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効能・効果/用法・用量 

効能・効果

  • 下記疾患の気道閉塞性障害に基づく諸症状の緩解

    • ○気管支喘息
    • ○慢性閉塞性肺疾患(慢性気管支炎、肺気腫)

用法・用量

  • 成人にはサルメテロールとして1回50μgを1日2回朝および就寝前に吸入投与する。

禁忌 

【禁忌】

次の患者には投与しないこと

  • 本剤の成分に対して過敏症の既往歴のある患者

注意 

9.特定の背景を有する患者に関する注意

9.1 合併症・既往歴等のある患者
9.1.1 甲状腺機能亢進症の患者
甲状腺ホルモンの分泌促進により症状を悪化させるおそれがある。
9.1.2 高血圧の患者
α及びβ1作用により血圧を上昇させるおそれがある。
9.1.3 心疾患を有する患者
β1作用により症状を悪化させるおそれがある。
9.1.4 糖尿病の患者
グリコーゲン分解作用により症状を悪化させるおそれがある。
9.1.5 低酸素血症の患者
血清カリウム値をモニターすることが望ましい。低酸素血症は血清カリウム値の低下が心リズムに及ぼす作用を増強することがある。[11.1.1参照]
9.5 妊婦
妊婦又は妊娠している可能性のある女性には、治療上の有益性が危険性を上回ると判断される場合にのみ投与すること。動物試験でウサギに大量(1mg/kg/日以上)に経口投与したときに催奇形作用が報告されている。
9.6 授乳婦
治療上の有益性及び母乳栄養の有益性を考慮し、授乳の継続又は中止を検討すること。動物実験でラットに大量(1mg/kg)に静脈内投与したときに乳汁中への移行が報告されている。
9.7 小児等
小児等を対象とした臨床試験は実施していない。
9.8 高齢者
患者の状態を観察しながら注意して投与すること。一般に、生理機能が低下している。

8.重要な基本的注意

<効能共通>
8.1 用法及び用量どおり正しく使用しても効果が認められない場合には、本剤が適当でないと考えられるので、漫然と投与を継続せず中止すること。
8.2 過度に使用を続けた場合、不整脈、場合により心停止を起こすおそれがあるので、使用が過度にならないよう注意すること。患者に対し、本剤の過度の使用による危険性を理解させ、1日2回を超えて投与しないよう注意を与えること(本剤の気管支拡張作用は通常12時間持続するので、その間は次の投与を行わないこと)。[13.1、13.2参照]
8.3 本剤の投与期間中に発現する気管支喘息の急性の発作又は慢性閉塞性肺疾患の急性増悪に対しては、短時間作動型吸入β2刺激剤(例えば吸入用サルブタモール硫酸塩)等の他の適切な薬剤を使用するよう患者に注意を与えること。
また、その薬剤の使用量が増加したり、あるいは効果が十分でなくなってきた場合には、疾患の管理が十分でないことが考えられるので、可及的速やかに医療機関を受診し医師の治療を求めるよう患者に注意を与えること。[5.1、8.5参照]
<気管支喘息>
8.4 本剤は吸入ステロイド剤等の抗炎症剤の代替薬ではないため、患者が本剤の使用により症状改善を感じた場合であっても、医師の指示なく吸入ステロイド剤等を減量又は中止し、本剤を単独で用いることのないよう、患者に注意を与えること。[5.3参照]
8.5 本剤の投与期間中に発現する急性の発作に対して、短時間作動型吸入β2刺激剤(例えば吸入用サルブタモール硫酸塩)等の薬剤の使用量が増加したり、あるいは効果が十分でなくなってきた場合には、患者の生命が脅かされる可能性があるので、患者の症状に応じて抗炎症療法の強化(吸入ステロイド剤等の増量等)を考慮すること。[5.1、8.3参照]

14.適用上の注意

14.1 薬剤交付時の注意
14.1.1 吸入前
(1)患者には使用説明書を渡し、使用方法を指導すること。
(2)防湿のためアルミ包装されているので、使用開始直前にアルミ包装を開封するよう指導すること。
14.1.2 吸入時
本剤は口腔内への吸入投与にのみ使用すること(内服しても効果はみられない)。

5.効能又は効果に関連する注意

<気管支喘息>
5.1 本剤は気管支喘息の急性症状を軽減させる薬剤ではない。[8.3、8.5参照]
5.2 本剤の使用開始前には、患者の喘息症状を比較的安定な状態にしておくこと。喘息発作重積状態又は喘息の急激な悪化状態のときには、原則として本剤は使用しないこと。
5.3 気管支喘息治療の基本は、吸入ステロイド剤等の抗炎症剤の使用であり、吸入ステロイド剤等により症状の改善が得られない場合、あるいは患者の重症度から吸入ステロイド剤等との併用による治療が適切と判断された場合にのみ、本剤と吸入ステロイド剤等を併用して使用すること。[8.4参照]

16.薬物動態

16.1 血中濃度
健康成人にサルメテロール200μg注)を単回吸入投与した時の血漿中サルメテロール濃度の推移は下図のとおりである。投与後5分で最高血中濃度(453pg/mL)に達し、投与後4時間には定量下限(25pg/mL)付近まで減少した。
投与量Cmax(pg/mL)Tmax(h)AUC0-t(h・pg/mL)
200μg注)453±1810.08±0.01240±119
平均値±標準偏差
16.3 分布
In vitroでの血漿蛋白結合率は98%以上であった。
16.4 代謝
本剤は主として肝CYP3A4で代謝される。[10.参照]
糞中の主要代謝物は水酸化体、尿中はカルボキシル体である。
16.5 排泄
健康成人に14C-サルメテロール1mg注)を経口投与した時、投与後72時間までに投与量の57%が糞中に、23%が尿中に排泄された(外国人データ)。
注)本剤の承認用量は、成人で1回50μgを1日2回である。

併用注意 

薬剤名等臨床症状・措置方法機序・危険因子
CYP3A4阻害作用を有する薬剤
リトナビル等
サルメテロールの全身曝露量が増加し、QT延長を起こす可能性がある。
ケトコナゾール(経口剤:国内未発売)、リトナビル等の強いCYP3A4阻害作用を有する薬剤と併用する場合には、注意すること。
経口剤のケトコナゾールとサルメテロールを併用した臨床薬理試験において、サルメテロールのCmaxが1.4倍、AUCが15倍に上昇したとの報告がある。
カテコールアミン
アドレナリン
イソプレナリン塩酸塩等
[13.1、13.2参照]
不整脈、場合によっては心停止を起こすおそれがある。よって、発作時に頓用で用いる場合以外は過度に併用しないよう注意すること。アドレナリン、イソプレナリン塩酸塩等のカテコールアミン併用により、アドレナリン作動性神経刺激の増大が起きる。
そのため、不整脈を起こすことがある。
キサンチン誘導体
ステロイド剤
利尿剤
[11.1.1参照]
低カリウム血症による不整脈を起こすおそれがある。血清カリウム値のモニターを行うこと。キサンチン誘導体はアドレナリン作動性神経刺激を増大させるため、血清カリウム値の低下を増強することがある。
ステロイド剤及び利尿剤は尿細管でのカリウム排泄促進作用があるため、血清カリウム値の低下が増強することが考えられる。

重大な副作用 

次の副作用があらわれることがあるので、観察を十分に行い、異常が認められた場合には投与を中止するなど適切な処置を行うこと。
11.1.1 重篤な血清カリウム値低下(0.06%)
キサンチン誘導体、ステロイド剤及び利尿剤の併用により増強することがあるので、重症喘息患者では特に注意すること。[9.1.5、10.2参照]
11.1.2 ショック、アナフィラキシー(いずれも頻度不明)
ショック、アナフィラキシー(呼吸困難、気管支攣縮、浮腫、血管性浮腫等)があらわれることがある。
発現頻度にはロタディスク、エアゾール剤に係る臨床試験及びロタディスク、ディスカスに係る使用成績調査の結果を含む。

その他の副作用 

次の副作用があらわれることがあるので、観察を十分に行い、異常が認められた場合には投与を中止するなど適切な処置を行うこと。

0.5%~2%未満0.5%未満頻度不明
過敏症発疹、血管性浮腫、浮腫
循環器心悸亢進脈拍増加、血圧上昇、不整脈(心房細動、上室性頻脈、期外収縮を含む)
精神・神経系振戦、頭痛
消化器悪心
呼吸器咳、口腔咽頭刺激感(咽頭異和感、咽頭痛等)気管支攣縮注)
その他胸痛、筋痙攣関節痛、高血糖

発現頻度にはロタディスク、エアゾール剤に係る臨床試験及びロタディスク、ディスカスに係る使用成績調査の結果を含む。
注)短時間作動型気管支拡張剤を投与する等の適切な処置を行うこと。

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