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エストラジオール錠0.5mg「F」

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効能・効果/用法・用量 

効能・効果

  • ○更年期障害及び卵巣欠落症状に伴う下記症状

    • 血管運動神経症状(Hot flush及び発汗)、腟萎縮症状
  • ○閉経後骨粗鬆症
  • ○生殖補助医療における調節卵巣刺激の開始時期の調整
  • ○凍結融解胚移植におけるホルモン補充周期

用法・用量

  • <更年期障害及び卵巣欠落症状に伴う症状>

    • 通常、成人に対しエストラジオールとして1日1回0.5mgを経口投与する。
      なお、増量する場合は、エストラジオールとして1日1回1.0mgを経口投与することができる。
  • <閉経後骨粗鬆症>

    • 通常、成人に対しエストラジオールとして1日1回1.0mgを経口投与する。
  • <生殖補助医療における調節卵巣刺激の開始時期の調整>

    • 通常、エストラジオールとして1日1回0.5又は1.0mgを21~28日間経口投与し、投与期間の後半に黄体ホルモン剤を併用する。
  • <凍結融解胚移植におけるホルモン補充周期>

    • 通常、エストラジオールとして1日0.5~4.5mgを経口投与し、子宮内膜の十分な肥厚が得られた時点で、黄体ホルモン剤の併用を開始して、妊娠8週まで本剤の投与を継続する。なお、1回投与量は2.0mgを超えないこと。

禁忌 

【禁忌】

次の患者には投与しないこと

  • <効能共通>

    • 2.1 エストロゲン依存性悪性腫瘍(例えば、乳癌、子宮内膜癌)及びその疑いのある患者[腫瘍の悪化あるいは顕性化を促すことがある。][8.3、8.4参照]
    • 2.2 未治療の子宮内膜増殖症のある患者[子宮内膜増殖症は細胞異型を伴う場合がある。][8.3、8.4参照]
    • 2.3 乳癌の既往歴のある患者[乳癌が再発するおそれがある。][8.3参照]
    • 2.4 血栓性静脈炎や肺塞栓症のある患者、又はその既往歴のある患者[エストロゲンは凝固因子を増加させ、血栓形成傾向を促進するとの報告がある。][11.1.1参照]
    • 2.5 動脈性の血栓塞栓疾患(例えば、冠動脈性心疾患、脳卒中)又はその既往歴のある患者[15.1.3、15.1.4参照]
    • 2.6 授乳婦[9.6参照]
    • 2.7 重篤な肝障害のある患者[9.3.1参照]
    • 2.8 診断の確定していない異常性器出血のある患者[出血が子宮内膜癌による場合は、癌の悪化あるいは顕性化を促すことがある。][8.3、8.4参照]
    • 2.9 本剤の成分に対し過敏症の既往歴のある患者
  • <更年期障害及び卵巣欠落症状に伴う症状、閉経後骨粗鬆症、生殖補助医療における調節卵巣刺激の開始時期の調整>

    • 2.10 妊婦又は妊娠している可能性のある女性[9.5.1参照]

注意 

9.特定の背景を有する患者に関する注意

9.1 合併症・既往歴等のある患者
9.1.1 子宮内膜症のある患者
症状が増悪するおそれがある。[8.3参照]
9.1.2 子宮筋腫のある患者
子宮筋腫の発育を促進するおそれがある。[8.3参照]
9.1.3 高血圧、心疾患又はその既往歴のある患者
エストロゲンの過量投与では体液貯留を来し、疾患を悪化させるおそれがある。
9.1.4 片頭痛、てんかんのある患者
観察を十分に行うこと。症状を悪化させることがある。
9.1.5 糖尿病患者
十分管理を行いながら使用すること。耐糖能を低下させるおそれがある。
9.1.6 乳癌家族素因が強い患者、乳房結節のある患者、乳腺症の患者又は乳房レントゲン像に異常がみられた患者
症状を悪化させるおそれがある。[8.3参照]
9.1.7 術前又は長期臥床状態の患者
血液凝固能が亢進され、心血管系の副作用の危険性が高くなることがある。[8.1、11.1.1参照]
9.1.8 全身性エリテマトーデスの患者
症状を悪化させるおそれがある。
9.1.9 ポルフィリン症の患者
症状を悪化させるおそれがある。
9.1.10 重篤な高トリグリセリド血症の患者
急性膵炎を発症するおそれがある。
9.2 腎機能障害患者
9.2.1 腎疾患又はその既往歴のある患者
エストロゲンの過量投与では体液貯留を来し、疾患を悪化させるおそれがある。
9.3 肝機能障害患者
9.3.1 重篤な肝障害のある患者
投与しないこと。代謝能が低下しており肝臓への負担が増加するため、症状が増悪することがある。[2.7参照]
9.3.2 肝障害のある患者(重篤な肝障害のある患者を除く)
肝障害を悪化させることがある。
9.5 妊婦
<更年期障害及び卵巣欠落症状に伴う症状、閉経後骨粗鬆症、生殖補助医療における調節卵巣刺激の開始時期の調整>
9.5.1 妊婦又は妊娠している可能性のある女性には投与しないこと。[2.10参照]
<効能共通>
9.5.2 卵胞ホルモン剤を妊娠動物(マウス)に投与した場合、児の成長後腟上皮及び子宮内膜の癌性変化を示唆する結果が報告されている。また新生児(マウス)に投与した場合、児の成長後腟上皮の癌性変化を認めたとの報告がある。
9.6 授乳婦
授乳中の女性には投与しないこと。ヒトにおいて、母乳中への移行が報告されている。[2.6参照]
9.8 高齢者
患者の状態を観察しながら慎重に投与すること。一般に生理機能が低下している。なお、臨床試験では75歳を超える高齢者は除外されている。

8.重要な基本的注意

<効能共通>
8.1 本剤の服用により、血栓症があらわれることがあるので、次のような症状・状態があらわれた場合は投与を中止すること。また、患者に対しては次のような症状・状態が認められた場合には直ちに医師等に相談するよう、あらかじめ説明すること。[9.1.7、11.1.1参照]
・下肢の疼痛・浮腫、突然の呼吸困難、息切れ、胸痛、中枢神経症状(めまい、意識障害、四肢の麻痺等)、急性視力障害等
・血栓症のリスクが高まる状態
体を動かせない状態、顕著な血圧上昇がみられた場合等
<更年期障害及び卵巣欠落症状に伴う症状、閉経後骨粗鬆症>
8.2 外国において、卵胞ホルモン剤と黄体ホルモン剤を長期併用した女性では、乳癌になる危険性が対照群の女性と比較して高くなり、その危険性は併用期間が長期になるに従って高くなるとの報告があるので、本剤の使用にあたっては、患者に対し本剤のリスクとベネフィットについて十分な説明を行うとともに必要最小限の使用にとどめ、漫然と長期使用を行わないこと。[15.1.2参照]
8.3 投与前に病歴、家族素因等の問診、乳房検診並びに婦人科検診(子宮を有する患者においては子宮内膜細胞診及び超音波検査による子宮内膜厚の測定を含む)を行い、投与開始後は定期的に乳房検診並びに婦人科検診を行うこと。[2.1-2.3、2.8、9.1.1、9.1.2、9.1.6参照]
8.4 投与初期に性器出血が発現した場合、通常は投与継続中に消失するが、頻発する場合又は持続する場合には、必要に応じて子宮内膜検査を行うこと。[2.1、2.2、2.8参照]
<生殖補助医療における調節卵巣刺激の開始時期の調整、凍結融解胚移植におけるホルモン補充周期>
8.5 本剤は、不妊治療に十分な知識と経験のある医師のもとで使用すること。本剤投与により予想されるリスク及び注意すべき症状について、あらかじめ患者に説明を行うこと。

14.適用上の注意

14.1 薬剤交付時の注意
PTP包装の薬剤はPTPシートから取り出して服用するよう指導すること。PTPシートの誤飲により、硬い鋭角部が食道粘膜へ刺入し、更には穿孔をおこして縦隔洞炎等の重篤な合併症を併発することがある。

7.用法及び用量に関連する注意

<更年期障害及び卵巣欠落症状に伴う症状、閉経後骨粗鬆症>
7.1 子宮を有する女性に投与する場合は、子宮内膜癌予防の見地から黄体ホルモン剤の併用が原則である。[15.1.1、15.1.10参照]
7.2 他のホルモン補充療法から本剤に切り替える場合、周期的投与法では治療周期の最終日以降、また逐次的投与法では休薬の後、本剤の投与を開始すること。
<閉経後骨粗鬆症>
7.3 投与後6ヵ月~1年後に骨密度を測定し、効果が認められない場合には投与を中止し、他の療法を考慮すること。
<凍結融解胚移植におけるホルモン補充周期>
7.4 本剤の妊娠成立後の投与期間は、本剤投与により予想されるリスクと患者の状態を考慮して慎重に判断し、漫然と投与を継続せず、最長妊娠10週を超えないこと。

5.効能又は効果に関連する注意

<生殖補助医療における調節卵巣刺激の開始時期の調整、凍結融解胚移植におけるホルモン補充周期>
妊娠率や生産率の報告を踏まえると、本剤を含む卵胞ホルモン剤と黄体ホルモン剤の併用で調節卵巣刺激の開始時期の調整又はホルモン補充周期で凍結融解胚移植を行った場合は、開始時期の調整を行わない場合又は自然排卵周期で凍結融解胚移植を行った場合と比べて、妊娠率や生産率が低下する可能性があるので、このことを患者に説明した上で、本剤の投与の要否は、患者ごとに治療上の必要性及び危険性を考慮して慎重に判断すること。[15.1.11、15.1.12参照]

16.薬物動態

16.1 血中濃度
16.1.1 単回投与
閉経後の健康女性10例に、エストラジオール(E2)1.0mgを単回経口投与したとき、E2は経口投与後2時間以内に速やかに吸収され、血漿中E2濃度は投与後6~8時間後に最高血漿中濃度(Cmax)に達した。その後12時間後までその血漿中濃度はほぼ一定であった。また、血漿中エストロン(E1)濃度の経時的変化はE2で認められたものと類似していた。
測定物質Cmax(pg/mL)tmax(h)AUC(0-48h)(ng・h/mL)t1/2(h)
E2(10例)37.2±13.08.1±6.91.01±0.4923.9±10.7
E1(10例)193.1±72.04.8±2.54.22±1.5517.2±6.8
算術平均値±標準偏差tmax:最高血漿中濃度到達時間、AUC:血漿中濃度曲線下面積、t1/2:消失半減期
16.1.2 反復投与
閉経後の健康女性9例にE2 1.0mgを1日1回28日間反復経口投与したとき、血漿中E2濃度は投与開始後第17日目までに定常状態に達し、定常状態のE2の血漿中平均トラフ濃度は約30pg/mLであった。28日間反復経口投与した場合のE2の蓄積係数は2.2であった。血漿中E1濃度は、血漿中E2濃度と類似した血漿中濃度推移を示した。
測定物質投与第1日目<初回投与>投与第28日目<最終投与>
Cmax(pg/mL)E2(9例)33.08±16.3357.66±17.20
E1(9例)197.99±57.38485.60±175.81
tmax(h)E2(9例)6.22±3.234.44±1.94
E1(9例)6.22±2.734.22±1.56
AUC(0-12h)(pg・h/mL)E2(9例)276.10±99.46576.50±187.02
E1(9例)1660±5604300±1610
算術平均値±標準偏差
更年期障害及び卵巣欠落症状を有する患者にエストラジオール(E2)0.5mg及び1.0mgを1日1回、8週間反復経口投与したとき、平均血清中E2濃度は0.5mg投与群(72例)で投与前値(3.10pg/mL)から投与8週後(又は中止時)で21.41pg/mL、1.0mg投与群(71例)で投与前値(2.25pg/mL)から44.95pg/mLに上昇した。
16.1.3 生物学的同等性試験
エストラジオール錠0.5mg「F」とジュリナ錠0.5mgをクロスオーバー法によりそれぞれ1錠(エストラジオールとして0.5mg)日本人閉経後健康女性に絶食単回経口投与して血漿中未変化体濃度を測定し、得られた薬物動態パラメータ(ΔAUC、ΔCmax)について90%信頼区間法にて統計解析を行った結果、log(0.80)~log(1.25)の範囲内であり、両剤の生物学的同等性が確認された。
血漿中濃度並びにΔAUC、ΔCmax等のパラメータは、被験者の選択、体液の採取回数・時間等の試験条件によって異なる可能性がある。
薬物動態パラメータ(単回経口投与)
判定パラメータ参考パラメータ
ΔAUCt(pg・hr/mL)ΔCmax(pg/mL)Tmax(hr)T1/2(hr)
エストラジオール錠0.5mg「F」427.29±160.0418.44±7.424.46±4.7513.05±3.15
ジュリナ錠0.5mg432.73±142.7318.30±6.294.02±4.3813.74±4.21
(mean±S.D.,n=25)※血漿中エストラジオール濃度及び薬物動態パラメータの算出には、投与前の血漿中エストラジオール濃度(内因性エストラジオール濃度)を差し引いた値を用いた。

併用注意 

薬剤名等臨床症状・措置方法機序・危険因子
マクロライド系抗生物質
エリスロマイシン等
イミダゾール系抗真菌剤
ケトコナゾール等
トリアゾール系抗真菌剤
イトラコナゾール等
本剤の血中濃度が増加し、作用が増強されるおそれがある。これらの薬剤等は薬物代謝酵素CYP3A4を阻害することにより、本剤の代謝を阻害すると考えられる。
リファンピシン
バルビツール酸系製剤
フェノバルビタール等
カルバマゼピン
非ヌクレオシド系逆転写酵素阻害剤
ネビラピン、エファビレンツ
セイヨウオトギリソウ(St.John's Wort、セント・ジョーンズ・ワート)含有食品
本剤の血中濃度が減少し、作用が減弱されるおそれがある。これらの薬剤等は薬物代謝酵素CYP3A4を誘導することにより、本剤の代謝を促進すると考えられる。
HIVプロテアーゼ阻害剤
リトナビル等
本剤の血中濃度が変化するおそれがある。これらの薬剤等は薬物代謝酵素CYP3A4を阻害又は誘導する可能性がある。

重大な副作用 

次の副作用があらわれることがあるので、観察を十分に行い、異常が認められた場合には投与を中止するなど適切な処置を行うこと。
11.1.1 静脈血栓塞栓症、血栓性静脈炎(いずれも頻度不明)[2.4、8.1、9.1.7参照]

その他の副作用 

次の副作用があらわれることがあるので、観察を十分に行い、異常が認められた場合には投与を中止するなど適切な処置を行うこと。

5%以上1~5%未満1%未満頻度不明
生殖器性器分泌物性器出血外陰腟不快感、子宮頸管ポリープ月経困難症(性器出血時の腹痛)、女性陰部そう痒症、腟真菌症
乳房乳房不快感乳房痛、乳頭痛乳房のう胞、乳房障害(乳腺症)
消化器腹部膨満、腹痛、悪心便秘、腹部不快感、下痢、胃炎
精神神経系浮動性めまい頭痛、不眠症、感覚減退(四肢のしびれ感等)
循環器血圧上昇、動悸
電解質代謝浮腫
内分泌・代謝系血中トリグリセリド増加TSH増加
筋・骨格系背部痛、筋骨格硬直(肩又は手のこわばり等)
皮膚湿疹
その他倦怠感
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