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効能・効果/用法・用量 

効能・効果

  • 抗悪性腫瘍剤(シスプラチン等)投与に伴う消化器症状(悪心、嘔吐)(遅発期を含む)

用法・用量

  • 他の制吐剤との併用において、通常、成人にはホスネツピタントとして235mgを抗悪性腫瘍剤投与1日目に1回、点滴静注する。

禁忌 

【禁忌】

次の患者には投与しないこと

  • 2.1 本剤の成分に対し過敏症の既往歴のある患者
  • 2.2 妊婦又は妊娠している可能性のある女性[9.5参照]

注意 

9.特定の背景を有する患者に関する注意

9.3 肝機能障害患者
9.3.1 中等度以上の肝機能障害患者(Child-Pughスコア7以上)
血中濃度が上昇するおそれがある。[16.6.1参照]
9.4 生殖能を有する者
妊娠する可能性のある女性には、本剤投与中及び投与終了後一定期間は、適切な避妊を行うよう指導すること。[9.5参照]
9.5 妊婦
妊婦又は妊娠している可能性のある女性には投与しないこと。動物試験において、臨床用量の曝露量未満より、ラットで恥骨の未骨化、ウサギで吸収胚数及び胎児死亡数の高値、小型胎児等が認められている。また、ラットで本剤の胎盤及び胎児への移行が確認されている。[2.2、9.4参照]
9.6 授乳婦
治療上の有益性及び母乳栄養の有益性を考慮し、授乳の継続又は中止を検討すること。動物実験(ラット)で本剤の乳汁中への移行が報告されている。
9.7 小児等
小児等を対象とした臨床試験は実施していない。

8.重要な基本的注意

本剤の活性本体ネツピタントはCYP3Aに対する阻害作用を有し、CYP3Aで代謝される抗悪性腫瘍剤を含めた併用薬剤と相互作用を起こすことがあるため、十分注意して投与すること。[10.、16.7.3参照]

14.適用上の注意

14.1 薬剤調製時の注意
本剤は泡立つため、輸液バッグ等に注入する際は緩徐に注入し、静かに転倒混和すること。
14.2 薬剤投与時の注意
本剤は、30分かけて点滴静注すること。

7.用法及び用量に関連する注意

7.1 抗悪性腫瘍剤投与前に投与を終了すること。
7.2 本剤は、原則としてコルチコステロイド及び5-HT3受容体拮抗型制吐剤と併用して使用すること。
7.3 コルチコステロイドの用量については、活性本体ネツピタントとコルチコステロイドの薬物相互作用を考慮して適宜減量すること。[10.2、16.7.3、17.1.1、17.1.2参照]

5.効能又は効果に関連する注意

本剤は強い悪心、嘔吐が生じる抗悪性腫瘍剤(シスプラチン等)を投与する場合に限り使用すること。[17.1.1、17.1.2参照]

16.薬物動態

16.1 血中濃度
16.1.1 単回投与
(1)国内第I相試験
<健康成人>
日本人健康成人に本剤118mg、235mg、353mgを30分かけて点滴静脈内投与したとき、ホスネツピタントは速やかに活性本体ネツピタントに代謝された。ホスネツピタント及びネツピタントの血漿中濃度推移及び薬物動態パラメータは以下のとおりであった。
本剤投与量(mg)例数Cmax(ng/mL)tmax(h)AUCinf(ng・h/mL)t1/2(h)
118ホスネツピタント83430±4500.34±0.131557±1980.26±0.33
ネツピタント8344±620.52±0.066196±153168.6±19.8
235ホスネツピタント76291±6810.36±0.132896±3200.96±0.45
ネツピタント7852±1380.52±0.0617718±406770.4±22.3
353ホスネツピタント78742±16660.43±0.123970±7440.97±0.27
ネツピタント71160±2890.64±0.3825944±456268.6±14.7
平均値±標準偏差
(2)国内第II相試験
<悪性腫瘍患者>
日本人悪性腫瘍患者に本剤235mgを30分かけて点滴静脈内投与したとき、ホスネツピタントは速やかに活性本体ネツピタントに代謝された。ホスネツピタント及びネツピタントの血漿中濃度推移及び薬物動態パラメータは以下のとおりであった。
本剤投与量(mg)例数Cmax(ng/mL)tmax(h)AUClast(ng・h/mL)t1/2(h)
235ホスネツピタント108448±14380.41±0.124283±6510.60±0.51※1
ネツピタント101009±3410.68±0.4815259±445169.5±30.6※2
平均値±標準偏差、※16名、※28名
16.3 分布
ホスネツピタント及びネツピタントの血漿蛋白結合率は、それぞれ93.5%及び99.67%であった(in vitro)。
ホスネツピタントはOATP1B1及びOATP1B3の基質であった(in vitro)。ネツピタントはP-糖蛋白質の基質の輸送を5μmol/Lで有意に阻害し、BCRPの基質の輸送を6μmol/Lで50%阻害した(in vitro)。有色ラットで本剤関連成分のメラニン含有組織(眼球・ブドウ膜等)への親和性が認められた。
16.4 代謝
ホスネツピタントは、速やかに活性本体ネツピタントに代謝され、ネツピタントは主に脱メチル体及び2種の酸化体に代謝された。ネツピタントは主にCYP3Aで代謝されたが、CYP2C9及び2D6も代謝に一部関与した(in vitro)。[10.参照]
ネツピタントはCYP3Aの活性を阻害定数1.1~2.2μmol/Lで阻害し、UGT2B7の活性を0.7μmol/Lで50%阻害した(in vitro)。
16.5 排泄
健康成人6名に放射能標識したネツピタント(300mg)注)を経口投与したとき、投与後336時間までに糞中及び尿中にそれぞれ投与量の69%及び4%の放射能が排泄された(外国人データ)。健康成人13名にネツピタント(450mg)注)を経口投与したとき、ネツピタントの尿中排泄率は0.1%未満であった(外国人データ)。
16.6 特定の背景を有する患者
16.6.1 肝機能障害患者
肝機能障害患者にネツピタント(300mg)注)を経口投与したとき、軽度肝機能障害患者(Child-Pughスコア 5-6)8名ではAUCinfの有意な上昇はみられなかったが、中等度肝機能障害患者(Child-Pughスコア 7-9)8名では健康成人と比べAUCinfが有意(2.43倍)に上昇した。重度肝機能障害患者(Child-Pughスコア 10以上)2名では健康成人と比べAUCinfが2.45倍に上昇した(外国人データ)。[9.3.1参照]
16.7 薬物相互作用
16.7.1 CYP3Aを阻害する薬剤
(1)ケトコナゾール
健康成人17名にネツピタント(300mg)注)とケトコナゾール(400mg連日)を併用投与したとき、ネツピタントのAUCinfは単独投与時と比べ2.40倍であった(外国人データ)。[10.2参照]
16.7.2 CYP3Aを誘導する薬剤
(1)リファンピシン
健康成人18名にネツピタント(300mg)注)とリファンピシン(600mg連日)を併用投与したとき、ネツピタントのAUCinfは単独投与時と比べ17%に低下した(外国人データ)。[10.2参照]
16.7.3 CYP3Aで代謝される薬剤
(1)ミダゾラム
健康成人10名にネツピタント(300mg)注)とミダゾラム(7.5mg)を併用投与したとき、ミダゾラムのAUCinfは単独投与時と比べ2.26倍であった(外国人データ)。[8.、10.2参照]
(2)エリスロマイシン
健康成人10名にネツピタント(300mg)注)とエリスロマイシン(500mg)を併用投与したとき、エリスロマイシンのAUCinfは単独投与時と比べ1.56倍であった(外国人データ)。[8.、10.2参照]
(3)ドセタキセル
悪性腫瘍患者8名にネツピタント(300mg)注)とドセタキセル(75~100mg/m2)を併用投与したとき、ドセタキセルのAUClastは単独投与時と比べ1.35倍であった(外国人データ)。[8.、10.2参照]
(4)シクロホスファミド
悪性腫瘍患者10名にネツピタント(300mg)注)とシクロホスファミド(500~1000mg/m2)を併用投与したとき、シクロホスファミドのAUClastは単独投与時と比べ1.20倍であった(外国人データ)。[8.、10.2参照]
(5)エトポシド
悪性腫瘍患者12名にネツピタント(300mg)注)とエトポシド(35~100mg/m2)を併用投与したとき、エトポシドのAUClastは単独投与時と比べ1.28倍であった(外国人データ)。[8.、10.2参照]
(6)経口避妊剤(エチニルエストラジオール・レボノルゲストレル)
健康成人女性24名にネツピタント(300mg)注)とエチニルエストラジオール(60μg)・レボノルゲストレル(300μg)を併用投与したとき、エチニルエストラジオールのAUCinfは単独投与時と比べ1.12倍、レボノルゲストレルのAUCinfは1.40倍であった(外国人データ)。[8.、10.2参照]
(7)デキサメタゾン
健康成人17名に本剤(235mg)とデキサメタゾン(1日目:朝20mg、2~4日目:朝夕8mg)を併用投与したとき、デキサメタゾンのAUC0-24(1日目)は単独投与時と比べ1.50倍、AUC84-108(4日目)は2.42倍であった(外国人データ)。
健康成人24名にネツピタント(300mg)注)とデキサメタゾン(1日目:12mg、2~4、6、8及び10日目:8mg)を併用投与したとき、デキサメタゾンのAUClastは、1、4、6、8及び10日目に、それぞれ単独投与時と比べ1.58、2.41、1.49、1.20及び1.11倍であった(外国人データ)。[7.3、8.、10.2参照]
16.7.4 P-糖蛋白質の基質薬
(1)ジゴキシン
健康成人16名に対して、ジゴキシン(1日目:0.5mgを3回、2日目以降:0.25mgを連日)の反復投与時に、ネツピタント(8日目450mg)注)を併用投与したとき、ジゴキシンのAUC0-24は単独投与時と比べ1.04倍であった(外国人データ)。
16.7.5 その他の制吐剤
(1)パロノセトロン
健康成人18名にネツピタント(450mg)注)とパロノセトロン(0.75mg)を併用投与したとき、パロノセトロンのAUCinfは単独投与時と比べ1.10倍であった(外国人データ)。
(2)グラニセトロン
日本人健康成人22名に本剤(235mg)とグラニセトロン(40μg/kg)を併用投与したとき、グラニセトロンのAUCinfは単独投与時と比べ1.07倍であった。
注)本剤の承認された用量は、ホスネツピタントとして抗悪性腫瘍剤投与1日目に1回235mgである。

併用注意 

薬剤名等臨床症状・措置方法機序・危険因子
CYP3Aを阻害する薬剤
ケトコナゾール、クラリスロマイシン、フルコナゾール、イトラコナゾール等
[16.7.1参照]
本剤の活性本体ネツピタントの作用が増強するおそれがある。
本剤と強いCYP3A阻害剤との併用は慎重に行うこと。
CYP3A阻害剤との併用により、本剤の活性本体ネツピタントの血漿中濃度が上昇するおそれがある。
CYP3Aを誘導する薬剤
リファンピシン、フェニトイン等
[16.7.2参照]
本剤の活性本体ネツピタントの作用が減弱するおそれがある。
本剤と強いCYP3A誘導剤との併用は治療上やむを得ないと判断される場合を除き避けること。
CYP3A誘導剤との併用により、本剤の活性本体ネツピタントの血漿中濃度が低下するおそれがある。
CYP3Aで代謝される薬剤
デキサメタゾン、ドセタキセル、シクロホスファミド、エトポシド、ピモジド、ミダゾラム、エリスロマイシン、経口避妊剤(エチニルエストラジオール・レボノルゲストレル)等
[7.3、16.7.3参照]
これらの薬剤の作用が増強されるおそれがある。
なお、デキサメタゾンを併用する場合は、デキサメタゾンの用量を減量するなど用量に注意すること。
本剤の活性本体ネツピタントのCYP3A阻害作用により、これらの薬剤の血漿中濃度が上昇するおそれがある。

重大な副作用 

次の副作用があらわれることがあるので、観察を十分に行い、異常が認められた場合には投与を中止するなど適切な処置を行うこと。
11.1.1 ショック、アナフィラキシー(いずれも頻度不明)

その他の副作用 

次の副作用があらわれることがあるので、観察を十分に行い、異常が認められた場合には投与を中止するなど適切な処置を行うこと。

5%以上1~5%未満1%未満
消化器便秘下痢腹部膨満、腹痛、口内乾燥
肝臓ALT上昇肝機能異常、AST上昇、ALP上昇、ビリルビン上昇
精神神経系頭痛、めまい
呼吸器しゃっくり
循環器QT延長、心室性期外収縮、高血圧、潮紅
過敏症蕁麻疹、湿疹
その他倦怠感、食欲不振低ナトリウム血症、低カリウム血症、耳鳴、味覚障害
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