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スピロペント錠10μg

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効能・効果/用法・用量 

効能・効果

  • ○下記疾患の気道閉塞性障害に基づく呼吸困難など諸症状の緩解

    • 気管支喘息、慢性気管支炎、肺気腫、急性気管支炎
  • ○下記疾患に伴う尿失禁

    • 腹圧性尿失禁

用法・用量

  • <気管支喘息、慢性気管支炎、肺気腫、急性気管支炎>

    • 通常、成人には1回クレンブテロール塩酸塩として20μgを1日2回、朝及び就寝前に経口投与する。
      頓用として、通常、成人には1回クレンブテロール塩酸塩として20μgを経口投与する。
      なお、年齢、症状により適宜増減する。
    • 5歳以上の小児には、1回クレンブテロール塩酸塩として0.3μg/kgを1日2回、朝及び就寝前に経口投与する。
      頓用として、5歳以上の小児には通常、1回クレンブテロール塩酸塩として0.3μg/kgを経口投与する。
      なお、年齢、症状により適宜増減する。
    • 本剤の頓用を反復しなければならない場合には、早急に医師の指示を受けさせること。
  • <腹圧性尿失禁>

    • 通常、成人には1回クレンブテロール塩酸塩として20μgを1日2回、朝及び夕に経口投与する。
      なお、年齢、症状により適宜増減する。ただし、60μg/日を上限とする。

禁忌 

【禁忌】

次の患者には投与しないこと

  • 2.1 下部尿路が閉塞している患者[下部尿路の閉塞を増悪させるおそれがある。]
  • 2.2 本剤に対して過敏症の既往歴のある患者

注意 

9.特定の背景を有する患者に関する注意

9.1 合併症・既往歴等のある患者
9.1.1 甲状腺機能亢進症の患者
症状が増悪するおそれがある。
9.1.2 高血圧症の患者
血圧が上昇することがある。
9.1.3 心疾患のある患者
動悸、不整脈等があらわれることがある。[8.2参照]
9.1.4 糖尿病の患者
症状が増悪するおそれがある。
9.1.5 低酸素血症の患者
血清カリウム値をモニターすることが望ましい。低酸素血症は血清カリウム値の低下が心リズムに及ぼす作用を増強することがある。[11.1.1参照]
9.5 妊婦
妊婦又は妊娠している可能性のある女性には治療上の有益性が危険性を上回ると判断される場合にのみ投与すること。動物実験(ラット)で、妊娠後期に投与すると子宮筋の収縮を抑制して分娩遅延をおこすこと及び胎盤通過性を有することが報告されている。
9.6 授乳婦
治療上の有益性及び母乳栄養の有益性を考慮し、授乳の継続又は中止を検討すること。動物実験(ラット)で、乳汁への移行性を有することが報告されている。
9.7 小児等
低出生体重児、新生児、乳児又は4歳以下の幼児を対象とした臨床試験は実施していない。
9.8 高齢者
一般に生理機能が低下している。[7.参照]

8.重要な基本的注意

<効能共通>
8.1 用法及び用量通り正しく使用しても効果が認められない場合は、本剤が適当でないと考えられるので、投与を中止すること。小児に投与する場合には、使用法を正しく指導し、経過の観察を十分に行うこと。
8.2 過度に使用を続けた場合、不整脈、場合によっては心停止を起こすおそれがあるので、使用が過度にならないように注意すること。[9.1.3参照]
<気管支喘息、慢性気管支炎、肺気腫>
8.3 本剤の投与期間中に発現する急性増悪に対しては、短時間作動型吸入β2刺激剤等の他の適切な薬剤を使用するよう患者、保護者又はそれに代わり得る適切な者に注意を与えること。
また、その薬剤の使用量が増加したり、あるいは効果が十分でなくなってきた場合には、疾患の管理が十分でないことが考えられるので、可及的速やかに医療機関を受診し治療を受けるよう患者、保護者又はそれに代わり得る適切な者に注意を与えること。
<気管支喘息>
8.4 本剤は吸入ステロイド剤等の抗炎症剤の代替薬ではないため、患者が本剤の使用により症状改善を感じた場合であっても、医師の指示なく吸入ステロイド剤等を減量又は中止し、本剤を単独で用いることのないよう、患者、保護者又はそれに代わり得る適切な者に注意を与えること。
8.5 本剤の投与期間中に発現する急性増悪に対して、短時間作動型吸入β2刺激剤等の薬剤の使用量が増加したり、あるいは効果が十分でなくなってきた場合には、患者の生命が脅かされる可能性があるので、患者の症状に応じて吸入ステロイド剤等の増量等の抗炎症療法の強化を行うこと。

14.適用上の注意

14.1 薬剤交付時の注意
PTP包装の薬剤はPTPシートから取り出して服用するよう指導すること。PTPシートの誤飲により、硬い鋭角部が食道粘膜へ刺入し、更には穿孔をおこして縦隔洞炎等の重篤な合併症を併発することがある。

7.用法及び用量に関連する注意

高齢者においては、低用量(例えば1回10μgを1日2回)から用いるなど慎重に投与すること。[9.8参照]

5.効能又は効果に関連する注意

<気管支喘息>
5.1 気管支喘息治療における長期管理の基本は、吸入ステロイド剤等の抗炎症剤の使用であり、吸入ステロイド剤等により症状の改善が得られない場合、あるいは患者の重症度から吸入ステロイド剤等との併用による治療が適切と判断された場合にのみ、本剤と吸入ステロイド剤等を併用して使用すること。
<腹圧性尿失禁>
5.2 本剤は、腹圧性以外の原因による尿失禁には使用しないこと。

16.薬物動態

16.1 血中濃度
健康成人男子にスピロペント錠をクレンブテロール塩酸塩として20μg経口投与したときの血漿中未変化体濃度は、投与後約2~5時間で最大に達した。また、血中半減期は約35時間で、連続投与時の血中濃度は1日2回投与の場合、3~4日目でほぼ一定となった。
薬物動態学的パラメーター
Cmax(pg/mL)Tmax(hr)AUC(pg・hr/mL)MRT(hr)
79.4±21.33.6±1.81935±70621.92±7.10
16.4 代謝
健康成人男子にクレンブテロール塩酸塩錠を40μg注)経口投与したとき、血漿中ではほとんど未変化体として存在した。
16.5 排泄
健康成人男子にクレンブテロール塩酸塩錠を20、40及び80μg注)経口投与したとき、いずれの用量においても、投与後72時間までに未変化体が18~22%尿中に排泄された。
注)本剤の承認された成人の1回用量は、クレンブテロール塩酸塩として20μgである。

併用注意 

薬剤名等臨床症状・措置方法機序・危険因子
カテコールアミン製剤
アドレナリン
イソプロテレノール等
不整脈、場合によっては心停止を起こすおそれがある。副作用の発現に注意し、異常が認められた場合には減量又は投与を中止するなど適切な処置を行うこと。カテコールアミン製剤の併用によりアドレナリン作動性神経刺激の増大が起こる。
キサンチン誘導体
テオフィリン
アミノフィリン水和物
ジプロフィリン等
ステロイド剤
ベタメタゾン
プレドニゾロン
ヒドロコルチゾンコハク酸エステルナトリウム等
利尿剤
フロセミド等
[11.1.1参照]
血清カリウム値が低下し、低カリウム血症による不整脈を起こすおそれがある。副作用の発現に注意し、異常が認められた場合には減量又は投与を中止するなど適切な処置を行うこと。キサンチン誘導体はアドレナリン作動性神経刺激による血清カリウム値の低下を増強することが考えられる。ステロイド剤及び利尿剤は尿細管でのカリウム排泄促進作用があるため、血清カリウム値の低下を増強することが考えられる。

重大な副作用 

次の副作用があらわれることがあるので、観察を十分に行い、異常が認められた場合には投与を中止するなど適切な処置を行うこと。
11.1.1 重篤な血清カリウム値の低下(頻度不明)
キサンチン誘導体、ステロイド剤、及び利尿剤の併用により増強することがあるので、重症喘息患者では特に注意すること。[9.1.5、10.2参照]

その他の副作用 

次の副作用があらわれることがあるので、観察を十分に行い、異常が認められた場合には投与を中止するなど適切な処置を行うこと。

5%以上0.1~5%未満0.1%未満
過敏症発疹そう痒
精神神経系振戦筋痙直、頭痛四肢しびれ感、興奮、不眠、めまい、眠気
循環器動悸頻脈、不整脈、血圧上昇
消化器嘔気食欲不振、腹痛、下痢、便秘、口渇、胸やけ
肝臓AST上昇、ALT上昇
泌尿器排尿障害
その他全身倦怠感、浮腫、ほてり

注)副作用の頻度は承認時までの臨床試験及び使用成績調査を含む。

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