急性肺塞栓症患者に投与する場合、本剤の出血に関する有害事象の発現は用量依存的であるので、危険性と有益性の両面から慎重に投与量を決定すること。「9.特定の背景を有する患者に関する注意」に該当する患者など、出血の危険性が高い患者へ本剤を投与する場合には、低用量(13,750IU/kg)の投与を考慮すること。
参考
体重別投与量早見表
患者の体重(kg)13,750IU/kg静脈内投与時27,500IU/kg静脈内投与時
投与量(万IU)注入量(mL)注入時間の目安(秒)投与量(万IU)注入量(mL)注入時間の目安(秒)
3041.255.230~4582.5010.360~90
3548.136.096.2512.0
4055.006.9110.0013.8
4561.887.745~60123.7515.590~120
5068.758.6137.5017.2
5575.639.5151.2518.9
6082.5010.360~75165.0020.6120~150
6589.3811.2178.7522.3
7096.2512.0192.5024.1
75103.1312.975~90206.2525.8150~180
80110.0013.8220.0027.5
85116.8814.6233.7529.2
90123.7515.590~105247.5030.9180~210
95130.6316.3261.2532.7
100137.5017.2275.0034.4
(IU:国際単位)

5.効能又は効果に関連する注意

<急性心筋梗塞における冠動脈血栓の溶解(発症後6時間以内)>
5.1 本剤は冠動脈造影により血栓を確認した後、投与を開始することが望ましいが、冠動脈造影の実施が困難な場合は、強い胸痛を伴い心電図上明らかなSTの上昇が認められ、かつ、冠血管拡張剤投与によっても胸痛が緩解しない患者に対して投与すること。
<不安定な血行動態を伴う急性肺塞栓症における肺動脈血栓の溶解>
5.2 急性肺塞栓症の診断は肺動脈造影などにより、血栓、塞栓あるいは血流の障害を確認すること。実施が困難な場合は、臨床症状から不安定な血行動態を伴う急性肺塞栓症が強く疑われ、かつ、低酸素血症、右心負荷の増大などの検査所見を確認した患者に対して投与すること。[1.2参照]
5.3 急性肺塞栓症においては、へパリン投与などによる抗凝固療法を基礎治療として行うこと。[8.8参照]

16.薬物動態

16.1 血中濃度
健康成人男子にモンテプラーゼ(遺伝子組換え)738,000IU(6.0mg)を3分間で単回静脈内投与した時の血漿中モンテプラーゼ濃度をELISA法及びフィブリンプレート法により測定したところ、下図のように推移した。
ELISA法では、投与開始後5分の平均血漿中濃度は1,643.45ng/mLで、以後、ほぼ2相性に消失した。消失半減期はα相が23.66分、β相が7.82時間であった。
フィブリンプレート法では、投与開始後5分の平均血漿中濃度は1,492.63ng/mLで、以後、ほぼ2相性の消失傾向を示した。しかし、測定感度の点からβ相は最初の1~2点しか測定できなかったため、1-コンパートメントモデルによる解析を行ったところ、消失半減期は29.43分であった。
61,500~738,000IUの用量範囲内では、最高血漿中濃度、血漿中濃度-時間曲線下面積はほぼ投与量に比例して増加し、体内薬物動態に線形性が認められた。
モンテプラーゼ738,000IU(6.0mg)単回静脈内投与時の血漿中濃度
(Mean±S.E.M.,n=4)
モンテプラーゼ738,000IU(6.0mg)単回静脈内投与時の薬物動態パラメータ(上段:ELISA法、下段:フィブリンプレート法)
Cmax(ng/mL)AUC(ng・hr/mL)t1/2α(min)t1/2β(hr)CL(mL/min/kg)
t1/2(min)
1,643.45±113.694,454.94±587.0523.66±5.217.82±0.570.35±0.07
1,492.63±165.751,081.53注)±111.3829.43±4.581.41±0.17
(Mean±S.D.,n=4)注)台形法により0~8時間値から算出した値であり、CLも同値を用いて算出。
16.5 排泄
健康成人男子にモンテプラーゼ(遺伝子組換え)492,000IU(4.0mg)を3分間で単回静脈内投与した時の尿中モンテプラーゼ濃度をELISA法により検討した結果、尿中にモンテプラーゼは検出されなかった。

併用禁忌 

薬剤名等臨床症状・措置方法機序・危険因子
デフィブロチドナトリウム
(デファイテリオ)
[2.3参照]
出血の危険性が増大するおそれがある。マウスの血栓塞栓症モデルにおいて、組換え型t-PAの抗血栓作用は相手薬剤により増強された。

併用注意 

薬剤名等臨床症状・措置方法機序・危険因子
血栓溶解剤
組織プラスミノゲンアクチベーター(t-PA)、
ウロキナーゼ等
[8.3.2参照]
出血傾向が増強し、重篤な出血をきたすことがある。両剤の薬理作用の相加作用により出血傾向が強まるおそれがある。
血液凝固阻止作用を有する薬剤
ヘパリン、
低分子量ヘパリン、
ワルファリンカリウム、
アルガトロバン水和物、
Xa阻害剤、
乾燥濃縮人活性化プロテインC等
[8.3.2、8.7、8.8参照]
出血傾向が増強し、重篤な出血をきたすことがある。本剤の線溶作用と抗凝血作用を有する薬剤との相加作用で出血傾向が強まるおそれがある。
血小板凝集抑制作用を有する薬剤
アスピリン、
クロピドグレル硫酸塩、
ジピリダモール、
チクロピジン塩酸塩等
[8.3.2参照]
出血傾向が増強し、重篤な出血をきたすことがある。本剤の線溶作用と血小板凝集抑制作用を有する薬剤との相加作用で出血傾向が強まるおそれがある。
レカネマブ(遺伝子組換え)相手薬投与中に脳出血を発現した場合、本剤が出血を助長するおそれがある。併用時には脳出血の副作用に注意すること。相手薬の副作用として脳出血の報告がある。併用により本剤が出血を助長する可能性がある。

重大な副作用 

次の副作用があらわれることがあるので、観察を十分に行い、異常が認められた場合には投与を中止するなど適切な処置を行うこと。
11.1.1 重篤な出血
脳出血、消化管出血(0.1~5%未満)、肺出血(急性心筋梗塞患者:頻度不明、急性肺塞栓症患者:0.1~5%未満)等の重篤な出血があらわれることがある。また、出血の増大に伴い、輸血を要する場合や出血性ショックに至ることがあるので注意すること。[1.1、8.3参照]
11.1.2 心破裂、心室中隔穿孔、心タンポナーデ
心破裂(急性心筋梗塞患者:0.1~5%未満)、心室中隔穿孔(急性心筋梗塞患者:0.1%未満)、心タンポナーデに至る心のう液貯留(0.1%未満)があらわれることがある。
11.1.3 心室細動、心室頻拍
再灌流不整脈として心室細動、心室頻拍(急性心筋梗塞患者:0.1~5%未満)等の重篤な不整脈があらわれることがある。[11.2の注)参照]
11.1.4 ショック
血圧低下、発汗、脈拍の異常、呼吸困難等の症状があらわれた場合には投与を中止し、適切な処置を行うこと。

その他の副作用 

5%以上0.1~5%未満0.1%未満
血液穿刺部出血、歯肉出血、血尿、口腔内出血、創部出血、皮下出血、赤血球数・ヘモグロビン量・ヘマトクリット値の減少、血小板数の減少
循環器不整脈注)心のう液貯留血圧低下
呼吸器呼吸困難
過敏症発疹
肝臓ALT上昇、Al-P上昇、AST上昇、LDH上昇総ビリルビン上昇
腎臓BUN上昇、クレアチニン上昇、尿蛋白
消化器悪心、嘔吐
その他悪寒

注)処置を要した再灌流不整脈種類別発現頻度(%)

戻る

さらなるご利用にはご登録が必要です。

こちらよりご契約または優待日間無料トライアルお申込みをお願いします。

(※トライアルご登録は1名様につき、一度となります)


ご契約の場合はご招待された方だけのご優待特典があります。

以下の優待コードを入力いただくと、

契約期間が通常12ヵ月のところ、14ヵ月ご利用いただけます。

優待コード: (利用期限:まで)

ご契約はこちらから