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バルデナフィル錠5mg「FCI」、他

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効能・効果/用法・用量 

効能・効果

  • 勃起不全(満足な性行為を行うに十分な勃起とその維持が出来ない患者)

用法・用量

  • 通常、成人には1日1回バルデナフィルとして10mgを性行為の約1時間前に経口投与する。10mgの投与で十分な効果が得られず、忍容性が良好と判断された器質性又は混合型勃起不全患者に対しては、20mgに増量することができる。
    高齢者(65歳以上)、中等度の肝障害のある患者については、本剤の血漿中濃度が上昇することが認められているので、5mgを開始用量とし、最高用量は10mgとする。
    1日の投与は1回とし、投与間隔は24時間以上とすること。

禁忌 

【警告】

  • 1.1 本剤と硝酸剤あるいは一酸化窒素(NO)供与剤(ニトログリセリン、亜硝酸アミル、硝酸イソソルビド、ニコランジル等)との併用により降圧作用が増強し、過度に血圧を下降させることがあるので、本剤投与の前に、硝酸剤あるいは一酸化窒素(NO)供与剤が投与されていないことを十分確認し、本剤投与中及び投与後においても硝酸剤あるいは一酸化窒素(NO)供与剤が投与されないよう十分注意すること。[2.2、10.1参照]
  • 1.2 心筋梗塞等の重篤な心血管系等の有害事象が報告されているので、本剤投与の前に、心血管系障害の有無等を十分確認すること。[2.3、2.5、2.8、2.9、8.1、11.2参照]
【禁忌】

次の患者には投与しないこと

  • 2.1 本剤の成分に対し過敏症の既往歴のある患者
  • 2.2 硝酸剤あるいは一酸化窒素(NO)供与剤(ニトログリセリン、亜硝酸アミル、硝酸イソソルビド、ニコランジル等)を投与中の患者[1.1、10.1参照]
  • 2.3 心血管系障害を有するなど性行為が不適当と考えられる患者[1.2、8.1参照]
  • 2.4 先天性のQT延長患者(QT延長症候群)、クラスIA(キニジン、プロカインアミド、ジソピラミド(経口剤)、シベンゾリン、ピルメノール)又はクラスIII(アミオダロン(経口剤)、ソタロール)の抗不整脈薬を投与中の患者[8.2、10.1参照]
  • 2.5 脳梗塞・脳出血や心筋梗塞の既往歴が最近6ヵ月以内にある患者[1.2、8.1参照]
  • 2.6 重度の肝障害のある患者[9.3.1参照]
  • 2.7 血液透析が必要な腎障害のある患者[9.2.1参照]
  • 2.8 低血圧(安静時収縮期血圧<90mmHg)又は治療による管理がなされていない高血圧(安静時収縮期血圧>170mmHg又は安静時拡張期血圧>100mmHg)患者[1.2、8.1参照]
  • 2.9 不安定狭心症のある患者[1.2、8.1参照]
  • 2.10 リオシグアト、CYP3A4を阻害する薬剤(リトナビル、アタザナビル、ホスアンプレナビル、ロピナビル・リトナビル、ニルマトレルビル・リトナビル、ダルナビルを含有する製剤、ケトコナゾール(外用剤を除く)、イトラコナゾール、エンシトレルビル、コビシスタットを含有する製剤)を投与中の患者[10.1参照]
  • 2.11 網膜色素変性症患者[網膜色素変性症の患者にはホスホジエステラーゼ(PDE)の遺伝的障害を持つ症例が少数認められる。]

注意 

9.特定の背景を有する患者に関する注意

9.1 合併症・既往歴等のある患者
9.1.1 陰茎の構造上欠陥(屈曲、陰茎の線維化、Peyronie病等)のある患者
性行為が困難であり痛みを伴う可能性がある。
9.1.2 持続勃起症の素因となり得る疾患(鎌状赤血球性貧血、多発性骨髄腫、白血病等)のある患者
9.1.3 PDE5阻害薬又は他の勃起不全治療薬を投与中の患者
これらの薬剤との併用使用の経験がない。
9.1.4 出血性疾患又は消化性潰瘍のある患者
ニトロプルシドナトリウム(NO供与剤)の血小板凝集抑制作用を増強することが認められている。出血性疾患又は消化性潰瘍のある患者に対する安全性は確立していない。
9.1.5 大動脈弁狭窄症、特発性肥大性大動脈弁下狭窄症等、左室流出路の閉塞のある患者
本剤の血管拡張作用による影響を受ける場合がある。心血管系の状態によって性行為が望ましくない患者には勃起不全治療薬の使用は行うべきではない。
9.2 腎機能障害患者
9.2.1 血液透析が必要な腎障害のある患者
投与しないこと。安全性が検討されていない。[2.7参照]
9.3 肝機能障害患者
9.3.1 重度の肝障害のある患者
投与しないこと。本剤の血漿中濃度が上昇するおそれがある。[2.6、16.6.2参照]
9.3.2 中等度の肝障害のある患者
低用量(5mg)から投与を開始するなど慎重に投与すること。Child-Pugh分類Bの患者で本剤の血漿中濃度が上昇することが認められている。[16.6.2参照]
9.8 高齢者
低用量(5mg)から投与を開始するなど慎重に投与すること。本剤の血漿中濃度が上昇することがある。[16.6.3参照]

8.重要な基本的注意

8.1 性行為は心臓へのリスクを伴うため、勃起不全の治療を開始する前に心血管系の状態に注意を払うこと。本剤は血管拡張作用を有するため一過性の軽度な血圧低下があらわれる場合がある。[1.2、2.3、2.5、2.8、2.9参照]
8.2 臨床薬理試験において本剤投与によるQTc延長がみられていることから、心血管系障害又は肝障害のある患者に対しては、本剤投与中に必要に応じて心電図検査を実施することが望ましい。[2.4、17.3.1参照]
8.3 4時間以上の勃起の延長又は持続勃起(6時間以上持続する痛みを伴う勃起)が外国臨床試験で少数例報告されている。持続勃起に対する処置を速やかに行わないと陰茎組織の損傷又は勃起機能を永続的に損なうことがあるので、勃起が4時間以上持続する症状がみられた場合には直ちに医師の診断を受けるよう指導すること。
8.4 臨床試験において、めまいや視覚障害が認められているので、高所作業、自動車の運転等危険を伴う機械を操作する際には注意させること。
8.5 本剤投与後に急激な視力低下又は急激な視力喪失があらわれた場合には、本剤の服用を中止し、速やかに眼科専門医の診察を受けるよう、患者に指導すること。[15.1.1参照]

14.適用上の注意

14.1 薬剤交付時の注意
14.1.1 本剤には性行為感染症を防ぐ効果はない。
14.1.2 PTP包装の薬剤はPTPシートから取り出して服用するよう指導すること。PTPシートの誤飲により、硬い鋭角部が食道粘膜へ刺入し、更には穿孔をおこして縦隔洞炎等の重篤な合併症を併発することがある。

7.用法及び用量に関連する注意

7.1 チトクロームP450 3A4を阻害する薬剤(マクロライド系抗生物質)との併用により、本剤の血漿中濃度が上昇することが認められているので、投与量は5mgを超えないこと。[10.2参照]
7.2 α遮断薬との併用により、症候性低血圧があらわれるおそれがあるので、α遮断薬による治療で患者の状態が安定していることを確認した上で、低用量(5mg)から投与を開始すること。[10.2参照]

5.効能又は効果に関連する注意

5.1 投与に際しては、勃起不全及びその基礎疾患の診断のため、既往歴の調査や諸検査を行い、客観的な診断に基づき臨床上治療が必要とされる患者に限定すること。
5.2 本剤は催淫剤又は性欲増進剤ではない。

16.薬物動態

16.1 血中濃度
16.1.1 単回投与
日本人健康成人男子18例に、バルデナフィル10mg、20mg及び40mgを空腹時単回経口投与した場合注1)、血漿中未変化体濃度は投与後0.75時間にピークに達し、以後約3.2~5.3時間の半減期で速やかに消失した。未変化体のAUC及びCmaxは、用量比にほぼ応じて増加した。
投与量AUC(μg・h/L)Cmax(μg/L)tmax(h)t1/2(h)
10mg20.94(1.72)10.05(1.86)0.75(0.50~1.00)3.19(1.08)
20mg44.14(1.39)18.35(1.29)0.75(0.50~1.00)3.98(1.46)
40mg137.73(1.72)51.71(1.86)0.75(0.50~1.00)5.33(1.20)
幾何平均値(幾何標準偏差)、n=6※中央値(範囲)
16.1.2 反復投与
健康成人男子43例に、バルデナフィルを1日1回14日間(40mg)、1日1回(20、40mg)又は隔日1回(40mg)31日間反復経口投与した場合注1)、血漿中未変化体濃度推移は、いずれの投与量、投与方法及び投与期間においても初回投与後とほぼ同様であった。また、未変化体の薬物動態パラメータにも大きな変動はみられず、反復投与による蓄積性は認められなかった(外国人データ)。
16.1.3 生物学的同等性試験
<バルデナフィル錠20mg「FCI」>
バルデナフィル錠20mg「FCI」又はレビトラ錠20mgをクロスオーバー法により、それぞれ1錠(バルデナフィルとして20mg)を健康成人男子に絶食単回経口投与(n=57)して血漿中未変化体濃度を測定し、得られた薬物動態パラメータ(AUC、Cmax)について90%信頼区間法にて統計解析を行った結果、log(0.80)~log(1.25)の範囲内であり、両剤の生物学的同等性が確認された。
判定パラメータ参考パラメータ
AUCt(ng・hr/mL)Cmax(ng/mL)Tmax(hr)T1/2(hr)
バルデナフィル錠20mg「FCI」89.870±46.71331.124±18.3620.83±0.463.66±1.00
レビトラ錠20mg88.645±43.65031.258±18.7510.94±0.603.67±0.97
(Mean±S.D.,n=57)
血漿中濃度並びにAUC、Cmax等のパラメータは、被験者の選択、体液の採取回数・時間等の試験条件によって異なる可能性がある。
16.2 吸収
16.2.1 バイオアベイラビリティ
本剤は経口投与後に初回通過効果を受け、絶対的バイオアベイラビリティは約15%であった(外国人データ)。
16.2.2 食事の影響
健康成人男子24例にバルデナフィル20mgを標準的な食事(総エネルギーに占める脂肪の割合が約30%)摂取直後に投与した場合、未変化体のAUC及びCmaxに食事摂取による影響は認められなかった(外国人データ)。
16.3 分布
16.3.1 血漿タンパク結合率
未変化体及び血漿中主代謝物であるN-脱エチル体(M1)の血漿タンパク結合率は、血漿中濃度にかかわらず、いずれも約95%であり、その結合は可逆的であった(in vitro)。
16.4 代謝
血漿中主代謝物はM1であり、未変化体とほぼ等量存在したが、その多くはN-グルクロン酸抱合体であった。尿中及び糞中ではM1が主代謝物として認められたが、糞中ではN、N’-脱エチレン体がM1についで多く存在した。これら排泄物中への未変化体の排泄率はそれぞれ投与量の1%未満とわずかであった(外国人データ)。
16.5 排泄
健康成人男子4例に[14C]バルデナフィル33mgを単回経口投与した場合注1)、投与量の約93%が投与後168時間までの糞中に排泄された(外国人データ)。
16.6 特定の背景を有する患者
16.6.1 腎障害患者
健康成人男子8例及び腎障害患者24例に、バルデナフィル20mgを空腹時単回経口投与した場合、中等度の腎障害患者(CLcr=30~50mL/min)の未変化体AUC及びCmax、重度の腎障害患者(CLcr≦30mL/min)の未変化体AUCは、健康成人男子に比べ約1.2~1.4倍とやや高い値を示したが、CLcrとAUCあるいはCmaxとの間に有意な相関は認められなかった(外国人データ)。
16.6.2 肝障害患者
健康成人男子6例及び肝障害患者12例に、バルデナフィル10mgを空腹時単回経口投与した場合、中等度の肝障害患者(Child-Pugh分類B)の未変化体AUC及びCmaxは健康成人男子と比べ、約2.3~2.6倍に増加した(外国人データ)。[9.3.1、9.3.2参照]
16.6.3 高齢者
健康な非高齢男子(18~45歳)8例及び高齢男子(66~78歳)9例に、バルデナフィル40mgを空腹時単回経口投与した場合注1)、高齢男子では未変化体のAUC及びCmaxが非高齢男子に比べて約1.3~1.5倍とやや高かった(外国人データ)。[9.8参照]
16.7 薬物相互作用
16.7.1 リトナビル
健康成人男子18例に対し、リトナビル600mg1日2回反復投与時に、バルデナフィル5mgを空腹時単回投与した場合、バルデナフィルのAUC0-24及びCmaxが単独投与時と比較して、それぞれ49倍及び13倍に増加し、t1/2が10倍に延長した(外国人データ)。[10.1参照]
16.7.2 ケトコナゾール
健康成人男子12例に対し、ケトコナゾール200mgを経口にて1日1回反復投与時(経口剤は国内未発売)にバルデナフィル5mgを空腹時単回投与した場合、バルデナフィルのAUC及びCmaxが単独投与時と比較して、それぞれ10倍及び4倍に増加した。t1/2の延長は認められなかった(外国人データ)。[10.1参照]
16.7.3 エリスロマイシン
健康成人男子12例に対し、エリスロマイシン500mg1日3回反復投与時にバルデナフィル5mgを空腹時単回投与した場合、バルデナフィルのAUC及びCmaxが単独投与時と比較して、それぞれ4倍及び3倍に増加した。t1/2の延長は認められなかった(外国人データ)。[10.2参照]
16.7.4 テラゾシン
中高年健康成人男子30例に対し、テラゾシン10mg1日1回注2)反復投与時の定常状態において、バルデナフィル10mg、20mg及びプラセボをテラゾシンと同時並びに投与6時間後に単回投与した。バルデナフィルをテラゾシンと同時に投与した場合、プラセボを投与した時に比べて、立位の収縮期血圧で最大14~23mmHg、拡張期血圧で最大9mmHg低下した。バルデナフィルをテラゾシン投与6時間後に投与した場合には、立位血圧がそれぞれ最大7~11mmHg及び4~7mmHg低下した。
テラゾシンによる治療で患者の状態が安定している前立腺肥大患者21例に対し、バルデナフィル5mg及びプラセボをテラゾシンと同時並びに投与6時間後に単回投与した。バルデナフィルをテラゾシンと同時に投与した場合、プラセボを投与した時に比べて、臥位の収縮期血圧で最大4mmHg、拡張期血圧で最大2mmHg低下し、立位の収縮期血圧で最大3mmHg、拡張期血圧で最大2mmHg低下した。バルデナフィルをテラゾシン投与6時間後に投与した場合には、臥位血圧がそれぞれ最大4mmHg及び5mmHg低下し、立位の収縮期血圧で最大4mmHg、拡張期血圧で最大3mmHg低下した(外国人データ)。[10.2参照]
16.7.5 タムスロシン
中高年健康成人男子30例に対し、タムスロシン0.4mg1日1回注3)反復投与時の定常状態において、バルデナフィル10mg、20mg及びプラセボをタムスロシン投与4時間後並びに投与10時間後に単回投与した。バルデナフィルをタムスロシン投与4時間後に投与した場合、プラセボを投与した時に比べて、立位の収縮期血圧で最大8mmHg、拡張期血圧で最大7mmHg低下した。バルデナフィルをタムスロシン投与10時間後に投与した場合には、立位血圧がそれぞれ最大4~8mmHg及び3~4mmHg低下した。
タムスロシンによる治療で患者の状態が安定している前立腺肥大患者21例に対し、バルデナフィル5mg及びプラセボをタムスロシンと同時並びに投与6時間後に単回投与した。バルデナフィルをタムスロシンと同時に投与した場合、プラセボを投与した時に比べて、臥位の収縮期血圧で最大4mmHg、拡張期血圧で最大1mmHg低下し、立位の収縮期血圧で最大6mmHg、拡張期血圧で最大2mmHg低下した。バルデナフィルをタムスロシン投与6時間後に投与した場合には、臥位血圧がそれぞれ最大5mmHg及び3mmHg低下し、立位の収縮期血圧で最大4mmHg、拡張期血圧で最大2mmHg低下した。
タムスロシンによる治療で患者の状態が安定している前立腺肥大患者23例に対し、バルデナフィル10mg、20mg及びプラセボをタムスロシンと同時に単回投与した。バルデナフィルをタムスロシンと同時に投与した場合、プラセボを投与した時に比べて、臥位の収縮期血圧で最大4~5mmHg、拡張期血圧で最大2~3mmHg低下し、立位の収縮期血圧で最大4mmHg、拡張期血圧で最大1~3mmHg低下した(外国人データ)。[10.2参照]
16.7.6 その他の薬剤
制酸剤(水酸化アルミニウムゲル・水酸化マグネシウム配合剤)、シメチジン、ラニチジン、ジゴキシン、ワルファリン、グリベンクラミド、ニフェジピン、アスピリン、アルコールとの相互作用について臨床試験により検討しているが、バルデナフィル併用による薬物動態学的相互作用は認められなかった。また、バルデナフィル投与によりニフェジピン又はアルコールの降圧作用に対する明らかな増強は認められず、さらにワルファリン及びアスピリン使用時の凝固能にも影響を及ぼさなかった(外国人データ)。
16.8 その他
16.8.1 バルデナフィル錠5mg「FCI」、バルデナフィル錠10mg「FCI]
バルデナフィル錠5mg「FCI」およびバルデナフィル錠10mg「FCI」は、「含量が異なる経口固形製剤の生物学的同等性試験ガイドライン」(平成24年2月29日薬食審査発0229第10号)に基づき、バルデナフィル錠20mg「FCI」を標準製剤としたとき、溶出挙動が同等と判断され、生物学的に同等とみなされた。
注1)本剤の承認用量は通常1日1回10mgで、忍容性が良好と判断された器質性又は混合型勃起不全患者に対しては、20mgに増量することができる。
注2)テラゾシンの承認されている1日最高用量は8mgである。
注3)タムスロシンの承認用量は1日1回0.2mgである。

併用禁忌 

薬剤名等臨床症状・措置方法機序・危険因子
硝酸剤及びNO供与剤
ニトログリセリン
亜硝酸アミル
硝酸イソソルビド
ニコランジル等
[1.1、2.2参照]
併用により降圧作用が増強し、過度に血圧を下降させることがある。NOはcGMPの産生を刺激し、一方、本剤はcGMPの分解を抑制することから、両剤の併用によりcGMPの増大を介するNOの降圧作用が増強する。
リオシグアト(アデムパス)
[2.10参照]
症候性低血圧を起こすことがある。細胞内cGMP濃度が増加し、全身血圧に相加的な影響を及ぼすおそれがある。
CYP3A4を阻害する薬剤
リトナビル(ノービア)
[2.10、16.7.1参照]
本剤のAUC0-24が49倍に増加し、Cmaxが13倍に上昇し、半減期が10倍に延長するとの報告がある。CYP3A4阻害によりクリアランスが減少する。
CYP3A4を阻害する薬剤
アタザナビル(レイアタッツ)
ホスアンプレナビル(レクシヴァ)
ロピナビル・リトナビル(カレトラ)
ニルマトレルビル・リトナビル(パキロビッド)
ダルナビルを含有する製剤(プリジスタ、プレジコビックス、シムツーザ)
[2.10参照]
本剤の血漿中濃度が上昇し、半減期が延長するおそれがある。CYP3A4阻害によりクリアランスが減少する。
CYP3A4を阻害する薬剤
ケトコナゾール
(外用剤を除く)
(経口剤は国内未発売)
イトラコナゾール(イトリゾール)
[2.10、16.7.2参照]
本剤のAUCが10倍に増加し、Cmaxが4倍に上昇するとの報告がある。CYP3A4阻害によりクリアランスが減少する。
CYP3A4を阻害する薬剤
エンシトレルビル(ゾコーバ)
[2.10参照]
本剤の血漿中濃度が上昇するおそれがある。CYP3A4阻害によりクリアランスが減少する。
CYP3A4を阻害する薬剤
コビシスタットを含有する製剤
(スタリビルド、ゲンボイヤ、プレジコビックス、シムツーザ)
[2.10参照]
本剤の血漿中濃度が上昇するおそれがある。コビシスタットのCYP3A4阻害によりクリアランスが減少する。
クラスIA抗不整脈薬
キニジン、プロカインアミド(アミサリン)、ジソピラミド(リスモダン(経口剤))、シベンゾリン(シベノール)、ピルメノール(ピメノール)
クラスIII抗不整脈薬
アミオダロン(アンカロン(経口剤))、ソタロール(ソタコール)
[2.4、17.3.1参照]
本剤の心臓伝導系への影響を検討する臨床薬理試験において本剤投与によるQTc延長がみられている。これらの薬剤はいずれもQTc延長作用がみられている。本剤を併用した場合、相加的なQTc延長がみられるおそれがある。

併用注意 

薬剤名等臨床症状・措置方法機序・危険因子
CYP3A4を阻害する薬剤
マクロライド系抗生物質(エリスロマイシン等)
[7.1、16.7.3参照]
エリスロマイシンで、本剤のAUCが4倍に増加し、Cmaxが3倍に上昇するとの報告がある。CYP3A4阻害によりクリアランスが減少する。
ビカルタミド本剤の血漿中濃度が上昇するおそれがある。CYP3A4阻害によりクリアランスが減少する。
CYP3A4を誘導する薬剤
リファンピシン等
本剤の血漿中濃度が低下するおそれがある。CYP3A4誘導によりクリアランスが増加する。
カルペリチド併用により、降圧作用が増強するおそれがある。本剤は血管拡張作用による降圧作用を有するため、併用により降圧作用が増強するおそれがある。
α遮断薬
テラゾシン、タムスロシン等
[7.2、16.7.4、16.7.5参照]
併用により、症候性低血圧があらわれるおそれがあるので、α遮断薬と併用する場合には、α遮断薬との投与間隔を考慮すること。本剤は血管拡張作用による降圧作用を有するため、併用により降圧作用が増強する。

その他の副作用 

次の副作用があらわれることがあるので、観察を十分に行い、異常が認められた場合には投与を中止するなど適切な処置を行うこと。

1%以上0.1~1%未満0.1%未満頻度不明
循環器ほてり(10.6%)、心悸亢進頻脈、高血圧失神、低血圧、顔面浮腫、心筋虚血、心筋梗塞注)起立性低血圧、狭心症
精神神経系頭痛(11.7%)、めまい不眠症、異常感覚、傾眠、眩暈、感覚鈍麻不安、緊張亢進、一過性全健忘
肝臓肝機能検査異常、γ-GTP上昇
呼吸器鼻閉副鼻腔うっ血、呼吸困難、鼻出血
筋・骨格系背部痛、筋肉痛関節痛、頸部痛
皮膚紅斑、発汗、そう痒、光線過敏性反応、発疹
消化器消化不良、嘔気腹痛、口内乾燥、下痢、胃炎、嘔吐、胃食道逆流嚥下障害、食道炎
感覚器視覚異常、結膜炎、霧視、羞明、彩視症、眼痛、耳鳴、流涙緑内障
その他CK上昇、灼熱感、無力症、胸痛、異常感、勃起増強(勃起時疼痛等)インフルエンザ症候群、射精障害、アナフィラキシー反応、持続勃起

注)因果関係は明らかではないが、本剤投与後に心筋梗塞が発症したことが報告されている。[1.2参照]

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