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効能・効果/用法・用量 

効能・効果

  • HIV-1感染症

用法・用量

  • 通常、成人にはドラビリンとして100mgを1日1回経口投与する。本剤は、食事の有無にかかわらず投与できる。投与に際しては、必ず他の抗HIV薬と併用すること。

禁忌 

【禁忌】

次の患者には投与しないこと

  • 2.1 カルバマゼピン、フェノバルビタール、フェニトイン、ホスフェニトイン、エンザルタミド、リファンピシン、ミトタン、セイヨウオトギリソウ(St.John's Wort:セント・ジョーンズ・ワート)含有食品を投与中の患者[10.1、16.7.2参照]
  • 2.2 本剤の成分に対し過敏症の既往歴のある患者

注意 

9.特定の背景を有する患者に関する注意

9.5 妊婦
妊婦又は妊娠している可能性のある女性には治療上の有益性が危険性を上回ると判断される場合にのみ投与すること。
ラット及びウサギにおいて胎盤移行が認められた。なお、臨床推奨用量の最大約9倍(ラット)及び約8倍(ウサギ)の曝露量で実施した生殖発生毒性試験において、妊娠及び胚胎児発生への有害な影響はなかった。
9.6 授乳婦
授乳を避けさせること。HIV母児感染の可能性がある。動物実験(ラット)において経口投与後にドラビリンの乳汁中への移行が認められている。本剤がヒトの乳汁中に移行するか否かは不明である。
9.7 小児等
小児等を対象とした臨床試験は実施していない。

8.重要な基本的注意

8.1 本剤の使用に際しては、国内外のガイドライン等の最新の情報を参考に、患者又はそれに代わる適切な者に、次の事項についてよく説明し同意を得た後、使用すること。
・本剤はHIV感染症の根治療法薬ではないことから、日和見感染を含むHIV感染症の進展に伴う疾病を発症し続ける可能性があるので、本剤投与開始後の身体状況の変化については、すべて担当医に報告すること。
・本剤の長期投与による影響については、現在のところ不明であること。
・本剤の抗ウイルス効果を最大にするために、担当医の指示なしに用量を変更したり、服用を中止したりしないこと。
・本剤は併用薬剤と相互作用を起こすことがあるため、服用中のすべての薬剤を担当医に報告すること。また、本剤で治療中に新たに他の薬剤を服用する場合、事前に担当医に相談すること。
8.2 本剤を含む抗HIV薬の多剤併用療法を行った患者で、免疫再構築症候群が報告されている。投与開始後、免疫機能が回復し、症候性のみならず無症候性日和見感染(マイコバクテリウムアビウムコンプレックス、サイトメガロウイルス、ニューモシスチス等によるもの)等に対する炎症反応が発現することがある。また、免疫機能の回復に伴い自己免疫疾患(甲状腺機能亢進症、多発性筋炎、ギラン・バレー症候群、ブドウ膜炎等)が発現するとの報告があるので、これらの症状を評価し、必要時には適切な治療を考慮すること。

7.用法及び用量に関連する注意

本剤とリファブチンを併用投与する場合は、本剤100mgを約12時間の間隔を空けて1日2回に増量すること。なお、リファブチンの併用を中止した場合は、本剤100mgを1日1回に減量すること。[10.2、16.7.2参照]

5.効能又は効果に関連する注意

5.1 以下のいずれかのHIV-1感染症患者に使用すること。
・抗HIV薬による治療経験がない患者
・ウイルス学的失敗の経験がなく、切り替え前に6ヵ月間以上ウイルス学的抑制(HIV-1 RNA量が50copies/mL未満)が得られており、ドラビリンに対する耐性関連変異を持たず、本剤への切り替えが適切であると判断される抗HIV薬既治療患者
5.2 本剤による治療にあたっては、患者の治療歴及び可能な場合には薬剤耐性検査(遺伝子型解析あるいは表現型解析)を参考にすること。

16.薬物動態

16.1 血中濃度
健康被験者に本剤を単回経口投与した際のドラビリンの血漿中薬物動態パラメータを表1に示す。
表1 ドラビリンの薬物動態パラメータ(健康被験者)
薬物動態パラメータ例数AUC0-∞(μM・hr)Cmax(μM)Tmax††(hr)t1/2(hr)
ドラビリン100mg1238.0(18.7)2.16(23.2)2.50(0.50,6.00)12.3(18.9)
†幾何平均値(幾何CV%)、††中央値(範囲)
健康被験者にドラビリン30~240mgを1日1回反復経口投与したところ、2日目までに概して定常状態に到達し、単回投与時に比べAUC0-24hr、Cmax及びC24hrは1.2~1.4倍に増加した(外国人データ)。
母集団薬物動態解析で得られたドラビリン100mg 1日1回反復経口投与時の定常状態でのHIV-1感染患者の薬物動態パラメータを表2に示す(外国人データ)。
表2 ドラビリンの母集団薬物動態パラメータ(HIV-1感染患者)
母集団薬物動態パラメータAUC0-24hr(μM・hr)Cmax(μM)C24hr(nM)
ドラビリン100mg 1日1回投与37.8(29)2.26(19)930(63)
幾何平均値(幾何CV%)
16.2 吸収
16.2.1 バイオアベイラビリティ
本剤の絶対バイオアベイラビリティは約64%であった(外国人データ)。
16.2.2 食事の影響
高脂肪食を摂取した健康被験者に本剤1錠を投与したところ、ドラビリンのAUC及びC24hrはそれぞれ16%及び36%上昇したが、Cmaxに有意な影響は認められなかった(外国人データ)。
16.3 分布
ドラビリンはヒト血漿蛋白に約76%結合した(In vitroデータ)。
16.4 代謝
ドラビリンは主に酸化代謝により消失し、主としてCYP3A4によって代謝された(In vitroデータ)。[10.参照]
16.5 排泄
ドラビリンの腎排泄量は少なく、投与量の約6%が未変化体として尿中に排泄された(外国人データ)。
16.6 特定の背景を有する患者
16.6.1 腎機能障害患者
重度腎機能障害を有する被験者8例と腎機能正常被験者8例を比較した試験において、ドラビリン100mg単回経口投与時の血漿中曝露量(AUC)は重度腎機能障害を有する被験者の方が43%高かった(外国人データ)。母集団薬物動態解析では、ドラビリン100mgを1日1回投与した際の定常状態における血漿中曝露量(AUC)の幾何平均は、軽度及び中等度腎機能障害を有する患者では腎機能正常患者よりそれぞれ5%及び20%高いと予測された(外国人データ)。
16.6.2 肝機能障害患者
中等度(Child-Pugh分類B)肝機能障害を有する被験者8例と肝機能正常被験者8例を比較した試験において、ドラビリン100mg単回経口投与時の血漿中曝露量(AUC)の幾何平均比(中等度肝機能障害/肝機能正常)は0.99であった(外国人データ)。
16.6.3 高齢者
第I相試験において、ドラビリン100mg単回経口投与時の血漿中曝露量(AUC)の幾何平均比(65歳以上/65歳未満)は0.85~0.97であった(外国人データ)。母集団薬物動態解析では、ドラビリン100mgを1日1回投与した際の定常状態における血漿中曝露量(AUC)の幾何平均は、65歳以上の患者で65歳未満の患者より30%高いと予測された(外国人データ)。
16.7 薬物相互作用
16.7.1 非臨床薬物相互作用試験
ドラビリンはP-gpの基質であり、OATP1B1、OATP1B3、BCRP、P-gp、OAT1、OAT3、OCT2、MATE1及びMATE2Kに対し阻害作用を示した(IC50値はそれぞれ39、31、51、>300、>75、16、67、>50及び>50μM)。
16.7.2 臨床薬物相互作用試験
臨床薬物相互作用試験の結果を表3及び表4に示す。[2.1、7.、10.1、10.2参照]
表3 併用薬がドラビリンの薬物動態に及ぼす影響(外国人データ)
併用薬併用薬の1回用量及び用法ドラビリンの1回用量及び用法例数§ドラビリンの血漿中薬物動態パラメータの最小二乗幾何平均比併用時/非併用時(90%信頼区間)(影響なし=1.00)
AUCCmaxC24hr
抗真菌薬
ケトコナゾール400mgQD反復100mg単回103.06(2.85,3.29)1.25(1.05,1.49)2.75(2.54,2.98)
抗抗酸菌薬
リファンピシン600mg単回100mg単回110.91(0.78,1.06)1.40(1.21,1.63)0.90(0.80,1.01)
600mgQD反復100mg単回100.12(0.10,0.15)0.43(0.35,0.52)0.03(0.02,0.04)
リファブチン300mgQD反復100mg単回120.50(0.45,0.55)0.99(0.85,1.15)0.32(0.28,0.35)
300mgQD反復100mgBID反復151.03(0.94,1.14)0.97(0.87,1.08)0.98(0.88,1.10)¶#
抗HIV薬
リトナビル100mgBID反復50mg単回83.54(3.04,4.11)1.31(1.17,1.46)2.91(2.33,3.62)
ドルテグラビル50mgQD反復200mgQD反復111.00(0.89,1.12)1.06(0.88,1.28)0.98(0.88,1.09)
エファビレンツ600mgQD反復100mgQD1日目170.38(0.33,0.45)0.65(0.58,0.73)0.15(0.10,0.23)
600mgQD反復100mgQD14日目170.68(0.58,0.80)0.86(0.77,0.97)0.50(0.39,0.64)
テノホビル ジソプロキシルフマル酸塩300mgQD反復100mg単回70.95(0.80,1.12)0.80(0.64,1.01)0.94(0.78,1.12)
ラミブジン・テノホビル ジソプロキシルフマル酸塩300/300mg単回100mg単回150.96(0.87,1.06)0.97(0.88,1.07)0.94(0.83,1.06)
抗HCV薬
エルバスビル及びグラゾプレビル50及び200mgQD反復100mgQD反復121.56(1.45,1.68)1.41(1.25,1.58)1.61(1.45,1.79)
レジパスビル・ソホスブビル90/400mg単回100mg単回141.15(1.07,1.24)1.11(0.97,1.27)1.24(1.13,1.36)
制酸薬
水酸化アルミニウム・水酸化マグネシウム1600/1600mg単回100mg単回141.01(0.92,1.11)0.86(0.74,1.01)1.03(0.94,1.12)
パントプラゾール††40mgQD反復100mg単回130.83(0.76,0.91)0.88(0.76,1.01)0.84(0.77,0.92)
オピオイド系鎮痛薬
メサドン20~200mgQD反復100mgQD反復140.74(0.61,0.90)0.76(0.63,0.91)0.80(0.63,1.03)
QD:1日1回投与、BID:1日2回投与、AUC:ドラビリンが単回投与の場合はAUC0-∞、反復投与の場合はAUC0-24hr†エファビレンツ投与終了後、ドラビリンに切り替えたときの薬物動態を評価††国内未発売§併用時の例数¶ドラビリン100mgのQD反復投与を非併用時として比較#併用時は投与12時間後、非併用時は投与24時間後に測定
表4 ドラビリンが併用薬の薬物動態に及ぼす影響(外国人データ)
併用薬併用薬の1回用量及び用法ドラビリンの1回用量及び用法例数ドラビリンの血漿中薬物動態パラメータの最小二乗幾何平均比併用時/非併用時(90%信頼区間)(影響なし=1.00)
AUCCmaxC24hr
CYP3A4基質
ミダゾラム2mg単回120mgQD反復70.82(0.70,0.97)1.02(0.81,1.28)-(-,-)
抗HIV薬
ドルテグラビル50mgQD反復200mgQD反復111.36(1.15,1.62)1.43(1.20,1.71)1.27(1.06,1.53)
ラミブジン・テノホビル ジソプロキシルフマル酸塩300/300mg単回100mg単回15ラミブジン
0.94(0.88,1.00)0.92(0.81,1.05)-(-,-)
テノホビル
1.11(0.97,1.28)1.17(0.96,1.42)-(-,-)
抗HCV薬
エルバスビル及びグラゾプレビル50及び200mgQD反復100mgQD反復12エルバスビル
0.96(0.90,1.02)0.96(0.91,1.01)0.96(0.89,1.04)
グラゾプレビル
1.07(0.94,1.23)1.22(1.01,1.47)0.90(0.83,0.96)
レジパスビル・ソホスブビル90/400mg単回100mg単回14レジパスビル
0.92(0.80,1.06)0.91(0.80,1.02)-(-,-)
ソホスブビル
1.04(0.91,1.18)0.89(0.79,1.00)-(-,-)
GS-331007(ソホスブビル代謝物)
1.03(0.98,1.09)1.03(0.97,1.09)-(-,-)
経口避妊薬
エチニルエストラジオール・レボノルゲストレル0.03/0.15mg単回100mgQD反復19エチニルエストラジオール
0.98(0.94,1.03)0.83(0.80,0.87)-(-,-)
レボノルゲストレル
1.21(1.14,1.28)0.96(0.88,1.05)-(-,-)
スタチン薬
アトルバスタチン20mg単回100mgQD反復140.98(0.90,1.06)0.67(0.52,0.85)-(-,-)
糖尿病治療薬
メトホルミン1000mg単回100mgQD反復140.94(0.88,1.00)0.94(0.86,1.03)-(-,-)
オピオイド系鎮痛薬
メサドン20~200mgQD反復100mgQD反復14R-メサドン
0.95(0.90,1.01)0.98(0.93,1.03)0.95(0.88,1.03)
S-メサドン
0.98(0.90,1.06)0.97(0.91,1.04)0.97(0.86,1.10)
QD:1日1回投与、-:該当データなしAUC:併用薬が単回投与の場合はAUC0-∞、反復投与の場合はAUC0-24hr†併用時の例数
注)本剤の承認された用量は1日1回100mgである。

併用禁忌 

薬剤名等臨床症状・措置方法機序・危険因子
カルバマゼピン(テグレトール)
フェノバルビタール(フェノバール)
フェニトイン(アレビアチン)
ホスフェニトイン(ホストイン)
エンザルタミド(イクスタンジ)
リファンピシン(リファジン)
ミトタン(オペプリム)
セイヨウオトギリソウ(St.John's Wort、セント・ジョーンズ・ワート)含有食品
[2.1、16.7.2参照]
本剤の血漿中濃度が低下し、治療効果が減弱するおそれがある。これらの薬剤及び食品の強力なCYP3A4誘導作用により、本剤の代謝が促進されると予測される。

併用注意 

薬剤名等臨床症状・措置方法機序・危険因子
リファブチン
[7.、16.7.2参照]
本剤の血漿中濃度が低下し、治療効果が減弱するおそれがある。リファブチンのCYP3A4誘導作用により、本剤の代謝が促進される。

その他の副作用 

次の副作用があらわれることがあるので、観察を十分に行い、異常が認められた場合には投与を中止するなど適切な処置を行うこと。

2%以上5%未満
胃腸障害悪心、下痢
一般・全身障害および投与部位の状態疲労
神経系障害頭痛、浮動性めまい
精神障害異常な夢
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