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レナデックス錠2mg、他

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効能・効果/用法・用量 

効能・効果

  • 多発性骨髄腫

用法・用量

  • 通常、成人にはデキサメタゾンとして40mgを1日1回、4日間経口投与する。なお、投与量及び投与日数は、患者の状態及び併用する他の抗悪性腫瘍剤により適宜減ずる。

禁忌 

【警告】

  • 本剤を含むがん化学療法は、緊急時に十分対応できる医療施設において、がん化学療法の治療に対して十分な知識・経験を持つ医師のもとで、本療法が適切と判断される患者についてのみ実施すること。また、治療開始に先立ち、患者又はその家族等に有効性及び危険性を十分説明し、同意を得てから投与を開始すること。
【禁忌】

次の患者には投与しないこと

  • 2.1 本剤の成分に対し過敏症の既往歴のある患者
  • 2.2 次の薬剤を使用中の患者

    • デスモプレシン酢酸塩水和物(男性における夜間多尿による夜間頻尿)、リルピビリン、リルピビリン塩酸塩・テノホビル アラフェナミドフマル酸塩・エムトリシタビン、リルピビリン塩酸塩・ドルテグラビルナトリウム[10.1参照]

注意 

9.特定の背景を有する患者に関する注意

9.1 合併症・既往歴等のある患者
9.1.1 以下の患者には治療上やむを得ないと判断される場合を除き投与しないこと。
(1)有効な抗菌剤の存在しない感染症、全身の真菌症の患者
免疫抑制作用により、感染症が増悪するおそれがある。[11.1.1参照]
(2)結核性疾患の患者
免疫抑制作用により、結核性疾患が増悪するおそれがある。[11.1.1参照]
(3)単純疱疹性角膜炎の患者
免疫抑制作用により、単純疱疹性角膜炎が増悪するおそれがある。[11.1.1参照]
(4)コントロール不良の糖尿病の患者
糖新生促進作用(血糖値上昇)等により、糖尿病が増悪するおそれがある。[11.1.2参照]
(5)消化性潰瘍の患者
粘膜防御能の低下等により、消化性潰瘍が増悪するおそれがある。[11.1.3参照]
(6)精神病の患者
中枢神経系に影響し、精神病が増悪するおそれがある。[11.1.4参照]
(7)後嚢白内障の患者
水晶体線維に影響し、後嚢白内障が増悪するおそれがある。[11.1.6参照]
(8)緑内障の患者
眼圧が上昇し、緑内障が増悪するおそれがある。[11.1.6参照]
(9)高血圧症の患者
ナトリウム・水貯留作用等により、高血圧症が増悪するおそれがある。
(10)電解質異常のある患者
ナトリウム・水貯留作用により、電解質異常が増悪するおそれがある。
(11)血栓症の患者
血液凝固能が亢進し、血栓症が増悪するおそれがある。[11.1.7参照]
(12)最近行った内臓の手術創のある患者
創傷治癒を遅延するおそれがある。
(13)急性心筋梗塞を起こした患者
心破裂を起こしたとの報告がある。
9.1.2 感染症の患者(有効な抗菌剤の存在しない感染症、全身の真菌症の患者を除く)
免疫抑制作用により、感染症が増悪するおそれがある。[11.1.1参照]
9.1.3 糖尿病の患者(コントロール不良の糖尿病の患者を除く)
糖新生促進作用(血糖値上昇)等により、糖尿病が増悪するおそれがある。[11.1.2参照]
9.1.4 骨粗鬆症の患者
骨形成抑制作用及びカルシウム代謝の障害を起こすことにより、骨粗鬆症が増悪するおそれがある。[11.1.5参照]
9.1.5 甲状腺機能低下のある患者
血中半減期の延長がみられ、副作用が起こりやすい。
9.1.6 脂肪塞栓症の患者
脂質代謝に影響し、脂肪塞栓症が増悪するおそれがある。
9.1.7 重症筋無力症の患者
使用当初、一時症状が増悪することがある。
9.1.8 B型肝炎ウイルスキャリアの患者
本剤の投与期間中及び投与終了後は継続して肝機能検査値や肝炎ウイルスマーカーのモニタリングを行うなど、B型肝炎ウイルス増殖の徴候や症状の発現に注意すること。異常が認められた場合には、本剤の減量を考慮し、抗ウイルス剤を投与するなど適切な処置を行うこと。B型肝炎ウイルスの増殖による肝炎があらわれることがある。なお、投与開始前にHBs抗原陰性の患者において、B型肝炎ウイルスによる肝炎を発症した症例が報告されている。[11.1.1参照]
9.1.9 褐色細胞腫又はパラガングリオーマのある患者及びその疑いのある患者
褐色細胞腫クリーゼがあらわれることがある。[8.5参照]
9.2 腎機能障害患者
9.2.1 腎不全の患者
症状が増悪するおそれがある。
9.3 肝機能障害患者
9.3.1 肝硬変の患者
慢性肝疾患患者では、血中半減期の延長がみられ、副作用が起こりやすい。
9.3.2 脂肪肝の患者
脂質代謝に影響し、脂肪肝が増悪するおそれがある。
9.5 妊婦
妊婦又は妊娠している可能性のある女性には治療上の有益性が危険性を上回ると判断される場合にのみ投与すること。動物実験で催奇形作用が報告されており、また、新生児に副腎不全を起こすことがある。
9.6 授乳婦
治療上の有益性及び母乳栄養の有益性を考慮し、授乳の継続又は中止を検討すること。
9.7 小児等
9.7.1 観察を十分に行うこと。発育抑制があらわれることがある。
9.7.2 長期投与した場合、頭蓋内圧亢進症状があらわれることがある。
9.8 高齢者
慎重に投与すること。長期投与した場合、感染症の誘発、糖尿病、骨粗鬆症、高血圧症、後嚢白内障、緑内障等の副作用があらわれやすい。[11.1.1、11.1.2、11.1.5、11.1.6参照]

8.重要な基本的注意

8.1 本剤の投与により、誘発感染症、続発性副腎皮質機能不全、消化性潰瘍、糖尿病、精神障害等の重篤な副作用があらわれることがあるので、本剤の投与にあたっては、次の注意が必要である。[11.1.1-11.1.4参照]
・本剤投与中は副作用の出現に対し、常に十分な配慮と観察を行うこと。
・本剤の投与中止後、離脱症状があらわれることがあるので、注意すること。
8.2 本剤投与中の患者、又は投与中止後6ヵ月以内の患者では、免疫機能が低下していることがあり、生ワクチンの接種により、ワクチン由来の感染を増強又は持続させるおそれがあるので、これらの患者には生ワクチンを接種しないこと。
8.3 特に、本剤投与中に水痘又は麻疹に感染すると、致命的な経過をたどることがあるので、次の注意が必要である。
・本剤投与前に水痘又は麻疹の既往や予防接種の有無を確認すること。
・水痘又は麻疹の既往のない患者においては、水痘又は麻疹への感染を極力防ぐよう常に十分な配慮と観察を行うこと。
感染が疑われる場合や感染した場合には、直ちに受診するよう指導し、適切な処置を講ずること。
・水痘又は麻疹の既往や予防接種を受けたことがある患者であっても、本剤投与中は、水痘又は麻疹を発症する可能性があるので留意すること。
8.4 緑内障、後嚢白内障を来すことがあるので、定期的に検査をすることが望ましい。[11.1.6参照]
8.5 褐色細胞腫の合併を認識していなかった状態でデキサメタゾン製剤(経口剤及び注射剤)を投与した際に褐色細胞腫クリーゼを発現したとの報告がある。本剤投与後に著明な血圧上昇、頭痛、動悸等が認められた場合は、褐色細胞腫クリーゼの発現を考慮した上で適切な処置を行うこと。[9.1.9参照]
8.6 腫瘍崩壊症候群があらわれることがあるので、血清中電解質濃度及び腎機能検査を行うなど、患者の状態を十分に観察すること。[11.1.8参照]

14.適用上の注意

14.1 薬剤交付時の注意
PTP包装の薬剤はPTPシートから取り出して服用するよう指導すること。PTPシートの誤飲により、硬い鋭角部が食道粘膜へ刺入し、更には穿孔を起こして縦隔洞炎等の重篤な合併症を併発することがある。
14.2 薬剤分割後の注意
本剤を分割後は、光を避けて保存し、1ヵ月以内に使用すること。

7.用法及び用量に関連する注意

本剤を単独又は他の抗悪性腫瘍剤との併用で使用する場合の投与量、投与スケジュール等については、学会のガイドライン等、最新の情報を参考に投与すること。

16.薬物動態

16.1 血中濃度
16.1.1 単回投与
再発又は難治性の日本人多発性骨髄腫患者(6例)に本剤40mgを単回経口投与したときの薬物動態パラメータは以下のとおりであり、本剤の血漿中濃度は投与約2.5時間後に最高値に達し、t1/2は約4~5時間であった。
単回経口投与したときの薬物動態パラメータ
用量40mg
(6例)
Cmax(ng/mL)521±168
AUC(ng・h/mL)3977±2010
tmax(h)2.49
(1.00,4.00)
t1/2(h)4.45±1.71
平均値±標準偏差平均値は算術平均値tmaxは中央値(最小,最大)
16.1.2 生物学的同等性試験
レナデックス錠2mg2錠とレナデックス錠4mg1錠(デキサメタゾン4mg)をクロスオーバー法により日本人健康成人男性に絶食時単回経口投与して血漿中濃度を測定した結果を以下の表に示す。両剤のAUCt及びCmaxの最小二乗幾何平均比の90%信頼区間は共に0.80~1.25の間にあることから、生物学的に同等であると考えられた。
レナデックス錠2mg
2錠
(20例)
レナデックス錠4mg
1錠
(20例)
最小二乗幾何平均値の比
(2mg錠/4mg錠)
比の90%信頼区間
Cmax(ng/mL)47.3(22.0)47.0(25.2)1.00640.8868,1.1420
AUCt(ng・h/mL)183(21.7)182(21.5)1.00330.9602,1.0484
tmax(h)1.00(0.50,2.00)0.75(0.50,3.00)
t1/2(h)3.90(13.9)3.96(11.5)
幾何平均(%変動係数)tmaxは中央値(最小,最大)Cmax及びAUCtの推定値は、自然対数変換したPKパラメータを従属変数、治験薬投与、治験薬投与順序、期間を固定効果、被験者を順序内にネスト化したものを変量効果とした線形混合効果モデルから得た。

併用禁忌 

薬剤名等臨床症状・措置方法機序・危険因子
デスモプレシン酢酸塩水和物
ミニリンメルト
(男性における夜間多尿による夜間頻尿)[2.2参照]
低ナトリウム血症が発現するおそれがある。機序不明
リルピビリン
エジュラント、リカムビス
リルピビリン塩酸塩・テノホビル アラフェナミドフマル酸塩・エムトリシタビン
オデフシィ
リルピビリン塩酸塩・ドルテグラビルナトリウム
ジャルカ
[2.2参照]
これらの薬剤の血中濃度を低下させ、作用を減弱させるおそれがある。本剤のCYP3A4誘導作用により、これらの薬剤の代謝が促進される可能性がある。

併用注意 

薬剤名等臨床症状・措置方法機序・危険因子
主にCYP3A4で代謝される薬剤
イマチニブメシル酸塩
エプレレノン
エレトリプタン臭化水素酸塩
ドネペジル塩酸塩等
これらの薬剤の血中濃度を低下させ、作用を減弱させるおそれがある。本剤のCYP3A4誘導作用により、これらの薬剤の代謝が促進される可能性がある。
カスポファンギン酢酸塩カスポファンギンの血中濃度が低下するおそれがある。本剤がカスポファンギンの取り込み輸送過程に影響し、カスポファンギンのクリアランス誘導が起きると考えられる。
CYP3A4を誘導する薬剤
バルビツール酸誘導体
フェノバルビタール
リファンピシン
カルバマゼピン等
本剤の作用が減弱することが報告されている。これらの薬剤はチトクロームP450を誘導し、本剤の代謝が促進される。
フェニトイン本剤の作用が減弱することが報告されている。フェニトインがチトクロームP450を誘導し、本剤の代謝が促進される。
フェニトインフェニトインの血中濃度が上昇又は低下するとの報告がある。機序不明
HIVプロテアーゼ阻害剤
リトナビル
ホスアンプレナビルカルシウム水和物
ダルナビルエタノール付加物
本剤のAUCが上昇あるいはこれらの薬剤のAUCが低下するおそれがある。チトクロームP450に対して競合する可能性がある。また、本剤がチトクロームP450を誘導することより、これらの薬剤の代謝が促進される可能性がある。
アプレピタント本剤の作用が増強されるおそれがある。アプレピタントの用量依存的なCYP3A4阻害作用により、本剤の代謝が阻害される。
エンシトレルビル フマル酸本剤の作用が増強されるおそれがある。エンシトレルビルのCYP3Aに対する阻害作用により、本剤の代謝が阻害される。
マクロライド系抗生物質
エリスロマイシン
アゾール系抗真菌剤
イトラコナゾール
副腎皮質ホルモン剤の作用が増強されるとの報告がある。本剤の代謝が阻害されるおそれがある。
メフロキン塩酸塩併用により本剤又はメフロキンの血中濃度が変動するおそれがある。メフロキンはCYP3Aにより代謝されることが示唆されており、相互に影響を受ける可能性が考えられる。
シクロスポリン副腎皮質ホルモン剤の大量投与により、併用したシクロスポリンの血中濃度が上昇するとの報告がある。シクロスポリンの代謝を阻害する。
サリチル酸誘導体
アスピリン
併用時に本剤を減量すると、血清中のサリチル酸誘導体の濃度が増加し、サリチル酸中毒を起こすことが報告されている。本剤はサリチル酸誘導体の腎排泄と肝代謝を促進し、血清中のサリチル酸誘導体の濃度が低下する。
抗凝血剤
ワルファリンカリウム
抗凝血剤の作用を減弱させることが報告されている。本剤は血液凝固促進作用がある。
経口糖尿病用剤
アセトヘキサミド
インスリン製剤
これらの薬剤の作用を減弱させることが報告されている。本剤は肝臓での糖新生を促進し、末梢組織での糖利用を阻害する。
血圧降下剤これらの薬剤の作用を減弱させるおそれがある。機序不明
利尿剤これらの薬剤の作用を減弱させるおそれがある。機序不明
利尿剤(カリウム保持性利尿剤を除く)
トリクロルメチアジド
フロセミド
低カリウム血症があらわれることがある。本剤は尿細管でのカリウム排泄促進作用がある。
カルシウム受容体作動薬
エボカルセト
エテルカルセチド塩酸塩
シナカルセト塩酸塩
血清カルシウム濃度が低下するおそれがある。これらの薬剤の血中カルシウム低下作用が増強される可能性がある。
エフェドリン塩酸塩副腎皮質ホルモン剤の代謝が促進され、血中濃度が低下するとの報告がある。機序不明
サリドマイド血栓症と血栓塞栓症のリスクを高める危険性がある。相互に作用を増強するおそれがある。
サリドマイド海外において、多発性骨髄腫における本剤との併用により、中毒性表皮壊死症(Toxic Epidermal Necrolysis:TEN)が発現したとの報告がある。機序不明

重大な副作用 

次の副作用があらわれることがあるので、観察を十分に行い、異常が認められた場合には投与を中止するなど適切な処置を行うこと。
11.1.1 誘発感染症、感染症の増悪(24.0%)
B型肝炎ウイルスの増殖による肝炎があらわれることがある。[8.1、9.1.1、9.1.2、9.1.8、9.8参照]
11.1.2 続発性副腎皮質機能不全(0.6%)、糖尿病(1.1%)[8.1、9.1.1、9.1.3、9.8参照]
11.1.3 消化性潰瘍(1.1%)、消化管穿孔(頻度不明)、膵炎(頻度不明)[8.1、9.1.1参照]
11.1.4 精神変調(頻度不明)、うつ状態(6.3%)、痙攣(頻度不明)[8.1、9.1.1参照]
11.1.5 骨粗鬆症(0.6%)、大腿骨及び上腕骨等の骨頭無菌性壊死(0.6%)、ミオパチー(2.3%)、脊椎圧迫骨折(頻度不明)、長骨の病的骨折(頻度不明)[9.1.4、9.8参照]
11.1.6 緑内障(頻度不明)、後嚢白内障(1.1%)
連用により眼圧亢進、緑内障、後嚢白内障を来すことがある。[8.4、9.1.1、9.8参照]
11.1.7 血栓塞栓症(5.7%)[9.1.1参照]
11.1.8 腫瘍崩壊症候群(頻度不明)
異常が認められた場合には、適切な処置(生理食塩液、高尿酸血症治療剤等の投与、透析等)を行うとともに、症状が回復するまで患者の状態を十分に観察すること。[8.6参照]

その他の副作用 

次の副作用があらわれることがあるので、観察を十分に行い、異常が認められた場合には投与を中止するなど適切な処置を行うこと。

10%以上10%未満頻度不明
血液好中球減少症、血小板減少症、貧血白血球増多
血管血管浮腫
内分泌系月経異常
代謝異常高血糖末梢性浮腫、体重増加、体重減少、浮腫、食欲不振低カリウム性アルカローシス、満月様顔貌、野牛肩、窒素負平衡、脂肪肝、食欲亢進
精神・神経系不眠症、錯感覚味覚異常、末梢性ニューロパチー、頭痛、浮動性めまい、うつ病、振戦、気分動揺、錯乱状態、傾眠、不安多幸症、めまい
霧視網膜障害、眼球突出
呼吸器気管支炎
消化器便秘、腹痛、消化不良、下痢悪心・嘔吐、胃痛、胸やけ、腹部膨満感、口渇
皮膚紅斑発疹、ざ瘡、多毛、脱毛、色素沈着、皮下いっ血、紫斑、線条、そう痒、発汗異常、顔面紅斑、創傷治癒障害、皮膚脆弱化、脂肪織炎
筋・骨格系筋痙攣筋脱力、筋痛関節痛
ステロイド腎症
その他無力症、疲労発熱、粘膜の炎症血圧上昇、精子数及び精子運動性の異常、しゃっくり
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