虚血性心不全 :トップ    
監修: 代田浩之 順天堂大学大学院医学研究科循環器内科学
清野精彦 日本医科大学 循環器内科

概要

  1. 急性・慢性心不全診療ガイドライン(2017年改訂版)
の発表に伴い、現在アップデート中
 
疾患のポイント:
  1. 虚血性心不全としては、以下のように急性と慢性に識別して診療するが、ここでは慢性虚血性心不全について取り上げる。
 
虚血性心不全の分類:
  1. 急性虚血性心不全:
  1. 急性冠症候群
  1. 急性心筋梗塞に伴うポンプ失調(acute myocardial infarction[AMI]with pump failure)
  1. 二次性(動的)僧帽弁逆流(secondary:dynamic mitral regurgitation)
  1. 気絶心筋(stunned myocardium)
  1. 再灌流障害(reperfusion injury)
  1. 慢性虚血性心不全:
  1. 心室リモデリングを伴った陳旧性心筋梗塞(previous myocardial infarction with remodeling)
  1. 冬眠心筋(myocardial hibernation)
  1. いわゆる虚血性心筋症(so called ischemic cardiomyopathy):冠動脈重症多枝病変による陳旧性心筋梗塞、あるいは広範性心筋虚血から広範な心筋傷害を生じ、著明な心拡大とびまん性の収縮能低下を来す病態である。広範な心筋線維化や壊死などの不可逆的障害と、微小循環障害、冬眠心筋(myocardial hibernation )などの可逆的障害が混在する。治療抵抗性で心室性不整脈合併のリスクも高く予後不良である。
  1. 収縮能が保持された心不全(heart failure with preserved ejection fraction:HFpEF)( 心不全 拡張能障害 )(わが国の心不全レジストリー研究でも、心不全入院例の半数はHFpEFである。)
  1. 関連画像: 
  1. 急性冠症候群の病態と心筋傷害の進展:<図表>
  1. ST上昇型心筋梗塞におけるポンプ失調:<図表>
  1. 気絶心筋:<図表>
  1. 急性心筋梗塞後の心室リモデリング:…

評価・治療の進め方

※選定されている評価・治療は一例です。症状・病態に応じて適宜変更してください。

心不全が疑われる外来患者における診断検査
  1. 心不全の原因として虚血性が疑われる場合、心機能が保持された心不全(HFpEF)、陳旧性心筋梗塞、虚血性心筋症を鑑別することが治療判断に重要である。HFpEFについては胸部X線検査(心拡大の有無と程度)、心機能が障害されていないかが、陳旧性心筋梗塞では心電図(異常Q波、ST・ T変化、脚ブロック)と心エコー評価が重要である。いずれの場合も心不全、または心不全が疑われる場合には、BNPまたはNT-proBNP測定は必須である。
  1. 虚血性心筋症については、これらの検査に加えて、心筋傷害の有無と程度の評価のためにトロポニンTまたはトロポニンIの測定をすることが推奨される。心臓核医学検査、冠動脈CT、MRI検査などにより心筋viabilityの評価を加え、血行再建術の適応を判断する。
  1. 心不全が疑われる外来患者における診断検査:<図表>
○ 心不全の場合には1)~3)を行う。虚血性心不全を疑う場合には1)~4)を行い、必要に応じて5)、6)を追加する。

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薬剤監修について:
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(詳細はこちらを参照)

虚血性心不全における心筋生存能(Viability)の評価に基づく治療戦略 
急性冠症候群の病態と心筋傷害の進展
ST上昇型心筋梗塞におけるポンプ失調
気絶心筋
急性心筋梗塞後の心室リモデリング
冬眠心筋
虚血に伴う心不全の諸病態
心不全の増悪因子
著者校正/監修レビュー済
2017/08/31


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