薬剤名等 | 臨床症状・措置方法 | 機序・危険因子 |
昇圧アミン ノルアドレナリン アドレナリン [9.1.4参照] | 昇圧アミンの作用を減弱するおそれがあるので、手術前の患者に使用する場合には、本剤の一時休薬等の処置を行うこと。 | 併用により血管壁の反応性が低下するためと考えられる。 |
ツボクラリン及びその類似作用物質 [9.1.4参照] | ツボクラリン及びその類似作用物質の麻痺作用を増強するおそれがあるので、手術前の患者に使用する場合には、本剤の一時休薬等の処置を行うこと。 | 利尿剤による血清カリウム値の低下により、これらの薬剤の神経・筋遮断作用が増強されると考えられる。 |
降圧剤 ACE阻害剤 β-遮断剤等 | 降圧作用を増強するおそれがあるので、用量調節等に注意すること。 | 本剤はナトリウムの再吸収を抑制するため降圧作用を増強すると考えられる。 |
アミノグリコシド系抗生物質 ゲンタマイシン硫酸塩 アミカシン硫酸塩等 | アミノグリコシド系抗生物質の第8脳神経障害(聴覚障害)を増強するおそれがある。 | アミノグリコシド系抗生物質の内耳外有毛細胞内濃度が上昇し、最終的には外有毛細胞の壊死を引き起こし、永続的な難聴が起こる場合もあると考えられる。 |
シスプラチン | シスプラチンの聴覚障害を増強するおそれがある。 | シスプラチンの内耳外有毛細胞内濃度が上昇し、最終的には外有毛細胞の壊死を引き起こし、永続的な難聴が起こる場合もあると考えられる。 |
セファロスポリン系抗生物質 セファロチンナトリウム等 アミノグリコシド系抗生物質 ゲンタマイシン硫酸塩 アミカシン硫酸塩等 | 抗生物質の腎毒性を増強するおそれがある。 | 近位尿細管でのナトリウム再吸収の増加に伴い、抗生物質の再吸収も増加することにより、組織内濃度が上昇し腎毒性が増強する。 |
ジギタリス剤 ジゴキシン | ジギタリスの心臓に対する作用を増強するおそれがあるので、血清カリウム値及び血中ジギタリス濃度に注意すること。 | 利尿剤による血清カリウム値の低下により、多量のジギタリスが心筋Na+-K+ATPaseに結合し、心収縮力の増強と不整脈が起こると考えられる。 |
糖質副腎皮質ホルモン剤 ヒドロコルチゾン等 ACTH グリチルリチン製剤 甘草含有製剤 | 過剰のカリウム放出により、低カリウム血症が発現するおそれがある。 | 共にカリウム排泄作用を持つ。 |
糖尿病用剤 スルホニルウレア剤 インスリン | 糖尿病用剤の作用を著しく減弱するおそれがある。 | 細胞内外のカリウム喪失がインスリン分泌の抑制、末梢でのインスリン感受性の低下をもたらすと考えられる。 |
ビグアナイド系薬剤 メトホルミン塩酸塩等 | ビグアナイド系薬剤による乳酸アシドーシスを起こすおそれがあるので、脱水症状があらわれた場合には、適切な処置を行うこと。 | 体液量が減少し脱水状態になるおそれがある。 |
SGLT2阻害剤 | 利尿作用が増強されるおそれがあるので、血圧、脈拍数、尿量、血清ナトリウム濃度等を確認し、脱水症状の発現に注意すること。必要に応じ本剤の用量を調整するなど注意すること。 | 利尿作用が増強されるおそれがある。 |
リチウム 炭酸リチウム | リチウムの毒性を増強するおそれがあるので、血中リチウム濃度に注意すること。 | リチウムの腎での再吸収を促進し、リチウムの血中濃度が上昇すると考えられる。 |
サリチル酸誘導体 アスピリン サリチル酸ナトリウム | サリチル酸誘導体毒性が発現するおそれがある。 | 腎の排泄部位において両剤の競合が起こり、サリチル酸誘導体の排泄が遅れサリチル酸中毒が起こると考えられる。 |
非ステロイド性消炎鎮痛剤 インドメタシン等 | 本剤の利尿作用を減弱するおそれがある。 | 非ステロイド性消炎鎮痛剤が腎でのプロスタグランジン合成を阻害し、水、ナトリウムの体内貯留を引き起こし、利尿剤の作用と拮抗する。 |
尿酸排泄促進剤 プロベネシド | 尿酸排泄促進剤の尿酸排泄作用を減弱するおそれがある。 | 尿酸再吸収の間接的増大により、尿酸排泄促進剤の作用が抑制されると考えられる。 |
カルバマゼピン | 症候性低ナトリウム血症が発現するおそれがある。 | ナトリウム排泄作用が増強され、低ナトリウム血症が起こると考えられる。 |